欧米の極めて複雑な中国分析の世界を理解する
2023年5月15日
ケイトリン・ジョンストン
元国防総省職員エルブリッジ・コルビーが、ナショナル・レビューのチャールズ・CW・クック・ポッドキャストでインタビューを受け、中国、台湾、アメリカをめぐる緊張について非常に高レベルの分析を行った。
コルビーは長年これら問題を研究しており、彼の解説はカジュアルなこういう学説のまれにしか読まない人々にとっては、些か高度で難解な可能性があるので、ここで平均的読者のためにコルビー発言のいくつかを説明したい。
「私の例えは、台湾は海に入っている傷ついた男で、中国はホオジロザメで、アメリカはボートに乗った男だ」とコルビーはインタビューで語った。
「問題はホオジロザメが動き始めると時間がないことだ」とコルビーは補足した。「これでお仕舞いだ。あなたがまだボートのそばにいないなら分かりますね? ホオジロザメだから」
"Taiwan is like a man with a cut in the ocean and China is like a Great White Shark and America is like a man in the boat."@ElbridgeColby joins @charlescwcooke's podcast to discuss Taiwan and the razor's edge the world sits on with the situation.
— National Review (@NRO) May 12, 2023
FULL: https://t.co/foFVyLNPir pic.twitter.com/YSZ3XHUy1A
コルビーの鋭い観察がここで皆様の頭を少し超えたとしても、それを分解すれば私たち全員この男の屹立する知性に追いつき、この問題に関する彼の理解を垣間見られると確信している。
コルビーが言っているように見えるのは、そして私がこれを誤読していると思われたら訂正願いたい。中国はホオジロザメのようなもので、我々全員が知っている通り貪欲な食欲の非常に危険な水生捕食者で、何口かで素早く人間を飲み込める。
さて、あなたが海の中にいて、水中にあなたと一緒にホオジロザメがいる状況にあると想像願いたい。さらに悪いことに、あなたは出血している。血が出ている傷だけでなく、サメは水中で血の匂いを嗅げるので問題だ! それは相当まずいはずだ?
さて皆様はこれまでのところ私の言っていることがおわかりだろうか? これは非常に高度なものなので、必要に応じて読み返して確認願いたい。
さて皆様は傷ついていて、サメといる状況にあり、サメから逃げるために乗れるボートがあると想像願いたい。できるだけ早くその船に飛び乗りたいと思われるはずだ? 私ならそうする!
つまり尊敬されるエルブリッジ・コルビーが私たちに言っていることをまとめれば、中国は水中で出血している男を狙っているホオジロザメに似ており、その男は台湾に例えられ、アメリカ合衆国は男を助けに来ているボートに匹敵するということだ。
理にかなっているだろうか? コルビーのメスのような鋭い地政学的分析を理解するのに依然苦労している場合でも皆様の理解を更に推進するのに役立つ解説図を入手したので、ご心配なく。
興味深いことに、最近西洋専門家が中国をホオジロザメに例えたのはこれが初めてではない。ドナルド・トランプ大統領の元顧問、フーバー研究所のマット・ポッティンガーは今月初め日経アジアのインタビューで同様の比較をした。
「私たちは赤ちゃんサメを見て、時間とともにそれをイルカに変えて、友好的な種類のものになれると考えた」とポッティンガーは言った。「ところが私たちがしたことは、サメに餌を与え続けることだった。サメはどんどん大きくなった。そして今我々は手ごわい、ホオジロザメに対処している。」
「サメに、あなたはサメ檻をつくる」とポッティンガーは付け加えた。「サメはそれを個人攻撃とは受け止めない。檻にぶつかる。サメはそれらの障壁を尊重する。」
繰り返しになるが、これは初心者の素人にとっては非常に複雑だが、ポッティンガーが言っているように見えるのは、中国は、人に友好的で、水族館テーマパークで芸をするよう簡単に訓練できることで知られている海洋哺乳類イルカとは全く似ても似つかないことだ。むしろポッティンガーの理解では、中国はこのエッセイ前半の議論でわかる通り、実際はかなり危険であることが知られているホオジロザメに匹敵するのだ。
ポッティンガーの明快な理解を理解するのにまだ苦労されている場合、物事を少し明確にするのに役立つ別の図を下記に示す。
もっと単純化する必要がある場合、別の言い方をすればCHINA BADかもしれない。サメは悪い。サメのような中国。中国はとても、とても悪い。悪い中国。悪い。
繰り返しになるが、マット・ポッティンガーやエルブリッジ・コルビーのような知的巨人の高レベル分析を理解できなくても自分に厳しくしないで頂きたい。もし私たちがこれらのことを彼らと同様に理解できれば、ワシントンのシンクタンクで大金を稼ぐのは私たちで、彼らではないはずなのだ!
さて今日は、皆様の灰白質にとって十分な量の仕事だと思う。休息をとり、ぐっすり眠って明日も新鮮に戻ってきて頂いて、欧米専門家がウラジーミル・プーチンとアドルフ・ヒトラー間で描いてきた驚異的な比較について話し合いたい。
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The Jimmy Dore Show 驚くほどまともなことを言っていた彼。
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