果てしなく自分をなめ続けるアメリカ軍国主義軍靴
2022年11月5日
ケイトリン・ジョンストン
❖
「中国の脅威に関するアメリカの「いい加減な」話が一部の懐疑的な専門家たちを懸念させる」という題の新しいブルームバーグ記事が、アメリカ政治支配層における北京に対し絶えず戦争を拡大させる圧力が、反応を引き起こし、中国によるの攻撃と誤って解釈される危険なサイクルを論じている。
ブルームバーグでイアン・マーロウがこう書いている。
タカ派言説は「危機における画策の余地を限定する」とマサチューセッツ工科大学安全保障研究プログラム部長M・テイラー・フレイヴェルが述べた。緊張を静めるあらゆる取り組みは「融和的、あるいは十分厳しくない」と見なされると彼が述べた。
中国は台湾に関し首尾一貫しており、中国が台湾をとるため予定を速めたことを示唆する公式な証拠はほとんどないと、中国政策に取り組んでいたが身元が特定されないよう望む元アメリカ幹部当局者が述べた。
DCのタカ派的な調子は、アメリカが最初の動きをし、中国の反応を挑発と解釈し、次に更にエスカレートするサイクルに寄与していると前当局者は述べた。
ブルームバーグはエスカレーションを自ら強化するこのサイクルは「我々が阻止しようと努めている戦争を引き起こすことに」なりかねないと言うドイツ・マーシャル財団アジア・プログラム部長ボニー・グレーサーの言葉を引用している。
Good article on how the US's approach to China makes war more likely.
— Arnaud Bertrand (@RnaudBertrand) November 4, 2022
"[It's a] cycle where the US makes the first move, interprets Chinese reactions as a provocation, and then escalates further. [We'll] end up provoking the war that we seek to deter"https://t.co/Vf1jQmjavB
同じ軍事エスカレーションという同じ自己永続的サイクルが北朝鮮に対して長い休止の後に緊張が再び燃え上がって実証されるのを我々は見た。アメリカと韓国は朝鮮民主主義人民共和国を威嚇するよう意図された挑発的軍事教練を始め、平壌は力の誇示、ミサイル発射で対応し、国防総省はその対応に応えて演習延長を発表した。
Antiwarのデイブ・デキャンプはこう説明している。
彼らの演習に応えて北朝鮮が大規模な武力誇示をした後、アメリカと韓国は大規模航空軍事演習を延長しつつある。
月曜日ワシントンとソウルはビジラント・ストーム演習を始めたが、当初5日間1日24時間活動する予定だった。今年のビジラント・ストームは約100機のアメリカの軍用機と140機の韓国軍用機で約1,600回の計画出撃、今までで最大の演習だ。
平壌はビジラント・ストーム演習に対処することを明らかにして、水曜日23機のミサイルを発射したが、北朝鮮が一日で発射したものでは最多だと言われている。北朝鮮は同じ日に大砲を100回以上発砲し、木曜日にミサイルを更に6機発射した。
ロイド・オースティン国防長官は韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防大臣との会談後にビジラント・ストームの延長を発表した。「私は李大臣と相談し、我々の即応能力と互換性を強化すべく長らく予定されていた合同演習であるビジラント・ストームを延長することに決めた」とオースティンが述べた。
「彼はこれら戦争ゲームを始めて、一群の北朝鮮ミサイル発射を引き起こし、次にミサイルが発射されたため軍事演習を延長しなければならないと述べた」とデキャンプがTwitterで書いた。
「アメリカと韓国の無責任な決定は、現状を同盟軍の挑発的軍事行為によって引き起こされる制御できない段階へと押しやっている。」と言ってアメリカ-大韓民国軍事演習の延長がそれ以上のエスカレーションを引き起こしかねないと警告するもう一人の朝鮮民主主義人民共和国当局者の言葉をデキャンプは引用している。
So they launch these war games, provoke a bunch of North Korean missiles launches and then say they have to extend the war games because of the missile launches… https://t.co/PIWXywmRUO
— Dave DeCamp (@DecampDave) November 4, 2022
年々同じサイクルが繰り返されるのを我々は見ている。世界の特定の場所におけるアメリカ軍事拡張主義と侵略は、そこに暮らす人々から抵抗を受け、アメリカは益々軍事拡張主義と侵略でその抵抗に対処している。公式説明はアメリカが都合良く自身による先行する侵略や挑発を無視して、相手側による、いわれのない侵略に反撃していると言い、欧米メディアは常にそれを喜んで推進する。
現実には、特に益々多くの世界の地域で軍国主義を強化することでアメリカ軍産複合体とアメリカ帝国運営者の一極主義の狙いを推進し、一方の側が国境や他の安全管理の利害関係を威嚇するため地球の裏側に飛んでいる際、誰が侵略者か判断するのは困難ではない。だがアメリカ帝国は今までに考え出された最も精巧な言説支配体制を持っているので、自明なばかげたことにもかかわらず重要な十分な場所の十分な人々が公式言説を鵜呑みにしているのだ。
自ら作り出す問題を解決するふりをしながら、それを永続悪化させる体制は、しばしば「自分をなめ続けるアイスクリームコーン」と呼ばれる。そうした類いの体制が地球上最強力で闘争的な権力構造に奉仕する連中に推進されているので、人々はアメリカ軍国主義を自分をなめ続ける軍靴と呼ぶかもしれない。
アメリカ軍事干渉主義が地政学的に極めて重要な地域を不安定化し、アメリカ爆撃で苦しむ現地の人々に彼らを迫害する連中を傷つけたいと願わせ、それへの対応はテロリストと戦いアメリカ兵を保護するという名目で世界のそうした地域での軍事拡張主義の強化である「対テロ戦争」詐欺で何十年間も実証された自分をなめるアメリカ軍国主義軍靴を我々は目にしている。
Tens Of Millions Of People Displaced By The ‘War On Terror’, The Greatest Scam Ever Invented
— Caitlin Johnstone (@caitoz) September 9, 2020
A new report has found that at least 37 million people (a conservative estimate) have been displaced as a result of America's so-called “war on terror” since 9/11https://t.co/MsFul5zf7L
アメリカによる攻勢がアメリカ帝国が長年破壊標的に定めていた政府による侵略を引き起こしたウクライナで我々はそれを目にしており、今やその侵略は、絶えず地域における軍事関与を拡大しながら長年続くアメリカの戦略 目標を推進するために利用されている。
非常に愚かな、ばかげたことを我々が目撃していることを示すあらゆる入手可能な証拠にもかかわらず主流メディア評論家連中が褒めそやし、アメリカが同時に二正面で世界的紛争に向けて加速する中、益々多くそういうもの見るようになるのは確実だ。アメリカはモスクワと北京に対する攻勢を強化し続け、それら政府が反撃し、アメリカは攻撃を強化し、これら法外な挑発に対処しなければならないと我々は聞かされるだろう。
うんざりするほどの繰り返し。
なめろ、なめろ。
_______________
私の記事は全て読者のご支援によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/11/05/the-self-licking-boot-of-us-militarism/
----------
Self-licking ice cream coneというのをWikipediaで見ると、自分の鼻をなめるソフトクリームの絵がある。説明は
「自身を維持する以外に目的のない自己永続体制」
東京新聞朝刊一面、性的少数の生徒の学校での行きづらさとツィッター半数解雇通知
Moon of Alabama最新記事はThe Twitter Massacre 「Twitter虐殺」マスクの善行など想像不能。
米軍と韓国軍演習を詳しく報じず北朝鮮ミサイル発射は大きく宣伝する大本営広報部
デモクラシータイムス
危ないのは北のミサイルだけか? WeN20221105 1:51:05
Chris Hedges氏インタビュー
REDACTED 冒頭、世界的軽油(ディーゼル燃料)不足について語っている。
No ONE is ready for what's coming in 14 days, it's going to be...
先にF・ウィリアム・エングダール氏の下記記事を翻訳した。さすがの予想。
ショルツ独首相の中国訪問で外相を思い出す。ベアボック外相を見るとヌーランドを思い出す。訪問失敗を祈っているのでは。
日曜版「ショルツ独首相が北京で習近平国家主席と会談! ロシアメディアは『米国の圧力に対抗して、ドイツの主権を守ることができるのか?』と懸念」
« ノルド・ストリーム1と2の破壊は解決されなければならない犯罪 | トップページ | 全てを説明する一つの図 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- マイク・ハッカビーは狂気のアルマゲドン信者(2025.06.24)
- イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。(2025.06.18)
- 「Lion’s Courage(ライオンの勇気)」対「True Promise 3(本当の約束)」(2025.06.15)
「マスコミ」カテゴリの記事
- イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。(2025.06.18)
- 禅とニューヨーク・タイムズ見出し書きの技巧(2025.06.10)
- あなたの心をプロパガンダで操られにくくする方法(2025.05.17)
- 「世界に轟く死を願う」―真実を伝えたためイスラエルに暗殺されたジャーナリスト(2025.04.30)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- ライオンと約束(2025.06.23)
- マイク・ハッカビーは狂気のアルマゲドン信者(2025.06.24)
- イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認(2025.06.17)
「ロシア」カテゴリの記事
- イスラエルの戦争を論じるための諸規則、再確認(2025.06.17)
- ウクライナ - 兵士6,000人の死と、消えた数千人の「拉致」された子どもたち(2025.06.10)
- 熊たちの沈黙(2025.06.11)
- オレシュニクを待ちながら「否定的ではなく」進んだイスタンブール歌舞伎(2025.06.05)
- 最後のドローン・パレード:既に敗北した戦争をリセットしようとしているウクライナ(2025.06.04)
「中国」カテゴリの記事
- 自分が遵守しない協定に中国が違反したと非難するトランプ大統領(2025.06.05)
- 関税破綻後の米中関係再考(2025.05.27)
- アメリカの危機:トランプ大統領の政策が中東に及ぼす影響(2025.05.15)
- 習近平、ルラ、マドゥロが5月9日モスクワ祝賀に出席すれば安全に責任を持てないと恫喝するウクライナ(2025.05.07)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- マイク・ハッカビーは狂気のアルマゲドン信者(2025.06.24)
- イラク侵略後、イランに関する戦争の嘘を信じる口実などありえない(2025.06.20)
- イスラエルがイランを爆撃しつつある。将来のニューヨーク・タイムズ見出しの一例はこうだ。(2025.06.18)
コメント