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2023年2月20日 (月)

特殊作戦プロパガンダ屋連中をウクライナに戻そうと望んでいる国防総省

2023年2月12日
ケイトリン・ジョンストン

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 「ウクライナでの極秘計画再開を目指す国防総省」という題のワシントン・ポスト記事にはアメリカ特殊作戦部隊が昨年ロシア侵略前ウクライナで何をしていたか、そして彼らが将来そこで何をする予定かに関するいくつか興味深い情報がある。

 「現在と前アメリカ当局者によれば国防総省は昨年ロシア侵略前に停止されたウクライナでの極秘計画への資金供給を再会するよう議会を促している」とポストのウェスリー・モーガンが書いている。「もし認められれば動きはアメリカの特殊作戦部隊にウクライナ工作員をロシア軍の運動を偵察し偽情報に対処するため雇用が可能になるだろう。」

 記事のかなり後半でそれら2つの極秘プログラムの実態が知れる。その1つがアメリカ特殊部隊がロシアの諜報を集めるためウクライナ要員を「ウクライナ東部での秘密偵察任務に」送ることが必要だった。もちろんワシントン・ポストはその実情を報じないが、もう一つは密かなオンライン・プロパガンダの実行だ。

 「我々はロシア・プロパガンダを破壊し、ブログに真実が書かれるようにしている」と「特殊作戦業界の人物」とされる情報源がワシントン・ポストに語った。

 

 アメリカ特殊作戦軍は「ロシア・プロパガンダを破壊するため」「ウクライナ要員を雇用しており」「ブログに真実が書かれる」というのはアメリカ特殊作戦軍がオンラインでアメリカ・プロパガンダを実行しているに過ぎない。実際連中が自身をどう思っていようと、彼らが「真実を話す」こと、あるいは「ロシア・プロパガンダを破壊する」のは連中がアメリカ政府プロパガンダを実行している事実を変えない。政府が自分の情報権益を推進をメディアで広めているのは正に国家プロパガンダそのものだ。

 アメリカ政府は理論的に直接自国身民にプロパガンダを行うことを禁じられている(その方針さえスミス・ムント法マスメディアシリコンバレーへのアメリカ政府潜入で意図的に侵害されている)が国境のないインターネット上でプロパガンダを広めるよう外国組織に資金供給したり命令したりするのを止めるものは何もない。アメリカ・プロパガンダがCIAのラジオ・フリー・ヨーロッパやラジオ・フリー・アジアのような古いメディアに限定されていた頃はプロパガンダはメディアが放送される住民だけが対象だと主張できたが、オンラインで流布されるプロパガンダはアメリカ聴衆を含め、あらゆる場所に必ず少しずつ流れる。

 資金供給を認める2018年の米国国防権限法の規定が「伝統的な武力紛争」中それらの使用を禁じるため、これら秘密計画が昨年ロシア侵略前に中止されたので、国防総省はその条件を無効にするよう議会を説得しようと努力しているとワシントン・ポストは説明する。これら秘密作戦を再開可能にする議会へのセールス文句の一部は、それがプロパガンダ利用を妥当なものにする「アメリカ軍が「非キネティック」つまり「非暴力的任務」と呼ぶもの」であることだ。

 

 我々が最近論じた通りロシア・プロパガンダが欧米世界で大きな影響力がない時に「ロシア・プロパガンダに対処する」ためアメリカ勢力連合が更に政府プロパガンダを始めるべく大いに力を入れるのは実に愚かだ。RTが閉鎖される前、イギリスのテレビ視聴者全体の0.04パーセントしか引きつけていなかった。Facebookで大いに売り込まれたロシア選挙妨害キャンペーンは選挙とほとんど無関係で、Facebookを与えている「23,000の記事のうち約一つの内容」に影響を与え、他方2016年選挙前のTwitterでのロシアによるネット荒らし行動のニューヨーク大学による研究では「ロシアの外国影響作戦への露出と態度変化や分極化や投票行動の有意な関係の証拠」は見られなかった。アデレード大学による研究は、ロシアのウクライナ侵略後、ロシア・ボットやトロールに対する全ての警告にもかかわらず、Twitter上の本物と認められない行動の圧倒的多数が本質的に反ロシアであることを見いだした。

 実際、我々が目にしているプロパガンダや検閲や他の形の言説支配に益々多くのエネルギーを投入する取り組みは「ロシア・プロパガンダの破壊」には無関係で、もっぱら反対意見の抑制が狙いだ。ロシアと中国に対して準備した「大国間権力競争」には経済戦争や大規模軍事支出や核を使った瀬戸際外交が必要だが膨大なごまかしなしには誰も同意しないのでアメリカ帝国は半狂乱でプロパガンダと検閲を強化しているのだ。自分の役に立たない世界的権力争いを巡り、更に貧しく、更に寒くなり、安全性が低下することに対しては、そういう同意が積極的にでっち上げられない限り誰も同意するまい。

 それが、メディアが最近非常に奇妙な行動をしている理由であり、反体制派の意見をオンラインで見つけるのがますます難しくなっている理由で、新しい「ファクト・チェック」産業や他の形の言論統制目的で、ペンタゴンがウクライナでのプロパガンダ活動への議会による資金提供承認を望んでいる理由だ。帝国の「権力競争」がたまたまインターネットへの広範囲な利用と同時に起きている事実は、抜本策として大衆を帝国の思惑に協力して行進させられるよう情報支配を確保しなければならないことを意味する。支配者が単極支配確保に自暴自棄になればなるほど言説支配が益々重要になる。

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 画像はアドビ・ストック。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/02/12/pentagon-wants-to-return-special-ops-propagandists-to-ukraine/

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 宗主国も属国も大本営広報部大活躍。

 The Jimmy Dore Show コンドリーサ・ライスもストラトフォーのジョージ・フリードマンも昔からノルドストリーム処分の必要性を語っていたとアーロン・マテ。

Ukraine War Was ALWAYS About Dividing Russia & Germany 9:12

 デモクラシータイムス

終わらせない!統一教会問題 鈴木エイトさん【佐高信の隠し味】20230214 44:40

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

労働問題(続)孫崎享チャンネル書き込み継続「私の組合活動家の役割は、働き続けられる職場作り。雇用か賃金かの二択なら迷わず雇用を選択。非正規労働者の増大による格差社会を是正する為ワークシェアリング(賃金水準抑制した雇用の分かち合い)主張

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「シーモア・ハーシュ氏『ウクライナ紛争の終わりは時間の問題です。ゼレンスキーがあと何人、自国民を殺したいかという問題です』」

はじめに~『デモクラシー・ナウ!』によるシーモア・ハーシュ氏インタビュー(その1)ハーシュ氏「ウクライナ紛争の終わりは時間の問題です。ゼレンスキーがあと何人、自国民を殺したいかという問題です。もう終わりです」、「米国大統領が勝つ見込みのない戦争のために同盟国を凍えさせたノルドストリーム爆破は、長い目で見れば甚大な影響を及ぼすでしょう」

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