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2023年3月 4日 (土)

本当の権力を決して危険にさらすことなく、権力と戦っていると人々に錯覚させる帝国

2023年2月26日
ケイトリン・ジョンストン

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 ロシアのウクライナ侵略一周年、無数の感情的ニュースや琴線に触れる記事や一面のソーシャルメディア投稿や欧米中でウラジーミル・プーチンの悪を非難するデモがあった。

 彼らの大半にとって、おそらく生まれて初めての「反戦」抗議行動のためアメリカのリベラル派が何千マイルも離れた外国政府指導者を勇敢に非難するため週末ワシントンDCリンカーン記念碑に集まった。世界で最も好戦的な国の首都でロシアの戦争行為に反対する集会で演説した悪意に満ちた戦争屋サマンサ・パワーのような帝国幹部が彼らに合流した。

 昨年この戦争を大多数の欧米人は、世界で最も暴君的体制支配下で暮らしながら、自分は必要に迫られている人々を守るため、権力を持つ血に飢えた専制権力に逆らって戦う勇敢な反帝国主義者だという空想を行動に表すため使った。彼らはこれまで存在したものの中で最も強力な帝国のプロパガンダを無思慮におうむ返しし、権力者に反対するふりをしながら世界最大、最も殺人的支配体制の覇権の狙いに奉仕して、最強力な国が日がな既に言っている同じ話を西欧中でオウム返しする。

 ウクライナでの戦争が大多数のリベラル派が反抗的反帝国主義者のふりをするのを可能にしている様子は、帝国がいかにして、人々が帝国に反対せずに権力と戦っているという錯覚を与えるかの良い実例だ。

 これと同じ傾向がトランプ政権中、アメリカで生じるのを我々は見たが、そこで大多数のリベラル派がナチに占領されたフランスでヒトラーに反対する社会主義革命家や反抗分子であるかのように、自分は「レジスタンス」だとレッテルを貼った。実際には、あらゆる言説の中、前任者や後継者を含めトランプはかなり普通のアメリカ大統領で、最も凶悪な犯罪は全てのアメリ大統領に見られる慣習的な類の変種に過ぎなかったのでトランプ大統領は彼らの生活の快適さに実際ほとんど影響を与えなかった。民主党員は勇敢な革命家のロールプレーイングゲームをして四年過ごし、彼が官邸を去ってゲームは終わった。

 まったく同様に、トランプ大統領は、どんな有意義な形であれトランプが既存支配体制に決して実際には挑戦しなかったにもかかわらず、右翼が既存支配体制に反対する運動の一部だったふりをするのを可能にした。彼がアサンジを投獄した後でさえ、人々は彼は闇の国家と戦っていると信じた。彼が我々が今いる状況に至るのを助けたロシアに対する攻撃を強化し、飢餓制裁で何万人ものベネズエラ人を殺し、アメリカが支援する大量虐殺からイエメンを救う試みを拒否し、政権転覆をもたらす狙いで飢餓制裁とCIA作戦を使ってイランで内戦を煽動するため働き、シリア再建を阻止する狙いでシリア油田を占領し、中東や他の場所で大いに兵隊の数を増やし、大いに1日に投下される爆弾数を増やし前政権の一般人殺害記録を大きく超え、それら空爆に対する軍の説明責任を減らしたのに「戦争を終わらせて」いると人々は信じた。彼が支配体制の沼の怪物で閣僚を満たした後、沼を排水していると人々は信じた。

 トランプ支持者はジョージ・W・ブッシュ支持者がロン・ポール支持者としてロールプレーイングゲームをしているに過ぎない。彼らは自分の想像の中以外では、どこでも決して実際に起きてなどいない帝国に対する戦いを演じているのだ。

 これが四年続き、トランプが権力なので民主党員は権力と戦っているかのように振る舞い、共和党員はトランプの敵が権力なので権力と戦っているかのように振る舞った。ホワイトハウスに座する傀儡に関係なく帝国は常に前進するので本当の権力は全く挑戦されずにいた。

 そして中国との戦争の太鼓が過熱するにつれ今トランプ支持者がウクライナ国旗を振る愚かなリベラルの鏡像に変わるのを我々は目にしている。批判的思考のギャグ反射.

そして、中国との戦争の太鼓が激しく鳴るにつれ、トランプ支持者が今日見ている無知なウクライナの旗を振っている愚かなリベラル連中の鏡像に変わるのを目にしている。批判的思考のギャグ反射.

 中国との戦争の陣太鼓が激しく鳴るにつれ、トランプ支持者がいささかの批判的思考の嘔吐反射もなしにメディアが押しつける全ての話を飲み込みウクライナ国旗を振り回すリベラル派の鏡像に変わるのを我々は目にしている。ロシアに関するプロパガンダに真実の光を当ててきた人々がバイデンは習近平の傀儡だと信じるため突然その光を消している。
 それはどんな本当の革命的時代精神の可能性も潰す素晴らしい方法なので帝国言説支配者は大多数の群衆にこうした妄想を積極的に醸成する。実際は権力と戦っていないのに、権力と戦っているような錯覚を人々に与えられれば常に権力の座に留まれるのだ。

 それには多くを必要としていない。イデオロギー音響室内の信頼できる少数意見の人々が圧制的権力行使や虐待に対する情熱的反対者になりすませば、そうしたことに反対したいという人々の自然な願望が後はしてくれる。弱者や無防備な人々になり代わり権力者の腐敗に反対するのは当然だと感じるのだ。連中は健全な人間の衝動を錯覚にそらすだけで良いのだ。

 何時の日か十分な数の人々がこの錯覚を見破るのを学ぶよう願うばかりだ。

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 画像はウラジーミル・ヤイツキーによる。大きさを変更(表示 - 継承 2.0 一般 (CC BY-SA 2.0) )

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/02/26/the-empire-gives-people-the-illusion-of-fighting-the-power-without-ever-endangering-real-power/

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 大本営広報部呆導に興味皆無。マグレガー氏解説を拝聴している。
 消耗戦推進用の演技がうまい大統領俳優として採用訓練されただけ。
 宗主国諜報情報をもらって、無能な宗主国幹部にふりつけられるまま動いている。

Col. Douglas Macgregor: UKRAINE IS DONE. Putin will MARCH ON Kyiv 26:23

 The Jimmy Dorw Show Kshama Sawantが民主党の反労働者政策批判をまくしたてる。
 労組幹部を装う政府傀儡女性に耳をほじって聞いてもらたいもの。患部が聞くはずないが。

THIS Is How Democrats LOST The Working Class 19:18

 寺島メソッド翻訳NEWS Strategic Culture Foundation記事翻訳

日本は、米国の「アジア基軸」を追従して自らの首を絞めるのか?

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

英国歴史学者の見解「ウクライナは主として防御姿勢。ウクライナ、露の消耗戦では露が耐える力が強い。西側諸国はウクライナ支援でまだ揺らいでいないが、世界の他の国々、印度、南アを含め旧植民地国は露が西側大国に痛められてるとの認識持つに容易。

 メルマガ内容、当然ながら? 大本営広報部とは違い、IWJガイドのものに近い。

 日刊IWJガイド

「ラブロフ外相が積極外交をグローバルサウスに展開!! 林芳正外務大臣がG20外相会合に欠席!?」

はじめに~林芳正外務大臣が、インドで開催されたG20外相会合に欠席したことで、ホスト国インドの怒りを買っている! インドメディアは厳しく批判!「日本の信じられない決定がインドを驚かせている」!「この動きはニューデリーと東京間の関係に何らかの影を落とすかもしれない」! 他方、ロシアのラブロフ外相は積極外交をグローバルサウスに展開! ブリンケン国務長官はラブロフ外相に、ロシア侵攻後、初めて接触!

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