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2023年2月26日 (日)

アメリカが中国にしていることを中国がアメリカにするのを想像願いたい

2023年2月19日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 先週木曜日、アメリカのDC沼で巨大な影響力を持つ戦争挑発シンクタンク、ヘリテイジ財団でジョシュ・ホーリー上院議員が演説したが、今アメリカ外交政策で起きているいくつかの興味深い動きの完ぺきな表現だ。

 トランプを支持するホーリーは共和党「MAGA」派エセ・ポピュリズムの完ぺきな例だ。庶民のためにエリートに立ち向かう大げさな身振りをしながら、欧米オリガルヒやDCネオコンや秘密主義のアメリカ行政機関長年の思惑を首尾一貫推進する金持ちのアイビーリーグ卒業生だ。

 闇の国家を直接支援しながら闇の国家と戦うふりをするホーリーの最近の演技は「中国とウクライナ:真実を知る時」という題の演説に現れ、「ウクライナでの果てしない代理戦争」闇の国家「右翼のネオコンと左翼のリベラル世界主義者」の「一党支配」や中東でのアメリカ戦争が「何十億ドルもかかり何百人ものアメリカ人の命が失われ」(いずれの数値も途方もなく控えめな表現)を犠牲にしたと彼は非難する。

 典型的な「アメリカ合衆国を再び偉大な国にする」共和党風に、ホーリーは全くポピュリストのように聞こえる主張をして、海外での外交政策大失敗に向ける全ての富や資源や軍事力を台湾を巡る中国との戦争準備に使うべきだと主張するために使う。ホーリーが、しばしば同じ主張するもう一人のエセ・ポピュリストで悪意に満ち反中国 宣伝屋タッカー・カールソンお気に入りのゲストなのは少しも不思議ではない。

 (アメリカではなく第二次世界大戦枢軸国になぞらえて)中国を「新たな帝国志向勢力」と呼び、ホーリーは中華人民共和国の習近平主席は「太平洋支配を望んでおり」彼を止めなければ、台湾占領からアメリカの軍事包囲に素早く進むだろうと主張する。

 北京が台湾を占領した場合の「基本的医学から家庭用電化製品に至るまで全ての」大量生産品の欠乏について恐怖を煽った後、ホーリーは世界が、ワシントン界隈さえ中国の戦争機械に包囲されていることに気がつく「暗い未来」を語り始める。


 もし中国が台湾を占領すれば軍をそこに配置することが可能だ。それから中国はその場所を日本やフィリピンやグアムや北マリアナ諸島のような他の太平洋の島に対する更なる征服や恫喝の踏み台として使える。

 アジアの新しい支配勢力として中国はこの地域のアメリカ貿易を制限できる。おそらく完全に阻止する。おそらく中国に好都合な条件でのみ我々は許されるだろう。

 まだある。最近我々はアメリカの中枢地域を横切って飛ぶ中国スパイ気球を目撃した。だが事態は遙かに悪くなる可能性がある

中国軍艦がハワイ水域を哨戒し中国潜水艦がカリフォルニア海岸線に忍び寄る世界を想像願いたい。人民解放軍が中南米に軍事基地を持つ世界。中国軍がメキシコ湾と大西洋で自由に活動する世界。

 そう、ジョッシュ、それを想像しろ。中国が軍事基地と兵器でアメリカを包囲する奇妙な暗い日程を想像しろ。いいか、今アメリカが中国にしているのと文字通りまさに同じことを。

 スカイ・ニュース・オーストラリアによる第三次世界大戦を引き起こす「中国による侵略」の脅威に関する異常な戦争プロパガンダに関する記事を私は最近書いた。実に滑稽なのは、この特別番組のおよそ半ばでスカイ・ニュースが中国を巡ってアメリカが強化した「ハワイからインドまで広がる作戦の巨大ネットワーク」の巨大な不規則に広がる軍事駐留を示す図を点滅させたことだ。

 スカイニュース特別番組は「中国の攻勢は新たな世界大戦を引き起こしかねない」という題だが、その図を見て誰が本当の侵略者か理解しないためには皆様の脳はスープでできていなければなるまい。アメリカが明らかに攻撃的行動をしており、中国は明らかにそれら攻勢に防衛的に対応しているのだ。ジョシュ・ホーリーのような連中が、まさにこの仮説を絶対的に最悪の「暗い未来」悪夢シナリオとして説明している事実で証明される通り、アメリカは中国に対して行ってきたことを中国が行うのを決して許容しないから、これは明らかだ。

 もしホーリーがものごと想像するゲームをしたいなら、彼が言ったことを突然中国がし始めたらアメリカが何をするか彼は想像するべきだ。アメリカ軍艦が中国近海で頻繁に行って中国を怒らせているのと同じ攻撃的「航行の自由」演習で、中国軍艦がメキシコ湾や大西洋、カリフォルニアやハワイ付近を航海してまわるのを。アメリカが中国を巡って設置し現在も強化続けている 軍事基地ネットワークのような中南米の人民解放軍基地。

 それを想像しろ、ジョシュ。

 このような状況で何が起きるか想像するのは楽しくない、なぜならそれは即座の世界大戦を意味するから。中国が西半球で軍事的存在を強化するのをアメリカはすぐに戦争行為と見なして、それら軍隊を敵対的侵略者のように攻撃し始めるだろう。ジョシュ・ホーリーのようなアメリカ帝国運営者がこのような見込みについて話をする様子から、我々全員これが本当だと知っている。

 ロシアや中国のような国が旧ソビエト諸国や南シナ海で多少の勢力圏を主張する考えに対し、アメリカ至上主義者が芝居がかって悲嘆する様子は決して私にとって愉快なのはかわるまいが、一方彼ら自身このような勢力圏を強く主張しているのだ。

 アメリカ帝国がいつもしていることを外国政府がすることについてアメリカ帝国政府支持者が絶えず不平を言うのはばかげている。皆様が反対すると主張する動きをするのをやめなさい。皆様が心から平和を欲するなら、果てしない戦争をするのをやめなさい。皆様が心から勢力圏に反対するなら、他の誰より遙かにひどく皆様自身それを主張するのをやめなさい。皆様が心から選挙干渉やスパイ活動やプロパガンダなどの終わりを望むなら、世界最悪の加害者であることをやめなさい。皆様が本気で世界大戦を望んでいないなら、それに向かって加速するのをやめなさい。まず自分が変わることだ。

 連中は心からそれを望まないから、もちろんそうした変更のいずれもアメリカ帝国支配者は行うまい。彼らが望むのは権力と世界支配だ。

 主流世界観が我々に受け入れるよう求める最も奇妙なことの一つはアメリカ政府は(A)全世界の指導者であるべきで(B)もっぱら公正な慈悲深い理由から世界の指導者になりたいと望んでいるということだ。

 世界支配を望む他の誰であれ誇大妄想と呼ばれる。世界支配を望む邪悪な連中についての映画やショーを見て我々は成長した。ところが、アメリカ政府はもっぱら我々全員を愛し、全員に自由と民主主義を与えたいと願って世界支配を望んでいるのを認めるよう主流世界観は我々に求めるのだ。

 この帝国の歌とダンス丸ごと世界で最もばかばかしいことだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/02/19/imagine-if-china-did-to-the-us-what-the-us-is-doing-to-china/

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 国営放送洗脳ドキュメンタリーを見た。『ロシア 衝突の源流』ロシアは戦争ばかりしている話。ロシアの実績だけでなくアメリカの実績も放送してもらいたい。強制的に料金を徴収されて洗脳されてはたまらないが、それが現実。昔下記記事を翻訳した。

 アメリカは、その歴史のうち93% - 1776年以来の239年中、222年間が戦争

 アメリカが支援するウクライナ右翼はロシアと交渉したら殺すとゼレンスキーを恫喝
 そもそも東部を巡りロシアと和平するという選挙綱領で圧倒的支持で当選したのだ

 The Jimmy Dorw Show

Zelensky Threatened w/ DEATH If He Negotiated With Russia! 18:48

 まともな国民がノルドストリーム爆破問題を追及しても「調査」しない下院民主党院内総務ハキーム・ジェフリーズ議員。

“I Won’t Investigate Nord Stream Attack” – Dem Leader Hakeem Jeffries 5:02

 Chris HedgesのSubstack最新記事

The Trump-Russia Saga and the Death Spiral of American Journalism

 時間に迫られて記事を書くジャーナリズムでは時折の間違えは避けられない。
 間違えたら訂正しなければ信頼性は得られない。
 トランプのロシア・ゲートが典型。
 信頼性を失ったメディアは一部連中の拡声器でしかなくなる。

How the media misled us about Russiagate w/Jeff Gerth | The Chris Hedges Report 32:18

 植草一秀の『知られざる真実』

世界人口の6割が非ウクライナ支持

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

中国外務省は24日12項目の和平案を発表。国家の主権を尊重、自国の安全のために他国を犠牲にしてはならない等一般原則。厳密な意味での和平案ではない。バイデンは中国に提言の資格なしと批判。米国としては今夏までウクライナに全力で戦わせる方針。

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