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2023年2月28日 (火)

太平洋で存在感を強化するAUKUS同盟諸国

2023年2月21日
ピョートル・コノワロフ
New Eastern Outlook

 地政学的影響力の規模で間もなく北京がワシントンを越えると十分承知しているアメリカと同盟諸国にとって年々軍事力と経済力を強化し続ける中国は気がかりな憂慮すべきものとなっている。中国の影響力を制限するため欧米指導者は様々な措置をとっているが欧米ブロック諸国は中華人民共和国と同じ資源に欠けるため彼らの計画は滅多に成功しない。

 2021年9月オーストラリア、イギリスとアメリカを含むAUKUS同盟の創設は太平洋における中国の立場を弱めること意図している。結局アメリカの行動は大した成功は収めていない。AUKUSの一環としてワシントンはオーストラリア軍軍事力を強化したオーストラリアと軍事技術を共有した。イギリスは太平洋に配備したイギリス兵の訓練を優先事項にし始めた。

 AUKUS加盟国は防衛力向上に加えて南太平洋の12の小さな島国との関係強化を決めた。この決定は中国の軍事施設が他の国々の領域に現れるのを阻止すべくアメリカが自身に課した事実から来る。2022年4月の中華人民共和国とソロモン諸島間の安全保障協定署名はAUKUSにこの地域でより積極的な政策を追求する重要性を示した。オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相は2023年6月に予定されている安全保障協定の時期を論じるため2023年1月中旬パプアニューギニアを公式訪問した。キャンベラは心から、力を表示することにより、それが南太平洋地域における中国の影響力増加を遅らせられると信じる、それをそれが国の防衛に臨界であると見なす。

 フィリピンなどの太平洋ASEAN国とAUKUS加盟諸国の強い関係も同様に重要だ。例えば、アメリカとフィリピン間関係は主に人口1億1400万人の島国に米軍基地を確立した1951年の相互防衛条約に基づいている。20世紀末に国際緊張が緩和し始めるにつれフィリピンのアメリカの軍事駐留は次第に減少し、この条約は2020年実質的に期限が切れた。ロドリゴ・ドゥテルテはロシア寄り、中国寄りの意見で知られており、2016年から2022年までフィリピン大統領を勤めフィリピン領土からのアメリカ部隊完全撤退を支持した。だが2022年にボンボン・マルコスがフィリピン新大統領となりアメリカと協議を再開した。

 現在米軍は部隊を8つのフィリピン軍基地にのみ配備する権利があるが、最近アメリカ当局は部隊を現地のより多くの軍事基地に配置し、フィリピン軍ともっと共同訓練を行いたい願望を表現した。

 2023年2月2日フィリピンとアメリカ国防大臣カリート・ガルベス・ジュニアとロイド・J・オースティン3世はフィリピンの首都マニラで会合した。双方の声明によればこの会合の目的は両国軍の防衛力を向上するため双方の提携強化だ。

 ロイド・J・オースティン3世フィリピン訪問の本当の目的は米軍による4つの追加フィリピン軍事基地利用交渉だった。ロイド・オースティンは彼の目的を達成した。フィリピンは米軍に軍事基地の4つの利用を認めることに同意した。

 ワシントンに対するマニラの譲歩理由は単純だ。アメリカと中国はフィリピン輸出と輸入のほぼ等しい割合を占めている。発展途上国はアメリカ投資を失うのを望まないので、米国との軍事協力を拡大したのだ。フィリピン当局者によれば、両国ともお互い最大の貿易相手国で、かなり大量の核兵器を持っているので、中華人民共和国とアメリカ間の武力衝突の可能性は低い。フィリピンで増加したアメリカの軍事駐留は軍事的というより政治的含みが多いことは指摘する価値がある。フィリピンのアメリカ兵士数は本格的攻撃あるいは防衛の規模ではない。

 両国の防衛大臣はそれの間に彼らがダイアログの両側の団結した努力が自然災害と気候変化を扱うための有効な条件を引き出す、フィリピンにおけるアメリカ兵数増加が国の防衛力に好影響を与えるであろうと述べた共同記者会見を行った。

 マニラとの結びつきを強化して太平洋におけるプレゼンスを維持しようと努めるのはアメリカが唯一のAUKUS加盟国ではないことを指摘するのは重要だ。オーストラリアもフィリピンの信頼を維持するため懸命に働いている。2022年10月、密輸やテロや麻薬取り引きや自然災害に対処する両国能力を強化するためにフィリピン・オーストラリア共同海軍演習が行われた。演習は両国から約400人の海軍兵と士官が参加した。フィリピン海軍によれば、この訓練はフィリピン海軍と沿岸警備隊の能力を改善するのに貢献した。

 これが2022年フィリピン領で開催された最初のオーストラリア-フィリピン共同演習でなかったことを指摘すべきだ。同年5月12日、ヌエヴァ・エシハ州のフォート・ラモン・マグサイサイ射撃場で演習が行われた。これは近隣諸国に軍事力を示しながら、フィリピン駐留を維持したいというオーストラリアの願望を示している。

 AUKUS参加諸国の行動の合理性には疑問の声が上がっている。上述の通り、フィリピンなどの国に配備されたアメリカ部隊は本格的な軍隊を構成するには不十分だ。それにもかかわらず外国でのアメリカ軍の維持管理にはより賢明に使えるはずの相当な財源を消費する。部隊をできる限り多くの国に送りたいワシントンの願望を説明する一つの要因は太平洋において地政学的な重みを増すという願望だ。

 中華人民共和国は軍事施設を他の国々に設置せず、貿易協定を通して影響圏に取り込んでいる。北京は国外に小規模軍隊を駐留させることがどれほど非能率的で無意味か認識しており、そうすることは国際関係を大きく損なうことも知っている。多くの国々の代表は、主に貿易と経済協力で北京がアメリカより良い条件を提示するため、中国との包括的な経済連携協定に署名しているのだ。

 ピョートル・コノワロフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/02/21/aukus-alliance-members-to-strengthen-presence-in-the-pacific/

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