アメリカ無人機がロシア領を攻撃する中ロシアとの戦争の恐れを表明するNATO事務総長
2022年12月12日
ケイトリン・ジョンストン
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「ウクライナを支援する危険性のまれな認識」と題するもので、NATO事務総長イェンス・ストルテンベルグが何かが「ひどく間違って」核で武装した同盟とロシア間の熱い戦争につながる恐れを認めたとAntiWarのデイブ・デキャンプが書いている。
「私は欧米とロシア間の本格的戦争を恐れている」という題名の記事でNATO事務総長は警告しており、テレグラフは下記のように書いている。
インタビューで「ウクライナでの戦争が制御不能になりNATOとロシア間の大規模戦争に拡大するのではないかと懸念している」とこの冬の最大の脅威に関する質問に答えてイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は述べた。
金曜日ノルウェー放送局NRKで、そのようなシナリオは回避できると確信しているが、その脅威はあると彼は述べた。
「物事がまずくなった場合、酷くまずくなる可能性がある」と彼は補足した。
NATO Chief Says Full-Blown War With Russia Is a ‘Real Possibility’
— Antiwar.com (@Antiwarcom) December 11, 2022
Jens Stoltenberg warns things can go 'horribly wrong'
by Dave DeCamp@DecampDave #NATO #RussiaUkraineWar #UkraineRussiaWar #Russia #Ukraine https://t.co/JzfpRjKgHP pic.twitter.com/FuWOgxxSy1
歴史で見る通り、核超大国間での益々攻撃的なこう着状態に対処する際、物事は絶対に酷くまずいことになる可能性がある。先の冷戦では、核武装ソ連潜水艦が米軍にミサイルを発射するのを唯一止めたのが発射命令を出した他の二人と一緒に行動するのを拒否した一人の将校だったキューバ・ミサイル危機中の事件を含め、技術的誤動作や誤解の結果多くの核戦争間一髪があった。
先月ロシアがNATO加盟国ポーランドにミサイルを発射したという誤った報道に続く長い数分間、我々はこの恐怖を再度味わった。この時点まで冷静さが勝っていた事実は、最初の数回引き金を引いた後、ロシアンルーレット・ゲームを終了しないのがロシアンルーレットを安全に遊べることを意味するわけではないのと同様、核の瀬戸際政策が安全なことを意味するわけではない。
だからストルテンベルグが懸念するのは正しい。このようなこう着状態では、ひどくうまくいかない可能性があることが絶対に多すぎ、予測できない部分が多すぎて誰もがこれが起こらないと確信できない。
この二つのことは互いに矛盾するので、ウクライナがアメリカに支援される戦争でロシア国内の標的に長距離攻撃を開始する許可を国防総省が与えている中、ストルテンベルグがこうした懸念を表明するのを聞くのはかなり狂っている。
Pentagon Gives Tacit Support for Ukrainian Drone Attacks Deep Inside #Russia
— Antiwar.com (@Antiwarcom) December 12, 2022
The Times reports that the US no longer has the same concerns about escalations and is likely to send longer-range weapons
by Dave DeCamp@DecampDave #Ukraine #drones https://t.co/eWkpWZqoVj pic.twitter.com/tYXdGmMNsf
「ペンタゴンはウクライナにロシア国内の無人機攻撃を認めた」という見出しの記事で、タイムズは下記のように報じている。
プーチン大統領がキーウの重要なインフラに対し複数のミサイル攻撃を行った後、ロシア国内の標的に対するウクライナの長距離攻撃を国防総省は暗黙のうちに承認した。
10月に民間人に対する毎日の攻撃が始まって以来、国防総省はウクライナでの戦争の脅威評価を修正した。重要なことに、これにはキーウへの武器輸出がロシアとNATO間の軍事対立につながる可能性があるかどうかに関する新たな判断が含まれている。
これはウクライナとロシア間の9か月の戦争における重要な進展を表しており、現在ワシントンはキーウに長距離兵器を供給する可能性が高い。
「アメリカ国防省筋」は次のように言っているとタイムズは引用している。「我々はキーウに『[ロシアやクリミアを]攻撃するな』と言っているわけではない。我々は彼らに何をすべきか言うことはできない。兵器をどう使うかは彼ら次第だ。しかし彼らが我々が供給した兵器を使用する際に我々が唯一主張するのはウクライナ軍が国際戦争法とジュネーブ条約を遵守することだ。」
「それらは唯一の制限だが、これにはロシア人家族を標的にしたり暗殺したりしないことが含まれる。我々から見るとウクライナは遵守している」と情報筋は言うが、アレクサンドル・ドゥギンの娘暗殺の背後にウクライナがいるとアメリカ諜報機関が結論付けたと報じられているのを考えると、これは奇妙な主張だ。
「ウクライナはアメリカが供給した兵器ではなく独自のドローンを使用して攻撃を実行するように注意を払っている」とタイムズ紙は報じ「国防総省当局はロシア国内や占領下のクリミア内で更に効果的な攻撃に使用できるロケットや戦闘爆撃機を含むより長距離のアメリカ兵器に対するキーウ要求とそれが真剣に検討されていることを明らかにした。」と報じた。
NYT confirms US-backed Ukraine forces carried out their "most brazen attack" yet, 300 miles into "the heart of Russia" -- including a base with Russia's nuclear bombers. Not long ago this scenario would've sounded totally unfathomable and insane. Dwarfs anything from the Cold War pic.twitter.com/fKNoT42YBP
— Michael Tracey (@mtracey) December 6, 2022
この暴露は、ウクライナがロシア領にこれまでで最も果敢な攻撃を開始し、基地へのドローン攻撃で複数のロシア兵を殺害し、二機の核攻撃爆撃機に損害を与えた数日後もたらされた。しばらく前まではロシア核戦力への直接攻撃を特徴とする代理戦争をアメリカが行うことは考えられないほど恐ろしい可能性だったが、それが今や我々がいる場所で、もっぱらエスカレートしているように見える。
帝国擁護者はこれをウクライナがロシア領を攻撃する「権利」を持っているかどうかについての会話にしようとしているが、これは当面の本当の問題を隠蔽する煙幕だ。明らかにウクライナには自国を攻撃している国を攻撃する権利がある。そういう問題ではない。本当の問題はNATO事務総長でさえ益々神経質になっている核超大国間の熱い戦争を引き起こす危険性だ。
ロシアをどこまで挑発できるか試すために欧米諸国同盟が攻撃を絶えず強化していることが、そもそもこの紛争をもたらしたのだ。追い詰められて誰も望んでいないことをするよう強いられる前にロシアが後退する余地がほとんどない時点に今我々はいる。これらの人々はエスカレーションについて話すべきではなく、段階的緊張緩和について話すべきなのだ。外交、段階的緊張緩和、緊張緩和こそ必要で過去にも必要だった。
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ボーランド人とスコット・リッター対談で、アメリカのポーランドに対する態度を語っている。自分の子どもに対する母親の態度と全く違う。母親は子どもを一人前に育てる。アメリカは決して自立させない。東側にある大国を攻撃するため利用するだけ。価値がなくなれば放棄する。
Scott Ritter: Poland, the United States is not your friend 1:13:18
植草一秀の『知られざる真実』
デモクラシータイムス
はじめに~バイデン政権は国務省内の「チャイナ・デスク」を改組し、省内外の人材を集めた「チャイナ・ハウス(正式名・中国調整部)」を設立! 外交に力を入れ、海外拠点を増設していく中国に対抗する米国は、しかし、予算「横ばい」のまま、改組で「より機敏で一貫した政策」をめざすとは!?
<検証! ランド研究所報告書>ウクライナ紛争はランド研究所の青写真通り!? 米国ランド研究所の衝撃的な報告書『ロシアの力を使い果たさせる―有利な立場からの競争(Extending Russia -Competing from Advantageous Ground)』の翻訳・検証シリーズ開始!(その2)「第3章経済的手段」の「手段1 石油輸出を妨げる」の全文仮訳(グラフ除く)!
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