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2023年4月16日 (日)

今、帝国で:警官ボット、主流メディアの従順さ、そしてマコールの恥ずかしい台湾擁護

2023年4月12日
ケイトリン・ジョンストン

この記事の英語朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 帝国での暮らしで起きる興味深いことが多すぎて、今日の記事一本では対応しきれないので、一本に三件まとめたい。

 台湾をめぐる戦争はマイクロチップの支配、えー、つまり民主主義と自由の支配だ とマコールは言う。

 日曜日のMSNBCインタビューで共和党議員マイケル・マコールは非常に興味深いことを認めたが、彼が言っている意味を司会者指摘した後、急いで撤回せざるを得なかった。

 猛烈な対中国タカ派マコールに、なぜアメリカ人は台湾を巡って戦争をするのをいとわないのか「基本的な説明をする」ようMSNBCのチャック・トッドが言うと、マコールはマイクロチップ製造の支配が狙いだと答えた。トッドが、それは世界の石油供給を支配するためのアメリカの戦争や軍国主義のための正当化に良く似ていると指摘すると、マコールは急いで訂正し、台湾防衛は実際は「民主主義と自由」を守ることだと言った。

 「アメリカ人が台湾で起きていることを気にするだけでなく台湾を守るため、アメリカ人の血とお金をつぎ込むのをいとわない理由の基本的な説明をしてください」とトッドは言った

 これに対し、マコールは抑止力と国際貿易保護について語り「より重要なのはTSMC(台湾半導体製造会社)が世界の先進的半導体チップ供給の90%を製造していることだと思う。中国が侵略し、占領したり破壊したりした場合、我々は世界的に傷つく。」

 「下院議員、それはアメリカが60年代、70年代、80年代に中東でなぜこれほど多くのお金や軍事資源を費やしたのかの主張のように聞こえます」とトッドは答えた。「石油は経済にとって非常に重要でした。これはその21世紀版のようなものでしょうか?」

 「民主主義と自由の問題だと私は個人的に思う。そしてウクライナでしているように、我々はそのために立ち上がる必要がある」とマコールは明らかに不快そうに言った。

 マコールの性急な訂正と同じくらい面白かったのは、中東におけるアメリカ軍国主義と石油戦争は「60年代、70年代、80年代」に限定されるというトッドの主張だった。あたかもイラクやリビアの破壊、イランに対する軍事攻勢、イエメンの飢餓、シリア油田占領は、アメリカ戦争機構が、それ以来何十年も笑い楽しむためにやってきたかのように。

 また台湾が北京支配下に置かれると、製造した製品を中国が他国に販売するのを躊躇し、世界がそれら製品を自由に購入していないかのように「傷ついた世界」になるという主張も面白い。

 ホワイトハウスが、そうしないように言った後、ペンタゴン漏洩の話題を報道を控えたマスメディア。

 

 「ペンタゴンの漏洩情報について報じるなと言うホワイトハウス」という題の記事で、Anti Warのデイブ・デキャンプは次のように書いている。


 月曜日、ホワイトハウスはインターネット上に現れた国防総省や他のアメリカ政府機関から漏洩した極秘文書に含まれる情報を公開しないようメディアに警告した。
 「文書の信憑性を確認していないので、パブリックドメインに出る幕のない情報だ」とホワイトハウス国家安全保障会議報道官ジョン・カービーは記者団に語った。
 「私が言って構わなければ、新聞の一面やテレビのページには無関係だ。それは公共報道を目的としたものでなく、そこにあるべきでもない」と彼は補足した。

 それは月曜日だった。火曜朝、フォックスニュース記者ジェニファー・グリフィンは「フォックス・ニュースは他の報道機関とともに、先週発見された漏洩した極めて機密な文書を公開しないことに同意した」と述べた

 グリフィンは、どの「他の報道機関」が同意したかは言わなかった。

 これが欧米ジャーナリズムだ、紳士淑女。

 ニューヨーク市警、兵器庫に警官ボットを追加。

 

 NBCニューヨークは、ニューヨーク市警が、以前国民の抗議に直面して使用を放棄した後、他のロボットとともに「ロボット犬」を部隊に追加したと報じている

 (先に進む前に、マスコミはこれらをジェットソンズのかわいい漫画のキャラクターのように「ロボット犬」と呼ぶのをやめる必要があると言わなければならない。彼らは「犬」ではなくロボットだ。警官ロボット。四足歩行の警官を「犬」と呼ぶのは、それから利益を得る連中とそれを使用したい連中によるマーケティング策略だ。

 NBCニューヨークは「ロボット犬」は「人質交渉やテロ対策事件その他の状況で必要に応じて」使用されると報じ、広範な国民の反対にもかかわらずロボットの使用が押し進められていると指摘している。

 「エリック・アダムズ市長は、ロボット犬は前政権時代に導入されたが、指導者たちは国民の抗議を受けて一歩後退したと述べた。しかし彼は最大の関心事は公共の安全だと述べた」と報道にある。

 「この発表は、ニューヨーク市警が一般の人々に懸念を引き起こす機会を与えずに、これらの技術を展開することで透明性と説明責任の基本的規範に違反する、もう一つの例だ」と法律扶助協会はこの動きに反対して言ったと報じられている。

 「K5自律セキュリティロボット」と呼ばれる別の技術も、NBCニューヨークが「人工知能を使用して初期対応者にリアルタイムで事件を通知する」と報じている四足歩行ロボットと一緒に展開されており「乗換駅などの屋内や屋外両方の限られた場所で自動パトロール」を実施するため使用される。だから監視だ。監視ロボットだ。

 

 そのような極端な攻撃性が強引に推進されているので、私は数ヶ月ごとに警官ボットが当たり前のこととされる新しいエスカレーションについて新記事を書かなければならない。警官ボットが必要だと決まったので、世界は警官ボットを手に入れている。

 これらエスカレーションについて新しい話が報じられるたびに人々はロボットが人間に背を向ける映画について常に冗談を言うが、それはここでの本当の危険ではない。本当の危険は、これらロボットは人間に完全に制御されるものであり、人間には他の人間を抑圧し虐待してきた長い実績があることだ。これはターミネーターやブラックミラーではなく、ありふれた警察の軍事化で何十年にもわたり続いているものと同じ軌道に沿っている。

 「危険な坂道」論という警察軍事化に対する全ての異議は、歴史により100%立証されており、彼らが警官ボットを展開し始める時にそれが変わると期待する理由はない。ラザフォード研究所でジョンとニシャ・ホワイトヘッドが昨年説明したように、警官ロボット武装のこの継続的拡大は、より一般的なアメリカにおける警察武装化の着実な強化と並行している。SWATチームは1960年代にカリフォルニアで最初に登場し、1980年までにアメリカでは年間3,000件のSWATチーム風襲撃が行われ、2014年までにその数は80,000に急増した。おそらく今はもっと多いだろう。

 「危険な坂道」論の問題は、それが正しいと証明された一貫した実績を持っている問題について、それを無視できないことだ。警察は特にアメリカで益々軍事化しており、軍事化エスカレーションが始まると、段階的に緩和することはめったにない。

 歴史の夜明け以来、支配者連中は決して彼らに背を向けず、命令に決して逆らわず、そうするよう言われた時、自国の民間人を攻撃するのを決して躊躇しない愚かで従順な兵士を持つことを夢見てきた。警官ボットは支配者より一般人の方が常に遙かに人数が多いという古来の問題の最終的な解決策だ。警官ボットはギロチン対策なのだ。

 人類は一方では私たちの意識の目覚めと、他方ではハルマゲドンとディストピアへの急落との競争状態にある。この沈没船に永久に閉じ込められる前に目を覚まして事態を好転できるよう願っている。

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 画像はWeb Summitから (表示 2.0 一般 (CC BY 2.0)、サイズに合わせ変更)

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/04/12/today-in-empire-copbots-msm-compliance-and-mccauls-embarrassing-taiwan-admission/

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 引用日刊ゲンダイ 孫崎享「安倍元首相を銃殺したのは山上被告なのか…犯人が別にいるのであれば、世紀の滑稽譚に 日本外交と政治の正体」

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