国が資金提供するシンクタンクは正当な情報源ではない:物語のマトリックスの端からのメモ
2023年3月20日
ケイトリン・ジョンストン
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ジャーナリストの皆様への忠告
いかなる状況であれ、政府や軍産複合体が資金提供するシンクタンクを国家安全保障や外交問題に関する情報源や専門知識として引用することは決して認められない。
あなた方がそれらを引用するなら(繰り返すが、そうしてはいけない)せめて、あなた方はその報道で連中の資金提供が引き起こす利益相反を開示する必要があり、あなた方はそれが利益相反であることを読者に十分明らかにする必要がある。
これは欧米マスコミでは毎日起きているが、オーストラリアの出版物Crikeyが、中国政府がLGBTの人々を迫害しているという偽プロパガンダ記事を恥ずべきことに掲載したが、連中の唯一の情報源は帝国が資金提供するオーストラリア戦略政策研究所だ。
#Crikey sets its sights on “human rights abuse” of China’s LGBTQI+ community relying on a single source for its investigation – the Australian Strategic Policy Institute. Crikey!#auspol #rainbowalerthttps://t.co/3gWeYqBAnx
— CO-WEST-PRO (@cowestpro) March 18, 2023
こういことをした瞬間、あなた方はジャーナリズム不正行為の罪を犯しているのだ。「オーストラリア戦略政策研究所の情報源によると」のような記事をあなた方が書いた瞬間、あなた方はジャーナリストとして活動しておらず、プロパガンダ屋として機能している。この非常に明白な事実が十分理解されていないのは正気とは思えない。
ロシア政府の公式声明でない限りRTやスプートニクなどの報道機関による検証不能な主張は引用できないのは誰でも理解できるが、どういうわけか欧米政府や兵器製造業者に資金提供されているシンクタンクを引用しても問題ないとあなた方は言われる。そうではないし、決してそんなことはなかったのだ。それは常にジャーナリズム倫理の厚かましい違反で、あなた方が瞬間的にでも知的に正直に考えれば、これが真実だと分かるはずだ。
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オーストラリア人はAUKUSを「防衛同盟」として語るのをやめる必要がある。それは「防御」と何の関係もない。簡単に防御できるオーストラリア海岸を守るために長距離潜水艦は必要なく、中国を攻撃するために長距離潜水艦が必要なのだ。これを疑う人はきちんと注意を払っていないのだ。
先日ポール・キーティング元首相は、これがおそらく本当は何なのか説明し、中国核武装潜水艦を破壊し、彼らの「報復能力」を奪うこと、つまりアメリカが中国との核戦争に勝つのを可能にすることだと述べた。
防衛とは全く関係ないので防衛同盟ではなく「同盟」でもないから防衛同盟でもない。オーストラリアを破滅に追いやっているのはアメリカ帝国であり、アメリカ帝国以外の誰の利益にもならないのだ。
中国を攻撃するか我が国の中国との貿易を守るかが。どちらが皆様にとってより理にかなっているだろう?
Front page of the Sunday Age accidentally does the meme. According to war secretary Marles, Australia is spending hundreds of billions of dollars to protect our trade with China... from China. pic.twitter.com/d2t4n3VHv0
— Caitlin Johnstone (@caitoz) March 19, 2023
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強力な反戦運動を構築する上で最大の障害の一つは個々人の活動や反対は違いをもたらさないという人々の信念だ。皆様の個々の活動や反対は、全く違いをもたらさないのではなく、ほとんど違いをもたらさないのだ。これらは似ているように聞こえるかもしれないが実際には文字通り完全に無限の違いがある。
第三次世界大戦へ向かう我々の軌道に反対する皆様の努力が違いをもたらさなければ、それら努力は無意味だろう。しかし皆様の努力が絶対零度を超えて、僅かな違いでももたらすなら、それは我々をこの危険な軌道から遠ざけるのを助けるため更に多くの人々が皆様に加わる必要があることを意味する。
ハリウッド映画の物語構造は常に非常に大きな結果をもたらす主人公の行動に重点を置くため、こうしたものごとがどのように機能するかに関し間違った印象を与えている。ルーク・スカイウォーカーがデス・スターを爆破する。フロドがワン・リングを破壊する。アベンジャーズが宇宙を救う。作家は主人公の行動に大きな結果を生じさせ、観客に彼らの冒険に集中させ、作家が観客に語る物語に集中させる必要があるのだ。
Melbourne turning out to say "NO" to AUKUS, to war, to militarism, and to the persecution of Julian Assange. #auspol pic.twitter.com/rRsQdLzWpM
— Caitlin Johnstone (@caitoz) March 18, 2023
しかし実生活はそうではない。実生活では本当の変化をもたらすには多くの人々が必要だ。一人の個人の行動は、極めて小さな違いしかもたらさない。私のように平均より大きな声を持っている人間でさえ、物事の壮大な計画のバケツのほんの一滴にすぎない。
本当の変化は個人に依存するのではなく集団に依存する。社会を見回すだけで、人類文明が、何十億人ものキャストメンバーで構成される集団即興だということがわかる。文明を機能させ続けるには集団が必要で、それを変えるにも集団が必要だ。
一回ハチが刺しても巣箱は守れないが、多くのハチに刺されるのは致命的だ。一匹の刺し傷はハリウッド的結末をもたらすことはなく、ただ刺すだけだが、ミツバチは躊躇しない。
私たちもそのように行動する必要がある。それが何であれ皆様の一刺しを全力で刺すのだ。組織する。抗議行動に参加する。ゲリラ街頭活動をする。文章を書く。つぶやく。ミームを作る。文書を配る。人と話す。ビデオを作る。他のミツバチを目覚めさせ、我々集団の巣箱が受けた脅威を彼らに警告するため皆様ができることなら何でも。
あなただけで帝国を止めることできはない。あなただけで大きな違いは生み出せない。だが皆様は違いを生みだす。そして皆様が作れる小さな違いを生みだすのを止めるのは誰も何もできない。
Found me! https://t.co/MnFT9oNBY7 pic.twitter.com/Z6TDb3pNCA
— Caitlin Johnstone (@caitoz) March 18, 2023
止められない小さな違いを生み出し、出来るだけ多くの人々に同じことをさせるよう努力して頂きたい。止められない小さな違いが十分あれば、必然的に止められない大きな違いになるのだから。そして、その点に達せられれば健全な変化が不可避になる。
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画像はオーストラリア戦略政策研究所より (CC BY-NC-ND 2.0)
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今朝の孫崎享氏メルマガ題名
安倍氏の侵攻直後の解説「プーチンの意図はNATOがウクライナへの拡大を許さない、コソボが分離・独立した際西側が擁護。その論理をプーチンが使用」。この種解説はその後何故日本で消えたか、ロシア糾弾・制裁一辺倒に。安倍氏よりより力の強い者の論理に隷属。
「エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事その4(最終回)/ウクライナ紛争の起源は、1941年6月22日の「バルバロッサ作戦」にあった!」
はじめに~エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その4(最終回)/ウクライナ紛争の起源は、1941年6月22日のナチス・ドイツ軍のソ連侵攻作戦「バルバロッサ作戦」にあった! ウクライナ紛争は70年の歴史的スパンと横に広がったファシストの世界的なネットワークの中に位置づけるべき!
IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 3月24日までの24日間でいただいた3月のご寄付は、121万6400円と月間目標の31%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし、3月の月間目標までには残り8日で残り69%、268万円以上が必要です! 毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円となりました! 3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
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