アメリカの戦争目的のためにオーストラリアを一層奴隷化する新国防計画見直し
2023年4月
ケイトリン・ジョンストン
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オーストラリア政府は、待望の2023年国防計画見直し(DSR)の機密解除版を公表し、戦争プロパガンダ屋は大喜びだ。
ナイン・エンターテインメントの卑劣な非常警報と中国との戦争プロパガンダ・シリーズでの役割を巡りポール・キーティング元首相から「正しいことをして、オーストラリア・ジャーナリズムから自分を叩き出せ」と言われたことで良く知られているシドニー・モーニング・ヘラルドのマシュー・ノットが「国防計画見直しは手加減していない。中国は我々が直面する最大の脅威だ」という題の新しいプロパガンダ記事を掲載した。
これら沼地の怪物が現在味わっている歓喜の感覚を示す金切り声、最初の数段落は下記のとおりだ。
アンガス・ヒューストンとスティーブン・スミスは地球の南端にある安全聖域に暮らしていると依然考えているオーストラリア人に猛烈な警鐘を鳴らした。あなた方は過去に生きている。
オーストラリア国防軍内外で旧態依然の仕事が将来も機能すると考えている方々に。あなた方は妄想的だ。
オーストラリア国家安全保障に対する最大の脅威について混乱している人への彼らのメッセージも同様に率直だ。それは我々の最大の貿易相手国、中国だ。
直面する問題を病気の患者に伝える医師団同様、21世紀のオーストラリア軍を再形成する任務を負った二人の男は新国防計画見直しで見事な率直さを選んだ。
インド太平洋の緊張の高まりに関する曖昧な言葉を拒否し、元国防長官と国防相は、一つの国、中国がオーストラリアの核心的利益を脅かしていると呼びかけている。
「医師団のように。」これは欧米世界の中でメディア所有が最も統合された国で我々が得る一種の三流プロパガンダだ。
More fear mongering from the SMH.
— AWPR (@WarPowersReform) April 24, 2023
The defence review itself says "an outright invasion of the continent remains only a “remote” possibility"
China is not going to attack Aust. but reading the media you'd think it's just around the corner.#auspol https://t.co/zEbAHgqlev
「国防計画」見直しは、オーストラリア大陸の海岸を守ることに焦点を当てるのではなく、中国を含むオーストラリアの「地域」いわゆる「インド太平洋」における「ルールに基づく秩序」を守る必要性について何度も言及している。110ページの大部分は精神的歪曲で、オーストラリアという国を「守る」ため、何千キロも離れたアジアの国との戦いを選ぶ準備をしなければならない理由を説明しているのだ。
公式国防計画見直しは実際は中国の名には8回しか言及していないが、ノットの恍惚とした歓喜から、それが文書に含まれる唯一の単語だと思わされる。対照的に、この文書はアメリカには38回以上言及しており、イギリスは二回、ニュージーランドは一度だけ、パプアニューギニアやインドネシアなどのオーストラリア近隣諸国は全く言及しない。
「アメリカとの同盟は、オーストラリアの安全保障と戦略の中心であり続ける」と見直しにある。「アメリカは今後数十年で更に重要になるだろう。国防は同盟における、より高度な科学的、技術的、産業的協力ならびに、潜水艦を含むオーストラリアにおけるアメリカのローテーション部隊の強化を追求するべきだ。
表向きオーストラリアの安全保障上の利益に関する文書にアメリカ合州国が影を落としているのは、我が国の国益がアメリカに従属させられており、アメリカがオーストラリアに核を持ち込んでいるのかどうかさえ知ることを許されないほど、何世代にもわたり、オーストラリアがアメリカの軍事・諜報機関の手先として機能してきたことを知らなければ混乱を招くだろう。
昨年オーストラリアのリチャード・マールズ国防長官はアメリカとの更なる協力を追求する国防計画見直し公約の予兆として、オーストラリア国防軍は米軍との「相互運用性を超えて互換性」に移行し「シームレスに迅速に連携」できると述べた。これはオーストラリア軍と米軍間の意味ある分離が事実上解消されたことのしゃれた表現だ。
現在、前回のアメリカ訪問で行った無料ゴルフ旅行の性質を違法に秘密にしていたかどでオーストラリアで精査に直面しているマールズが、国防計画見直しは「今後数十年にわたり我々の防衛政策を支える」と述べている。
#breaking The ABC understands former US Navy Vice Admiral William H. Hilarides will lead the "short, sharp" review of Australia's combat surface fleet as flagged in the DSR, and will report in Q3 of this year pic.twitter.com/G5KcTzgb7I
— Andrew Greene (@AndrewBGreene) April 24, 2023
国防計画見直しの結果実施の一部さえオーストラリア人でなくアメリカ人が監督する。「オーストラリア海軍艦隊の将来の形を決定する主要素は米海軍副提督ウィリアム・H・ヒラリデス率いる「短く明確な」見直しで今年後半に決定される」とABCは報じている。
見直し自体アメリカの影響力に関する深刻な利益相反に汚染されている。マック・ウィリアムズが今月初めPearls And Irritationsで指摘したように、見直しの背後にある上級顧問兼主執筆者はシドニー大学アメリカ研究センター(USSC)教授兼外交政策および防衛局長のピーター・ディーンという男だ。USSCはアメリカ政府から資金提供を受けており、ディーンの履歴書は彼が「現在アメリカ国務省が資金提供する米豪同盟に関する二つの開かれた外交プログラムを主導している」と自慢している。
要約すると、オーストラリア外交政策は「今後数十年にわたって」「独立した」戦略的見直し(A)アメリカの資金提供に屈している連中によって書かれ(B)部分的に元アメリカ軍関係者に実施され、(C)全面的に益々大きなアメリカとの協力を要求しており(D)主にたまたまアメリカ最大の地政学的ライバルである国を標的にすることに焦点を当てている。
アンソニー・アルバニージ首相が国防計画見直し公開を発表し「核となるのは、これら全てが今後数年間でオーストラリアをより自立させ、より準備し、より安全にする」と宣言したのはお笑いだ。アンザック・デーの演説を「我々の主権と自由を守るため」戦争で亡くなったオーストラリア軍への謝辞で締めくくったのは一層滑稽だ。
「どうぞ。何であれ公平だと思うようにしろ」と言う、より強力な国に自軍を引き渡す以上に自立と主権を損なうことはない。これよりひどい国家主権放棄は実際思い付けない。それでも我々の首相は、まさにそうしながら、主権と自立に関してペラペラまくし立てている。
我々を併合して51番目の州にしてくれ。そうすれば少なくともアメリカ偽選挙で投票できる。
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《櫻井ジャーナル》記事
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