世界報道自由デーにアメリカの対アサンジ偽善で問い詰められた複数のアメリカ当局者
2023年5月4日
ケイトリン・ジョンストン
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水曜日は世界報道自由デーで、バイデン政権による優れたジャーナリズム活動を実行したかどによるジュリアン・アサンジ迫害の明白な偽善をアントニー・ブリンケン国務長官やカリーヌ・ジャン・ピエール・ホワイトハウス報道官や国務省副報道官ヴェダント・パテルが問い詰められた。
水曜朝ワシントン・ポストのデビッド・イグナティウスが主催した世界報道の自由の催しに出演した際、ブリンケンは演壇から引きずり下ろされる前に、アサンジへに対する公正を要求するコードピンク活動家メデア・ベンジャミンとティゲ・バリーに問い詰められた。
「ジュリアン・アサンジを解放せよ」と書いた紙を掲げ「申し訳ないがジュリアン・アサンジ解放を呼びかけずにこの日を過ごすことはできない」とベンジャミンは言った。
即座に多くの警備員が二人に駆けつけ演壇の音声は一時カットされた。
「ジュリアン・アサンジ身柄引き渡し要求を止めろ」とベンジャミンが言っているのが聞こえる。
「二時間も、パレスチナでイスラエル占領軍に殺害されたジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレについて一言も言わず、ジュリアン・アサンジについても一言も言わない」とバリーは言った。
反対派が黙らされた後「表現の自由を祝うために我々はここにおり、我々はそれを体験した」と皮肉の痕跡なしにイグナティウスは言った。それから彼はアメリカ人ジャーナリストのエヴァン・ゲルシュコビッチを投獄したロシア政府がどれほど悪く、ひどいかという話題に戻った。
その後水曜午後のホワイトハウス記者会見で、カリーヌ・ジャン・ピエールはCBSニュースのスティーブン・ポートノイに質問されたが、非常に不都合なものだったので、この報道官はそれには答えないときっぱり言った。
「今Twitter支持者たちは、エヴァン・ゲルシュコビッチがスパイ容疑でロシアで拘束されているが、スパイ活動法の容疑でジュリアン・アサンジをアメリカが拘留する手口について話すことで、アメリカがどれほど偽善か実に多くを物語っています。この批判に応えられますか?」とポートノイは尋ねた。
「批判は何でしょう?」とジャン・ピエールは尋ねた。
「批判は、主張はジュリアン・アサンジは政府文書公開に関与したジャーナリストだということです」とポートノイは答えた。「アメリカは彼をスパイ活動法に基づく犯罪で告訴しており、従って記者が仕事としてスパイ活動に従事しているかどうかという問題に関しアメリカは道徳的に優位な立場を失っています。あなたはそれに答えられますか?」
「私はここでジュリアン・アサンジとその事件について話すつもりはありません」とジャン・ピエールは言った。
そして彼女は話さなかった。彼女は説明なしにポートノイ質問を却下し、報道の自由を支持するとバイデンが言ったことに関してしばらくペチャクチャ言った後、再び「ジュリアン・アサンジに関する発言に立ち入るつもりはない」と言った。
この種の「私はそれには答えない、馬鹿野郎」はぐらかしはホワイトハウス報道官には希な動きだ。通常彼らは記者が尋ねた非常に関連性が高く簡単に答えられる質問に対し、単刀直入に、答えを拒否すると言うことはない。通常、質問が不都合すぎる場合、彼らは文法的には正しいが意味不明な支離滅裂な答えをするか、答えは別の部門の管轄だと言うか、より多く情報が得られたらこの話題に戻るつもりだと言う。そういう理由を示すふりさえせずに質問をはねつけるのは普通ではない。
だが実際彼女に、どんな選択肢があっただろう? ウォール・ストリート・ジャーナルのホワイトハウス記者サブリナ・シディキが最近MSNBCで認めた通り、ホワイトハウス報道官の仕事は真実を語ることではなく「告知にとどめ、言説を管理すること」だ。アサンジ事件について、ホワイトハウス説明と一致するものは皆無だ。つい先日ホワイトハウス記者夕食会で「ジャーナリズムは犯罪ではない」とバイデンは言ったが、彼のアサンジ迫害はジャーナリズム活動を犯罪化すべく意図的に計画されている。
アメリカ政府自身の説明やスパイ活動法下で世界中のジャーナリストの引き渡しや迫害を当たり前のことにする取り組みの折り合いをつける方法は皆無だ。ホワイトハウスを良く見せるのが仕事だとすれば、アサンジ事件におけるアメリカの偽善に関する質問に答える唯一の方法は、全く答えないことだ。
記者会見後半でジャン・ピエールは中国の報道の自由に関する別の記者の質問に答え、バイデン政権は「自由で独立したメディアを抑圧し続けている独裁者やそれを許す連中には責任をとらせる」と請け合った。
水曜午後、APのマット・リーが、当日の上記コード・ピンク抗議行動に言及して、ヴェダント・パテル国務省副報道官に、アサンジについて質問したが、同じような曖昧な対応をされた。
「それでは今朝彼の発言冒頭で、おそらくいささかか突然提起したように、ジュリアン・アサンジを世界報道自由デーで具体化された考え方の対象となるジャーナリストと国務省は見なしているのかどうかお聞きできますか?」とリーは質問した。
「アサンジ氏が、わが国史上最大の機密情報侵害の一つにおける彼の役割の嫌疑に関するアメリカでの重大犯罪行為で起訴されたと国務省は考えている」とパテルは答えた。「彼の行動は我々の敵の利益のためにアメリカの国家安全保障に深刻な害を及ぼす危険を冒した。それは名指しされた人々を重大かつ差し迫った危険や深刻な身体的危害と恣意的拘禁のリスクにさらした。だから我々が人々をどう分類するかの問題ではなく、彼は重大な犯罪行為で起訴されたと考えている。」
「しかしそれは実際重要で、それが私の質問だ。彼をジャーナリストだと考えているのですか、考えていないのですか」とリーは尋ねた。
「アサンジ氏に対する我々の見解は、彼はアメリカで重大な犯罪行為で起訴されているということだ」とパテルは言った。
「ええ、でも誰でも、どんなことでも起訴されかねません」とリーは言った。「エヴァン・ゲルシュコビッチはロシアで重大な刑事犯罪で起訴され、あなたは彼はジャーナリストだと言い、彼は明らかにそうだ。そして私は彼が直面している告発に関係なくあなた方国務省が彼をジャーナリストと考えているのか、それとも別の何かと考えているのか知りたいだけだ。」
「アメリカは人々を恣意的に拘留することはなく、我々の制度とロシアの制度の司法監視とチェック・アンド・バランスは少し異なる」とパテルは言い、アサンジは非常に深刻な犯罪で起訴されたというセリフを繰り返した。
「わかった。だから基本的に結論は、あなた方には答えがないということだ。彼がジャーナリストだと思うか、思わないかは言うつもりがないのだ」とリーは言った。
繰り返しになるが、もちろんアサンジは議論の余地なくジャーナリストだからパテルはリーの質問に安全な答えをする余地はなかったのだ。公共の利益となる情報を公開し報道するのは、まさにジャーナリズムだ。だからこそアサンジはジャーナリズム活動に対して非常に多くの賞を受けているのだ。アサンジはジャーナリストではないと主張しようとしても勝てるわけがない。
同じ記者会見の後半でパテルは、アサンジがアメリカの国家安全保障を傷つけたという彼の主張をAccuracy.orgのサム・フセイニに問い詰められた。
「WikiLeaksがアメリカの国家安全保障に損害を与えたとされていることにあなたは言及している」とフセイニは言った。「WikiLeaksが巻き添え殺人ビデオを公開して有名になったのを人々は覚えているかもしれない。そしてビデオが示したのは、アメリカがロイター記者つまりイラク人労働者を機銃掃射していることだった。ロイターは、これら殺害に関する情報を開示するようアメリカ政府に繰り返し要求したがアメリカ政府は繰り返し開示を拒否した。その時初めて我々は何が起きたのか、巻き添え殺人ビデオを通じて、アメリカの武装ヘリコプターがこれらロイター労働者を機銃掃射したと知ったのですか?そのようなアメリカ政府による犯罪の暴露はアメリカの国家安全保障を侵害するのですか?」
「私は解析したり詳細に立ち入ったりするつもりはない」とパテルは言った後、アサンジはアメリカの国家安全保障を損なう形の重大な犯罪で告訴されているというセリフを繰り返した。
パテル発言について「この国務省宣伝係によれば、彼が「アメリカの国家安全保障を損ねた」のでジュリアン・アサンジ投獄は正当化される。しかしアサンジはアメリカ国民ではない。この論理で、アメリカはアメリカ国家安全保障国家を怒らせる外国人ジャーナリストを誘拐して無期限拘留できる。」とジャーナリストのマックス・ブルーソメンールがツイートした。
優れたジャーナリズム活動をする世界で最も有名なジャーナリストを迫害しながら、報道の自由への愛について独善的に得意げに語るアメリカ帝国の偽善を強調するため活動家やジャーナリストが色々しているのは良いことだ。この偽善の強調で、気にくわない政府に対し人さし指を振って非難するふりをするのを除き、アメリカ帝国が実際は報道の自由を全く気にしていないことが明らかになる。
アサンジはWikiLeaksの仕事で我々の支配者に関し実に多くを暴露したが、それら暴露のどれも、連中が不都合な真実を語るジャーナリストを沈黙させるためならどんなことでもして、自身について暴露するよう強制したもことほど重要ではなかった。
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