ウクライナをあきらめる準備をしているバイデン
2023年4月25日
Moon of Alabama
大いに喧伝されたウクライナ「反攻」はクリミアへのロシア補給線を断ち切り「占領地」を解放する目的が失敗する運命にある。バイデン政権はついにこれを認識し、期待を下げ、自分以外の全員を先制的に非難しようとしている。
最初に説明を受けたのはポリティコだった。
バイデン・チームは、ウクライナ反攻失敗の余波を恐れている
密室で、政権はウクライナが何を達成できるか心配している。
ニューヨークタイムズが加わった。
ウクライナの春季攻勢は戦争の将来に計り知れない結果をもたらす
決定的勝利がなければウクライナに対する欧米の支持は弱まる可能性があり、キーウは紛争を終わらせるか凍結するため真剣な和平交渉に入るよう益々圧力を受ける可能性がある。
ポリティコ記事から。
公式にはジョー・バイデン大統領チームはウクライナへの揺るぎない支援を提供し「必要な限り」武器と経済援助を送ると約束している。しかしさし迫る戦闘シーズンが限られた結果しかもたらさない場合、タカ派とハト派双から彼等を攻撃する双頭の怪物に直面するのを恐れていると政権当局者は個人的に表明した。
一方の側は、政権がキーウに要求する全てのもの、つまり長距離ミサイル、戦闘機、およびより多くの防空システムを与えれば、ウクライナの前進は機能したはずだと言うだろう。もう一方の側は、ウクライナの弱みがロシアを領土から完全に追い出せないことを証明していると政権当局者が主張するのを懸念している。
キーウが勝利が間近に迫っているのを証明できない場合、ウクライナとロシア間の和平交渉をより魅力的な選択肢と見なすかもしれない、主にヨーロッパのアメリカ同盟諸国の反応さえ説明していない。
タイムズ記事はさほど劇的ではない。
ウクライナ当局は、目標は掘り下げられたロシア防衛線を突破し、ロシア軍の広範な崩壊を引き起こすことだと述べたが、攻撃がウクライナに有利となる勢いの劇的変化をもたらす可能性は低いとアメリカ当局は評価している。
ウクライナ軍は多くの課題に直面しており、膠着状態が依然最も可能性の高い結果である理由の一つだ。この冬ウクライナ東部のバフムートでの戦闘により弾薬備蓄が枯渇し、一部の経験豊富な部隊で大きな犠牲者が出た。
全体像を描いているポリティコに戻ろう。もしウクライナがペンタゴンが計画していることを実行できないと分かれば、恒久的解決策になると期待される「停戦」に追いやられるだろう。その後バイデン政権はウクライナ問題を置き去りにし次の大目標である中国に固執するだろう。
バイデンと彼のトップ補佐官はゼレンスキーは準備ができた時にのみ和平交渉を開始すべきだと公に強調している。しかしワシントンはキーウにいくつかの政治的現実も伝えている。特に共和党が下院を支配しているので、ある時点でアメリカ援助のペースはおそらく落ちる。ワシントン当局者はキーウに圧力をかけていないが、それら会話がどのように見えるか準備を始めており、ゼレンスキーにとって国内で政治的に売りこむのは厳しいことになる可能性があるのを理解している。
「ウクライナが戦場で劇的勝利を得られなければ交渉による戦闘停止の時が来たかどうかという疑問が必然的に生じる」と外交問題評議会のリチャード・ハース議長が述べた。「それは高価で、弾薬が不足しており、世界には準備すべき他の不測の事態がある。」
「ウクライナの目標を損なうことなく、これら全ての疑問を問うのは正当だ。それは単に手段の問題だ」とハースは述べた。
ウクライナも支援しているNATO諸国も戦争を延長する手段がいない。アーカイブされたポリティコ元記事は次のとおりだ。
戦闘はウクライナ人にも打撃を与えた。紛争の10か月後、ウクライナ人は驚異的な損失(死者約100,000人)を被り、兵士の多くは戦列離脱を強いられる、疲れ果てている。軍隊は歴史的な量の弾薬と武器を消費しており、欧米の驚異的生産量さえゼレンスキーの緊急要求に対応できない。
修正された新版は「死者」を「死傷者」に置き換えた。最初の版はほぼ真実に近かったが数が少なすぎ、新版は実態から遠く離れている。総死傷者は10万人の倍数だ。
それでもバイデン一団は終わりが来つつあることを知っている。
野心を過度に拡大し、軍隊を薄くしすぎる危険性について、アメリカ当局はウクライナに説明した。2021年の米軍撤退中にタリバンが国を制覇するため動いた時、バイデンが当時のアフガニスタン大統領アシュラフ・ガニに与えたのと同じ警告だ。
ゼレンスキーはアシュラフ・ガニ同様戦争で十分金を稼いでおり、静かに退去することが期待されている。しかし今のところ、彼にはそうする気はないようだ。
諦める代案は、アメリカが現地に軍隊を送り、再びエスカレートすることだ。しかしバイデンは彼の再選の戦いで勝つことを望んでおり、ウクライナでの戦争の更なるエスカレーションはそれを阻止する可能性が高い。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/04/biden-prepares-to-give-up-on-ukraine.html#more
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Alex Christoforou ラブロフ外務大臣の画期的国連演説を語り、次に本記事同様にウクライナ撤退方針を示唆するPolitico記事を解説。
Lavrov multilateralism. Politico, Biden fears failed offensive. WaPo, US blocked Moscow attack. U/1 33:37
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
韓国はアメリカを目の前に、中国は身近で監視(エコノミスト)。韓国の対中貿易は対米、対日の合計より大きい。従って対中規制では日本よりも消極的。だがユン大統領は少しづつ米国よりの姿勢を出してきている。
「ファイザーとモデルナのmRNAワクチンに、入っているはずのないDNAが混入していた!!『「すいません」で済まへんやないですか』!!」
はじめに~ファイザーとモデルナのmRNAワクチンに、入っているはずのないDNAが混入していた!!!「もう、『なんか間違って残ってました。すいません』で済まへんやないですか」!!「できるだけ安全に作らなあかんわけですよ。健康な世界中の人に打つもんやからね、元のデザインも実験方法も、安全に念には念をおさなあかんのに、わざわざ不要なはずの配列を有害性を増して作ってて、しかもそれがワクチンにそのまま混入してた」!「私、終わりの始まりと言いますかですね。もうこうなってしまった以上ですね、あらゆるロットを調べないといけないと思うんです」!
<号外を出しました>日本政府は首の皮一枚残して、「米国の奴隷」であることを拒んだのか!? 25日付英紙『フィナンシャル・タイムズ』が、日本とEUが、G7広島サミットに向けて「対露全面制裁」に突き進もうとする米国の提案を「不可能」だと拒否したとスクープ! 他方、翌26日習近平国家主席はゼレンスキー大統領との電話会談で「対話を通じてヨーロッパに永続的な平和と安全をもたらす方法を共同で模索することが望ましい」、ゼレンスキー大統領も「世界の平和と安定を共に守ることを望んでいる」と表明! ウクライナ紛争は米国抜きで停戦へ向かうのか!?
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