« ウクライナ状況報告:漏洩した要旨説明、道路確保、分割訓練 | トップページ | ダライ・ラマは気味の悪いろくでなし »

2023年4月14日 (金)

東欧の視点

多くの人々がロシアの敗北を見たいと思っている
フィリップ・ジラルディ
2023年4月11日
The Unz Review

1970年代に私はバージニア州ウィリアムズバーグ近くのキャンプ・ピアリーにあるCIA中央情報局の主要訓練施設で、新しい作戦要員のための実践スパイ技術コースに参加していた。ピアリーは昔も今も「農場」と呼ばれているが最も基本的な意味でのみ畜産に従事していた。教官の一人はラドヤード・キップリングの詩の一部を教官室のドアに飾っていた。それにはこうあった。

鋤の下のヒキガエルは知っている

それぞれの刃先が落ちる正確な場所を

路上の蝶

ヒキガエルに満足を知れと説く

 一部の学生は自分たちを「ヒキガエル」と呼び始め、当局の期待に添うべく教官からの最悪事態を予想していたが、この教官は、海外に行く資格を得たいなら黙って一緒に付き合うよう言う蝶だと特定した。誰もがそれは自分の役割や地位の認識の問題で、学生は罰で辞任するか、更に酷い場合、ヒキガエルのように更に酷い目にあうと知っており、視点と期待が全く異なる教官は全て順調に進んでいると犠牲者たちに快く請け合った。

 国家安全保障問題には関与するヒキガエルや蝶が常にいるのは当然だが、何が重要か重大かについての認識は個人の生活や文化的経験によって異なる。別の言い方をすれば基本的見解はあらかじめ決められておらず塀のどちら側に立っているかに大きく依存する。

 ところで私は最近東ヨーロッパ7か国に立ち寄った3週間旅行から戻ってきた。旅の準備として私は様々な国の多数の現地ジャーナリストや政治家や学者との出会いを手配した。私が選んだ人々は一般的に、それぞれの国のより保守的な政党で活動している私自身の傾向を考えて私自身心地よくいられる範囲の人々を私が選んだ。私が本当に知りたかったのはウクライナでの戦争が国家エリートと一般市民両方に実際どう認識されているかということだった。

 私は自分の見解と同期する反応、つまり、戦争は回避可能だったが、ロシアと指導者ウラジーミル・プーチンを弱体化させるためイギリスとアメリカ両方から要求されたという反応を期待していた。紛争のあらゆるレベルに関与する全当事者が停戦と、戦闘を終わらせるための交渉を要求すべきことを。そしてこの瞬間も軍事力の使用を非難しながらも、ロシアには対処しなければならない正当な国家安全保障上の懸念があることを。

 私の対話者の反応にはいくつか差違があったが、ウクライナでの戦争は、人気がないにせよ、泥棒政治ではなくとも必要に応じ軍事力を使用して旧ソビエト連邦を再現したいプーチンの願望、独裁的だと繰り返し説明されたものを制限するため必要な措置だと考えられているとすぐに知った。私は二つのレベルで、この主張に精力的に反論した。第一に、ウクライナとの戦いが示したように、ロシアにはそのような狙いを楽しむための資源がないこと、第二に、ソビエト連邦の「悲惨な」崩壊に関連するプーチンのしばしば引用される発言はボリス・エリツィン下でその後起きたロシア資源の壊滅的略奪に明確に言及しているのだ。プーチンはワルシャワ条約機構を再現する憧れには言及していない。

 確かに、紛れもなく紛争の最前線にいて、通常関与を警戒すべき人々の反ロシア感情は私を驚かせた。ロシアと深い歴史的、文化的、宗教的つながりを持つセルビアでだけ、ウクライナ紛争に対する彼の同胞の見解は「五分五分」で、国の半分と指導者の何人かさえウクライナ防衛を支持していると主要ジャーナリストが私に言った。他の東ヨーロッパ諸国では視点は遙かに決定的に親ウクライナだった。あるチェコ共和国の学者はポーランドとスロベニア大統領が加わりウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領への個人的支持を誓約し始めキーウフを訪問したため彼の国の指導者を「英雄」と表現した。

 いくつかの出会いでウクライナへの傾倒の一層もっともらしい理由を聞かされた。彼らは、モスクワの中央集権的支配への復帰と、第二次世界大戦の結果、クレムリンが設立した共産主義政権下で採用された形の国政採用につながる可能性のある、この地域でのロシア支配復帰を阻止したかったのだ。彼らはロシアが東ヨーロッパやバルカン半島で支配的役割を果たせなくなるよう何であれロシアを弱体化させたいと考えているのだ。

 更に言えば、彼らは僅か30年以上前のソビエト連邦の崩壊以来経験している繁栄を手放したいのだ。東ヨーロッパのほとんどの国は現在高価なレストランや瀟洒なホテル、繁華街地域でイタリアやフランス・ブランド店舗が並んで目に見えて繁栄している。巨大なスターリン様式アパートが多くの都市部を汚しているのを見ながら、1990年代の問題にさかのぼる廃墟となった建物や正面の銃弾痕の証拠を農村部で見ても、印象は間違いなく高級だった。私は旅の途中あちこちでメルセデスやBMW、そして遙かに高級なマセラティスやランボルギーニ、更に何台かのベントレーやロールスロイスを含む他の場所で見たことのないほど高価な自動車を見た。住民が300万人未満のルーマニアの首都ブカレストでは150万台の自動車が登録されている。東欧中の通りや道路はジョー・バイデンのアメリカの多くの地域より良く維持されているのに私は気がついた。

 現在東ヨーロッパに暮らす多くの人々はソビエト共産主義の代理人が軍事介入(ハンガリー、チェコスロバキア)に支えられて支配した時代にさかのぼる経済的、社会的失敗の直接的な、ほとんど好ましくない記憶を持っているのに留意願いたい。そして若い世代は自由市場と比較的自由な選挙しか知らず両親が説明するような古い姿に戻りたいという傾向はさらに減る。これら全てがおそらく不可逆的なロシアに対する懸念につながるのだ。

 だから私には「ヨーロッパに出没する亡霊」共産主義のようなものへの復帰への恐れが優勢で、態度や視点を形作っているように見えたが、歴史的に言えば好む好まざるにかかわらず、共産主義はロシアを意味する。私は確かに特に現在、ロシアは選挙の自由やその他の基本的自由の点で少なくとも東ヨーロッパにほとんどに匹敵するので、破棄された社会経済的概念と関連する罪悪感の基準によって今のロシアを判断するのには反対だ。あるスロバキア知識人が仲間同胞の宗教を「彼ら全員異教徒だ」と私に説明したにせよ、この地域のほとんどの国で多数派の信仰である正教という共通の絆もあるのだ。

 したがってネオコンが主導する敵対的軍事同盟が世界最大の核保有国と対峙する取り決めより、ある種友好的な多国間関係が好ましいと示唆するのは合理的だ。しかし、とはいえ私の旅行は東ヨーロッパ人が歴史的現実に基づいてロシアが一体何なのかについて正当な懸念を持っている現実に目を開かせた。それは紛れもなく、NATO/西側の介入支持が増加している要因で、その文脈で、ポーランド、チェコ、スロバキア政府が、自国の兵器庫から引き出した武器をウクライナに提供する先導者だったことに注意する必要がある。ある時点で、誰もが正気を取り戻し、何万人ものウクライナ人やロシア人を殺すのは避けられない交渉による紛争解決を遅らせるだけの無意味な行為だったことに気が付くよう期待する必要がある。

 Ph.D.のフィリップ・M・ジラルディは、中東での、より権益にかなうアメリカ外交政策を検討する501(c)3の課税控除対象教育財団Council for the National Interest(連邦ID番号#52-1739023)事務局長。ウェブサイトはhttps://councilforthenationalinterest.orgで、アドレスはP.O. Box 2157, Purcellville VA 20134、電子メールはinform@cnionline.org

記事原文のurl:https://www.unz.com/pgiraldi/perspectives-from-eastern-europe/

----------

 The Jimmy Dore Show マクロンのもっともな発言。女性ドイツ議員はもっとまとも。

BOMBSHELL! French President Says France Is Done “Following” The United States

Since the end of World War II the United States has had a near stranglehold on Western European policymakers — compelling countries like the U.K., Germany and France to go along with American imperialist efforts in Africa, the Middle East and Asia. Now those virtual vassal states may be reconsidering their adherence to U.S. foreign policy as the U.S. empire begins to disintegrate while China merely gains in stature and influece on the global stage.

Jimmy and Americans’ Comedian Kurt Metzger talk to British politician and talk show host George Galloway about what will likely happen as the U.S. traditional European allies seek a better deal elsewhere.

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ウクライナにブラジルですら和平の動き。ロシアとウクライナの間の和平交渉を仲介するために、中国、インド、インドネシアを含む国のグループの創設を提案。更に元外相をモスクワに送り打診。日本って平和国家じゃないのか。間接的に戦争ヤレヤレ側についてる。

 日刊IWJガイド

「日本の新聞・テレビが今も取り上げないタブー! 元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏がFCCJ会見でジャニー喜多川氏の性的虐待を告発!」

はじめに~日本の新聞・テレビが今も取り上げないタブー! ジャニー喜多川氏による性的虐待を元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏がFCCJ会見で告発!『NHK』ディレクターの「もし大手メディアが報じていれば、ジャニーズ事務所に入らなかったか?」との質問に「大問題になっていれば、親も行かせなかったし、なかった」と回答!

【IWJ号外】を発行しました! シーモア・ハーシュ氏の新記事を仮訳! 米国と同盟国からのウクライナへの支援のうち、ゼレンスキー政権による横領は4億ドル以上! ゼレンスキー大統領を無条件で支援するバイデン政権と米情報機関の信頼関係は崩壊、さらに、米国内でもほとんど知られていない事実として、ウクライナの国境近くに米軍2個旅団(約2万人)がすでに集結!! NATOと手を組んで、ロシア軍と対峙するのか、米国政府と米軍の意図は不明!!

« ウクライナ状況報告:漏洩した要旨説明、道路確保、分割訓練 | トップページ | ダライ・ラマは気味の悪いろくでなし »

東ヨーロッパ・バルト諸国」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

Unz Review」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ウクライナ状況報告:漏洩した要旨説明、道路確保、分割訓練 | トップページ | ダライ・ラマは気味の悪いろくでなし »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ