« 念のためのお知らせ:かつてメディアは、今アメリカが唾を吐きかけている「一つの中国政策」に違反したかどで、トランプをバッシングしていた | トップページ | 我々に信じるよう帝国が要求する一つの最も愚かなこと »

2023年5月 5日 (金)

ウクライナ状況報告:疑わしい反攻-交渉なし-社会崩壊

2023年5月2日
Moon of Alabama

 4月初旬にウクライナ軍の状態に関するペンタゴンの概要説明スライドがウェブに「漏洩」されて以来、よく議論されるウクライナ反攻に関する「欧米」メディア記事はより悲観的になっている。誇大宣伝はほとんどなくなり、評価は一層現実的だ。3日前、ロンドンタイムズもその類いの記事を報じた。

 ウクライナは大規模反攻の準備ができていないが選択の余地はない(有料記事、アーカイブ版)
欧米が追いつけないほど速く弾薬を消費しているにもかかわらずキーウは春または夏の反攻に縛りつけられている。幸いなことにロシアも考えはない。

 新車と再調整済み欧米戦車230台と1,550台の装甲車両に慣れようとウクライナは懸命に動いているが、大規模攻撃作戦に必要な防空システムは依然欠如している。それで彼らはロシア空軍力の危険にさらされる。上級司令官や兵士が新しいシステムに適応できるかどうかも欧米防衛筋には不明だ。

 それでもキーウには春または夏の大規模攻撃を開始する以外、現実的選択肢はほとんどない。指導部は益々のっぴいならない状態に陥っている。アメリカ国防当局はこう言っている。「ウクライナは過去プーチン同様、我々も驚かしたが、今や活動の余地は遙かに狭くなっている. . .そしてロシアはそれを知っている。」

 ゼレンスキー大統領は優れた手腕で欧米を操ってきたが、支持を維持するにはワシントン部内者が味気なく「投資収益率」と呼んでいるものを示さなければならない。

 彼は国内政治のバランスをとる必要もある。政府の一部が今や感情を出す時だと考えているにもかかわらず、ウクライナ国防省情報総局長キリーロ・ブダノフのようなタカ派は交渉に関する意味のある話を阻止している。キーウ駐在のある西側外交官は、彼の相手が「ある夜、あり得る交渉の形式について話し合い」翌日、公の場で「ロシアとの交渉はあり得ないと叫ぶ」という「シュールな同時進行体験」を説明している。

 戦争で、キーウは最初にその常備軍の機材と要員を使い尽くした。その後元ワルシャワ条約機構加盟諸国から大量のソ連時代の装備を受け取り、その備蓄を使い尽くした。現在、軍事経験僅かな動員された民間人で構成される第三次軍用に「欧米」武器を受け取った。反攻を実行した後、結果がどうあれ、第三次軍は大半が破壊される。もはや第四次軍のための機材も要員もない。

 対照的にロシア軍はほとんど被害を受けていない。それでクリストファー・カボリ欧州連合軍最高司令官はこう語っている。

 ロシア地上部隊はウクライナで重大な損失を被った。これら挫折や装備や軍需品備蓄の減少にもかかわらず、ロシア地上部隊は依然かなりの能力と量を保持しており、損失を埋める能力を維持している。

 ロシアは依然手ごわい予測不可能な脅威で、予見可能な将来にわたりアメリカとヨーロッパの利益に挑戦するだろう。ロシア空軍、海軍、宇宙、サイバーおよび戦略部隊は今の戦争で大幅な劣化に苦しんではいない。更にロシアは将来の軍隊を大規模でより有能な軍に再建する可能性がある[..]ロシアは配備された核兵器と配備されていない核兵器の膨大な備蓄を保持している[..]
...
 ロシアは欧米を抑制するため、様々な高度な従来型、ハイブリッドおよび核能力を優先する軍事近代化計画を推進している。[...]これら兵器はNATOに対する非対称の脅威をロシアに与え、欧米の対応選択肢にとって新たな課題となっている。

 ウクライナの反攻が始まるかどうか、いつ始まるかは未解決の問題だ。天気が主な要因だ。

 今年は春の雨が平年よりずっと激しい。過去数週間ザポリージャの大雨は戦場をゼラチン・スープに変えた。

 「珍しい春だった」と旅団指揮官は言った。「こんなに雨が降ったのは初めてだ」

 もちろん弾薬問題もある。既にウクライナは十分な砲弾が欠如している。毎日受け取る以上のものを使用しており、受け取るものは「欧米」が製造できる以上のものだ。反攻は残っている弾薬を使い尽くす。それからどうなるか?

 反攻を保留する更なる理由があるかもしれない。イギリス国防省は、いくつか特定の機器について業界に提供を求めている。その中には主力戦車用地雷対策装置、70トンに耐える橋の架橋戦車、重主戦車用輸送車がある。

 約40トンのソビエト戦車は最大70トンの「欧米」戦車よりずっと軽い。新たに送付されたレオパルトや他の戦車は深刻な損傷を与えずには典型的なウクライナの地方の橋を渡れない。必要インフラと支援機器がなければ「欧米」戦車はほとんど役に立たない。そのような装備なしで、強化されたロシア防衛線に反撃を開始するのは実際不可能だ。

 しかし待つこともできない。ワシントンや他のウクライナ戦争支持者からの圧力だけでなく、蓄積した在庫や軍に対するロシア攻撃の永続的脅威もある。それらが準備地域に長くとどまるほど、それらが発見され破壊される可能性が高くなる。

 過去二週間で、ロシアはヘルソンパブログラード地域のウクライナ防空システムの大部分を破壊した。これらシステムに代わるものはない。

 それでもイギリス国防省は戦争は更に数年間続くと考えているように見える。ウクライナは下記も欲しいと考えている。

 射程100-300kmのミサイルかロケット。陸、海または空で発射。爆発物重量 20-490kg

 申し込み締め切りは5月4日だ。たまたまミサイルがいくつかが周囲に転がっている場合、または生産できる場合、申し込み期限は更に二日延びる。しかし現実的には、そのようなミサイルの最短送付時期は、2024年/2025年になる可能性が高い。それまでウクライナは存在しているだろうか。

 イヴ・スミスは反攻が終わった後の停戦可能性について論じている。相当な譲歩なしには、ロシアは同意する可能性は低いと彼女は見ている。

 和平交渉が、どこに行き着くか私は分からない。タカ派が依然権力の座におり、交渉に反対するか、前提条件を設定するだろう。以前ロシアが前提条件を拒否したことを想起願いたい。たとえ彼らが今条件を受け入れたとしても、即時停戦のような欧米の当初要求は拒否されるか、「制裁を一時停止した場合のみ」などのロシア対案によって即座に無効にされる可能性が非常に高い。それは舞台裏での交渉がないという意味ではないが、それが成功すると期待せぬよう願いたい。
...
 それにもかかわらず、欧米が実際ロシアと交渉を求めていると仮定しよう。要求が明らかに容認できない形でない限り、ロシアはそれを受け入れなければならない。

 しかしロシアが大いに有利で、ウクライナを征服するまで停戦する正当な理由がないのを欧米指導者連中が本当に理解するまで、これがどのように、どうなるかわからない。

 そしてロシアが交渉を実質的に阻止するためにしなければならないのは、2007年のミュンヘン安全保障会議以来、様々な形でプーチンがしてきた要求、つまり安全保障を持ち出すだけで済むのたた。

 誰がそれらを与えるだろう? ミンスク合意に関する二枚舌をフランスとドイツが進んで認めたことは、おそらくトルコを除きNATO諸国が信頼できないことを意味する(そして、もしエルドアンが生き残っても、ロシアに近すぎて受け入れられないと見なされる可能性が高い)。アメリカは明らかに信頼できない。中国は受け入れられず、その役に相応しくない(中国は現地勢力ではなく、戦場に存在していない)。

 従って稀にしか発生しないが発生すると影響が極めて大きな出来事がいくつか起きない限り(タレブは平均値から離れた分布の両端がとても大きいと警告している)、ロシアがキーウに条件を課すことができるまで、ロシアは戦争を継続する方向に進んでいるように見える。

 一方、ウクライナの社会経済状況は悪化しつつある

 質屋の場面がウクライナで増大する貧困の危機を示しており、席の予約が困難なことが多い繁盛するキーウのレストランやバーのうわべの喧騒や現実とは対照的に、多くの人が不安定な生活を送っている。

 世界銀行の最近の報告によると、2022年にウクライナでは貧困が5.5%から24.2%に増加し、さらに7.1万人が貧困に陥り、目につきずらい農村で影響は最悪だ。失業率は非公式に36%で、2022年末、インフレが26.6%に達する中、同機関の東欧地域部長アラップ・バネルジは、貧困が急増しかねないと警告している。

 トレジャー質店の窓の向こうで、ステパノフは仕事をしている人でさえ経験する困難について説明する。「全ての価格が上がっている。食べ物は最も高価で、それから車の燃料だ。いくつかのものは40-50%上昇した。戦前、妻はスーパーに買い物に行き200グリブナ支払ったが、今では同じ店で400-500ドルかかる。」

 「欧米」がウクライナに与えた何十億ドルとユーロもキーウの高級レストランやバーを訪れる連中がかすめ取る。賄賂を受け取っていない人々は空腹に慣れる必要がある。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/05/ukraine-sitrep-offensive-in-doubt-no-talks-social-breakdown.html#more

----------

 ゼレンスキー外国訪問中にプーチン暗殺未遂。
 アメリカは関与を否定。ゼレンスキー政権諜報機関の人間はロシア内深く攻撃できると語っていた。

 The Jimmy Dore Show

 Zelensky Tried To Drone Attack Putin?!? 13:27

 George Gallowayの番組に出演したLori Spencerのロバート・ケネディJrに関する話は実に興味深い。(彼女の発言は1:38付近)

ROYAL FLUSH - MOATS Episode 235 with George Galloway 2:09:30

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

「ウクライナがプーチン大統領を狙いクレムリンにドローン攻撃”ロシア大統領府が発表 ゼレンスキー大統領は関与否定 米国務長官「確認できない」TBS。メドベージェフ元大統領はテロ攻撃の後、ゼレンスキーと彼の犯罪チームを物理的に排除する以外選択肢はないと強調。

 日刊IWJガイド

「IWJ号外を出しました! ウクライナが露大統領府をドローン攻撃!? ロシア側はウクライナを非難、報復を示唆するが、ウクライナは否定!!」

はじめに~<【IWJ号外】を出しました>ウクライナが、ロシア大統領府内のプーチン大統領を狙ってドローン攻撃!? ロシア側はウクライナを非難、報復を示唆するが、ウクライナは否定し、「ロシアによる偽旗作戦」と強弁! 米国は判断を保留! なかなか始まらないウクライナ軍による春の大攻勢、しかしロシア領土内で鉄道事故、テロ攻撃が相次ぐ! もはや米国は「戦争を管理」できていないのでは!? あるいは「ここからはウクライナの自己責任」と、責任転嫁か!? ウクライナ紛争は、第3次世界大戦への非常に大きな分岐点に至った!

5月2日はウクライナ紛争の起源の一つ「オデッサの悲劇」9周年! 2014年にウクライナのネオナチが起こした「国内テロ戦略」が、ついに今、ウクライナ国家の「テロ戦略」として国境を超えクレムリンまで拡大!『ワールド・ソーシャリスト・ウェブサイト』は、「東ヨーロッパから太平洋に転移する恐れがある」と懸念!

« 念のためのお知らせ:かつてメディアは、今アメリカが唾を吐きかけている「一つの中国政策」に違反したかどで、トランプをバッシングしていた | トップページ | 我々に信じるよう帝国が要求する一つの最も愚かなこと »

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

Moon of Alabama」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 念のためのお知らせ:かつてメディアは、今アメリカが唾を吐きかけている「一つの中国政策」に違反したかどで、トランプをバッシングしていた | トップページ | 我々に信じるよう帝国が要求する一つの最も愚かなこと »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ