西洋の犯罪人連中の手に渡されているウクライナに提供された兵器
2022年11月27日
ウラジーミル・プラートフ
New Eastern Outlook
一年前、テロリストと犯罪組織の手に入って終わったアフガニスタンに供給されたアメリカ兵器の運命を世界は積極的に討論していた。
ジョー・バイデンによれば2001年-2021年アフガニスタンでの軍事行動に対するアメリカの軍事出費総計は2兆ドルを超え、アメリカからのアフガン軍への軍事援助総計が880億ドルだったことは想起されるべきだ。アフガニスタンでの20年以上の軍事行動でワシントンはアフガニスタン人に何十億ドルもの価値の軍事装置や兵器や種々の弾薬を与えた。
アフガニスタンからのアメリカの惨めな脱出後、莫大な量の欧米兵器が単に多くの国でテロリスト運動として認められておりロシア連邦で禁止されている)タリバンの手中に入っただけでなく闇市場に現れ、ヨーロッパのそれらを含め多くの国々で過激派やテロ集団や様々な犯罪ネットワークが手に入れた。2021年8月にアメリカのジム・バンクス下院議員はタリバーンが何十万という小火器は言うまでもなく、75,000台以上の車、200機の飛行機とヘリコプターを持っていると主張した。特に彼らは一部のNATO加盟国より多くのブラックホーク攻撃型ヘリコプターを持っている。
具体的に、アメリカが気前良く供給した武器がどこにあるのか見つけだす試みは効果がないと分かった。このような無責任な行動に対し責められるべきアメリカ政界や軍隊内の個人の特定と同様に。
だが一年以上後、11月17日にTask&Purposeが書いたように国防総省は依然それがアフガニスタンに残した軍装備品の実際どれだけがタリバーン以外の手に入ったのか全く分かっていない。今年8月に発表された国防総省監査室報告書はアフガニスタン治安部隊(ANDSF)が保持している軍装備品の総価格は約71.2億ドルだと記述した。だがアメリカ・メディアが強調しているようにアフガニスタン復興担当特別監察官(SIGAR)は最近国防総省が何年間もANDSFに移した装備の正確な記録をつけるのに抵抗し、そのためこれら軍備の本当の大きさが不明なことを認めた。一部メディア報道によれば一部は既に犯罪者や民兵の手に入り、アフリカや中東やほかの場所の武力衝突で表面化し始めている。
この問題は最近キーウのネオ・ナチ政権を支援するワシントンがウクライナに様々な武器を見境もなく注ぎ込んでいる事実上同じ状況を背景に特に重要になった。ワシントンがヨーロッパや他の地域で多くの国々をこの無謀な政策に引きずり込む状態で、問題はアメリカだけでない。
一方、11月18日に政府会議でウクライナのデニス・シュミハリ首相はウクライナは既に欧州連合から48億ドル、アメリカから85億ドルを含め、ロシアの特別作戦開始以来支援金で230億ドル受け取ったと述べた。彼はキーウは更に377億ドルの価値に相当する支援をアメリカに期待していると付け加えた。ご承知の通り、これらの数値はアフガニスタンに供給した量の武器より遙かに多い。それ故アメリカによる見境の無い武器供給の否定的結果は遙かに大きいと予想すべきだ!
メディア報道が明らかにしているように、ウクライナでのロシア特別軍事行動最初の四カ月で、ヨーロッパと西側諸国はキーウに約385億ドルに相当する兵器を供給するか約束している。これは、ストックホルム国際平和研究所SIPRIによれば、昨年のイタリア、オーストラリア、カナダやポーランドなどの国々の軍事費以上だ。
フィンランド国立調査局によれば、ウクライナに供給された武器(小火器のみならず)はヨーロッパ犯罪者連中の手に渡っている。それらは既にフィンランド、スウェーデン、デンマークとオランダで発見されている。EU警察機関、欧州刑事警察機構はこの夏国際犯罪組織がウクライナからEU加盟国へ武器を密輸しようとしていると警告した。
オーストリアの新聞Exxpressによる調査も前にウォロディミル・ゼレンスキー政府にヨーロッパとアメリカが供給した武器は姿を消して、ヨーロッパの犯罪集団の手に入っていることを確認した。ウクライナからこのような武器の密輸経路は良く知られている。特に、この「ビジネス」は国際集団いわゆる暴走族(例えばBandidosオートバイクラブは全ての主要ウクライナ都市に代理がいる)と空港ほど慎重に警備されない海港を通す。
実際、1990年代に欧米がユーゴスラビアで戦争を始めた後、そこから密輸された武器が多くの国に入り、2020年11月2日にオーストリアでイスラム教徒が犯した過去最悪なテロ攻撃で使われて似たような状況が起きている。
アメリカ・メディアは犯罪的キーウ政権に何十億ドルもの武器をワシントンが見境無く割り当てていることについて重大な懸念を発言している。Substackの最近の記事はホワイトハウスがウクライナに送っている全ての武器と現金支援がどこに行くのかアメリカの誰も正確に知らないとあからさまに述べている。報道によればアメリカ財政の監視役である監査官さえ知らない。
ユーゴスラビアで、次にアフガニスタンで、今やウクライナで、戦争中にアメリカが莫大な量の武器を見境なく供給する繰り返すパターンを考えると、兵器が闇市場に出現するのはアメリカにとって極めて儲かるのは秘密ではない。誰も責任を問われないこの「武器ビジネス」はアメリカでだけ確立している汚職構図ではない。何十年も再三浮上するこれら密輸兵器は状況を不安定化し新しい紛争を引き起こすことを忘れてはならない。そしてそれは紛争地帯を作り、そこでワシントンはまんまと私腹を肥やすのだ。
ウクライナ難民を含めそれがヨーロッパに戻る際、ジョセップ・ボレルが特にヨーロッパの演壇から擁護するのに積極的ないわゆる「軍事援助」はいつ何時EU加盟諸国に銃弾を発射しかねない。このような「支援物資」は犯罪者やテロリストだけでなく、アメリカやヨーロッパで特定政治的、軍事的勢力によって積極的に復活しているネオ・ナチ部隊に戻って装備すれば茶色い伝染病つまりファシズムをもたらしかねない。それはウクライナでのアメリカの腐敗した武器策謀に対するEU住民への見返りなのだ。既にアメリカが強いるロシア憎悪制裁政策、EUエネルギー市場からのロシア排除、過去の年月のようにヨーロッパのエネルギー安全を保証するはずのノルド・ストリーム1&2パイプラインに対する破壊工作でヨーロッパ人が経験した恐ろしい結果への素敵なおまけだ。
これは狂乱のアメリカ世界支配を追求するホワイトハウスによるロシア憎悪政策のヨーロッパと世界への代償だ。
「ウクライナは大量に武器を受け取っており良いことだ。だが我々は他の場所で数十年間、これら兵器に対処することになるだろう。これは我々がロシアに反撃するため支払わなければならない代償だ」とある警察幹部が言った。
ウラジーミル・プラートフは中東専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/11/27/weapons-handed-over-to-ukraine-returned-to-western-criminals/
----------
ケイトリン・ジョンストンさんの新刊はまだ購入していない。
既刊のNotes From The Edge Of The Narrative Matrixを読んでいる。
警句集というのだろうか。大学で一般教養の英語授業にはうってつけでは想像する。
23ページの上から二つ目は下記のような内容。納得。
大半のニュースは広告にすぎない。富豪のための現状を維持するための広告を見せられて、そうした広告の合間には富豪が益々裕福にさせる無駄ながらくたの広告を見せられる。どれもマーケティングの一環に過ぎない。私がジャーナリズム学位の勉強をしていた時、ジャーナリストは魂を売ってマーケティングや広報をしていると言われていた。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ロシア・ウクライナ戦争は双方のドローン使用で戦争の様相一遍。ウクライナは 米国製SWITCHBLADE、トルコ製BATRAKTAR TB2、ロシアはイラン製SHAHID136、ロシア製ORLAN、ORLAN多数撃墜され数量不足。部品輸入難で生産困難
植草一秀の『知られざる真実』
デモクラシータイムス
上記の警句そのものの例。
「テレビのニュース番組が堂々と嘘を流す! 杉田水脈議員は『差別発言を撤回』などしていない!!」
はじめに~テレビのニュース番組が堂々と嘘を流す! 杉田水脈議員は「差別発言を撤回」などしていない!! 統一教会と関係のある杉田水脈総務政務官が、社民党党首・福島瑞穂氏の追及に対し、参議院予算委員会で過去の差別発言「チマチョゴリやアイヌの民族の衣装のコスプレおばさん」「LGBTには生産性はない」を「至らなかった」と謝罪するも一度も「差別発言だった」とは認めず! にもかかわらず、岸田総理、松本総務大臣は杉田氏をひたすらかばい続け、続投を表明! またもや政務三役の任命責任を問われた、人を見る目のない岸田総理! 福島氏は差別発言を繰り返した杉田氏は「罷免しかない」と強く岸田総理に求める! LGBT差別はもともと統一教会の思想! 杉田氏は統一教会関連施設で講演などの接点も!
« 電気戦争 | トップページ | ウクライナ戦争-論争の的になっているポーランドの墓地 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- 熟練専門家を前線に派兵して、戦争遂行努力の失敗を示しているウクライナ(2024.11.26)
- ネタニヤフに対するICC逮捕令状はアメリカの政策と共謀に対する告発でもある(2024.11.27)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- ガザについて連中は嘘をつき、シリアについても嘘をついている(2024.12.03)
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシアとの戦争でアメリカが負ける理由(2024.12.04)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
「NATO」カテゴリの記事
- ガザについて連中は嘘をつき、シリアについても嘘をついている(2024.12.03)
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシアとの戦争でアメリカが負ける理由(2024.12.04)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシアとの戦争でアメリカが負ける理由(2024.12.04)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
- ドイツを消滅させたいと願うEU精神病院院長(2024.12.01)
日本文化の特徴に反する中期防予算の策定
日本の2021年度のGDPは542兆であると植草一秀教授は説く(2022年12月 2日 (金)「軍事費激増半端ないって」)。とすると2022年度のGDPはコロナ規制緩和により544兆円ぐらいに増えるのであろうか。経済・統計の専門家ではないから良く分からないが,2年前の消費増税やドル高円安のお陰で財布がすっかり軽くなった。しかし植草教授によれば来年度はさらなる増税が待ち構えているという。消費税増税(12%?)に加えて中期防計画により軍事費が40兆円から43兆円のための増税が予定されている,という。そこで大きい方の43兆円を5(年間)で割ると1年間の防衛費は8.6兆円。もちろんアメリカ軍事産業の要請があれば10兆円以上になりそうである。しかしこれは現在の防衛費5.4兆円の2倍未満。GDP比2%未満。しかし防衛予算が減額されるより増額されることが多いのが日本の歴史だろうから2%突破は火を見るより明らかであろう。
しかし誰がこの予算を1%増やして2%にしようと決めたのであろうか。小生は一介の国民に過ぎないが,中曽根内閣を記憶している日本人の一人として1%枠をそう簡単に破られてはたまらない(財布の中身もたまらない)。しかも国会の議論がない。またさらに予算自体が積み上げられて43兆円になったわけではないらしい。40兆円~43兆円という枠が決められた後,中身の個別が決まるという。したがってその個別予算が本当に日本の防衛になるのかどうかも議論できない。しかしそれだけではない。
そこで思い出したのが文芸評論家加藤周一(故人)である。加藤は日本文化の特徴として部分の寄せ集めが全体となることを指摘していた。例えば武家屋敷。小生の家も子どもが増えると建て増しをした。例外は築城であり襖である。しかし例えば中国の四合院。建て増しは考えられない造りになっている。また例えばヴェルサイユ宮殿。細部を併せて全体としたのではない。全体を細分化したと言える。中国や欧州の建築物を大陸型とよべば日本型の建築は建て増し,部分の集まりを全体とした。また歌舞伎の「義経千本桜」のように全体の流れよりもある「部分」に拍手を送る。威勢のいい啖呵に拍手を送る。したがって,部分・個別の強調は日本文化の特徴であるから全体を先に決め全体を細分化するのは日本文化の特徴に反する。すなわち23年度からの中期防予算の決め方は財政民主主義に反するばかりでなく,日本文化の特徴にも反する。いつから日本の防衛省役人や内閣は日本人でなくなったのか。
追記:軍事ジャ-ナリスト某は,米国の軍隊の年金までも防衛予算に組み入れているという。もしそれが本当だとすれば,わが国も米国を見習うべきである。そしてさらに少子化対策予算も防衛費に組み入れるべきであろう。なぜなら,現在の自衛隊は定員不足であるからで防衛に必要とされる24万人が確保できないという。そこで少子化を防ぎさらに子どもを増やす増子化に向けて予算を増額することが防衛のための安全保障に役立つのではないだろうか。ミサイルだけが安全保障力を高めるのではない。
追記2: 日本人はどこから来たのかを追求し。日本文化の特徴を研究されたのは故・加藤周一である。『デモクラシ-タイムス』の山田厚史氏は「防衛費2%(説)がどこから出て来たのか分からない」という。それはトランプ大統領が2017年に欧州NATOを訪れて軍事費「2」%を各国に要求したことは前回の投稿で指摘した通り。日本の政治は他国つまり米国の考えに強く影響され,首脳同士の合意で決定されることになったのである。国会議論を経ないで首脳同士の話し合いで決まるかどうかは今後の課題だが,加藤周一は2003年に首脳同士の合意によって今日の政策が決まることを予言していた:
-議会において少数政党の力が弱められれば弱められるほど,憲法9条の無理な解釈-海外派兵-9条改訂-軍備増強-徴兵という日本史の新たな方向転換は,十分な批判,十分な議論なしに貫かれることになるだろう。政府の政策と国民感情との乖離の幅もせまくなるのではなく,さらに大きく開いてゆくにちがいない。 『夕陽妄語』(朝日新聞) 「2003年回顧」pp。221-222 ‘03/12/17
投稿: 箒川 兵庫助 | 2022年12月 5日 (月) 02時37分
ケイトリン・ジョンストン :
耕助のブログに 1880年(なんと明治13年!)に「我々は知性の売春婦なのだ。」と発言した
『ニューヨーク・タイムズ』紙記者のジョン・スウィントンの有名な引用記事が有りました。
その頃から、メディアはずっと変わらない。
https://kamogawakosuke.info/2002/01/09/%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1/
孫崎享氏 :
武器が枯渇しているのは、欧米の方だという記事が有ります。
https://www.afpbb.com/articles/-/3428130
武器が枯渇しさらに米軍の戦力は米軍史上最弱。
https://indeep.jp/us-military-is-very-weak/
初めて日本人の記事で、まともな戦況分析を見た!
それでも、ウクライナのナチス化についてはスルーしてますけど。
■まもなくロシア軍が全面攻勢か。
日本で報道されぬウクライナ戦争“12月10日〜19日”の転換点=高島康司 (2022/12/24)
https://www.mag2.com/p/money/1258923
投稿: 千田 | 2022年12月 4日 (日) 13時27分