ホロドモルの背後の真実
ナターシャ・ライト
2023年1月4日
Strategic Culture Foundation
西側諸国全体にとって、彼らの悪意ある狙いに合っている時だけ、ロシアはソビエト社会主義共和国連邦の法的後継者だ。
2022年11月末ドイツ連邦議会はソ連の大飢饉をロシアに犯された大量虐殺だと宣言する新決議を成立させた。
ご存じないかもしれない方々のためにご説明するが、ホロドモールあるいはゴロドモルというのはホロド/ゴロド(飢え)と「死ぬ」ことを意味するモルから合成された言葉で、ゴロドモルは餓えテロ、テロ飢饉、大飢饉を意味する。ソ連で1932年と1933年の時期に起きた大きい「飢餓テロ」はウクライナだけでなくソビエト社会主義共和国連邦の全ての主要穀物産地、北コーカサス、ボルガ川流域、南ウラルや西シベリア、カザフスタン、モルドバや多くの他の場所で同様に地域で起き、ウクライナ人350万人を含め異なる国籍の7から800万人の命を奪った。90年後ドイツ連邦下院は(自分が最も残酷に発明した大量殺戮の歴史を隠すのを絶望的に望んで他文化や国々がした大量虐殺とされるものを探しもとめる政治的吸血鬼連中と同様)ゴロドモル/ホロドモールはロシアによりウクライナ人のみに犯された大量虐殺だと宣言する。この新たに発表されたドイツ書類で連邦下院は穀物産地のみならずウクライナ全体の人々が苦しみ大量に死んだと主張している。際立って優れた連邦下院の二重基準だ。
これに答えて、この決議は民族的ウクライナ人にロシア連邦と前ソビエト社会主義共和国連邦でロシア人や他の民族に敵対するように言いくるめるためにウクライナで広められているロシアとロシア人を悪者にする西側諸国全体が支援する宣伝活動を正当化する更にもう一つの恐ろしい取り組みだとロシア外務省は述べた。
史実を酷く歪めるので、この連邦下院決議はばかばかしいとロシア外務省報道官マリア・ザハロワは述べた。彼女はソビエト社会主義共和国連邦は西洋との貿易協定に小麦で支払うべきだと要求し、西側諸国がホロドモールに多いに寄与したと付け加えた(似たようなことが2022年にクラウス・シュワブのばかばかしい第4次産業革命として知られるグレート・リセットやウクライナ紛争や最近のウクライナ穀物輸出危機などが起きている)
連邦下院のこの決議の前にアイルランド、モルドバとウクライナ議会はホロドモールをウクライナ人に対して犯された大量虐殺だと宣言した。アイルランド人がまもなく事情を理解し世界が忘れないようアイルランド人が忘れないよう、イギリス人は彼らに対し最も大量虐殺した悪人だという宣言を推進するよう願う。米議会はスターリンがウクライナ人に対し大量虐殺行為をしていたと主張し5年前にこの決議を採択した。アメリカ人が、二人だけ名前をあげるがエイブラハム・リンカーンとジョージ・ワシントンを含め自身の大量殺戮大統領を研究すべきだと私は個人的に考えている。
我々はアイルランド人やボーア戦争でのボーア人に対する大量殺戮や先住アメリカ・インディアンや中国でのアヘン戦争でイギリスが大量虐殺国家と宣言されるのをまだ見ていない。更には例えば白人オーストラリア人によるアボリジニーに対するものへとリストは続く。巨悪のトニー・ブレアはアイルランド人に下手な弁解をした。彼は皮肉っぽくくすくす笑っているに違いない。ケビン・ラッドはアボリジニーに対し似たようなことをしたが十分ではない。
しかしホロドモールの問題に戻ると、現在ウクライナ人は大規模な食糧不足を起こしてウクライナの政治的影響力を弱め壊滅することを狙った組織的で意図的な飢餓テロだったと主張するが、この飢饉は実は極めて厳しい天候による穀物不作からの途方もない規模の食糧不足がおき、その後で強制的集団化が行われて起きたのだ。ウクライナは早くも2006年にホロドモールはウクライナ人に対する大量虐殺行為だと宣言したが、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ前大統領(彼の「脳エンジン」は確実にドル賄賂を注ぎ込まれていた)はこの歴史的責任と罪悪感をソビエト社会主義共和国連邦の法的後継者たるロシアになすりつけた。そもそもソビエト社会主義共和国連邦が国連創設者だったのに、ロシアがソビエト社会主義共和国連邦の法的後継者であるのはよろしくないので国連安全保障理事会や国連から追い出そうと望み、都合の良い時には法的後継者にするのは西側諸国によるもう一つの二重基準だ。彼らはソビエト社会主義共和国連邦の大量虐殺とされることをロシアのせいにしたがる。西側諸国全体の悪意ある狙いに合致する時だけロシアはソビエト社会主義共和国連邦の法的後継者だ。ウクライナに家族のルーツがある偉大な作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンもずっと以前ホロドモール大量虐殺に関する言説は昔も/今もウクライナの最も極端な民族主義者による全く根拠がないプロパガンだ言った。これら全ての悲劇的な事件をウクライナ人大量殺戮以外の何者でもないとして描写する全ての取り組みは大いに政治問題化され、どんな歴史文脈も切り取られ証明された事実を奪われる傾向があることに歴史家や多くの他の専門家たちは同意している。
そう本当に世界史の多くの他の恐ろしい出来事同様にホロドモールは起きた。「強制的集団化」に関する本について話させて頂きたい。「集団化を実施する活動家」があらゆる食糧の蓄えを貧窮した所有者から奪い取るため家を訪れる。その本の一つの抜粋がある。貧しい女性が壊れかけた惨めな家で暮らし幼児がいて、食べさせる幼児がいるので彼女は雌牛を隠す。実際、多くの人々が血と汗と涙で苦労して手に入れた食料を隠そうとした。「当時の集団化活動家」は隠された食糧備蓄がどこにあるか残酷に嗅ぎつけるのに非常に習熟していた。短編小説の一つで彼らは隠された雌牛を発見し、女性を残酷に罰するため雌牛の頭を撃つ。貧しい女性はよちよち歩きの子に食べさせる最後の機会、雌牛の乳を搾るため狂乱して走る。雌牛は死の苦しみでもだえすすり鳴く。
それは皆にとって苦難の時代だった。人間文明は世界的規模、歴史的にほとんどどこにでもある飢饉や飢えや干ばつの恐ろしい時代を経てきた。今我々はこれら全ての飢饉や干ばつや餓えが起きた国々を同様に大量殺戮と宣言し始めるべきだろうか?
ウクライナ人のみならずロシア人やカザフスタン人、モルドバ人や地域のユダヤ人が餓死したのだ。結局最も肥沃な耕地はそこにある。ソビエト社会主義共和国連邦の人々を食べさせる莫大な作物がそこで育っていた。農業にとって最も好ましい条件がそこにあったが、並行する歴史的、経済過程としての工業化時代だった。膨大な人数の小作農、農民、村人たちが工場で働くよう強制的に大都市に追いやられた。工業化がどこで始まったか覚えておられるだろうか? イギリスだ。当時のトロイの木馬レーニンとトロツキーが以前にソビエト社会主義共和国連邦にこっそり忍び込んだことを想起しなければならない。工場はもちろん食物を生産しなかったがソビエト社会主義共和国連邦政府は若干の主食を少なくともテーブルにもたらさなければならなかった。当時の政府には食べさせるべき何百万人もの人口がいた。普通の肉体労働者。誰かが小作農と労働者の国で、一匹の雌牛と耕すべき耕地を所有し、明らかに多少裕福な人々がいるという考えを思いついた。それで特に肥沃な土地がある地域を村から村へと回り、彼らに土地を放棄するよう残酷に強いる「活動家」集団が組織された。
多少の食物を家族から奪う場合、家族が餓死しなよう残された食物が十分あるべきだという法律をソビエト社会主義共和国連邦政府が成立させた。一体誰が、どれほどが十分か見積もれたろう。悲しいことに集団化活動家の一部はそうすべきより多く奪い、人々の反対と反乱を起こした。一部の人々が持っていた僅かな食糧を隠すのは当然だったが、それに対し彼らは残酷に罰せられるのだ。
ミハイル・ショーロホフはこれら僅かな乏しい主食貯蔵を隠す人々に対する罰についてスターリンへの手紙で書いた。手紙はどちらかと言うと長く洞察に富んでいた。ショーロホフはスターリン賞を授与されていた。スターリンは彼を大いに尊重していた。彼はいつでもスターリンに電話するのを許されていた。いつでもスターリンに電話をするのを許された人々はさほど多くない。彼はスターリンに電話し『開かれた処女地』を書いていたが極めて恐ろしい大惨事がそこで起きていたので、この最も不幸な状況では本を書けないと言う長い手紙を書いた。そこで本の記述だ。一キロの小麦を隠す家族は道路に捨てられ、他の全ての人々は彼らに一杯のミルクや水を与えることは言うまでもなく「暖炉のそばで」暖たまるため家族を家に招くのも禁じられた。貧窮した家族は町や村の周囲をあてもなくさまよい、彼らは凍土の上で眠り、彼らは食べるものも無しに、どこかで火を焚き、もちろん彼らは餓死するはずだ。売春するのを拒否した人々は死ぬはずだ。死体を食べるのを拒否した人々も死ぬ。共食いを拒否した人々は死ぬだろう。(読者への注:私はこれら「解決」のいずれも問題ないとは言っていない)。
この手紙を読んだ後、スターリンは手紙に対する感謝を表現するためショーロホフに電話をかけた。彼はそれから賢明にも、この恐怖物語に側面が一つしかないのは不可能に思われるので彼が誇張して言ったかもしれないかどうか続いて分析しショーロホフが「更に綿密な観察をする」方が良いと提案した。ショーロホフはスターリンにこれらうわさや報道を確認するため彼の助手を送るよう提案する。それから人々が彼らに起きた虐待に値するのを確認する「委員会」ができた。だがまもなくその後委員会メンバー全員が交代され解雇され、つまり彼らがしたことに対し罰せられた。それら全てのスターリンによる「集団化」命令を実施する上で、余りに残忍だった人々。だが遅すぎた。衝撃的な数の人々が当時死んだ。一世紀後、歴史の時期の記録文書保管所を開くと、比較的裕福な富農階級クラークを除いて、特にウクライナや同様に特別の他のいかなる国に飢餓テロを強制するというソビエト社会主義共和国連邦による決定/解決はなかった。クラークには国はなく彼らは国に属していなかった。当時のソビエト社会主義共和国連邦全ての国々はひどく苦しみホロドモールによる残忍な死に追いやられた。答えるべき一つの長引く疑問。なぜロシアは責められるべきなのか?
ソビエト社会主義共和国連邦は多くの連邦共和国がある国だった。ヨシフ・スターリンは民族的にグルジア出身でソビエト社会主義共和国連邦は実際ロシア人ではなくグルジア(欧米人向け注記 グルジアを「ジョージア」と呼ぶのはやめてくれ!)出身の男に率いられていたのだ。その決断はグルジア人がしたのだ。今の国で大統領に相当する当時の共産党書記長は人種的にポーランドだったが、彼はウクライナの英雄だった。
国籍によって、どの特定個人であれ殺害するいかなる決定があったことを示すものは皆無だ。当時多くの国籍の多くの人々が酷く苦しんだ。ロシアに大量虐殺の責任を強いる人々は自身の不気味な大量殺戮史を深く調べるべきだ。イギリス人、アメリカ人、特にドイツ人。
多分近い将来、当時の共産党書記長が当時のウクライナでポーランド国籍だったから、スターリンがグルジアあるいは、おそらくポーランド人だったから我々はグルジアが大量虐殺を犯した国だと宣言できそうに思える。彼はその決断をし実施する人だった。我々はそこで、その決定と実際の大量虐殺についてポーランド人とポーランドとウクライナ人とウクライナのせいにするべきなのだろうか?
事態全体はむしろばかばかしいが、それを一層ばかばかしくするのはウクライナではなくカナダから、この言説が始まったことだ。未詳の著者が1980年代中頃この歴史事件について書き始めて用語になった。それ以前はホロドモールという単語さえなかった。
お考え願いたい。ウクライナは実行したのがロシアではなくドイツだった大量虐殺に関し、ある国のせいにする理由があるのだ。我々はソビエト社会主義共和国連邦領域内にドイツが東方に進めるよう想像可能な方法で300万人のウクライナ人を残酷に絶滅すべ事実について語った東部総合計画という実に露骨な計画を覚えておられるだろうか。単に彼らがユダヤ人だったという理由で、ドイツ人が3万人のユダヤ人を殺したバビヤールでも証明済みの大量虐殺がある。もう一つの「分割して支配せよ」として、文字通りウクライナ人と現地のユダヤ人を激しく戦わせるという隠された狙いがあったのだ。
状況はばかばかしく思われ、ウクライナは大量虐殺でドイツを責めず、ロシアを非難するのは実際奇妙で、ばからしいというマリア・ザハロワは絶対正しい。
そう西側諸国全体がウクライナ人を間違った信念に洗脳するため長い間歴史を抹消し、ごまかしてきたのを我々は知っている。カナダとアメリカをアボリジニーやアメリカ先住民やエスキモーに対する大量殺戮の国だと誰か宣言してくれないか? 誰か? 頼むから。そしてどうか世界中が聞けるよう、自身の大量虐殺について屋根の上から華々しく、それに関し執拗に話し続けて欲しい。
アメリカ、イギリス、EUとNATOに「ほう助された」西側諸国全体は財政的、軍事的にウクライナ援助という口実の下、今まさに同じことをしているのではないだろうか? 彼らは密かに盗み、送り先を変えて、ロシアがアフリカに寄贈した無料穀物を何トンも積載した船を欧州連合やアメリカの甘やかされた金持ちの連中向け用に方向転換し、まさにアフリカに同じホロドモールをしていないだろうか?
今政治的に突然、相応しい 対 相応しくない戦争犠牲者は、この状況でホロドモールの大量虐殺とされるホロドモール大量虐殺とされる相応しい 対 相応しくない被害者だ。ウクライナ人だけがホロドモールの相応しい被害者で、他の国民はそうではないのだろうか? ロシアがホロドモールに対しウクライナとグルジアを訴えたらどうなるだろう? なぜ他の旧ソビエト社会主義共和国連邦加盟諸国が非公式なり公式にホロドモールをロシアのせいだと政治的屋根から叫ばないのだろう? ドイツ連邦下院と西側諸国全体は西側諸国全体が計画したもう一つのオレンジ革命を始めるのを待っているに違いない。私は何十年もたったら一体いつ思想界が世界規模でコカコーラ・モル、マクドナルド・モルやコロナ封鎖モルと言い始めるかと疑っている。
記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/01/04/the-real-truth-behind-holodomor/
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日本のインチキマスコミの記事は、正気を疑うくらいに、外国に対するデマと誹謗中傷に満ちあふれています。
キエフの極右ネオナチによる、オデッサの労働組合会館の虐殺事件や、地域住民に対する民族浄化殺人は、全て事実なのに、何一つ報道されません。
日本の新聞は、米英の商業マスコミのインチキを、ただ復唱しているだけです。
毎日、そんなのを読んでいたら、人間としての知性が退化してしまいます。
投稿: まだ ない | 2023年1月11日 (水) 21時52分