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2023年5月27日 (土)

ウクライナへのF-16供与

2023年5月23日
Moon of Alabama

 数日前、ジョー・バイデン大統領は、F-16多用途戦闘機でのウクライナ人パイロット訓練を発表した

 金曜ジョー・バイデン大統領は米国はF-16を含む第四世代戦闘機でウクライナ人パイロットを訓練する取り組みに参加するとG7首脳に語ったと政府高官が金曜CNNに語った。

 これは明らかにしばらく前から計画されていた。G7サミットで発表するタイミングは、バイデンの宣伝価値を最大化するため単純に選ばれた。

 我々目にしている過程は何度も繰り返されている。親ウクライナ・ブロガー(軍事知識皆無)がこう説明している

 これは明らかにロシア・NATO間の代理戦争となり、あらゆる戦争に固有の政治的配慮を越えている。ウクライナの目標は可能な限り多くの軍事援助をNATO、特にアメリカから巻き上げることだ。アメリカ合州国の目標は、もっと複雑だ。ロシアを押し戻すに十分な援助を与えるが、ロシアとの代理戦争が本物の戦争にエスカレートするほどではなく。

 このダイナミクスは、インターネット上で、あらゆる動きをリアルタイムで見ている裕福なスポンサーから、うまいこと追加の贈り物を巻き上げるため、ウクライナが絶えずカメラに向かって演じるテレビ中継される中最後の1人が残るまで殺し合いを強制されるハンガーゲーム風シナリオになった。ウクライナ人自身がそれを使うのを見るまで、この比喩は使うまいと私は決めていた。この立場に身を置いて、それについて書くのはグロテスクで冷徹なものがある。しかし、それが実態だ。

 F-16訓練は実際は既に数週間前に始まっていると私は思っていた。今や口の軽いEUのジョセップ・ボレルも、ほぼ確認した

 火曜のウクライナ人パイロットがF-16飛行訓練を受けるのを可能にするというアメリカの承認は、必然的に戦闘機をウクライナ戦場に送る容赦ない勢いを生み出したと、この欧州連合外交政策責任者は述べた。
...
 ウクライナ人パイロット訓練は既にポーランドや他のいくつかの国で始まっているとボレルは付け加えたが、ワルシャワ当局は即座にはニュースを確認できなかった。オランダやデンマークなども、このような訓練の計画を立てている。

 第4世代戦闘機の実際の納入はまだ決定されていないが正式決定が下されると、パイロット訓練(数か月かかる過程)は戦闘準備を加速するのに役立つ。

 この過程は多くの人が想定しているより遙かに早い。

 ウクライナが入手する戦闘機は既に選択されており作戦即応整備が行われる。既に他の戦闘機である程度経験があるウクライナ人パイロットは、6から8週間以内の短い入門コースを受ける。F-16は、より新しく、武装がより高度なロシア戦闘機との戦いには負けるので空中戦を訓練する必要はない。彼らは離陸、着陸と特定の高さと発射位置まで上がり、搭載されている長距離武器を発射する基本を学ぶ必要がある。それ以外は自殺行為だ。

 大きな問題は、どこで離陸し着陸するかだ。F-16の戦闘射程は約500キロと比較的短く、空中給油機はない。戦闘機の任務に適した飛行場はそれほど多くない。

 適任と思われる人物が、この問題を説明している(編集済み):

 私の知る限り、どこから活動しているかロシアに推測し続けさせるべくウクライナ空軍はゲリラ飛行場戦術を使用しなければならなかった。これはモスクワが無人機攻撃や空爆で戦闘機/即席飛行場を標的にして停止している航空機を破壊したり「滑走路」を使用不能にしたりするのを防ぐためだ。これにソビエト製戦闘機は、この上なく適している。

 たとえばMiG-29「フルクラム」は、初期起動(vid)時に閉じる自動異物(FOD)カバーを使用している。一方翼根上部にあるルーバーはジェットエンジンに代替空気取り入れ口を提供するために開いている。離陸時、機体重量が車軸に掛かったのを検知するノーズギアのウェイトオンホイール(WoW)スイッチが地面から離れたのを検出すると、ルーバーサイクルが閉じ、プライマリインテークのFODカバーが引っ込み、FOD損傷の危険が過ぎ去った後、エンジンへの最大空気流を可能にする。この独創的設計により、フルクラムは不良な滑走路や高速道路からだけでなく草原でも動作可能だ。翼自体と地面までの距離が小さな石や破片が繊細なエンジンに吸い込まれるのを防ぐ。

 異物が航空機にとってどれほど危険で台無しにするか強調してしすぎることはない。一つの石、ボルト、ナット、または小さな道路破片は最新高性能ジェットエンジンに大きな影響を与える可能性がある。それはすぐ起きないかもしれず、損傷は離陸時に起きて、曲がったり不均衡になったりして、エンジン内部を自己破壊し始めて飛行中徐々に悪化する。整備士によるボルトや工具の不注意な配置、または飛行中や離陸時の鳥の取り込みのためMiG-29がたまたまエンジン故障したとしても、MiGには二機のエンジンがあり、別々のベイに隔離されているため、一つのエンジンが破壊されても、二番目のエンジンが異物で瞬時に故障するのを防げる。

 対照的に、F-16はこのスタイルの飛行場に絶対適していない。吸気リップ下部は地面から約30インチの位置にあり、代替吸気口はない。さらにエンジンの上(胴体がある場所)から空気を取り込めないため、空気の全ての吸引流は側面、前部および地面から来る。地上で過ごす時間全体を通して、異物防御や代替の高位置吸気口がないため、エンジン始動の位置から誘導路から滑走路まで厳格で柔軟性のない異物制御対策が必要だ。

 アメリカ空軍では、これは保守を担当するエンジン一機だけで、何百人もの保守担当者が1日に2から3回、両腕の長さの間隔で歩き、地面に目を向け、数百万ドルもする掃除機が吸い込める全ての破片を探すことを意味する。更に、ほぼ常に道路清掃車の行列が、飛行線、誘導路、滑走路をごう音をたてて行き来する。航空機、更に悪い場合パイロットを危険にさらさないよう、全てがきれいでなければならないのだ。

 協力者やロシア・スパイの注意を引かないよう、できるだけ目立たないようにしながら暗闇の中、長さ3,000メートルの直線高速道路でこの過程を完了するのに必要な準備を想像願いたい。ウクライナ空軍は、MiG-29でできるように高速道路から高速道路に飛んだり、不良な飛行場で離着陸したりできない。使われなくなったソビエト飛行場が、コンクリートの亀裂から突然全ての雑草が引き抜かれ、コンクリートにパッチが当てられ、滑走路がきれいになったと想像願いたい。それは一体どんな信号を出すだろう? 「F-16はここから運用可能だ、予定だ、または運用している」

 上記スレッドで説明されている他にいくつかの問題がある。アメリカとロシア製の飛行機の背後にある保守哲学は異なっている。ロシアは工場部品やシステムを変更するだけで、アメリカの保守担当者たちはそれを現地で修理しようとする。

 MiG-29は1時間の飛行ごとに平均約16時間保守を行う。F-16では、何と飛行1時間ごとに、18.5時間の保守時間に増加する。これは経験豊富な担当者がいる航空機ごとにだ。これらの数字は航空機の適切な飛行時間を前提としている。

 ウクライナは十分な人数の有能な保守要員も必要だ。彼らの訓練はパイロットより時間がかかる可能性がある。上記の筆者は解決策を提案している。

 私も含めヨーロッパやアメリカの多くの整備士は「国際軍団」メンバーとして、または「フライングタイガース」現代版としてウクライナ空軍に喜んでサービスを提供する。

 即座に利用可能な、ごく僅かの、しかも非常に脆弱なウクライナ飛行場に駐機するF-16の保守を頑張って頂きたい。

 地上と空中のロシア防空は彼らに近づくF-16飛行を確実に抑止可能だ。

 これら戦闘機の唯一賢明な用途は、ウクライナに与えられたイギリスのストーム・シャドウ巡航ミサイルのような長距離ミサイル発射手段として1回か2回の使用だ。この任務のため訓練するのは容易だが、目立った相違をもたらすことはまずないと私は思う。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/05/f-16s-to-ukraine.html#more

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 Alex Christoforou 冒頭アメリカ軍トップ発言 F-16で戦況が激変する訳ではない

Armenia-Azerbaijan peace talks. Germany chooses recession. F-16 not a magic weapon. Diia app. 26:23

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

プーチンがなくなれば露は核攻撃しないと思う人がいるがとんでもない。「露は2020年核兵器での先制攻撃を決定。メドベージェフ(安全保障会議副議長)は、ウクライナ危機が激化した場合、ロシアは西側諸国の意思決定センター(複数)に予防核攻撃を開始と発表(プラウダ)

 日刊IWJガイド

「ウクライナが戦略目標を変えない限り、F16の供与は、単純に戦争を長引かせるだけ!」

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