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2023年1月23日 (月)

ウクライナにおける欧米戦車の問題

2023年1月17日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 欧米諸国はウクライナに様々な装甲車両や主力戦車さえ提供する約束を始めた。今まで、ウクライナに送られてきた大多数の装甲車両はウクライナ軍が操作修繕に精通しているソ連時代のものだった。

 だがウクライナのヘルソンとハルキウ攻勢後、これら車両の多くが破壊され、欧米車両を供給し始めるか、戦場のウクライナ軍を小火器だけで放置するか欧米にとってほとんど選択の余地がない状態になっている。

 欧米指導者メディアは欧米装甲車両はウクライナ能力の大幅な強化だと主張しているが現実は全く逆だ。戦場でウクライナが有利になるどころかウクライナ軍が戦場で車両を入手し、そこで車両を維持するのに苦闘するだろう。更に世界他地域での最近の戦闘で主力戦車を含め欧米装甲車両は「無敵」でも「形勢を一変させる」ものでもないことが証明されている。

 だから、ウクライナのソ連時代の何百輌もの戦車や歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車がキーウにとって好ましい結果を達成するのに失敗しているなら、これら車両を欧米車両で置き換えても相違をもたらす可能性はありそうにない。

 兵站、訓練と保守

 ウクライナが欧米装甲車両を入手するには彼らは戦車や他の車両と一緒に戦場で効果的に使用し、それらを戦場で維持する(保守)上で基本操作訓練をしなければならない。新人戦車兵がこれら技能を習得するのに半年はかかり、ウクライナにその時間的余裕はなく、ロシア特別軍事行動の初めに、ウクライナ戦車乗員が自身の車両を戦場で駆使できた練度や効率と比較して大いに短縮した訓練では欧米人操縦者がウクライナ人になりすまして車両に要員を配置しない限りは基準に満たない操縦士しか得られないことを意味する。

 大半の欧米主力戦車のもう一つの問題は、優れた主砲自動装填装置のソ連やロシアの主力戦車と異なり、レオパルト2やチャレンジャー2やM1エイブラムスは(主砲に手作業で装填装する乗員が必要要だ。それでソ連時代やロシアの戦車は運転手、射撃手と指揮官の3人の乗員だが、欧米の主力戦車は四人目の装填係が必要だ。これはウクライナに送られた3輌の欧米主力戦車ごとに、4人のウクライナ戦車乗員を配置する必要があることを意味する。十分訓練された戦車隊員がより少ない戦車に配備されるのだ。

 これら新たに訓練されたウクライナ戦車隊員が欧米装甲車両乗員として働ける前に戦場に動員しなければならない。アメリカのブラッドリーやドイツのMauder等の欧米の歩兵戦闘車はソ連やロシアの車両より重い。イギリスとポーランドが約束した二輌の戦車チャレンジャー2とレオパルト2も同様だ。アメリカのM1エイブラムスは更に重い。

 これは戦場に送達するためトラックや鉄道で車両移動する上で難題が生じる。二番目の選択肢、鉄道はロシアのウクライナ送電網の組織的標的設定と破壊で酷く抑制され、ウクライナ鉄道車両の多くが電力で動く事実から更に困難になっている。それらを戦場で使用する際、これら装甲車両を維持する問題がある。それらはより多く燃料、しばしば非常に多く必要で、ウクライナのこれまでの装甲車両より遙かに大量の燃料を消費する。

 より重い車両はトランスミッション、緩衝装置、車輪と無限軌道を含め車両部品の摩耗を招く。新たに訓練された未経験の乗員に必要な維持管理の増大は最大能力で車両を運転するのを阻止するだろう。更なる問題は欧米装甲車両-歩兵戦闘車と特に欧米主力戦車の両方が複雑な光学系で射撃管制装置がコンピュータ化されていることだ。実際それらを修理する経験を得るのに数カ月を要し技術者がこれらシステムを診断するだけで一年かそれ以上必要だ。

 ありそうなのはウクライナの装甲車両乗員が修繕のため頻繁にポーランド国境に壊れた車を送るよう強いられることだ。戦いがどこで行われるか次第で、前線から最高1,000キロ離れる可能性がある。戦線に戻すのにも更に1,000キロだだ。欧米技術要員が配置されたウクライナの保守施設は、ロシアには巡航ミサイルや無人機などの長距離精密誘導兵器でそれらを標的にし破壊する手段があるので、ウクライナ内には建設できない。

 これは欧米装甲車両が戦場で実際に戦うより輸送や修理により多くの時間を過ごす可能性を意味する。

 NATO装甲車両はウクライナ自身の装甲車両とは異なる弾薬を使うので、戦線でこれら車両を発砲させておくために常に戦線に送る必要がある。多くのNATO主力戦車は滑腔主砲から120ミリ砲弾を発射するがイギリスのチャレンジャー2は120ミリ施条主砲から独特の砲弾を発射する。これはチャレンジャー2とレオパルト2戦車のため二つのサプライチェーンを設立する必要があることを意味する。ウクライナ乗員が戦場で行える機械修理用の基本的保守部品にも同じことが言える。

 欧米の主力戦車は無敵からはほど遠い

 チャレンジャー2やレオパルト2という主力戦車とともに、ブラッドリーやマルダー歩兵戦闘車を使用する上でウクライナが直面する多くの課題にもかかわらず、これら車両の性能が戦場でウクライナ軍にロシア軍に対して決定的優位をもたらすと評論家は主張している。だが最近の戦争におけるこれら装甲車両の実績はまさに反対のことを示している。

 レオパルト2主力戦車はトルコを含めNATOで広く使われている。トルコは北シリアで正規兵でないクルド族や「イスラム国」軍へのいくつかの攻勢でレオパルト2戦車を配置した。彼らの実績は不吉な題名の2019年のナショナル・インタレスト記事「トルコのレオパルト2戦車はシリアで破壊されている」でこう書かれている。

 デア・シュピーゲルによればISISが占領するアル・バブでの激しい戦闘、トルコ軍指導者が「トラウマ」だと述べた戦いで多数のレオパルト2が破壊された証拠が出現した。オンラインで発表された文書が無敵なはずのレオパルト2をISISが10輌破壊したと記載した。報道によれば対戦車ミサイルで5輌、地雷かIEDにより2輌、ロケットか迫撃砲攻撃により一輌と、不明な原因による他の複数車両だ。

 破壊されたレオパルト2戦車、時にトルコの歩兵戦闘車と一緒に、少なくとも二輌は砲塔が完全に戦車車体から吹き飛ばされた状態の写真を記事は載せて、ロシアであれ欧米製であれ主力戦車が近代的対戦車火器にどれぐらい脆弱か示している。ナショナル・インタレストはいずれもソ連と今ロシア連邦が生産するAT-7 MetisとAT-5 Konkurs対戦車ミサイルに、少なくとも5台の破壊されたレオパルト2戦車の犯人だとしている。

 最も広く生産されている欧米主力戦車はM1エイブラムスだが極端に燃料を食うタービンエンジンと極端に重い重量のため、ウクライナ用に大量注文するのは実際的ではない。大量に生産され、NATOで広く使われているディーゼル・エンジンのレオパルト2はウクライナ戦車勢の大半に取って代わる最もありそうな候補者だが戦場の非正規軍に対する実績を考えると、ウクライナにとって暗い見通ししかない。

 イギリスのチャレンジャー2は戦場で決して優れているわけではない。それが持つ神話は隠蔽と意図的な戦争プロパガンダのおかげで、2007年のテレグラフ記事「国防省は最良の戦車の失敗を隠していた」で暴露された。

 国防省は戦車の装甲を破った先月の攻撃が4年間のイラク戦争でその種の最初のものだと主張した。だが去年の8月もう一輌のチャレンジャー2が兵士の脚の一部を吹き飛ばし、他に何人か傷つけた攻撃の強力なロケット手りゅう弾に貫通された。

 記事はチャレンジャー2に損害を与えた武器はおそらくロシア製RPG-29だと指摘した。こう報じている。

 RPG-29は反抗分子がイギリス部隊を攻撃すのに通常使う在来型よりずっと強力な兵器だ。これがチャレンジャー2に損害を与えるのに成功した最初だが特に戦車装甲を貫通するよう意図されている。

 類似の設計と哲学を共有する他の欧米主力戦車はどうだろう? より良く能力を発揮しただろうか? それは欧米装甲車両の戦闘能力全般を評価し、これら車両を含むかもしれないウクライナへの追加提供で考慮に入れる価値がある質問だ。

 M1エイブラムスはチャレンジャー2同様伝説的評判がある。だがアメリカ自身2003年以来イラクで複数のM1エイブラムスが破壊されている。2003年「イラクでアメリカ戦車が攻撃されGIが二人死亡」という見出しのCBS記事はM1エイブラムスが爆弾か即席爆発装置で損害を与えられたと指摘した。

 M1エイブラムスはサウジアラビアを含めアメリカ同盟諸国に送られている。2016年の「アメリカとの戦車取り引きでイエメン戦争でのサウジアラビアの敗北が暴露された」という見出しのディフェンス・ワン記事が記事はこう説明している。

 火曜日国務省と国防総省はサウジアラビアへの153輌の12億ドルのエイブラムス戦車の販売を承認した。だがそれは本当のニュースではない。

 これが判明。アメリカでゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズが製造した戦車の20台が戦闘で失われたサウジアラビア戦車の「戦闘被害の代替物」だ。

 販売の正式発表は戦車がどこで戦っていたか言わないがイランに支援されるフーシ分離主義者と戦っているサウジアラビア軍はイエメンで400台以上のエイブラムス戦車を失ったと考えられている。

 M1エイブラムスの大きい重量と大量の燃料消費にもかかわらず非正規軍隊さえアメリカの主力戦車を撃破できることで、無敵からほど遠いのは非常に明白だ。

 サウジアラビアのM1エイブラムスの大きな損失はそれら酷い性能の原因である特殊装甲や射撃管制部隊を含めM1エイブラムスの主要特徴が欠けている事実にあると評論家は主張している。だがアメリカがグレー・イーグルのような先進的無人機を送らなかったのと同じ理由から機密の装甲や大いに先進的な射撃管制装置のM1エイブラムスをウクライナに引き渡すことはありそうもない。特別軍事行動のさなか非常によくある現象でロシア軍によるこれら兵器システムのどれかの捕獲は、これら高度な特徴がロシア人技術者に素早く実験されることを意味するだろう。

 そして最終的にイスラエルのメルカバ主力戦車がウクライナ軍の手中に入ることは到底ありそうにないがメルカバは地球上最良主力戦車の一台と思われる。だが彼らは近代的対戦車火器、ロシア連邦が生産する対戦車火器に対する能力発揮が不十分なだけではない。

 2006年の「ヒズボラ対戦車砲レバノンで大半のIDF死傷者をもたらしている」という記事でハアレツはこう報じている。

 ヒズボラの対戦車チームは、モスクワがシリアに売り更にシーア派組織に移されたロシア製のRPG、特に効果的なRPG-29という新機種を使っている。

 RPG-29の貫通能力はタンデム弾頭に由来し、多くの場合メルカバ戦車の強力な装甲を貫通するのに成功している。

 北シリアでのトルコ軍、イエメンのサウジアラビア軍、イラクのアメリカとイギリス軍、南部レバノンに押し行っているイスラエル軍のいずれかにかかわらず、それぞれの場合、それぞれの軍事行動が歩兵隊や砲兵隊や航空援護を含め大規模な兵站経路により高度に組織的で結合された兵器戦闘の一環として支援される良く訓練された戦車乗員のおかげで成立していることを指摘するべきだ。

 トルコやアメリカやイギリスやサウジアラビアやイスラエルには可能な適切な兵站や結合した兵器支援なしで短期訓練しか受けないウクライナ戦車乗員が戦場で欧米主要戦車を使おうと試みたら何が起きるだろう? これら戦車に対する火器はロシア軍の手中にあり今これらウクライナ戦車乗員が数年にまさに最良の欧米主力戦車に対し大いに効果的だと証明されたロシア製対戦車火器に向かって行くと何が起きるだろう?

 特別軍事行動の間に何百輌ものウクライナ装甲車両を破壊し、ウクライナの当初の在庫そして次にNATOのソ連時代の装置在庫両方を使い果たし、欧米に自身の装甲車両を送ることを考えるよう促したのはロシア戦力だった。

 誘導AT-7メチスやAT-5コンクールスなどのようなロシア製対戦車火器は効果的だが、RPG-29と合わせ、より新しい9M133 KornetミサイルやRPG-30ロケット手りゅう弾はトルコやアメリカ、イギリス、サウジアラビア、イスラエルの戦車乗員が経験したのと同じ破壊的結果を確実に引き起こすだろう。ウクライナ軍は、より新しいT-90プラルィヴや近代化されたT-72やT-80戦車を含め何百輌ものロシア主力戦車と対峙するだろう。ロシア航空部隊は装甲車両に対する高精度な攻撃能力がある様々な兵器を持っており、ロシア砲兵隊はレーザー誘導のクラスノポール弾を使い主力戦車を破壊可能な能力を越えている。

 換言すれば、ウクライナ戦車乗員がそれほど用意ができておらず、欧米の対応部隊より理想的とほど遠い条件下で戦い、量と品質に関して対戦車火器の遙かに大きい兵器庫に対して戦うのだ。M777 155ミリ曲射砲やHIMARSの複数GPS誘導ロケットを含め「形成を逆転する」他の欧米「奇跡的な兵器」と同じように、ウクライナは「形成逆転」をもたらす更にもう一つの「奇跡兵器」を必要としている。欧米主力戦車はウクライナが戦争を継続するのには役立つだろうが、究極的にキーウとその欧米のスポンサーは自身が結局始めたところにすぐ戻るだけなことに気がつくだろう。

Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/01/17/the-trouble-with-western-tanks-in-ukraine/

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 Democracy Now!

 アメリカでのアサンジ擁護の催しにジェレミー・コービンが参加

U.K. MP Jeremy Corbyn on Freeing Julian Assange, the Working Class, Brazil, Peru & Ending Ukraine War 32:32

 The Jimmy Dore Show アメリカ人10人に4人が費用のため医療にかかるのを遅らせている

4 Out Of 10 Americans Delaying Medical Care Over Costs 7:35

 耕助のブログ Pepe Escobar記事翻訳

No. 1682 静かな(パニック)の西部戦線

 日刊ゲンダイDIGITAL

経済学者・郭洋春氏が説く「100均資本主義」今こそ“成長”を追い求めず心豊かな生き方を

 新刊を購入させていただこう。

100均資本主義 〜脱成長社会「幸せな暮らし」のつかみ方

 防衛費やら国防費という婉曲表現は不適切。(宗主国軍産複合体のための)戦費と呼ぶべき。宗主国霊感商法巨大壺詐欺

 デモクラシータイムス

みんなが暮らしに困っているのに何が異次元の防衛費だ!【The Burning Issues vol.35】20230120 1:30:06

 日刊IWJガイド

はじめに~ロシアのメドベージェフ前大統領が、ダボス会議での西側諸国の「ロシアは戦争に負けるに違いない」との主張に「核保有国が通常戦争に負けた場合、核戦争を引き起こす可能性がある」と警告! ポーランドのモラヴィエツキ首相は逆に「ウクライナの敗北は第三次世界大戦につながる」と武器支援の強化を主張! 即時停戦を主張していたキッシンジャー元米国務長官ですらダボス会議でウクライナのNATO加盟と米国による軍事支援の継続を提言!! どちらの勢力も一歩も引かず、第3次世界大戦へ向かうのか!?領が『核保有国が通常戦争に負けた場合、核戦争を引き起こす可能性がある』と警告!」

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コメント

                      後悔先に立たず

  25日,ドイツは苦渋の末(?),自国製の戦車「レオパルト2」をウクライナへ供与することを決定した。また他国が同戦車をウクライナへ供与することも承認した(rt.comなど)。結局ドイツは,欧州及び米国の圧力に屈したことになる。これに対してロシヤのぺスコフ報道官は「これまでと変わりない」と反応した。命を賭して戦っている方々には申し訳ないが面白いのはオルフ首相の決断に対して,マリア・ザハロワ外務省報道官が「警告しなかったとは言わせない」と応じたことである:”Don’t say later that we didn’t warn you.”
 
警告しなかったとは言わせない-ここでも中露連携
  台湾有事が盛んに話題になった頃,中国研究者遠藤誉氏や岡田充氏が指摘していたことだが,中国の軍事行動には4段階があるそうだ。第三段階は「火遊びをすれば火傷をする」という段階である。習近平氏は台湾有事のさい,この言葉を使ったとか。第四段階は最終段階でオルツの決断に対して,25日,ザハロワ報道官は,”Don’t say later that we didn’t warn you.”と言ってのけた(RT.com)。ロシヤは最終戦争を自覚したのかもしれない。
 しかし主要メディアはこれに反応しない。ウクライナ軍が優位に立ったなどと報道している。その気持ちが分からないわけではない。なぜなら当初はロシヤ軍が大損害を受けたというのは嘘だったからである。ロシヤ軍大損害に続いてロシヤ軍は半道体不足で兵器を造れない,そして沈黙が長い間続いた後でロシヤ軍がウクライナ軍の10倍の死傷者を出しているなどと嘘の報道を続けてきている。ウ軍贔屓は最近のロシヤ軍の有利な展開によって打ち砕かれた。簡単な話でロシヤ同盟軍が戦闘で取り戻した地域が広がっているのに,なぜウクライナ軍が優勢であると言えるのか不思議である。小学校高学年生さえ理解できることである。軍事の専門家を必要としない。防衛研究所などは小学生以下の能力なのであろう。

 ウクライナ政府および軍の弱体化は明らかであるが,ザハロワ報道官が「警告しなかったとは言わせない」と厳しい言葉を発していることに無頓着な西側報道。いつロシヤ軍がフィンランドやポーランドに攻め込むか分からなくなった。フィンランドのNATO入りはないのでロシヤがフィンランドに攻め込んでも二国間の戦争に過ぎない。もちろん攻め込む前にミサイルやドロ-ン攻撃が盛んにおこなわれるだろう。ポーランドはNATOの一員であるが,クリミア大橋が爆破されたお返しにウクライナの多くの変電所が破壊されたように,仕返しを受けても可笑しくはない。しかしNATO軍が共同でロシヤ軍に立ち向かうとは考えられないがNATO第五条で全NATO軍を相手にすることになることは,ロシア同盟軍にとっては現実的ではないだろう。

 ところでレオパルト2戦車が供給されてもウクライナ優勢にはなれないという論考が出た。『マスコミに載らない海外記事』に掲載されたTony Cartalucci/Brian Berletic氏の「ウクライナにおける欧米戦車の問題」(2023年1月17日 Brian Berletic)である。レオパルト戦車やアメリカのエイブラハム戦車は燃費が悪く人員も多く必要とするなどロシヤ軍装備には劣るという。フランス製戦車なども漸次投入されるのであろうが,レオパルト2を自由自在に使いこなせるための時間はそう多くはないだろう。またその時ウクライナ軍は首都キエフを放棄しているかもしれない。
  うがった見方をすれば,この論考が出たので,オルフ首相は戦車レオパルト2を14両だけウクライナに送ると決めたのかもしれない。もちろんドイツ情報部はレオパルト戦車の性能は熟知の上で首相の決断に強く反対しなかったのであろう。他方,緑の党はオルフの決定に反対しないどころか賛成したので,はかなくも緑の党はナチス・ドイツの系譜を引く政党であることを暴露した。つまり地球温暖化で人類が滅んでも,対ロシヤ戦争を始め,ロシヤの核で滅んでも,死ぬ人間にとっては同じことである。緑の党が隠れナチス党であることがいみじくもバレたということであろう。

いよいよその時がやって来た
  メルケルのドイツはトランプの要請によるGDP比2%の防衛費増額に対して渋っていたが,徐々に,徐々に防衛費増額を許してきたようだ。そして最終的にレオパルト戦車の提供に舵を切ってしまった。小さく生んで大きく育てる(手始めに14両)。日本のダム予算に同じ。しかしロシヤのプ-チン大統領は,「戦争をするならロシヤ国外でやる」と言ってきた。ザハロフ報道官の言葉を考慮すれば,いよいよその時が来たようだ。
  ところで独仏や英米にこれ以上の,ウクライナが欲しがるような優れた武器はないので,戦争が長引けば長引くほど優れた武器を提供できるのはアメリカだけとなる。ハイマースの長距離砲だけになる。しかしこれは米軍との全面戦争になるだろう。ドイツや欧州議会はこれを許すのであろうか。日本は,森喜朗元首相のウクライナ観に従った方が得策である。-ウクライナはロシアに勝てない。

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