この戦争はいわれのないものだという主張を損なうウクライナ戦争はアメリカの権益を推進するという主張
2022年12月23日
ケイトリン・ジョンストン
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主流世界観が事実でなく物語に基づいているのを示す好例の一つは、悪意ある対ロシア・タカ派として一貫した実績にもかかわらず上院少数党院内総務ミッチ・マコーネルのような共和党議員がロシアの使用人だとレッテルを貼られる状況だ。
2019年のロシアゲート・ヒステリーの最高潮時に民主党は愚かにも彼に「モスクワ・ミッチ」とあだ名を付けたが、彼は水曜日上院で演説を行い、ロシアとの戦争でウクライナを支援する主な理由は、そうすることがアメリカの権益に役立つからだと主張した。
「ゼレンスキー大統領は鼓舞するような指導者だ」とマコーネルはウクライナ大統領のワシントン訪問に先立つ演説で述べた。「だがウクライナがロシア侵略者の面目を失わせ打倒するのを助け続ける最も基本的な理由は冷たく厳しく実際的なアメリカ権益だ。この戦争に勝つために東ヨーロッパの友人が武装をするのを助けるのはアメリカを脅かし、同盟諸国を脅かし、我々の核心的利益に異議を唱えるウラジーミル・プーチンの将来の能力を弱めるための直接投資でもある。」
マコーネルはウクライナ支援は「いじめや流血を利用する将来の取り組みのためにプーチンが利用可能な兵器庫を大幅に消耗させる」と主張し、この非常に有用な代理戦争のためにより多くの資金を要求しなかったことでバイデン政権に挑戦した。
「だからもう一度言おう。ウクライナ支援を継続することは道徳的に正しいが、それだけではない。それはまた冷たく厳しいアメリカの権益への直接投資でもあるのだ」とマコーネルは述べた。「そのため共和党はバイデン政権の当初のウクライナ支援要請を不十分として拒否した。
「最後に、領土を奪還するウクライナの戦いは、欧米のプーチンのロシアとのより広範な戦略的競争の始まりでも終わりでもないのを我々全員知っている」とマコーネルは結論付けた。「プーチン政権への圧力を高めるのは超党派優先事項であり、そうあるべきだ。」
アメリカ帝国の追従者連中はウクライナでの代理戦争がロシアに対するアメリカの権益を推進するのに、いかに途方もなく効果的で費用効果が高いかについて常にまくしたてるが、彼らは残りの時間を、この侵略がいかに"いわれのないものか"について語り、それがどれほど恐ろしいかについて悲しみ嘆くのは滑稽だ。帝国の公的立場は、どういうわけか同時に(A)「我々はこの戦争を憎み決して望んでいなかった」が(B)「この戦争は我々に多大な利益をもたらす」のだ。
これら二つの立場を調和させる唯一の方法は、ウクライナを侵略することによりアメリカに奉仕するためロシアの利益に反してウラジーミル・プーチンが行動したと考えることだ。他の選択肢は、ほとんどの帝国支持者がしていることを実行し、それらの明白な矛盾は余り真剣に考えないことだ。
あるいは帝国が何年にもわたり行ってきた多くの攻撃的挑発により、二つの悪い選択肢のどちらかを選択するようプーチンが圧力をかけられた可能性が考えられる。帝国の擁護者連中は欧米の挑発はウクライナ侵略とは何の関係もないと常に主張しているが、もしそれが本当なら、なぜこれほど多くの欧米専門家たちが欧米による挑発がウクライナ侵略につながると警告するのに何年も費やしたのだろう?
明らかに、アメリカは自由と民主主義を愛しているので良き相棒のウクライナを助けている無辜の傍観者に過ぎないという主張は、しばしば、まさに同じ連中がする、この戦争はアメリカの権益に役立つという主張によって損なわれる。しかし人々は連中が常に2つの間を滑らかに跳ね返るのを聞いている。
Some of the usual suspects are using Zelensky's visit to whine about how expensive aid to Ukraine is, so it's a good opportunity for this CEPA report that notes that for just 5% of the US military budget, we've disabled 50% of Russia's military power. https://t.co/T4ksyeqx3M
— Bret Devereaux (@BretDevereaux) December 21, 2022
Brett Devereauxという歴史家がこれを完璧に示す人気スレッドが現在Twitterで話題になっている。スレッド最初のツイートで、彼は「米軍予算のわずか5%で、ロシア軍事力の50%を無効にした」と熱狂し、次の投稿で、戦争は人道的危機であり、私たちが平和をどれほど望んでいるか泣きわめき、その後の投稿で「純粋なリアルポリティックの観点からは、プーチンの戦争はアメリカの世界的地位を強化し、ロシアの能力を弱体化させ(他の脅威用の資源を消費する)同盟を強化する壮大な失敗だった。」と言う。
侵略以来この戦争を「いわれのない」と呼んでいるカリフォルニア州下院議員アダム・シフは2020年のトランプ弾劾公聴会で「アメリカはウクライナと国民を支援することで、あちらでロシアと戦え、こちらでロシアと戦う必要がはない」と言っていた。
今年5月別の下院議員ダン・クレンショーは「アメリカ兵を一人も失うことなく、敵軍の破壊に投資するのは良い考えだと私には思える」とツイッターで述べた。
「ウクライナが我々の最も強力な敵の一つを打倒するのを助けることはアメリカの利益になる」とワシントンでのゼレンスキーPR出演を受けてAtlanticのデビッド・フレンチがツイートした。
「プーチンのロシアがウクライナで敗北することはアメリカの国家安全保障上の利益になる」と戦争屋リンゼイ・グラハム上院議員がツイートした。
US chauvinism & warmongering is so ingrained that @AdamSchiff can openly declare, in Jan 2020, that US uses Ukraine to “fight Russia over there,” and our elites applaud. Fast forward two years later when Russia fights back, and the same circle is outraged. pic.twitter.com/6B4QVFSZvV
— Aaron Maté (@aaronjmate) February 26, 2022
このような声明は、アメリカは無謀な暴君によるいわれのない攻撃と戦うウクライナを支援しているという公式説明を完全に損なうはずだ。これらは相互に矛盾する立場だ。ワシントンが望まなかった全くいわれのない侵略か、ワシントンが望むもの全てを手に入れるための優れた方法かのどちらかなのだ。両方を信じるのは無意味でウブだ。
だがもちろんアメリカはこれまで存在した中で最も効果的なプロパガンダ機構を持っているので、国民の目には公式ウクライナ物語は傷つかない。帝国の多くの明白な矛盾や悪行はわずかな歪曲と甘い話で簡単に消しされる。
帝国の歪曲機構がなければ、アメリカが偶然にも、世界支配の狙いを前進させるのに役立つ幸運な代理戦争にたまたま突入したとは誰も信じるまい。
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コメント
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何がムカつくかといえば、まともだと思っていた連中の正体です。
望月衣塑子や志葉玲。
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1497563267602198532?cxt=HHwWiMDRofD2tMgpAAAA
https://twitter.com/reishiva/status/1516930701723066376
「戦争反対」を叫ぶ口の裏で、ロシア批判を宣う。
この連中にジャーナリストの資格は無い。
安保3文書が作られたからと言って、突然「戦争反対」を叫ぶ日本共産党、立憲。
中国やロシアへの非難決議をやったのはどこのどいつだ?
「日本の周辺国家は危険国家」とデマで煽り立てて、素知らぬ顔で「戦争反対」?
中国やロシアは人権無視の侵略国家なんざんしょ?
あぶねー国なんざんしょ?
なら、戦争止む無しじゃないですかぁ。
アメポチとして、初志貫徹しなさいよぉ。
まったくもって、こいつらのポーズだけの「戦争反対」に腹が立ちます。
御存知かもしれませんが、アンドレ・ヴルチェク氏の
2017年の記事を見つけました。
本物のジャーナリストの死が、心底、残念でなりません。
■西洋は相手にされなくなった:世界は笑っている(上)(2017/4/6)
https://ameblo.jp/greatchain/entry-12263198268.html
投稿: 千田 | 2022年12月28日 (水) 13時43分