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2022年12月16日 (金)

ウクライナ状況報告-壊滅的損失、失敗した魔法の兵器、NATOエスカレーション

2022年12月10日
Moon of Alabama

 ロシア軍は依然動員された300,000 +の兵士と志願兵のほとんどを統合している。プーチンによれば、動員された部隊の25%が戦闘部隊、25%が後方陣、50%がロシアで訓練中だ。ウクライナ最前線への差し迫った全面攻撃はありそうには見えない。予想される大規模な冬攻撃は全くないかもしれない。代わりに新部隊は最前線をローテーションし、機会があればいつでも局所的に攻撃する。

 ロシアは攻撃する必要はない。彼らの任務はウクライナを非軍事化することだ。ウクライナ人が最前線に来てロシア人を攻撃する限り彼らに大規模攻撃を仕掛ける必要はない。

 数か月前と今日の地図には、最前線のわずかな変化しか見られない。

2022年11月10日

出典: LiveUAmap - 拡大する


2022年12月10日


出典: LiveUAmap - 拡大する

ただし、何も起こっていないという意味ではない。

2022年12月10日 

出典: LiveUAmap - 拡大する

 毎日最前線の全ての部分は大砲/爆撃のシンボルで一杯だ。主にロシアの大砲が草を刈り、ウクライナ兵を殺している。

 先月正面に沿って攻撃したのはほとんどウクライナだったが鋼の壁と爆発に遭遇した。彼らはどうしてもロシア境界線を破ることができなかった。彼らは何度も試みたが大きな損失で失敗した。

 ロシアの攻勢は主にワグナー民間軍事請負集団が複数のウクライナ塹壕線と村を占領したバフムート/アルチェモフスク戦線に限定されていた。これは通常、大砲が地域を掃除し、生き残った少数のウクライナ人が撤退した後にのみ起きる。数か月前と今日の地図は最前線の小さいながら重要な違いを示している。

2022年11月10日

出典: LiveUAmap - 拡大する

2022年12月10日 

出典: LiveUAmap - 拡大する

どんな代償を払ってもバフムートを保持するためにはウクライナの高位からの命令がなければならない。ウクライナ軍は何度も何度も予備旅団をこの地域に移動させた。それを維持する作戦は非常にコストがかかる。

Tony @Cyberspec1 ·2022年12月10日 - 5:46 UTC

ポーランド新聞NDP(独立政治ジャーナル)は、NATOの支援がなければ、🇺🇦での戦争は一週間以内に終わると考えている。

NDP:バフムート付近のウクライナ軍の毎日の損失は大隊(500-800人の兵士)に達し、コンスタンチノフカ市の病院は過密だ。

 上記は、そういう主張をする唯一の情報源ではない。

BigSerge @witte_sergei - 18:32 UTC ·2022年12月8日
ウクライナは損失を補充するため*1日*最大500人の兵士をバフムートに移送しているとルガンスク人民共和国当局者は主張している。アレストビッチでさえ、この分野でのロシア砲兵の強さには9対1の優位があると認めた。バフムートは、ウクライナにとって最大かつ最も費用のかかる戦争の戦いになりつつある。

 ニューズウィークは「ボランティア」と一緒にウクライナ兵士を訓練する「元」米国大佐と話をした。彼はウクライナの損失についてこう言っている

 「バフムートはドレスデンのようで、田園地帯はパッシェンデールのようだ」と彼は言い、第二次世界大戦で連合国爆撃で破壊されたドイツの都市と悪名高い泥だらけで血なまぐさい第一次世界大戦戦場に言及した。「恐ろしく悲惨な場所だ。」
 ウクライナは死傷者数を厳重に隠しているが軍はバフムート周辺でひどく苦戦していると考えられている。

 「彼らは非常に多くの死傷者を出している」とミルバーンはモーツァルト集団と訓練している部隊について述べた。「人々がメディアで読んでいる約70%以上の死傷者は日常的で数字は誇張ではない。」

 「途方もない士気」にもかかわらず防衛側は「深刻な「再生問題」を抱えており、それは新兵をできるだけ早急に戦線投入することを意味する」とミルバーンは述べた。これは戦いに投入された人々が基本的訓練以上ほとんど受けていないことを意味する。

 「通常戦線にくる新兵の約80%は、これまで武器を発射したことさえありません」とミルバーンは述べた。「私たちは自分たち用に仕事を合わせています。」

 50%の死傷者が出た部隊は通常戦うことができなくなり交換する必要がある。しかし、ウクライナ人は、ほとんど誰も残らなくなるまで部隊を最前線に残すのだ。

 したがってバフムート戦線での1日あたり500人という死傷者数は現実的に思える。過去数カ月間、ロシア国防省日報は1日平均約300人のウクライナ人死傷者をリストアップした。しかし同省は民間軍事請負業者ワーグナーが含まれていないためバフムートでの死傷者を報告していない。したがって前線の動きがほとんどないにもかかわらず先月の1日合計で、ウクライナ人が約800人死んだのは確実だ。一番上の2つの地図の間の30日間で、少なくとも24,000人のウクライナ兵が戦場を去った。

 そのような大きな人数を置き換えることができないのも不思議ではない。

 最前線の塹壕からの医療避難は非常に困難なため、死者と負傷者の比率は1対1になる可能性がある。ほとんどの負傷者はそこで死ぬだけだ。

 失われているのは兵士だけではない。彼らが使用した兵器はほとんど彼らと一緒に失われる。24,000人の兵士は6〜7個のNATO旅団に相当する。ドイツ軍は現在そのうち8つしか保有していない。私が兵士だった時は、36旅団とかなりの予備部隊を保有していた。大規模格下げがNATOで全般的に起きた。ロシアとの戦争準備はできていない。

 欧米の殺傷兵器はウクライナにほとんど何もしていない。ロシアは防空システムを更新しHIMARSミサイルを検出し破壊した。彼らは一日あたり約10から20のそのような破壊を報じている。ウクライナの中小規模ドローン撃墜は夏の1日あたり20〜30から1日あたり2〜3に減少した。ウクライナがドローンを使い果たしたか天候がドローンを使用できなくしたのだ。ロシア・ドローンは飛行を続けており砲兵の標的に役立っている。欧米の砲システムは、ウクライナ人がそれをする訓練と工具を欠いているため現場では修理できない。ウォールストリートジャーナルは次のように報じている

 自走式パンツァーハウビッツェ(PzH2000榴弾砲として正式に知られている移動式長砲身戦場砲で、この種で最高性能を発揮する武器と広く考えられている)の50%以下が修理のためウクライナ南部のヘルソン戦線から約900マイル離れたリトアニアに持ち込む必要があるため、常に戦場にあるとドイツ高官は言った。ドイツはこれまでに14基、オランダは更に5基納入している。

 アメリカやイギリスなどの他の同盟国はウクライナ国境付近のポーランドでウクライナに寄付した武器の保守をしている。しかしワルシャワはベルリンがポーランドにサービスセンターを設立する許可を拒否し、代わりにポーランド国営企業が作業を行うためドイツ製造業者に機密技術情報を提供するよう要求した。

 パトリオット防空ミサイルをめぐる論戦もあった。ドイツはこれをドイツ人担当者と一緒に東ポーランドに配備すると申し出た。ポーランドは最初申し出を受け入れ、次にそれを拒否しミサイルはウクライナに送るべきだと述べた。その後再び撤回され、申し出を受け入れた。

 ヨーロッパ内の国際関係は悪化している。ドイツのオラフ・ショルツ首相はドイツがヨーロッパの主導的大国になることを望んでいると宣言した。ドイツ近隣諸国そして自国民のほとんどは、それに満足していない。

 過去5カ月間ラトビアはロシアの反政府テレビ局TVrainを運営してきた。ロシア視聴者に送るTVrainがロシアについていくつか前向きなことを言っていたので今や閉鎖された。TVrainはロシアでは12年間生き残った。ラトビアでは、わずか4ヶ月半しか続かなかった。

アレック・ルーン @ASLuhn ·2022年12月9日 - 19:24 UTC
.@tvrainジャーナリストはラトビアでブラックリストに載せられ、同じ日ロシアで外国代理人とされた🤔
リンク

 これらの逸話が示すのはNATOがゆっくり崩壊していることだ。NATOはウクライナでの代理戦争に負けており、それもひどく負けている。人々はそれを知っており、それは結果をもたらすだろう。権威主義的なEUも同じ道をたどるだろう。

 しかしNATOには没落を防ぎたい勢力がいる。彼らはNATOを直接戦いに参加させようとしている。

 金曜日にNATO事務総長はウクライナでのロシアの戦争は大西洋同盟とのより広範な戦争に拡大する可能性があると警告した。

 今週ニュースメディアのインタビューで、イェンス・ストルテンベルグは、ウクライナの状況を過小評価することに繰り返し警告し、ロシアのウラジーミルV.プーチン大統領がヨーロッパにもたらす可能性のあるより広範な脅威を強調した。

 「事態がまずくなった場合、ひどくまずくなる可能性がある」とストルテンベルグは金曜日に発表されたノルウェーのジャーナリスト、アンネ・リンドモとのインタビューで述べ、NATOに対する本格的な戦争が「本当の可能性」であることは「間違いない」と補足した。

 「私はウクライナ支援にうんざりしている全ての人を理解している。食料価格や電気代が高すぎると考える全ての人を理解している」と彼は言った。「しかしプーチンがウクライナで勝利して私たちの自由と平和が脅かされた場合私たちは遥かに高い代償を払わなければなりません。」

 最後の文を読み直して頂きたい。

 「しかしプーチンがウクライナで勝利して私たちの自由と平和が脅かされた場合私たちは遥かに高い代償を払わなければなりません。」

 プーチンがウクライナで勝利することは私たちの自由と平和を脅かすのだろうか?

 ロシアはウクライナ国境を越えたヨーロッパには関心がない。では、それはどのように私たちを危険にさらすと想定されているのだろうか?

 これはでたらめだが、ロシアが戦争に勝っていることが誰にでも明らかになった時、NATOの参戦を促進するよう設計されているのだ。

 ロシアはそうなるのを見ている

 木曜日にNATO諸国はウクライナの紛争に益々関与しておりアメリカはこの方向で意図的にエスカレーションしているとロシアのセルゲイ・リャブコフ副外相がRossiya-24TVチャンネルで述べた。

 「NATO加盟国は益々直接的にこの紛争に関与している。キーウに対する彼らの支持は、今や数ヶ月前よりもはるかに多様化している。これは紛争をエスカレートさせるヨーロッパ人が素直に追求しているワシントンの意図的政策を反映している。彼らは火遊びしている。リスクは急上昇している」とリャブコフ氏は述べた。

 確かに。しかし、ストルテンベルグは一つ正しいことを言っている

 ストルテンベルグ発言はウクライナ軍に対する来年の新たな猛攻撃を準備するためロシアは意図的に戦争を遅らせていると彼が言った2日後になされた。

 ロシアがウクライナ全面攻撃を3月まで待つと仮定しよう。その間ロシア軍は重大な死傷者を出すことなくウクライナ軍を粉砕し続ける。ウクライナ軍はそれまでに更に72,000人の兵士を失うだろう。それはおそらく現兵力の3分の1だ。その時までに深刻な「再生問題」は更に深刻になるだろう。それはウクライナ軍が遥かに弱くなることを意味する。

 春の全面攻撃にロシアはどのような計画を持っているのだろう?

 マイケル・ヴラホス博士とダグラス・マクレガー大佐は軍事史家だ。彼らはウクライナでの戦争を見て最近それについて話し合った。彼らは結論に達した。どちらも、'欧米'マスコミが我々を売り込もうとしているウクライナ勝利というたわごとは信じていない。彼らにはロシアがどのように攻撃しようと思っているかについての考えがある。

 彼らの話の第一部はここにある。(英語原文)

ウクライナでの戦争は決定的な段階に入っているのか? 第一部

なぜNATOの戦略的失敗か? 欺瞞の戦争、拒否 第二部

何をすべきか? 腐敗した米軍の刷新は可能だろうか? 第三部

 これらビデオはそれぞれ約30〜50分だ。皆様が他の番組で見るものよりレベルが高い内容だ。強くお勧めする。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2022/12/ukraine-sitrep-catastrophic-losses-failing-wonder-weapons-nato-escalation.html#more

--------- 

 佐高信氏の対談本を読み始めた。

西山太吉 最後の告白』 

 51ページに軍備増強一色の世相を歌う句がある。

 「あやまちはくりかへします秋の暮」 三橋敏雄氏作

 長周新聞

酪農危機に直面する一大産地のいま――熊本県菊池地域を訪ねて 食料生産守る国の施策は急務

酪農家の窮地を国は救え! 放置すれば4割廃業の危機 血の通った財政出動を

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コメント

           ゼレンスキーは大統領職を辞任すべきである!

 昔,青年の頃,よせばいいのに外国語をいくつか習得しようと挑戦したことがある。みな撃沈された。ものにならなかった。ただ今年お亡くなりになった小塩節先生の印象は未だに残っている(NHKドイツ語入門)。そのTV番組の中でドレスデンとベ-ト-ベンという固有名詞2つが忘れられない。前者のドレスデンという町は文中で紹介されているように,第二次世界大戦で徹底的に破壊された。誰がいったい,美しい街ドレスデンを破壊したのか。という悲痛な声が充満していたことを教えてくださった。後者の音楽家ベ-ト-ベンを故加藤周一は『科学と文学』(NHK)で取り上げて「ベ-ト-フェン」と発音すると紹介していた。その後,小塩先生に問い合わせがあったのであろう,「ベ-ト-ベン」でいいと反論されていた。しかし二人の主張のどちらが正しいのかを調べることもなく今日を迎えてしまった。
 星霜四十年。ウクライナの「バフムートはドレスデンのよう」で,「恐ろしく悲惨な場所」になっているという。ドレスデンの悲劇がくりかえされている。ゼレンスキ-大統領は即刻辞任すべきであろう。これ以上のウクライナ人の生命が奪われることに反対するが,停戦を歓迎しない。ゼレンスキ-やネオ・ナチなしの停戦を歓迎する。

追記:ハインリッヒ十三世ら25人がドイツの警察に逮捕されたという。その詳細を知らないが,ドレスデンが連合国によって徹底的に破壊されたときのような恨みと,昔を懐かしむ気持ちが彼(女)らにあったのではないだろうか。
追記2:今,都に流行るもの。敵基地攻撃能力。岸田首相ら日本はあやまちを四度繰り返そうとしている。1.広島・長崎の悲劇。2.第五福竜丸らの被爆悲劇。3。フクシマ原子力発電所暴発(電源喪失)悲劇。どれも核の連鎖反応によって引き起こされた。ゆえに核 廃すべし。

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