何としてもアメリカが世界の「リーダー」だと人々に思わせたいアメリカ当局
2023年3月23日
ケイトリン・ジョンストン
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月曜日の記者会見で習近平とウラジーミル・プーチンが中国とロシアの戦略的パートナーシップ「新時代」を固めたという質問に答えて、ホワイトハウス国家安全保障会議のジョン・カービー報道官はアメリカが世界の「リーダー」だと七項目にわたり主張した。
彼の発言抜粋は下記のとおり。
- 「両国はより緊密になった。しかし両国はどちらも世界中のアメリカ指導力を非難して苛立っている。」
- 「そして特に中国の場合、彼らは確実に世界中のアメリカの指導力に挑戦したいと考えている。」
- 「しかし、この二国々は何十年にもわたる協力の経験や完全な信頼や自信を持っていない。彼らは最近急成長して、世界中でアメリカの指導力が高まっていることに対し、それを抑制しようとしている。」
- 「ピーター、私がジェフに言った通り両国は長年苛立っているのだ。世界中のアメリカの指導力や我々が持っている同盟や提携関係ネットワークに長年不満を抱いている。」
- 「そして我々は一つずつ、これらの関係に取り組んでいる。大陸の全ての国は異なり、アメリカの指導力に対し様々なニーズと異なる期待を持っているためだ。」
- 「それが各国をまとめるアメリカの指導力だ。そしてロシアにも中国にもその力はない。」
- 「だが両国関係が緊密になっている理由の一つは彼らがしようとしていることに対する国際的支援の強力な基盤がないのを彼らが認識しているためで、これは基本的に世界中のアメリカ指導力への挑戦だ。」
John Kirby really wants everyone to know that America is in charge of the world. This is from one single press conference. pic.twitter.com/HeE9uGEwrW
— Caitlin Johnstone (@caitoz) March 21, 2023
真実的錯覚というのは、人間の脳が情報を受け取り解釈する方法が、繰り返しと、真実とを、ほとんど、または、全く区別しない傾向があるため、人は何度も聞いたことを確立した事実と間違える原因ゆえの認知の偏りだ。プロパガンダや帝国支配者は我々人間の頭脳のこの不具合を利用することがよくあるが、それが人々に信じさせたい主要な言葉を何度も繰り返しているのを見る理由だ。
最近アメリカ商工会議所が主催したオンライン会議で、駐中国アメリカ大使が、北京は中国がたまたま占領している地域の「指導者」としてアメリカを受け入れなければならないと主張した。
アメリカ帝国の支配者連中は、自分たちが当然世界の「指導者」だという主張に非常に断定的になっているのは自称「指導力」が中国やロシアのように益々開放度を増している国を支持する国々に挑戦されているためだ。最近の主要国際ニュースのほとんどは直接か間接にこの動きに関連しており、中国の台頭を阻止し、中国の同盟諸国を弱体化させ、一極世界支配を確保するのにアメリカは苦労している。
連中が発信するメッセージは「ここは我々の世界だ。我々が支配しているのだ。そうでないと主張する人は誰であれ気まぐれで異常であり、対峙しなければならない。」
US Ambassador To China: "We're The Leader" Of The Indo-Pacific
— Caitlin Johnstone (@caitoz) March 2, 2023
The way US empire managers talk about "leading" ostensibly sovereign states with ostensibly independent governments shows you they really do think they own the world.https://t.co/obSehF6xZ1
とにかく、なぜ彼らはアメリカが世界の「支配者」ではなく「指導者」だと言うのだろう? 実際両者の違いは私には分からない。アメリカは民主的投票によって世界を支配しているという印象を我々に与えたいと考えているのだろうか? これに世界の国々が同意しているのだろうか? 私はそれに投票した記憶が皆無なのは確かで、アメリカの「指導力」に従わない政権に何が起きるか我々全員見てきたのだ。
私は多極世界が素晴らしいものになると信じているわけではなく、グローバル支配を維持するため益々無謀な核の瀬戸際政策を完全に打ち破る代替案だと認識しているに過ぎない。アメリカはアメリカが支配する世界秩序は絶え間ない暴力と攻撃によってのみ維持できるのを明確にするのに十分な期間支配しており、その暴力と攻撃は、益々主要核保有国に向けられている。事実は明白、一件落着だ。アメリカの一極覇権は持続不可能だ。
問題はアメリカ帝国自体がこれを理解していないことだ。我々が核時代の世界大戦に向かって進んでいる、この恐ろしい路線は、多極世界秩序の台頭に対し、どんな代償を払っても一極支配を維持しなければならないという帝国教義の結果だ。
こんな状況である必要などない。アメリカが世界を支配し続ける必要があり、昔のように様々な地域の様々な人々が自分の問題を解決できない正当な理由などない。各国政府が全人類の利益のため平和的に協力するのではなくハルマゲドン兵器を互いに振り回す必要がある正当な理由などない。我々は「世界に対するアメリカの指導力」を維持するため災厄に追いやられているが、私はこんなことに同意しない一人だ。
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