ジョン・ボルトンがメディアで突出しているのは社会全体が病んでいる証拠
2023年3月21日
ケイトリン・ジョンストン
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イラク戦争侵略20周年に公的言説を管理するため、世界にその恐怖を解き放つのを手伝った連中は「ウクライナはタカ派が常に正しかったことを証明している」という執拗な連発を一時停止し「実際はイラク戦争はウソに基づいておらず、結局かなり素晴らしい結果になった」という説の大洪水を解き放っている。
ブッシュが犯罪的侵略を開始した際、コリン・パウエル下のアメリカ国務省で働いていた外交問題評議会のリチャード・ハース委員長は、プロジェクト・シンジケートに、アメリカ政府と彼の元上司は大量破壊兵器についてウソをついておらず「政府はウソをつかなくても物事を間違え、実行する可能性がある」と偽って主張する記事を発表した。
元ブッシュのスピーチライター、デイビッド・「悪の枢軸」・フラムはアトランティック紙にウソまみれの歪曲記事をでっち上げ「アメリカがイラクで行ったことは、いわれのない侵略行為ではなかった」と主張し、おそらくイラク人は侵略の結果、より良い生活を送っているか、そうでなければ、少なくともそうだっただろうよりは悪くないと示唆した。
Commentaryに、ジャーナリストのケン・シルバースタインに「イラク戦争や、それを正当化するために持ち出した様々な神話の公然で熱心な推進者」と評されているネオコンの戦争プロパガンダ屋イーライ・レイクの、あの戦争は「今皆が言うような惨事ではなかった」「現在のイラクは20年前より良くなっている」という法外な主張が掲載された。
しかし侵略20周年に出現した修正主義戦争犯罪弁解で最も恐ろしいものは大量虐殺セイウチ本人ジョン・ボルトンによるナショナル・レビューに掲載された記事だ。
Lumping everything together as “Iraq War” critics do is a disservice to the careful analysis of what America accomplished, or didn’t. It is not one indivisible, 20-year-long block of granite that can be judged only all or nothing. In fact, the brunt of https://t.co/2lhQ3EnqWW…
— John Bolton (@AmbJohnBolton) March 17, 2023
サダム・フセインの実際の侵略と打倒は「完璧に近い」もので、アメリカが唯一間違っていたのは、もっと多くの人々を殺し、イラン政府を打倒するのに失敗したことだとボルトンは主張し、お仲間のイラク戦争立案者連中と一線を画している。
ボルトンは「ブッシュ政権はイラクとアフガニスタンでの圧倒的存在感を利用して、その間にあるイランで政権交代を狙わなかったことだ」と批判し「アヤトラを退陣させる力をイラン反政府派に与える明らかな可能性があった」と書いた。
「しかし残念なことに、1991年にサダムをクウェートから追放した後と同様に、アメリカは余りに早く停めてしまった」とボルトンは書いている。
1991年から2003年にイラクに課された悪名高い残酷な制裁は寛大すぎるとボルトンは主張し「冷血に執行される」「壊滅的な制裁」がありえたはずだと言っている。
ボルトン・エッセイの批判でエリック・ベームがReasonで指摘しているように、おそらく最も腹立たしいのは、ボルトンが「そうした状況は、侵略し転覆するという決定から、必然的に、容赦なく、決定論的に、不変的に現れたわけではない」と述べ、「完璧な」最初の侵略を、あらゆる不安定化や人間の苦しみから切り離そうとしていることだ。
「サダム後の決定でブッシュの打率が何であれ(私の見解では完璧ではないが立派だ)それは概念的にも機能的にも侵略の決定から分離可能だ。その後の歴史は、良くも悪くもサダム打倒の論理や根本的必要性や成功を損なうことはない」とボルトンは書いている。
これは明らかにばかげている。ブッシュ政権の戦争屋が侵略とその後遺症を論理的に結びつけることはできないと主張するのは、放火犯が居間での放火を家丸ごとの焼却と論理的に結びつけることはできないと言うようなものだ。彼はあの戦争と、その中での彼の役割に対する説明責任を振り払おうとしているに過ぎない。
「ボルトンは過去20年間まさにそのような世界に暮らしているので行動に結果が伴うべきでない世界を想像しているのではないかと人は疑うかもしれない」とベームは書いている。「彼はイラクに関し非常に酷く間違っていたにもかかわらず、どういうわけかワシントンで外交政策専門家、メディア解説者、大統領顧問としての地位を維持している。」
It takes a special kind of hubris and a serious shortage of respect for the lives of other human beings to sit here, in the year 2023, and argue that the real problem with America's post-9/11 wars is that *they didn't go far enough.*
— Eric Boehm (@EricBoehm87) March 20, 2023
My latest @Reason: https://t.co/5gd4kH83Fb
そして、それは私にとって、これら全ての中で最も驚異的なことだ。2023年に依然ジョン・ボルトンがイラク侵攻は素晴らしい考えで、もっと進むべきだったと考えていることでなく、そのようなことを言う精神病質者が、その「専門知識」のおかげで世界で最も影響力あるメディアに起用される著名ニュースメディア専門家であることだ。
よく考えれば、それは実際全ての欧米メディア、実際に我々の文明全体に対する実にのっぴきならぬ非難だ。人生上の目標が、あらゆる機会にできるだけ多くの人々を武力で殺すことである本物の文字通りの精神病質者が、ワシントンポストで頻繁にコラムを書いたりインタビューを受けたり、専門家としてCNNが頻繁に出演させる事実は、我々の社会全体が病んでいることを証明している。
はっきりさせておくが、ジョン・ボルトンが精神病質者だと言う際、私は誇張して主張しているわけではない。2002年初頭に外交努力が成功し、侵略を擁護するのを困難にした化学兵器禁止機関OPCW事務局長の子供たちをどのように脅迫したか、ホテルの部屋で怯える女性を、ドアを叩き猥褻な言葉で何週間も虐待した様子などの報告を読めば到達できる唯一の論理的結論を私は言っているに過ぎない。
“We Know Where Your Kids Live” John Bolton threatened head of chemical weapons commission as part of effort launch war against Iraq https://t.co/p8uluxbWGH
— WikiLeaks (@wikileaks) April 2, 2018
そして、それがボルトンの性格なのだ。彼が押し通すため働いた実際の政策は時に成功したが、遙かに恐ろしいものだ。この人物はイラン爆撃や北朝鮮爆撃、ありもしない大量破壊兵器を巡るキューバ攻撃、カダフィ暗殺や他の多くの戦争行為を猛烈に主張してきた変人だ。イラン-コントラスキャンダル隠蔽を助け、外国政府に対するクーデターへの参加を公然と認め、国家安全保障顧問としての恐ろしい在任中にイランとの戦争を始めるようトランプを促そうとした人物だ。
この男は檻の中にいるべき怪物なのに、それどころか地球上最も強力な国で最も影響力のある人間の一人だ。これはまさにジョン・ボルトンが推進している殺人イデオロギーによってまとまっている地球規模の巨大帝国に我々が支配されているためだ。
ボルトンは精神病質の血への渇望にもかかわらず最大の力で発言できる立場に出世したのではなく、まさにそのおかげで出世したのだ。それが我々が暮らしている文明であり、欧米人が内心で世界観を形成するメディア環境だ。我々は残忍な暴君に支配されており、そのプロパガンダの一環としてジョン・ボルトンのような血に飢えた精神病質者を重用するマスメディアにより連中の殺人を受け入れるようプロパガンダ洗脳されている。
それが我々が暮らしている世界だ。それが我々が直面しているものなのだ。
"The Iraq War was a national undertaking. Its broad domestic support owed in large measure to its advancement of the vital interests of state, as those were understood in relation to America’s stake in a decent and durable global order." https://t.co/6e08quvk7L
— Bill Kristol (@BillKristol) March 18, 2023
だからこそ連中はイラクの歴史を書き換えるため一生懸命働いているのだ。将来更に恐ろしい戦争に我々を導けるようにするため、連中はイラクを大きな代償を払った大きな善か、決して繰り返してはならない酷い過ちとして我々に受け入れさせる必要があるのだ。
我々は操られている。これまで「イラク」はアメリカ介入主義の恐ろしさと失敗の両方に対する一言の壊滅的反論だった。これら帝国論説歪曲専門家が生み出すエッセイは、その言葉の歴史的意味と力を奪うための長期的な努力の初期のお先棒だ。ごく僅かでも連中に、これを変えさせてはならない。
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今朝の孫崎享氏メルマガ記事題名
昨年9月のノルド・ストリーム爆破、現在米国は「親ウクライナ派が破壊か」(NYT)の所まで認めてる。米国の承認なしに「新U派」は行動できない。一つの問題は事前に独首相に知らされていたか。知らされていれば、独首相はそこまでするかと震え上がったろう。
「シーモア・ハーシュ氏『バイデンは、キエフに武器を与えなかったショルツ独首相を罰するためにノルドストリームを爆破した可能性がある』」
はじめに~シーモア・ハーシュ氏「バイデンは、キエフに武器を与えなかった(ドイツ首相の)ショルツを罰するためにノルドストリームを爆破した可能性がある」、「私は米国政府の愚かさには慣れているのでそれほど驚かなかった」! ~『TASS』が『チャイナ・デイリー』によるインタビューを紹介
<岩上安身によるインタビューが決定!>明後日3月29日、岩上安身による現役経産官僚・経済産業研究所コンサルティングフェロー藤和彦氏インタビューが決定しました! 4月3日の東京大学農学部 鈴木宣弘教授、4月6日の『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク 田崎基氏へのインタビューに続き、4月10日には元外務省国際情報局長 孫崎享氏へのインタビューも決定しました!
IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 3月24日までの24日間でいただいた3月のご寄付は、121万6400円と月間目標の31%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし、3月の月間目標までには残り5日で残り69%、268万円以上が必要です! 毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円となりました! 3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
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イラク戦争は、石油を強奪するために、嘘とでっち上げで始めたことは明確です。
いまだに、それを美化しようとする人々がいるのは、大変おぞましいことです。
そして、それに騙される俗衆が多いのも、空恐ろしいことです。
詐欺的な言説に騙されるのは、害悪のひとつです。
愚かなことは、全然、良いことではありません。
キエフのネオナチによる残虐行為については語らずに、ただ、侵攻やめろとだけ言うのも、非常に愚か者だと思います。
投稿: まだ ない | 2023年3月27日 (月) 19時02分