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2023年1月 4日 (水)

最も重要な疑問

2022年12月27日
Saker

 我々はなんとか2022年12月31日まで生き延びられた。我々は2023年12月31日まで生き延びられるだろうか?

 この疑問は誇張ではない。これは少なくとも北半球全てにとって唯一最も重要な問題だとさえ私は主張したい。

 ロシアは少なくとも2014年から全面戦争のために準備していると私は警告していた。ロシア国防省幹部を前にした最近の演説でプーチンは基本的にそれだけを言った。もし皆様がこのビデオを見ておられなければ、実際それをご覧になればクレムリンの考え方や、準備していることについて直接洞察が得られるだろう。ここにビデオがある。

 皆様がそのビデオをご覧になっていると想定して、ロシアは核兵器を含め大規模戦争の準備していると証明する必要はないと私は考える

 「国防総省の匿名当局者が実際クレムリンに「斬首攻撃」をすると威嚇した。我々が話しているのは、ロシア国家元首の物理的排除だ。もしこのような考えを実際に誰かが抱いているとすれば、そういう連中はこのような計画のあり得る帰結について非常に慎重に考えるべきだ」きラブロフ外務大臣は公式に発言した

 だから我々はこういう状況にあるのだ。

  • ロシアにとって、この戦争は明らかに、紛れもなく公式に実存的なものだ。この現実を無視するのは愚かさの極みだ。世界最強の核保有国が繰り返し、これが実存的戦争だと宣言する時は全員本当にそれを真剣に受けとめ、決して目を背けてはならない。
  • アメリカ・ネオコンにとっても、これは実存的戦争だ。もしロシアが勝てば、NATOは負け、従ってアメリカも負ける。それは何カ月間も一般大衆にロシアが戦争に負けるというたわ言を皆に吹き込んできた全てろくでなし連中が避けられない大惨事に対し責任を問われることを意味する。

 実に多くが合衆国のアメリカ人、特に連力の座にある連中が「地下室の狂人」と団結して死ぬのをいとわないかどうかに依存している。まさに今連中はそのように見える。EUを当てにしてはいけない。連中はとうの昔にあらゆる代理権限を放棄している。彼らと話をすることには全く意味がない。

 これはメドベジェフの最近の言葉を説明するかもしれない。「悲しいかな、欧米には、どのような理由であれ、何についてであれ我々が交渉できる相手がいないというのは全ての国に対する最後の警告ではない。泥棒で、詐欺師で、何でもできるトランプ詐欺師なのだからアングロサクソン世界との取り引きはあり得ない。」

 ロシアは多くのことができるが、アメリカをネオコンの支配から解放することはできない。それはアメリカ人にしかできない事なのだ。

 そこで我々は悪循環に出くわす。

 アメリカの政治制度では、国の内部からの効果的な異議申し立ては最もありそうもなく、大金持ち連中が(「自由なメディア」としても知られる)歴史上最も高度なプロパガンダ体制を含め全てを運営し、住民は何も知らされないようにしておかれ洗脳されている。そして、そう、もちろん対ロシア戦争での大敗北は、大惨事の規模を隠す(「カブールの極端版」とお考え願いたい)のが不可能なほど激しくこの体制を揺り動かすだろう。それがまさに、この敗北が早々に9/11事件やそれに続いて、何十年もアメリカ社会が基づいている全ての神話やウソ(JFKも?)の暴露を伴うドミノ効果を引き起こすから、ネオコンがそうなるのを許せない理由だ。

 もちろん、それを十分理解している多数のアメリカ人がいる。だが彼らの一体何人がアメリカの意志決定や結果に影響を与える権力の地位にいるだろう? 本当の疑問は、9/11ニセ旗事件後に這い出た地下室にネオコンを押し戻すのに十分な愛国的勢力がペンタゴンや略語で呼ばれる政府機関の中にまだいるかどうかだ

 まさに今確かにアメリカにおける権力の全ての地位がネオリベやネオコンや名ばかりの共和党員や他の醜悪な連中に占められているように見えるが、それでも例えばタッカー・カールソンやタルシー・ギャバードのような人々が「それを理解している」多くの人々に手を差し伸べているのも否定し難い。これには国際凶悪犯ギャングにではなく彼らの国と彼ら自身の国民に忠誠がある本当のリベラル派や本当の保守主義者を含んでいる。

 マグレガー大佐の言い分に耳を傾ける多くのアメリカ軍司令官がいると私はかなり確信している。

 それはウソと宣伝の壁を破るのに十分だろうか?

 私はそう願うが私はそれほど楽天的ではない。

 第一に、アメリカ支配階級の露骨で下品な無能力と無知を非難する際、アンドレイ・マルチャーノフは常にどんぴしゃり正確だ。そして彼のいらだちを私は大いに共有する。我々二人ともこれが一体どこに向かっているかを見ているが我々ができる全ては再び警告、警告、警告だ。アメリカのような核保有超大国が無能で無知な凶悪犯ギャングに運営されているという考えを信じるのは困難だと私は自覚しているが、それが現実であり、単にそれを否定しても、それは消え失せることはない。

 第二に、少なくともこれまではアメリカ一般大衆はアメリカに支配されている金融、経済体制崩壊の全面的影響を感じていない。それで旗を振る「ど阿呆連中」は依然対ロシア戦争が射撃遊びだった「デザート・ストーム」のように見えるよう願えるのだ。

 そうはならない。

 ここで本当の問題は洗脳され愛国心を誇示する「ど阿呆連中」の目を覚ます唯一の方法は連中の頭上での核爆発かどうかだ。

 「頑張れアメリカ」は何十年もの間何百万人ものアメリカ人の心に注入された精神状態で、これら連中を現実に戻すには多くの時間か若干の本当に劇的な事件が必要だろう。

 第三に、アメリカ支配層は明らかに完全否定状態に入っている。アメリカのパトリオット・ミサイルやF-16が戦況を変えるというたわ言は子供っぽく世間知らずだ。率直に言って、もしそれがあり得る結果でそれほど危険ではないにせよ、全くこっけいだ。たった一つパトリオット・ミサイル部隊が破壊されF-16が撃墜された途端何が起きるだろう?

 欧米は一体いつ魔法の兵器の夢から覚めるのだろう?

 概念的「エスカレーションの物差し」上でパトリオットとF-16の次の措置は何だろう?

 戦術核兵器か?

 それがどのように使われるか、どこで使われるかにかかわらず「戦術」核兵器が何らかの形で基本的に「戦略」核兵器と違っているというどちらかと言うとばかばかしい概念は極めて危険だ。

 アメリカ支配階級が本気で「戦術」核兵器の「限定的」使用と「斬首攻撃」両方を本気で考えている事実がアメリカの魔法の兵器が枯渇し、ネオコンが自暴自棄な事実の非常に良い指標だと私は主張したい。

 そして私を誇張や偏執性妄想のかどで非難する気になっている人々には下記を申し上げたい。

 この戦争は、繰り返すがウクライナ(あるいはポーランドや3つのバルト小国)の問題ではない。最小値で、これはヨーロッパの未来についての戦争だ。基本的にそれは我々の世界の国際秩序を完全に再編成する戦争だ。私はこの戦争の結果は第一次世界大戦あるいは第二次世界大戦的のいずれよりも大きな影響を与えるとさえ主張したい。ロシアは明らかにこれを理解している(皆様お疑いなら上記ビデオをご覧願いたい)。

 そして、たとえ連中がそれについて話さないとしてもネオコンもそうだ。

 現状はキューバ危機やベルリン対立よりずっと危険だ。少なくとも当時は双方が公然と状況が本当に危険だと認めた。だが今回の場合、欧米支配層は連中の手ごわい心理作戦/プロパガンダ能力を使って本当に起きていることの本当の規模を隠蔽している。もしアメリカ(そしてEU)の全国民が自分の額に核や従来兵器の標的十字が書かれているのを理解すれば事態は違うかもしれない。悲しいかな今回そうではなく、それ故平和運動は存在せず、ウクライナ・ブラックホールに何百億ドルも注ぐエセ合意があるのだ。

 まさに今狂人連中は国連安全保障理事会からのロシア追い出しを含めあらゆる類の愚かな案を考慮している(ロシアと中国両国が拒否権を持っているので、そういうことにはならない)あるいはロシアの参加なしにウクライナに関する「和平会議」を作りだそうとさえしている(「シリアの友人」や「ベネズエラの友人」リメイクで)。まあ幸運を祈る! 見たところグアイドやチハノフスカヤはネオコンを落胆させるのに十分ではなく、連中は「Ze」と一緒に今まさに同じばかげたことを繰り返している。

 それで我々は2023年12月31日まで生き延びられるだろうか?

 多分、だかこれは決して確実ではない。明らかに、これはクレムリンの想定ではなく、それ故、巨大なロシア戦略的阻止能力(核と従来兵器の)の全てを強化しているのだ。

 事情が許せば、古いことわざ「si vis pacem, para bellum 汝平和を欲さば戦への備えをせよ」でロシアは核兵器を含む紛争のどんな時にも非常に明白に準備を整えているので苦境を切り抜けるだろう。中国もまもなくそうするだろうが、2023年にウクライクナの戦争の何らかの類の終わりを見ることはありそうだ。ウクライナでのロシアの勝利あるいはロシアが(遙かに高い代償ではあるが!)勝利する全面的大陸戦争。だから中国が本当に用意ができる頃(彼らにはおそらく更に2-5年必要だ)には世界は非常に違った場所になるだろう。

 これら全ての理由から2023年が人類史上最も重要な年の一つである可能性が高いと私は主張したい。我々の何人が実際それから生き残るかは未解決の問題だ。

アンドレイ

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-most-important-question/

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 Scott Ritte

The American Military is not Prepared

 植草一秀の『知られざる真実』

ウクライナ戦乱のゆくえ

 長周新聞

戦争か―平和か― 岐路に立たされた日本社会 年頭にあたってのご挨拶

 デモクラシータイムス

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米株式;金利上昇中、投資家は更なる市場の混乱に備える(WSJ)資産運用会社は、慣れ親しんだ環境と似ていない環境に向け立場を変更。超低金利、穏やかなインフレ、緩和的なFRBの政策の時代は終わり、市場の勝者と敗者は今後数年にわたって再調整。

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※IWJピックアップ集・2023年新春特設サイト ウクライナ=善vsロシア=悪の二元論で世界を染め上げた米戦略の最終目標はロシアの弱体化【ロシア、ウクライナ侵攻編】2022.12.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513150

 岩上氏の著書『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載中

 刊行直後購入したが今や絶版。古書が11,021円やら16,800円やら。図書館にもない。

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