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2022年11月28日 (月)

ワシントンを北京に置き換えようとしているサウジアラビア

2022年11月22日
Salman Rafi Sheikh

 中国とロシアには既に新たな多極世界秩序という狙いがあるが両国だけが当事者というわけではない。確実に最も重要なのは両国が単に同盟しているだけでなく、以前は完全にアメリカ陣営にあった国々とも同盟を構成していることだ。中国との普通の貿易関係を戦略的提携に変えるのをいとわない国の中には、バイデン政権とサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマン(MBS)間の決裂のためだけでなく、自身を世界的プレーヤーになることが可能な多極世界に価値を見いだし、アメリカとの結びつきを変えようとしているサウジアラビアがある。サウジアラビアが「変化し」地域や世界の原動力になりたいと望むなら高度な戦略的自立を実現できた場合にのみ可能だ。リヤドがワシントンと結びついている限り、それを実行するのはほとんど不可能だ。それを実行するにはへその緒を切り、アメリカの方針に従うことなく戦略的選択ができる立場になる必要がある。

 実に皮肉なことに、バイデン政権がサウジアラビアを「のけ者」国家にし、ジャマル・カショギ殺人でMBSを主犯に指名しようと努めて、リヤドがへその緒を切断するのに必要な道具はアメリカ自身が提供したのだ。それ以来リヤドは曖昧さ皆無でワシントンから離れ、シントンの最も重要な戦略競合相手ロシアと中国を含め新しい同盟を形成している。ロシア・ウクライナ軍事衝突と、それに続いてリヤドに石油生産を増やすよう説得したり、圧力をかけて従わせたりするのにアメリカが失敗して既にへその緒が切断されたことを示している。リヤドは今中国との結びつきを深めて、アメリカが一方的に世界を「支配する」能力を持たない多極世界という狙いをどう推進させるつもりか示している。

 世界を変えるサウジアラビアのこの総合的取り組みは来る習のサウジアラビア訪問で明白で「アメリカがもはや世界秩序を支配しない多極世界構想を推進する」とウォール・ストリート・ジャーナルさえ書いている。換言すれば、リヤドの動き、特にワシントンに対し有意な敬意も払わずにワシントンの権益に打撃を与え、そして/あるいは身のほどを思い知らせる政策の一環として石油生産を削減する決定を解釈する感覚がワシントンではじわじわと広まっている。それ故にこそ、バイデンがサウジアラビアに対し「行動する」意図を発言したのだ。だが当該記事によれば、現状サウジアラビアは脅迫などで引き下がらず、2017年アメリカ大統領として未曾有のサウジアラビア訪問でトランプにした歓迎と同様、リヤドが習を受け入れ同じように歓迎する意欲からも明白だ。

 リヤドで中国がアメリカと同等に扱われるというアメリカ国内の期待より、アメリカから離れ中国に向かうこの進行中の論争の的の移行以上に明白なものは多分ない。実際アメリカ-サウジアラビア関係の現状のもと、中国に与えられると予想される待遇は、最近リヤドを訪問して、OPEC+協定を破るようMBSを説得し損ねた時のバイデンに対する待遇を遙かに上回る。バイデンの劇的な失敗と、未来の「石油同盟」としてサウジアラビアを味方に引き入れた中国の成功は、石油の世界的主要勢力が構造的に転換し、かつての同盟から離れていることをはっきり示している。

 現状ではエネルギー部門の協力が中国-サウジアラビア同盟の中心にある。サウジアラビアのエネルギー大臣アブドゥルアズィーズ・ビン・サルマン・アール=サウードと中国国家エネルギー局の章建华局長が10月第3週に会合した際、彼らが議論した話題はOPEC+を安定性の源として「原油市場への安定した長期供給」だった。

 中国だけでなく世界市場への石油供給が強調された事実は、特に一極世界秩序から多極世界秩序へという世界的移行の文脈で長期戦略上の絆を両国がどう拡張しようとしているかを示している。

 中国にとって、石油の安定供給と安定した石油価格はなぜなら石油価格の劇的変化は経済を不安定化する傾向があるので、自身の経済のためだけでなく世界の他の国々にも重要なのだ。これは中国同様サウジアラビア自身にもあてはまる。これはまさに習が年早々電話でMBSに話したことだ。習の言葉を引用すれば、中国-サウジアラビアの絆は「国際的なものと地域情勢の変化」後、一層重要になったのだ。

 アメリカ人の多くが考えているように思われる疑問はアメリカがこの過程、特にサウジアラビアにおける中国の地位の増大を逆転できるかどうかだ。サウジアラビアはアメリカ軍装備品に大きく依存しているので、ワシントンが状況を操れると一部のアメリカ人評論家は考えているように思われる。

 だがこの分析は多くの理由から見当違いだ。全ての中でリヤドはアメリカ軍装備品への依存を多様化できないという想定が最も重要だ。リヤドが中国との結びつきを深めて「戦略的提携」に変えれば、同様に北京からも防衛機器を購入可能だ。リヤドは次第にモスクワと協力つつあり、一極世界秩序を変える上で役割を果たすのに意欲的なので、ロシアからも同様に最新技術の軍装備品を購入できる。おまけに、サウジアラビアに設置されたアメリカ防空体制が侵入するフーシ派の無人機やミサイル攻撃を防ぎ損ねたことは今や周知の事実で、リヤドに代替物を探すよう促している。

 たとえサウジアラビアが中国とロシアに武器を自動的に切り替えないにせよ、サウジアラビアへの武器供給は多分両国を結ぶ唯一の絆だ。もしアメリカがそれを切断すれば中東からの離脱を加速するだけだろう。F-35戦闘機をUAEに売らないというバイデン政権の決定は後者にフランスとラファエルで合意するよう仕向けた。サウジアラビアはより良い選択肢を持っており、それらを選ぶのをいとうまい。

 Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/11/22/saudi-arabia-looks-to-replace-washington-with-beijing/

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 寺島メソッド翻訳NEWS 現地から発信している著名なエヴァ・バートレット記者のTwitter。日本人はウクライナ大本営報道従軍記者のみ。開戦以来、属国大本営広報部テレビ全く見ない。(相撲とのど自慢は見る)翻訳の傍ら音声を消して時折ぼんやり眺める。もちろん何の話か全くわからない。属国大本営広報部を見聞きする意味皆無と判断している。英語youtute番組のみ聞いている。

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