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2023年4月 6日 (木)

ジャーナリスト、スパイ、それともサイバー戦線戦士?

2023年4月4日
Moon of Alabama

 先週木曜日、3月30日、ロシア当局はウォールストリート・ジャーナル記者エヴァン・ゲルシュコビッチを逮捕した

 ロシア連邦保安局(FSB)は、ウォールストリート・ジャーナル記者エヴァン・ゲルシュコビッチが「国家機密にあたるロシア軍産複合体企業の一つの活動に関する情報を収集するためアメリカ政府の指示に基づいて行動している」と主張した。ロシア司法当局によるとウラル山脈地域エカテリンブルク市で逮捕されたゲルシュコビッチは少なくとも5月29日まで拘留される。

 ウォールストリートジャーナルは、この主張を「断固否定する」と述べ、モスクワに6年間暮らし、ロシア外務省に認定されたゲルシュコヴッチを釈放するようロシアに要求した。有罪判決を受けた場合、彼は最大20年の懲役に直面する可能性がある。

 CIAが副業のため記者の一人を雇ったのかどうかウォール・ストリート・ジャーナルは知っているのだろうか?

 しかし、恐れることはない、CIAは決してそのようなことをしない。

 以前CIAでロシア分析を主導したクインシー研究所のジョージ・ビービによれば逮捕はモスクワが「アメリカを益々ロシアとの戦争におけるあからさまな交戦国として扱っている」ことを示している。

 CIAによるジャーナリスト採用を禁止した1977年の法律を引用して「ゲルシュコビッチがアメリカ諜報機関の手先だったり、彼の報告がアメリカ諜報機関に指示されたり影響を受けた可能性は非常に低い」とビービは主張した。

 確かに、CIAは決して法律を破らないと元CIAアナリストは言う...

 だが、するとなぜアメリカ国務長官は、その男に関する対話をロシアに呼びかけているのだろう?

 日曜日アントニー・ブリンケン国務長官はロシアのセルゲイ・ラブロフと電話会談を行い、ウォールストリート・ジャーナル記者でスパイ容疑で先週ロシアで拘留されたアメリカ市民のエヴァン・ゲルシュコビッチについて話し合った。

 国務省の電話会談に関する公式声明によると、ブリンケン国務長官は「ロシアによるアメリカ国民ジャーナリストの容認できない拘禁に対するアメリカの重大な懸念」を表明し「即時釈放」を求めた。

 ロシア側によると、ラブロフはブリンケンに、ロシア裁判所がゲルシュコビッチの運命を決定すると語った。「米国国民の違法行為の確立された証拠に照らして、彼の将来は法廷に決定される」とロシア外務省は述べた。

 ロシア連邦保安庁(FSB)は、ゲルシュコビッチは「アメリカ側の要請で行動し、ロシアの軍産複合体内の企業活動に関する国家機密にあたる情報を収集した」と主張した。

 私は考えが甘いかもしれないが、ゲルシュコビッチが質問したことは、ジャーナリズムと呼ぶには疑わしい面が多すぎた。

ケビン・ロスロック @KevinRothrock - 2023年3月30日 17:15 UTC

 エカテリンブルク訪問前の@evangershkovichの背景について話したジャーナリスト@kolezevは、エヴァンはニジニタギルのウラルバゴンザヴォド工場またはエカテリンブルクのNPOノベーターミサイル工場から出てくる従業員を(文字通り路上で)捕まえ、ウクライナ侵攻についてどう思うか質問することを計画していたと言う。

 これは、WSJのワグナー集団調査より、FSBの「スパイ」被害妄想を引き起こした可能性が最も高そうだ。エヴァンは危険性を知っていたが、戦争感情が国家機密ではないことを考えれば、FSBは彼をそうしても問題視しないと期待していたようだ。

https://t.me/kolezev/13266

Колезев☮️
Мария Захарова заявила, что «то, чем занимался в Екатеринбурге сотрудник американского издания The Wall Street Journal, не имеет отношения к журналистике». Марии Захаровой, конечно, виднее, ей в ФСБ...

 タスは告訴をこう要約している。

  • ウォールストリートジャーナル(WSJ)のモスクワ支局特派員である米国市民のエヴァン・ゲルシュコビッチは、スパイ活動の疑いで、ロシア・ウラル地方スヴェルドロフスク地方のエカテリンブルクで拘留された。
  • FSBによると、このジャーナリストはアメリカのためにロシア軍産複合体内の企業に関する極秘データを収集していた。
  • アメリカ人は機密データを入手しようとして拘留された。

 エカテリンブルクは300年間ロシア冶金の中心地だ。

 エカテリンブルクは1723年11月18日に設立され、ロシア皇帝ピョートル大帝の妻エカテリーナ1世にちなんで名付けられた。この都市はロシア帝国鉱業の首都として、ヨーロッパとアジア間の戦略的接続基地としても機能した。

 この都市はロシアが重工業を最前線からウラルの背後に移した第二次世界大戦中成長した。ウラルヴァゴンザヴォドは世界最大の戦車メーカーだ。現在ロシア軍向けT-90戦車を生産している。NPO法人ノベーターは対空ミサイルや現在需要の高いカリブル巡航ミサイルなどの兵器を製造している

 戦争進行中にそのような工場の労働者にロシアに対し行われているアメリカ代理戦争について、どう感じているか尋ねるのはかなり失礼だと私には思える。

 戦争に反対すると言う労働者へのゲルシュコビッチの申し出は何だったのか?

 また、これは単に無作為な労働者に対する質問を越えている

 木曜日、この記者が以前インタビューしたスヴェルドロフスク州議会議員ヴィチェスラフ・ヴェグネルは、ウォールストリート・ジャーナル記者エヴァン・ゲルシュコビッチはエカテリンブルクの軍産複合体施設の活動に関心を持っていたとTASSに語った。

 「[インタビュー中、ゲルシュコビッチは]エカテリンブルクの軍産複合体について質問し始め、そのような企業の一つ「ノベーター」の名を挙げた」とヴェグネルは述べた。

 この議員によると記者は業界転換に関する他地域の経験を引用して、スヴェルドロフスク地域の経験について尋ねた。たとえば企業が業態を変更するかどうか、勤務は何交代か、適切な人員が配置されているかどうかなど。ヴェグネルはインタビューで、そのような質問に答える権限がないと答えた。

 もちろん兵器生産数や関連する問題に関することは少なくとも戦争中は国家機密だ。ではスパイ活動でない場合、そのような質問を我々は一体何と呼ぶだろう?

 ゲルシュコビッチは民間軍事企業ワーグナー創設者であるエフゲニー・プリゴジンと議員のやりとりについても尋ねた。ヴェグネルは志願兵を希望する囚人から申請を受けていたため、この問題に精通していると答えた。

 ワーグナー創設者に特別な関心を持っていたようだ。

 コメルサント・インタビューで地元の活動家ヤロスラフ・シルシコフは、エカテリンブルクでゲルシュコビッチと二日過ごしたと述べた。ゲルシュコビッチの任務の主目的は「プリゴジンに対する社会の態度を分析することだった。彼は特別軍事作戦に対する国民の支持が高まっているのか減少しているのか知りたかったのだ」とシルシコフは言った。

 ゲルシュコビッチが尋ねた質問は確かにロシア当局の精査に値する。彼らは彼に何を見つけたのだろう。

 だがゲルシュコビッチがしたことを見ないようにと言う人々もいる。可能な限り曖昧にするためだ。

ジェイソン・レザイアン @jrezaian - 2023年·4月2日、3:17 UTC

 エヴァンの試練について報じる時はロシア言説を繰り返すのを避けよ。彼が人質だという事実は物語で、彼に対し想定されている告訴ではない。常にエバンに人間性を与えるべきだ。
 競争の概念を全て払い落とし、長い試練になる可能性のため気持ちを引き締めろ。#FreeEvan

引用ツイート:

   ニコラス・クリストフ@NickKristof-4月2日
   @jrezaianと@MtthwRoseと@WSJへの回答
   ジェイソン、あなたはエヴァンと同様な状況にあった。彼を支援するためジャーナリズム社会に何をするよう提案するか?

 ジェイソン・レザイアンは確かにこの状況の経験がある。彼は「ジャーナリスト」としてイランで働いていた時、スパイ行為のかどでイランに投獄された。

 CIAがそのような連中を雇うことはないはずだから...

 4月2日日曜日、ロシアの戦争ブロガー、ヴラドレン・タタルスキー、本名マキシム・フォミンがサンクトペテルブルクでのテロ攻撃で殺害された

 ロシア当局はタタルスキーを殺害した爆弾を持ちこんだ女を逮捕した。彼はロシア国民が事件を結びつける可能性が高いジャーナリストというより戦士かペテン師だった。ゲルシュコビッチは厳しい罰を要求されるだろう。暗殺に関与した可能性が高いウクライナ諜報機関は、そのようなことを意図していた可能性がある。

クレイグ・マレー - @CraigMurrayOrg - 2023年4月2日、18:04 UTC

 私が最初に考えたのは、テロによるロシア人ジャーナリスト殺害はエヴァン・ゲルシュコヴィッチにとっては事態を本当に悪化させることだ。

 それから私はエヴァン・ゲルシュコヴィッチを巡りアメリカ/ロシア関係が更に悪化するのはウクライナの利益になると気づいた。

   サンクトペテルブルクのカフェ爆破でロシア人軍事ブロガーが殺害された
   テレグラムで56万人以上のフォロワーがいたヴラドレン・タタルスキーが爆発で死亡、19人負傷

 しかし、これは本当にウクライナの利益になるのだろうか?

 ゴンザロ・リラ - @GonzaloLira1968 - 2023年4月2日 19:41 UTC

 今回のようなテロ攻撃はキーウ政権を打倒しウクライナ全土を占領するというロシア国民の決意を固める以外何の効果もない。

 それはロシア世論が停戦や交渉による和解を決して支持しないことを保証する。

 言い換えれば、これはウクライナを傷つけるのだ

   インターマリウム 24 @intermarium24 ·4月2日

   💥ロシアのサンクトペテルブルクでロシア軍事ブロガー、ヴラデン・タタルスキーが主催した集会中に爆発が起きた。
         カフェは民間軍事企業ワーグナーのトップ、エフゲニー・プリゴジンが所有していた。無名女性がタタルスキーに爆破装置が
   入った小さな像を贈った。1人が死亡し、6人が負傷した...。さらに見る

 像を「贈った」無名女性はダリヤ・トレポワだった。

 ロシア・メディア報道によると、26歳のトレポワはタタルスキーを殺害し、30人以上を負傷させた爆発物が入っていたと思われる像を手渡した。ロシア内務省が公開したビデオ後半で彼女は爆破されたカフェに像を持ってきたと認めているのが見られる。
...
 彼女の夫ドミトリー・リロフは彼女がだまされた可能性があると示唆している。

 何が起きたにせよ今後ダリヤ・トレポワは楽な人生を送ることはできない。

 ビクター・Victop55 @vicktop55 - 2023年4月4日 13:37 UTC

 エフゲニー・プリゴジンはSHOTに独占インタビューを行った。

 「ヴラドレン・タタルスキーは外部の悪に対するロシアの戦いの神聖な象徴だ。

 この攻撃は、我々の闘争を弱めるため「ロシアの声」を排除するため行われた。だが、より多くの抵抗があるだけだ。

 トレポワのような人々に死刑は復活されるべきだ。彼女を壁に立て頭に穴を開ける。彼女は敵だ。彼女の雇用主は敵だ。敵との戦いは絶対に容赦ないものであるべきだ。

 現在政府関係者よりジャーナリストへの攻撃の方が多い。ジャーナリストは活発だからだ。彼らは大衆の声だ。我々はこの分野でロシアを守るためそのような活発な人々が必要だ。

 団結は補充兵と戦うため最初にすべきことだ。敵の側に立ついかなる試みも社会は拒否しなければならない。」

 爆発が起きたカフェはエフゲニー・プリゴジンの所有だ。彼はそれをサイバーフロントオフィスに引き渡す。それは改装され全てタタルスキーの死の日と同じように装飾される。

「サイバーフロントは情報空間におけるロシアの利益を守る人々だ。サイバーフロントは一層積極的に活動する。誰も恐れていない。」

 プリゴジンは個人資金からテロ攻撃犠牲者に物質的支援を提供する。

 「我々の仕事は我々の社会に存在する愛国的運動が確実に成長し続けさせることだ。」
https://t.me/vicktop55/14271

 ミリタリー・サマリー・チャンネルのディマはタタルスキーを殺したテロ攻撃は計画された陽動作戦だと示唆した。ウクライナ軍が現在バフムートから排除されている事実から国民の目をそらすのが狙いだ。そこでの戦いは数ヶ月前に敗北したが、ウクライナ軍はようやく今になって諦めている。一万人のウクライナ兵がそこで無駄死にした。

 いつの日か、それら兵士を不必要にそのような運命に送った責任者をウクライナ国民が拘束するよう願っている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/04/journalist-spy-or-cyber-front-warrior.html#more

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 サンクトペテルブルクでの爆弾殺人犠牲者はウクライナ暗殺対象者リスト、ミロトヴォレツにあった。間もなくロシア訪問予定のスコット・リッターもリスト対象。
 ウクライナは経済的に全く破綻しており、アメリカの資金でかろうじて動いている。大統領府や治安部隊も資金源は同じ。対ロ攻撃はアメリカの指揮のもとで行われており、暗殺もその一環だと彼は言う。

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

アジア新興国経済・勢い;22年、23年は()内。アジア新興国4.2%(4.8%)、(中国除く)5.4(4.6)、東アジア2.8(4.6)、中国3.0(5.0)、南アジア6.4(5.5)、インド6.8(6.4)、東南アジア5.6(4.7)

 過去の岩上氏による坂本龍一インタビューが見られる。

4/3 19時~【追悼・再配信】デモ、原子力問題、マスメディアの偏向、今の日本を語り尽くす ~岩上安身によるインタビュー 第233回 ゲスト 坂本龍一氏

 日刊IWJガイド

「衝撃の急展開! フランスと米国が中国に停戦を要請!! 中国がロシアとウクライナの仲裁に関与してくることも望んでいなかった米国が豹変!?」

<インタビュー告知>本日午後3時から、岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー第3回をライブ配信します!「金主(アングラマネーの投資家)、番頭(社長)、現場(店舗)」でビジネスした特殊詐欺の背後に「暴力団」の関与! 凶悪化する「特殊詐欺」「老人殺し」を「高齢者ヘイト」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めたイエール大学助教授・成田悠輔氏の発言は同根の大問題!

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