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2022年11月20日 (日)

我々を二つのエセ分派に執着させ続ける支配者:言説のマトリックスの端からのメモ

2022年11月14日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 欧米人は不快な外国の「制度」は彼らの国民に政府を批判させないと教えこまれ、一方欧米人自身は決して自国政府を批判しないよう訓練される。彼らはその代わり本当の権力ではなく、二つのエセ分派-エセ党派のたわごとを批判するよう訓練される。

 欧米人は決して両党が完全に支持している対外政策や国内政策ではなく、一方の党派の行動や信念を批判するよう訓練される。どちらの党が政権にあろうと99.9%同じ政策を維持する権力構造が政府の実態なのに、欧米人は決してそこを見ないよう訓練される。その代わり彼らは両手で動かすエセ人形劇に固執するよう訓練される。

 「ここなら私がしたい時いつでも政府を批判できるから中国やロシアではなく、ここで暮らしたい!」と欧米人は言う。結構。だが皆様そうではないのだ。皆様は皆様の政府を批判しない。皆様は操り人形を批判しているだけ、通常皆様が好きでない党の操り人形を。皆様は決して皆様の本当の政府は批判しない。本当の政府を批判するのは二大政党両党が支持する殺人外交政策を攻撃するように見えるのだ。両党が支持する専制的内政を攻撃すること。両党が支持する搾取する資本主義制度を攻撃すること。

 欧米人はそうしないよう訓練される。誰がホワイトハウスにいようと同じ専制的な狙いが推進されるのに「自国政府を批判する」のは「Drumpf(トランプを馬鹿にする表現)」や「頑張れブランドンプ」(くたばれジョー・バイデンの婉曲表現)と言うように感じるよう訓練される。

 欧米人は「放し飼い」のニワトリが自由なのと同じ形で「自由だ」。ドアは技術的に開いていると確信し、技術的に外にでるのは可能だが彼らは決してそうしないよう条件づけられている。欧米のいわゆる自由民主主義は自由の錯覚だけ提供しながら自由を提供していると主張するのだ。今までで考案された中で最も洗練されたプロパガンダ機関を駆使し、自由に関する漫画を彼らの頭の中で展開させ、人々をやみくもに従順なギア旋盤工としての暮らしに閉じ込めておくのだ。

 問題は「ウォーキズム」ではなく、アメリカ軍国主義や帝国主義が行き詰まるかどうかというような重要な会話で、どう人々を殺し世界を脅かしているかと言う代わりに、アメリカ軍は余りにウォークか十分ウォークでないかに関するばかばかしい会話で行き詰まるのが問題なのだ。そうした議論のどちらの側に組みしても世間の厳しい目という十字照準線を権力者側サイドから他の「ウォークネス」文化戦争側に動かして、世界で最も権力がある危険な連中の最悪の衝動を保護してしまう。これは至る所で起きている。

 共和党がアメリカ帝国主義の最も恐ろしい狙いを推進しながらタッカー・カールソンの番組でジェス・ケリーが「我々には女性に優しい軍は必要ではないというのが良い例だ。我々は空軍には敬意を払うが、ゲイに優しい軍は必要ではない。我々には徹底的に厳しい軍が必要だ。我々には中国人のドクロの王座に座りたいと思うタイプA男性たちで一杯の軍が必要だ。」と言って「反ウォークネス」を連中のプロパガンダの媒介役として利用するのだ。

 

 あるいは精神病質者ルビオはこう言った。「我々には代名詞の適切な使用に熱心な軍は不要だ。我々には中国空母爆破に精力を傾ける軍が必要だ。」

 文化戦争は人々は「反ウォーク」言説を押し返すべきだと言う。反帝国主義の人々は核兵器による皆殺し戦争挑発を押し返すべきだと言う。両方に焦点を合わせるのは困難だ。これは無数の方法で帝国支配者連中に利用されている。人々が権力者連中に焦点を合わせられないよう、連中は人々にエセ二分派に固執させるのだ。

ステップ1:進歩派たれ。

ステップ2:進歩派は反対するはずだとされる主要問題を無視しろ。

ステップ3:右翼が注意を払い始めるまで、それを無視し続けろ。

ステップ4:その問題に反対するのは右翼の姿勢として描き出せ。

 これをご覧願いたい。核を使った瀬戸際外交、ウクライナ代理戦争、アサンジ、シリア、インターネット検閲等々。

 人々が核戦争の危険を冒すことにそれほど無頓着な理由の一つはそれが知的に把握するのは困難な概念だからだ。全面的核戦争は全員を殺すだけではなく、将来生まれるはずの全ての人々の存在を阻止するのだ。

 

 私は中国やロシアに何らかの形の特別な感情を持っておらず彼らがアメリカに中央集権化した帝国のように数量化可能なほど破壊的でない明白な事実だけ認めている。連中が帝国に積極的に標的に定めていなければ私はおそらくそれにさほど気付くまい。

 英語世界における革命や共産主義の議論は、左翼が完全に無力化され隅に追いやられ、人数も必要なものにほど遠いという冷たく厳しい現実から始まり終わらない限りは単なるファンタジー・ロールプレイングに過ぎない。そうでなければ皆様はライブ・アクションRPGをしているに過ぎないから、皆様は他のどんなことを語る前に革命的左翼主義を最底辺から救い出し主流に引き上げることを第一の最重要目的にすべきだ。皆様は本当の運動がない政治運動について議論しているのだ。

 奉仕活動や積極的行動でこれは実現可能だ。それに参加しようと人々がお互い殴り合うほど社会主義や共産主義を猛烈に素敵なものに見えさせればそうできる。多いに洗脳された社会において、それを素晴らしく魅力的なものにする賢明な方法を見いだすのだ。

 

 彼らの英雄がバーニー・サンダースやAOC、ドナルド・トランプ、タッカー・カールソンあるいはイーロン・マスクの誰であれ、権力を持った人々を好きになるよう皆様を説得しようと懸命に試みる人々は彼らの心を個人崇拝教義と交換したのだ。権力者を支持するよう転向させるのは批判的思考を放棄した兆しだ。

 これについてお考え願いたい。イーロン・マスクや誰か権力を持った人物に対しもう一人が好感を持ったとして一体何が得られるだろう? それは世界にどう役立つだろう? それは役に立たないが、それでも人々は自分の宗教に改宗を勧める伝道師同様、自分の信仰に転向させようとする。これは彼ら全員、大義やその個人が意味するとされる政策ではなく個人を信仰しているためだ。

 特定の狙いや見方を支持するよう私を説得しようとする人々の主張が明晰で良く検討したものであれば私の興味を引くだろうが、特定の個人を好きになるよう説得しようとする人は誰であれ直ちに心を持たない自動人形として私は切り捨てる。彼らから何も知的なものを得られないのを私は知っている。

 思惑を推進するのは、それらの思惑に役立つ。人を後押ししても、そうした個人にしか役立たない。皆様が何かの目的推進に関心がおありなら、その目的を推進願いたい。個人崇拝というプロパガンダに馴染みやすい思考停止のタール池にはまってはいけない。

 有名人連中は皆様の友人ではなく権力者連中を持ち上げても権力にしか役に立たない。これは頂上に到達するのを許される連中は権力者の権益を促進する連中だけだという我々が現在生きている権力構造において特に真実だ。

 映画製作者は誰をカメラで追って主人公に決めるかで皆様をアザラシやシロクマを声援するようさせられる。彼らは同じように皆様を警官、不正な法制度や帝国主義軍隊を声援するようにさせられるのだ。

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 画像はAdobe Stock写真。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/11/14/they-keep-us-focused-on-decoy-dichotomies-notes-from-the-edge-of-the-narrative-matrix/

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