政権転覆活動家ラマン・プロタセヴィッチと彼のライアンエアー・ミンスク飛行事件落着
Moon of Alabama
2023年5月26日
二年前、アテネからリトアニア行きライアンエアー便は、ベラルーシの飛行管制がパイロットに、飛行機が爆弾を搭載し、リトアニアへの着陸中に爆発するという電子メールを受け取ったと通知した後、迂回させられた。
飛行機はミンスクに迂回した。全ての乗客は飛行機を降りてターミナルにバスで行った。彼らがパスポートコントロールを通過した際、入国管理官は乗客2人に未解決の逮捕状が出ているのを発見した。それはラマン・プロタセヴィッチと彼のロシア人ガールフレンドで同僚のソフィア・サペガだった。
「欧米」マスコミや政治家は「前例のない」事件だといきり立った。しかし、この事件は前例のないものからほど遠い。
ラマン・プロタセヴィッチがポーランドでアメリカが支援する政権転覆メディアで働く前、ファシストのウクライナ・アゾフ大隊と共に戦った欧米政府が資金提供するネオナチだったことを欧米マスコミは報じなかった。彼はベラルーシで失敗した2020年のカラー革命を指揮した人の一人だった。
ベラルーシは飛行機事件を規則どおりに処理した。その後、飛行機が通知を受けた後に、ベラルーシがテロの脅迫電子メールを受け取ったと主張された。つまり全てがでっち上げだったと。だがパイロットに通知する前と、その後と、2回脅迫電子メールを受け取ったとベラルーシは主張している。
Moon of Alabamaはこの事件をずっと追ってきた。元の事件の詳細に興味がある方は2021年6月2日記事で読める。東欧における「カラー革命」商売のより広い政治的見解は、キット・クラレンバーグによるこの記事を参照願いたい。この件に関する全てのMoA記事へのリンクは、この記事の最後に列記してある。
事件の1週間後、長いテレビインタビューの中で、プロタセヴィッチは政権転覆作戦について秘密を漏らした。彼は政権転覆屋の同僚の一人が、彼を逮捕させるため爆弾脅迫電子メールを送ったと信じるようになったと言っている。
数週間後、ラマン・プロタセヴィッチとソフィア・サペガは釈放され自宅軟禁された。裁判が続き、今年5月初旬、彼は懲役8年の刑を宣告された。
彼の公式転向に照らせば判決は非常に厳しかったと思うが、ベラルーシに対する同じ政権転覆作戦で告発された他の人々は最大20年の懲役刑を受けていた。それでも明らかに考えを変えた若者にとって、6年は長い時間だ。ロシア国民であるソフィア・サペガは、以前に6年の刑を言い渡されていた。
5月22日、プロタセヴィッチは思いがけなく赦免された。
「赦免書類に署名したばかりだ。これは確かに素晴らしいニュースだ。」とラマン・プロタセヴィッチは述べた。
BelTAは5月3日にミンスク州裁判所がラマン・プロタセヴィッチに流刑地で8年の刑を宣告したと報じていた。彼は権力を掌握すると公式に呼びかけたことやテロ行為、大統領への侮辱、ベラルーシに関する不正な情報の故意な拡散および他の犯罪で有罪となった。
プロタセヴィッチは非常に驚いた。
「このニュースは全く予想外だ。一ヶ月前そんなことが起こるのが可能だとは考えられなかった。私は全く圧倒されている。これは彼の決断だから、アレクサンドル・グリゴリエヴィッチ大統領に個人的に感謝したい。これは大胆な動きで、強い意志の人の決断だ。私を、私の誠実さを信じてくれた国や人々、人は間違いを認め、やり方を改められると考える人々に感謝したい。」
彼によると彼は前向きな話題に焦点を当てている。「私は彼らが私について書いたものを読んでいない。私はずっと前に全ての可能な情報を読むのをやめた。親欧米の反政府派のことです。彼らは私に関する記事を使い回しするから。私はそこで何が起きているか彼らが何を言うか興味がない。私は前向きな話題に焦点を当てている。私は家族に最大限の時間を捧げたい」とラマン・プロタセヴィッチは強調した。
プロタセヴィッチ恩赦について報じてワシントンポストは次のように述べている。
ロシア国籍のサペガはベラルーシの治安部隊に関する個人情報を公開する「ベラルーシのブラックブック」と呼ばれる別のテレグラム・チャンネルを運営したかどで告発された。彼女は2022年に懲役6年の刑を宣告された。先月家族の嘆願を受けて、ベラルーシ検察庁はロシア検察庁によるサペガのロシア移送要求を認めた。
サペガに関する他の新情報は見つからなかったが、彼女がまだプロタセヴィッチと一緒にいる場合、彼女は同様の寛大な措置を受け取る可能性がある。
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Moon of Alabamaに掲載された以前の事件報道:
- Lukashenko's Revenge (Served Cold) - May 24, 2021
- Roman Protasevich - Arrested In Belarus - Is A Western Government Financed Neo-Nazi - May 26, 2021(翻訳記事はここ)
- By The Book - What Really Happened With The Ryanair Flight In Belarus - May 27, 2021
- Ryanair Incident - Email Warning Received Before Plane Entered Belorussian Airspace - May 28, 2021
- How ProtonMail Lost The Public Trust It Needs To Do Business - May 29, 2021
- 'Like An Amoral Infant' - How ProtonMail Contributes To False Media Claims About Belarus - May 30, 2021
- Ryanair Bomb Threat In Belarus - 'Western' Media Narrative Disagrees With The Facts - May 31, 2021
- Timeline, Narrative Control And Consequences Of The Ryanair Incident In Belarus - June 2, 2021
- Roman Protasevich, Casualty Of The Ryanair Incident In Belarus, Is Spilling The Beans - June 4, 2021
- Putin Teaching A Journalist And Other New Bits Around Ryanair Flight 4978 - June 15, 2021
- U.S., UK Information Warfare Behind Regime Change Drive In Belarus by Kit Klarenberg - June 15, 2021
- ICAO Report - Ryanair Plane That Landed in Minsk Was NOT Forced Down - January 22, 2022
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2021年5月26日付けのMoon of Alabama記事を2021年5月28日に翻訳掲載していた。
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