またしてもトルコ対NATO
2023年2月6日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
同盟必死に膨張しようとしている中、スウェーデンのNATO加盟を阻止するトルコの決定は同盟で新たな論争をひき起こした。スウェーデンは実行するはずだった、つまりスウェーデンで暮らす「テロリスト」に対する措置をとり、2016年の軍事クーデター未遂に関与した他の人々を追放し損ねたとトルコのエルドアンは考えている。だがスウェーデン加盟を阻止するトルコの決定は別のものをもたらした。スウェーデンとアメリカ間の新たな軍事協定だ。二国間「防衛協力協定」と呼ばれる協定はアメリカがスウェーデンに軍隊を配備することを可能にする。アメリカとヨーロッパの同盟諸国が戦車供給により既にロシアに対する戦争を強化している時にこの協定は発表された。だが注目に値する疑問はこうだ。トルコの条件を満たすためできる限りの全てをしたとスウェーデンが主張するのに、なトルコはぜ加盟を阻止しているのだろう?
この阻止の根本的な理由は、ストックホルムがトルコの要求に合わせて行動すると同意したアンカラとの2022年の合意に対するスウェーデンの不服従に関するいかなるいらだち以上に、エルドアン政権自身の権益に多く関係しているように思われる。
政治的、地政学的の要因があるのだ。ロシアがスウェーデン(とフィンランド)のNATO加盟に反対しているのは良く知られている事実だ。だがそれがなぜエルドアンにとって重要か? 今エルドアンは経済が急速に衰退している国を率いている。エルドアン政権は20年で最悪のインフレ率だ。2022年11月トルコ統計研究所が発表したデータによればインフレ率は84.4パーセントだった。(12月に64パーセントに下がった。)この文脈でロシアとトルコの結びつきは重要でアンカラは今ロシアを標的にした欧米決定を支持する最良の時ではないかもしれないと計算しているのだ。ロシアはなぜトルコにとって重要なのか?
ウクライナにおける紛争開始以来、トルコのロシアからの(安い)エネルギー(石油とガス)輸出は何倍も増加した。安いエネルギー供給はエルドアンが国の経済破産を免れる助けになる。それは単に割引でガスを買っているだけでなく、ドルではなくルーブルで支払っている。ルーブル支払いはロシア通貨を助け、同様にトルコ経済も助ける。トルコはロシアから輸入しているだけではない。ロシアへのトルコ輸出は実際、2022年に45パーセント増えた。要するに現在のトルコ・ロシア関係の形からしてトルコがNATO拡大を支持する余地はほとんどない。
もしトルコ経済性が更に悪化したら一体何が起きるだろう? 今年トルコは選挙年だ。エルドアン政権が悪化しつつある経済を統治する状態で、驚異的敗北に直面しかねない。世論調査が示す通りエルドアンと彼の与党は既に野党に負けている。確実にエルドアン政権にとって現段階でより重要なのはNATO拡大問題ではなく自身の未来の生き残りだ。
この広い文脈でスウェーデンNATO加盟反対はエルドアン政権にとって二つの明確な相関関係がある目的に役立つのだ。
第一に、明らかにそれはエネルギーの流れを維持するだろう。第二に、欧米に対し「自立した」外交政策を推進する政府の能力を有権者に示すことで、活気に満ちた野党に対し、衰えつつある政治的立場を強化したいとエルドアンは望んでいるのだ。言い換えれば、経済破産を免れることで、自立した外交政策を見せることで、エルドアン政権は野党の余地を制限して人気を取り戻そうとしているのだ。
スウェーデン加盟阻止はエルドアンにとって単に地政学問題だけではない。最近の神聖なコーラン焼却は、彼が宗教的熱情を強化するのを可能にし「[ストックホルムの]我々の大使館前でこのような冒とくを許す人々はもはやNATO加盟に対する我々の支持を期待できない」「もしあなた方がトルコ共和国のイスラム信仰に敬意を示さないなら、NATO加盟に対する我々のどんなも支持も得られない」と付け加えた。
スウェーデン当局はこの事件を「表現の自由」の表現だと弁護したが、エルドアンがこのいわゆる「表現の自由」で異なる政治見解を持っているのは明白だ。現状で、彼は支持者つまり8,500万人のトルコ国民を、彼のブランドであるトルコ民族主義を巡って刺激し(NATO同盟諸国が大切にしている世俗的な行き方と対照的に)深く直接宗教を注入する機会と考えているのだ。
何がこのシナリオを変える可能性があるだろう? 先に触れたとおりスウェーデン加盟を阻止する決定は欧米との連合から非連合へというこの国の移行に本質的影響を与えてはいない。アメリカとの協定はスウェーデンの非同盟時代をほぼ終わらせたが、それは依然完全なNATO加盟ではない。
エルドアンの反対は永久ではない。この反対は大統領と議会の選挙と結びついている事実からして、特にもし、いっそう西寄り、ウクライナ寄りの外交政策をとると予想される野党が勝てばトルコの公式姿勢は選挙直後に変化するかもしれないことを意味する。
たとえエルドアンが勝つた場合でも、権力を失う脅威はもはやなく、NATO同盟諸国やロシアと対処する上でエルドアンは一層自信を持つだろうから姿勢は変化し得る。取り引きの強化を含め、意味ある経済援助がエルドアンにその姿勢を変えるよう「説得」できるという結論に欧米が達するかもしれない。
だが今のところ今後数カ月、事態は変化しそうにない。
ウクライナでの紛争がどのように展開するかによって、国際的地政学的シナリオは完全な様変わりが殆ど、あるいは全くないような形で今後数か月で変化する可能性がある。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/02/06/it-s-turkey-vs-nato-once-again/
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The Jimmy Dore Show
Roger Waters Smeared By Pink Floyd Bandmate Over Ukraine 11:16
Pink Floyd frontman Roger Waters has long been an outspoken advocate for oppressed people across the globe, whether in Yemen, Palestine, Peru or elsewhere. He’s also defended Julian Assange and called for peace in Ukraine. And for his trouble and sticking his neck out he’s been pilloried and smeared, in particular recently by his Pink Floyd bandmate David Gilmour.
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米戦略軍司令官が議会に「中国のICBM発射台の数は米国の数を凌駕」と報告。潜水艦発射や爆撃機発射は別。
「『ノルドストリームを破壊したのは米国!』と米記者ハーシュ氏が大スクープ!!/ゼレンスキー氏を大統領にすえたコロモイスキー氏宅に捜索!」
はじめに~EU加盟を目指す、世界最底辺レベルの汚職大国ウクライナで、汚職追放活動が継続中! 捜索は政府当局者以外にも拡大! 2019年ウクライナ大統領選挙でゼレンスキー候補を強力にバックアップした、ウクライナのユダヤ人オリガルヒ、イゴール・コロモイスキー宅にも家宅捜索! 米国からも制裁を受けるコロモイスキーとは何者なのか?
ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ! ノルドストリームの破壊は2021年末から2022年の最初の数カ月の期間に、バイデン政権が計画を立案していた!!(本日、午前8時5分に「号外」を発行。是非、ご一読ください)
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