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2022年11月 7日 (月)

客観的ジャーナリストなどというものは存在しない:言説のマトリックスの端からのメモ

2022年11月6日
ケイトリン・ジョンストン

 この記事を英語音声で聞く。

 社会の「認知インフラ」を規制するという名目でコンテンツを検閲するため行政機関が巨大オンラインプラットホームと緊密に協力している現場を捕らえられた事実を我々は十分話し合っていないように私は感じている。アメリカ政府が自身に、こうした権限を与えるのを許せる唯一の場合は、アメリカ政府は一般人の利益のために取り組んでいる正直で慈悲深い組織だと人々が信じられる時だけだ。そんなことは、もちろん良い大人は到底信じられない話のはずだ。

 我々の支配者が真実を語るかどでジャーナリストを公然と投獄しておいて、専制政権がジャーナリストを迫害するのを阻止する必要性を独善的に高飛車に語る世界に我々が暮らしているのは大いに驚くべきことだ。

 この人間のくずをご覧願いたい。

 

 彼をご覧願いたい。皆様はこのたわごと記事を信じられるだろうか? 厚かましさ。全くの厚かましさ。

 客観的ジャーナリズムなどというものはない。もし誰かがあなたに自分は客観的だと言うなら、その人は承知の上でウソをついているか、非常に自己認識が欠けているのだから、とにかく連中に耳をかたむけるべきではない。

 違いは偏見を持ったジャーナリストと客観的なジャーナリストの間にあるのではなく、自分の偏見について率直で透明なジャーナリストとそうでないジャーナリストの間にある。客観的なジャーナリストなどいない。客観的な人々などいない。人々はこれについて正直か、そうでないかだ。

 もちろんジャーナリストはできる限り公正で正直であろうとすべきだ。欧米の主流ジャーナリストがこれを実践していると信じるのは子供のような無邪気さの典型に過ぎない。

 主流の世界観を支持している記者はロシアや中国の国営メディア記者と同じぐらい偏見を持っている。彼らは特異な見地と具体的権益と狙いを支持している。問題は主流世界観は大いに当然のこととされるので、公正な現実のように見えてしまうのだ、それで主流の欧米ジャーナリストが、偏見や特定な狙いを持たない絶対現実の公正な調停者以外の何者でもないかのように、ジュリアン・アサンジやグレーゾーンであれ他の人々を偏見と特定の狙いがあるからと軽べつ的に語るのだ。

 それは明らかにばかばかしい。寡頭政治や帝国や現状政治の濫用を促進して彼らの手先として奉仕する世界観は公正どころではない。それは正気でさえない。だがそれがプロパガンダによって当たり前のこととされているため基本的現実のように見えるのだ。

 主流の世界観が主流である唯一の理由は世界の最も権力ある連中がそれを主流にするため途方もなく膨大な金を注いでいるからだ。それが唯一無二の理由だ。それは中道の見地ではなく最も豊富に資金供給されマーケティングされている見方に過ぎない。

 全てのジャーナリストは偏見を持っており全てのジャーナリストには思惑がある。彼らの大半は尊敬され有名になりたいという世俗的思惑を持っており、最も容易な方法はプロパガンダの流れが自分を岸に押し上げてくれる主流世界観を支持することだ。

 ニュース・メディアで金持ちで有名になる最も容易な方法はニュース・メディアを所有し、それに影響を与える金持ちの権力者連中の権益を推進することだ。悪口を言われ隅に追いやられる最も容易な方法はそうした権益を攻撃することだ。人の価値観がどの道を選ぶかを決定する。

 ハリウッド映画のように終わることなどない。

 客観的なジャーナリストなどいない。

 道徳的な億万長者などいない。

 人道介入など存在しない。

 公正な戦争など存在しない。

 人々は小学校でこの全てを学ぶべきだ。

 

 言説支配が権力であることを一体誰が理解しているだろう? 帝国支配者連中。金権政治家。プロパガンダ屋。中傷の名人連中。巧妙に人を操る人。虐待者。カルト指導者。いじめっ子連中。

 言説支配が権力であること理解していないのは誰だろう? 上記以外の大半。

 これが大半の問題の原因だ。

 ヘイト・スピーチを検閲するプラットフォームは権力者連中の狙いを批判する政治的発言を検閲するプラットホームと同じものではない。ヘイト・スピーチ検閲はプラットホームの利益に役立つために行われる。政治的発言の検閲は強力な政府機関に奉仕するため行われる。人はいい加減な先行き危険論を主張できるが、それは同じでも類似でもない。

 営利プラットホームは聴衆がプラットホームから追い出されるのを阻止するため常に最もいやな形の発言を検閲すると主張することは可能だが、それは現実だ。それはアメリカ政府機関ために我々を検閲するのとは全く違う。全ての合法的な形の発言が許されるプラットホームを望んでいるのであれば、営利プラットホームはそのための良い手段ではない。多分皆様は利用規約に強固な言論の自由が規定されている納税者に資金供給される国有化されたソーシャルメディア・プラットホームをご希望だ。

 誰もそこでぶらぶらしたいと思わない粗野な場所にするような発言を禁止するプラットホームと、政府機関が彼らにそうしろと言ったため人々が戦争やウイルスについて話をするのを禁止するプラットホームの間には大きな違いがある。この二つを融合しようとしても無駄だ。

 融合の結果は二つに分かれる。憎悪をぶちまけたいと望む人々は権力と戦うのに関心があるふりをし、不都合な発言を抑圧するためにインターネットを検閲したいと望む権力者連中はヘイト・スピーチを止めるのに関心があるふりをするだろう。こうした不明瞭化に気付くことは重要だ。

 権力者連中が人の発言を支配するのを望まないために検閲に反対する人々と、人種的中傷を言いたいので検閲に反対する人々の間には月とスッポンの違いがある。彼らは同じではない。これを区別するための良い方法は、その狙いが弱者をたくのか、権力者連中をたたくのか吟味することだ。もし権力者連中のために言論を抑制したり、権利を奪われた共同体に害を与えようとしたりしているなら、それは弱者を攻撃しているのだ。

 誰も今までこの質問に答えられていない。ウクライナを侵略するというロシアの決定が欧米の挑発に何も関係がなかったら、なぜそれほど多くの欧米専門家たちが何年も欧米の行動はロシアを刺激しウクライナを侵略させると警告して来たのだろう?

 ウクライナはタカ派アメリカ人によってイスラエルがそうだった以上に遙かに慶賀され積極的に擁護されている中心的存在だ。

 

 もし皆様が地球上最も軍事的、経済的、文化的に最有力な国の外交政策を弁護しておられるなら、なぜそうか自問願いたい。その衝動が一体誰に役立つのか自問願いたい。その衝動がどのように皆様を襲ったか自問願いたい。プロパガンダによってそうなったのかどうか自問願いたい。

 資本主義や競争と貪欲が「人間の本質」だと主張するのは間違いだ。自分が人間である事実をこの主張の私の情報源として引用する。資本主義や競争や貪欲が「人間の本質」だと主張する人々は人間の本質について実際あなたに何も話していないのが真実だ。連中は自身の本質について話しているのだ。

 それを彼らの「本質」と呼ぶのは正確でさえない。彼らがそう条件付けられているに過ぎない。我々全員我々の条件付けを変えられる。これを否定する唯一の人々はまだ本気でそうしようとしていない人々だ。

 政治、外国政策評論加えて、私が詩を書いたり哲学や精神性に関する洞察を共有したりする理由の一つは情報生態系が益々汚染されるにつれ、自分が考えていることを人々に言うだけでは十分ではなく、自分が一体誰なのか人々に示さなければならないためだ。益々多くのエネルギーが人々の世界理解をゆがめて操り始めるにつれ、人々が自分で、これは注意を払いたいと思うタイプの人かどうか決められるよう自分の心をできる限りさらけ出すことが一層必要になるのだ。

 まさに現在の環境で人々は非常に不信感を抱くものだが、それも当然だ。我々はウソの大洋を泳いでいる。自分は信頼できると思わせるよう人々を操ったり、できる限り透明度を高め、人々があなたに対し自身で考えを決められるように自身を完全にさらけ出したりすことで不信を切り抜けられる。

 私は常に全てについて正しいとか、常に最もはっきりとものを見ているとは約束できないが、私が誰で出自がどうか、私の偏見や狙いが何かについて、私は常に正直で最大の透明度で活動しているとお約束できる。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/11/06/no-such-thing-as-an-objective-journalist-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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 耕助のブログ Pepe Escobar記事翻訳

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