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2023年5月29日 (月)

アジア太平洋地域にしっかり照準を合わせているNATO軍産複合体

2023年5月27日
バフティアル・ウルソフ
New Eastern Outlook

 NATOはアジア太平洋地域に向かって急いでいる

 「ウクライナ・プロジェクト」崩壊を予想して、NATO軍産複合体は、財政的要求を満たすための新たな紛争を引き起こすべくアジア太平洋地域に向かって急いでいる。

 1991年以降のNATOの歴史は耐用期間を過ぎた組織の歴史だ。NATOが40年間の存在の正当化に引用した「世界共産主義の脅威」はもはや存在しない。ワルシャワ条約機構崩壊後、軍産複合体への莫大な支出を正当化するため、NATOはその存在のわかりやすい目標必死に探していた。1990年代後半、NATOは世界中の歓迎されない国々の政策を標的にすべく、この言説を利用するため、「人権の軍事化」という最大の答えと思えるものを見つけた。自分を新スーパーヒーローと称し、NATOはワシントン・プロパガンダが言うように不正があるところならどこであれ「人々を抑圧する暴君から人権を守るため」銃と爆弾を準備し続けた。

 米軍産複合体の幹部連中はこの上なく幸せに違いない。連中が寛大に資金提供している全てのシンクタンクが、とうとうアメリカとヨーロッパの軍事産業のポケットで金を維持するウィン・ウィン解決策を見つけたのだ。

 1999年「更新された」NATOはユーゴスラビアで最初の試運転を実施した。ワシントンとブリュッセル以外の誰にとっても恐ろしく許しがたい悲劇だった。NATOに危険をもたらさない国を78日間爆撃した結果、何百人もの民間人が殺害され、インフラが破壊され、何十年にもわたりセルビア人を放射能汚染し続ける劣化ウラン兵器の遺物が残された。

 その後、NATOは北アフリカのアラブの春を支持し、リビアのカダフィ政権転覆に直接関与した。欧米が支配するマスコミは、この国を破壊し、国民を殺し、政府を打倒すれば、リビアの人権問題全てに対処できるという神話を広めていた。予想通り、NATO空爆はリビア問題を解決するのでなく悪化させた。混乱、内戦、テロ、奴隷市場、そして絶望的貧困。最近ヒラリー・クリントンやバラク・オバマや連中のお仲間がリビアについて議論するのを避けているのは当然だ。

 一連の失敗後、ワシントンが支配するNATOは、2014年に「人権を侵害する権威主義体制を変える」ためロシアを全面的に直接攻撃すると決定した。第一段階は、民主的に選出されたウクライナ政府打倒で、NATO属国のドイツ、ポーランド、フランスを通じてアメリカが対処した。その後問題を解決するふりをして、ミンスク合意を通じてNATOはロシアと戦うために8年間ウクライナの違法政府に実質的軍事援助を提供した。

 とうとう2022年に、NATO軍が国境を包囲するのを防ぐヨーロッパ安全保障協定を交渉するというロシアの要求は拒否された。

 アメリカとヨーロッパ政府が支配するマスコミによる広範なプロパガンダをよそに、リビアやアフガニスタンで行ったとほぼ同様に、キエフ政権とゲリラを使ってNATOは成功を収めてきた。何十万人もの死者、崩壊した経済、何百万人もの難民、横行する無法、汚職、そして欧米政治家や軍産複合体が得る数千億ドル。今回唯一の違いは、NATOの標的である核武装超大国ロシアが先行して、欧米の当初の意図を妨害していることだ。その結果、ロシアは引き下がるつもりはなく、この代理戦争をロシアが生き残るため不可欠と考えている。

 そして今、失敗の歴史にもかかわらず、NATOは明らかに「ウクライナ・プロジェクト」の差し迫った崩壊を予想して、おそらく、このもう一つの失敗から注意をそらす手段として、この軍産複合体を強化する新しい言い訳として、中国との戦争の本格的準備を始めると決定した。先週NATOはこの組織初のアジア事務所を日本に設置すると発表した。次はウクライナ同様に、東京またはおそらく台湾のNATO加盟の約束だろうか? 台湾や日本(あるいは韓国、タイ、フィリピン、オーストラリアのような他のアメリカ・アジア太平洋同盟諸国)は、紛争に対するNATOの絶え間ない貪欲と餓えに身を任せて、アジア太平洋地域におけるNATO最新の「ウクライナ」として喜んで奉仕するのだろうか? それとも、この地域には、欧米の悪質な慣行に対し強力に抗議する力があるのだろうか?

 政治評論家バフティアル・ウルソフによるオンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/05/27/natos-military-industrial-complex-has-its-sights-firmly-set-on-the-asia-pacific-region/

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 「北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー」という記事を書いたのを覚えている。2009年2月15日付け。

 『老いらくの恋 -農の明日へ』を見た。山下惣一の作品をもとにした芝居。主人公が育てたシャインマスカットというものを帰路デパ地下で見かけた。買おうと思って値段を見ると5800円! もちろん、あきらめた。

 Lonely PlanetのUkraine編を購入した。露骨なプロパガンダそのもの。割り切って読めば、それなり面白い。クリミアは昔からウクライナ領だが残念なことにロシアが不法占領していると。ステパン・バンデラも載っているが、オデッサの項に労働会館虐殺事件はない。楽しみが増えた。

 毎日のようにyoutubeを拝聴しているマグレガー氏、属国軍事評論家のような宗主国大本営広報部大政翼賛者と大違い。常に独自哲学を背景に分析して語る。日本や韓国政府が政見を発表する前に全てワシントンで決められていると。ネオコンを強烈に批判。

Odessa and Kharkiv fall under Russian control | Douglas Macgregor 12:26

 相撲は優勝が決まっていたので関心事だったのはトルコ大統領選挙結果。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

トルコ、インフレ、地震、厳しい選挙にもかかわらずエルドアン大統領が再選。エルドアン大統領は「西側諸国から『よくやった』という評価を受けるためだけに働いているわけではないと発言。対ウクライナ制裁には距離。米国は明らかに同氏の再選臨まず、阻止に動いてた。

 日刊IWJガイド 分かっちゃ居るけど辞められない!

「デフォルトはひとまず回避!? しかし、経済学者ジェフリー・サックス氏が、米債務危機は軍産複合体主導の戦争が原因だと指摘!」

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