ロシアが「欧米」の視界を曇らせ続けているという偽りの主張
2023年5月12日
Moon of Alabama
親ウクライナのSpectatorは、ロシアに対する制裁が失敗したと正しく述べている。だが、その推論は疑わしい。
世界における自らの影響力について肥大した感覚で、欧米は制裁戦争に乗り出した。我々が気がついている通り、非欧米諸国は、ロシアやロシアのオリガルヒに制裁を課す意思が欠けている。誤算の結果は、全員見ることが可能だ。昨年4月、ロシア経済は2022年に8.5%縮小し、今年更に3.2%縮小するとIMFは予測した。結局、GDPは昨年わずか1.0%の減少で、今年IMFは0.7%のわずかな上昇を予測している。そして、それは全てウクライナでの戦争が昨年2月に多くの人が想像したより遙かにひどく進んでいるにもかかわらずだ。ロシア経済は破壊されていない。それは単に再構成され、西ではなく東と南を向くよう方向を変えただけだ。
そう「欧米」は「世界における自身の影響力の肥大した感覚」を持っていた。しかし、それは問題の一部にすぎない。「欧米」は少なくとも他のいくつかの国が追いつき、部分的には科学技術使用においてより優れているにもかかわらず、他の国々より優れていると依然考えている。
しかも「欧米」はロシアは自分たちより劣っていると考えた。2015年に、故ジョン・マケイン上院議員は、ロシアを「国の姿を装ったガソリン・スタンド」と呼んだ。
「ロシアは国の姿を装ったガソリン・スタンドだ」とマケインは言った。「泥棒政治。腐敗。経済を石油とガスだけに依存している国だから、経済制裁は重要だ。」
1990年代初期、ロシアは確かに崩壊していた。しかし潰れてはいなかった。重工業とそれを養うのに必要な全てを持っていた。十分な教育を受けた人々と大規模な科学者の共同体があった。ロシア崩壊から25年後、マケインが話した時、ロシアはあらかた一流国家に復活していた。
鉄鋼、セメント、エネルギー、食料の一人当たりの生産量は、大半の「欧米」諸国より高い。これらは工業国とその能力を判断するのに必要な基本的数字で、価値の怪しい「サービス」を含む国内総生産のような疑わしい数字ではない。(たとえば非常に高いアメリカGDPにおける医療費の割合は16.8%で、一般人にとっての結果は、この支出がより少ないヨーロッパ諸国より劣っている。
対ロシア経済制裁が失敗したことがSpectatorにさえ明らかになったので「欧米」が自分自身とロシアの経済能力についてより現実的な見方をするようになると期待しても良さそうだ。残念ながら、まだそうではない。
2023年3月にマケインの誤った主張を基本的に繰り返したフロリダ州知事ロン・デサンティスを見ていただきたい。
...デサンティスはプーチンについて言った。「だから彼は基本的に核兵器が多数あるガソリンスタンドで、我々がもっとうまくやれることの一つは、アメリカ・エネルギー資源をもっと活用することだ。」
そのような虚偽主張が依然信じられている限り「欧米」はロシアの能力を過小評価し続けるだろう。現実的評価とロシアの能力に対するより多くの敬意だけが、ロシアに対し代理戦争を行い、敗北するような間違いを正せるのだ。
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トルコ大統領選、決選投票へ。朗報。エルドアンが当選する確率が高い。
ウクライナのテルノーピリにある弾薬庫がロシアによる攻撃で破壊された。イギリスが送った劣化ウラン弾も破壊され、粉塵になって放射能も高くなっているようだ。消防士ではなく、ロボットが消火作業をしているところが、いかにも。
Ukrainian robot extinguishes a fire at British depleted uranium stockpile in Ternopil 2:38
フメリニツキーでもイラン製無人機によるロシアの攻撃で弾薬庫が爆発したようだ。
Alex Christoforou 冒頭の話題は、世界の方向に決定的影響をもたらすトルコ大統領選挙。フメリニツキーではガンマ線が急増していると。「劣化ウラン弾が健康被害をもたらすとは承知していない」と言った属国お雇い軍事評論家を現実が嘲笑?
Erdogan 49.51%. Khmelnitsky gamma ray spike. Sunak hugs Elensky. Serbia protests. Meloni 360. 41:07
スコット・リッター氏著書ロシア語版翻訳刊行記念ロシア講演 最新はカザン。残念ながら英語もロシア語も字幕なし。彼の映画 Waging Peace制作のための募金欄がある。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
転載・日刊ゲンダイ:孫崎享「再び安倍元首相銃殺事件を考える」読売<安倍氏搬送先で医師記者会見=司法解剖実施前で正確な状況未確認段階>奈良県立医大名誉をかけ治療。最初に確認するのは当然銃弾の入り口。100人程度記者前で言及。「正確な状況が未確認」??
『検閲産業複合体』という名称でこそ呼んだことはないが、小生のブログさえ強烈に検閲されている現状、必ずしも被害妄想ではないことを証明するような事実が米議会証言で暴露されたと日刊IWJガイド。
「SNSおよびネット上で市民やジャーナリストを監視する検閲産業複合体の存在を、2人のジャーナリストが暴露! ケネディ・Jr.氏も言及!」
はじめに~米国政府が陰謀論の拡散に資金提供していた! 西側世界全体に関わる新しい情報操作体制、SNSおよびネット上で市民やジャーナリストを監視する検閲産業複合体(censorship-industrial complex)の存在を、2人のジャーナリストが米議会証言で暴露! ウクライナ報道を始めとする西側メディアの偏向報道の中心に検閲産業複合体(censorship-industrial complex)があった! ケネディ・ジュニア氏も、検閲産業複合体の存在に言及! 日米の主要メディア、一切報じず!!
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