アフリカに手を広げるウクライナ
2023年6月11日
バフティアル・ウルソフ
New Eastern Outlook
ウクライナのドミトロ・クレーバ外相は、ロシアに圧力をかけるための大陸諸国の支援を求める必死の試みと、経済的に依然臨床的死亡状態にあり、欧米スポンサーの進行中の(まだ)緊急リハビリ支援のおかげで、ようやく生きているキーウの新しい経済的可能性を求めて、アフリカ諸国歴訪を開始した。
これは、ウクライナ外務大臣の2度目のアフリカ歴訪だ。クレーバは2022年10月、この大陸の国々を初めて訪問し、セネガル、コートジボワール、ガーナ、ケニアを訪れたが、目に見える結果はなかった。今回彼はこの大陸の北から歴訪を開始し、両国間の外交関係の確立以来、ウクライナ外務大臣の最初の訪問であるモロッコを訪れた。これは決して偶然ではない。結局モロッコはウクライナに武器を供給しアフリカ大陸で最初の国なのだ。これらはモロッコ人が自由に使えるソ連兵器だった。他のアフリカ諸国は、大きな配当をもたらさず、確実に問題を増やすと正しく考えて、ウクライナの紛争への直接関与を控えている。
クレーバの旅程には、ケニア、エチオピア、ナイジェリア、タンザニアも含まれている。訪問目的は、ウォロディミル・ゼレンスキーの「平和公式」の「支持者を増やす」とともに、事業協力を確立することも含まれている。しかし、その計画を実行する際のキーウの主な問題は、国が崩壊し、深刻な政治的、財政的、経済的危機状態にある現在の状況では、ウクライナの名の下、アフリカ人に潜在的犠牲を提供させる代償として、アフリカに提供するものが実際は何もないことだ。
ウクライナによるアフリカ外交政策のベクトル構築が、アメリカとEUの提案と承認で行われているのは明らかで、それにより、少なくとも部分的にアウトソーシングして、耐え難くなりつつあるウクライナ重荷を軽減しようとしているのだ。今日、世界の地政学におけるアフリカ諸国の役割は高まっている。これは特に、国連や他の国際機関に代表される大陸に54の国があり、世界情勢において独自の発言権を持っている事実によるものだ。ウクライナは、支援を求め、アフリカの国々から可能な限りモスクワを隔離する任務を負っている。
一方、最近、専門の外交官の深刻な不足のため、ウクライナは大使募集を宣伝すると決定したという、表向きばかげたニュースがメディアに登場した。対応するページは、ウクライナ外務省のウェブサイトに作成され、誰でも外務職員に立候補できる。クレーバ外相は、そのような動きを、外交業務に「送り込む」ための「貴重な一滴」を見つける試みと呼んだ。しかし問題は体系的で根深い。ウクライナの外交要員不足は主に人為的なもので、政治的理由で多くの経験豊富な人員が外交官から解雇された2004年のオレンジ革命後生じた。誰も価値のある代替要員を募集し準備することを気にしなかった。その結果、ウクライナの外交政策はスキャンダルに満ちている。ある時で、ゼレンスキーはドイツ連邦共和国指導部に対する侮辱的発言のため駐ドイツ大使アンドリー・メルニクを召喚しなければならず、別の時には、カザフスタン外交使節団の長であるパベル・ヴルブレフスキーを解雇しなければならなかった。
バフティアル・ウルソフは政治評論家、オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/06/11/ukraine-reaches-out-to-africa/
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MOATS with George Galloway Ep 246の36分あたりからセイモア・ハーシュ発言。「カホフカ・ダム破壊について今は発言しない」がノルドストリームについて詳しく語っている。ネオコンの策謀。
KAKHOVKA DAM ATTACK UNPACKED | MOATS with George Galloway Ep 246
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