ノルドストリーム攻撃 ハーシュの評判に脆弱な「諜報情報」で対抗するホワイトハウス
2023年3月7日
Moon of Alabama
ノルドストリーム・パイプラインが爆破された翌日2022年9月28日、アメリカが実行したことを強く示唆する入手可能なオープンソースの証拠を私は公開した。
2月8日、伝説的な調査記者シーモア・ハーシュが内部関係者に基づく驚くべき同様内容の記事を発表した。
その後私はハーシュの説にいくつか些細な修正を提案した。
ハーシュ記事はヨーロッパの新聞では反響を呼んだが、アメリカ主流メディアはそれを避けるためできる限りのあらゆることをした。
インターネットで検索すると、アメリカがロシアのノルドストリーム・ガス・パイプラインを破壊したというベテラン調査報道記者シーモア・ハーシュの主張に関する世界中の無数の記事が現れる。
だが2月8日にハーシュ記事が投稿されてから数週間、GoogleやBingやDuckDuckGoの何ページもの結果で最も印象的なのは、そこにあるものでなく、見あたらないものだ。
- タイムズ・オブ・ロンドン(23年2月8日)はハーシュがサブスタック・アカウントに投稿して数時間後、ハーシュ記事を報したがニューヨーク・タイムズは何も報じなかった。
- イギリスのロイター通信は少なくとも10記事(2月8日、2月9日、2月12日、2月15日など)掲載したが、AP通信は一つも報じていない。
- アメリカの主要放送ネットワーク(NBC、ABC、CBS)や公共放送局PBSやNPRは一言も報じていない。
- アメリカの主要ケーブル放送局、CNN、MSNBCやフォックス・ニュースにも記事はない。
そのような自己検閲は正当化可能だろうか? 確かにハーシュ記事は単一の匿名情報源に基づいている。だが匿名情報源はアメリカ政府に関する主流報道には不可欠で、全ての主要報道機関が使用している。更に、それほど国内的、国際的重要性がない無数の話題が独立した検証なしで報じられている。
ハーシュの話に対する疑念はさておき、この話に対する広範な国際報道やホワイトハウスと国防総省の断固たる否認はあらゆるジャーナリズム基準からして、アメリカで大きなニュースに値するするはずだ。
さらに重要なことに、ハーシュが間違えている場合には彼の話は潰す必要がある。ジャーナリズムとして沈黙は認められるない。
後にいくつかの記事がハーシュの話に言及したが他の文脈での言及だった。それでも、アメリカ政府とメディアにこの話に対応するようにという圧力が高まり続けた。
その結果、ハーシュの話から丸一ヶ月後の今日、ニューヨークタイムズが、もう一つのいつもの「諜報情報」のおとぎ話を発表した。
諜報情報は親ウクライナ集団がパイプラインを破壊したことを示唆しているとアメリカ当局者が語る
新しい諜報情報報告は、ロシアからヨーロッパに天然ガスを送るノルドストリーム・パイプライン攻撃責任者に関する初めての重要見出しに等しい。
「諜報情報」がないのを除けば結構だ。匿名の「役人」がNYT記者に漠然とした「諜報工作」が存在する可能性があると主張しているに過ぎない。
ワシントン—アメリカ当局に評価された新情報は、昨年、親ウクライナ集団がノルドストリーム・パイプライン攻撃を実行したことを示唆しており、大西洋両岸の捜査官を何ヶ月も混乱させてきた破壊行為の実行者を決定するための一歩だ。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や彼の最高副官が作戦に関与したり、犯人がウクライナ政府当局者の指示で行動したりした証拠はないとアメリカ当局は述べた。
それは、これまでのところ信じられる。ジョー・バイデンやビクトリア・ヌーランド、アンソニー・ブリンケン、様々なホワイトハウスとNATOの手先のどんな組み合わせも、確かに「親ウクライナ集団」と呼ぶことが可能だ。
アメリカ当局は情報の性質や入手方法や情報に含まれる証拠の強さの詳細を開示するのを拒否した。彼らはそれについて確固たる結論はなく、作戦がウクライナ政府または治安機関と関係のある代理軍によって記録に残さないよう行われた可能性があると述べた。
これ以上曖昧にできるだろうか?
諜報情報を調べた当局者は破壊工作員はウクライナ人かロシア人あるいはその両方の組み合わせの可能性が高いと思うと述べた。アメリカ当局はアメリカ人やイギリス人は関与していないと述べた。
...
軍や諜報機関で働いていないように見える経験豊富なダイバーの助けを借りて爆発物が設置された可能性が極めて高いと新たな諜報情報を評価したアメリカ当局者は述べた。だが加害者は過去専門的な政府の訓練を受けた可能性がある。
これはでたらめだと私は思う。ハーシュはパイプラインで8か所に爆薬を設置され、計画された8つの爆薬のうち6つが爆発したと確認した。これはあまりに大きな仕事で、経験豊富な国軍以外の誰にとっても困難だ。
諜報情報について説明を受けたアメリカ当局者は新諜報情報をどの程度重視するか意見が分かれている。彼ら全員匿名を条件に機密情報と機密外交問題について話し合った。
アメリカ当局は新諜報報告によりアメリカのスパイ機関とヨーロッパ機関がより多くの情報を見つけられるという楽観的な見方が強まり、犯人に関し確固たる結論に達することが可能だと述べた。その過程にどれだけ時間がかかるか不明だ。アメリカ当局者は最近攻撃の調査を主導したヨーロッパ当局者と情報について話し合った。
ヨーロッパの全ての諜報機関は加害者が誰か正確に知っていると私は確信している。彼らは皆ハーシュ記事を読んでおり、それを確認する手段がある。
ちなみに、タイムズ記事の第22段落まできてもハーシュの名前や彼の話の要約は言及されない。
それは次の段落に現れて、即座に切り捨てられる。
先月調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニュースレター・プラットフォームSubstackに記事を発表し、アメリカがバイデンの指示で作戦を実行したと結論付けた。主張をする際、ノルドストリーム2に「終止符を打つ」というアメリカ大統領の侵略前の恫喝や他のアメリカ高官による同様の発言をハーシュは引用した。
アメリカ当局は、バイデンと彼の最高補佐官はノルドストリーム・パイプラインを破壊する任務を許可しなかったと言い、アメリカの関与はなかったと言う。
ハーシュに話をした内部者の情報源についてもハーシュに話を確認した他の言及されていない情報源についても一言もない。(自伝の中で、時にはそう言うことができなかったとしても常に複数情報源を持っていたとハーシュは書いている。
タイムズが発表した「諜報情報」とされる主張は信じられない。そのような「諜報情報」が存在するかどうか疑わしい。これはノルドストリーム・テロ攻撃の本当の加害者であるホワイトハウスにい座る連中から国民の注目をそらすための目くらましだ。
この煙幕弾「漏洩」のためニューヨーク・タイムズを誰が選んだのか皆様は疑問に思うかもしれない。
1977年、ローリング・ストーン誌はカール・バーンスタイン記事を発表した。
CIAとメディア
アメリカ最強力なニュースメディアが中央情報局とどのように協力したか、そしてチャーチ委員会がそれを隠蔽した理由CIAが時折ジャーナリストを雇っていたことが最初に明らかにされた1973年に、CIAと個人や報道機関との関係のうさんくさい詳細が少しずつ出始めた。これら報道は新しい諜報情報と組み合わされて、諜報目的でのジャーナリスト使用に関する事例研究として機能する。それには下記が含まれる。
■ニューヨークタイムズ。CIA当局者によると、CIAとタイムズの関係は新聞の中で群を抜き最も価値があった。1950年から1966年にかけて、新聞発行者の故アーサー・ヘイズ・ザルツバーガーに承認された取り決めの下、CIA職員約10人にタイムズ記者という架空の身分を提供した。架空身分の取り決めは、可能な限りCIAに支援提供するというザルツバーガーが設定した全般的なタイムズ方針の一環だった。
ザルツバーガーは特にアレン・ダレスに近かった。「そのレベルの接触は権力者と権力者の対話だった」と、いくつかの議論で同席したCIA高官は言った。「確かに我々にはお互い助け合うという原則的合意があった。架空身分の話題は何度か出た。実際の手配は部下が処理することで合意した。権力者は詳細は知りたがらない。連中はもっともらしい否認を望むのだ。
...
以来何も変わっていない。
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3月11日なので、2011年3月21日に書いた原発関連記事を読み返した。この記事GoogleでもYahooでも出てこない。
主権国家のテレビはさすが。ノルドストリーム爆破問題追及をやめない。
Headline Buster: Nord Stream Sabotage, whodunit? 28:30
A manufactured mystery: Who 'killed' the Nord Stream pipelines? - Facts Tell 12:29
東京大空襲78周年の昨日、NHKは言及しなかった?! 忖度大本営広報部。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
真珠湾攻撃で日本が米国に与えた被害の戦死者2,334名、民間人死亡68名、広島、長崎への原爆投下で広島で9万 – 16万6千人死亡、長崎6万 – 8万人死亡、3月10日、東京空襲、死者数が10万人以上、罹災者100万人。何故大々的追悼式典がないのか
「習近平氏が国家主席に三選! 長期独裁体制の確立!? その中国の仲介でイランとサウジアラビアが歴史的な和解!! 米国の覇権は衰退へ!?」
はじめに~速報2本! 習近平氏が国家主席に三選! 兼務する党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3つのポストはいずれも任期の定めなし! 長期独裁体制の成立! もうひとつの速報は、外交が途絶するほどいがみあっていたシーア派盟主のイランとスンニ派盟主のサウジアラビアが、電撃的な国交回復! しかも仲介したのは中国!! 中東から消えてゆく米国の政治的影響力!
エコノミスト田代秀敏氏が緊急寄稿!「習近平氏が国家主席に三選されたことは少しも事件ではない。しかし、サウジとイランの和解を、米国ではなく中国が仲介したことは歴史的な事件である。これはパックス・アメリカーナの終焉の始まりである」
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