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2022年10月15日 (土)

善良で義にかなった代理戦争なら、このような漫画的PRは不要なはず

10月10日
ケイトリン・ジョンストン

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 スター・ウォーズのメガスター、マーク・ハミルは最近ウクライナ政府の資金調達プラットフォームであるUnited24の大使に任命されたが、タイムズ紙によると彼の関心は「ドローンの調達、修理、交換、パイロット訓練」にあるという。

タイムズ紙より:

 「この長く不平等な戦いの中、ウクライナは継続的追加支援が必要だ。だからドローン軍大使になるようゼレンスキー大統領が私に依頼してくれたことを光栄に思う」とルーク・スカイウォーカーを演じたハミルが声明で述べた。「ウクライナ人が自分の土地、自由や民主主義世界全体の価値を守るためにドローンを必要としているのは確実だ。今こそ皆団結し、ウクライナが邪悪な帝国との戦争で立ち上がるのを支援する最適な時だ。

 ハミルの支持に感謝する声明の中でゼレンスキーはこう述べた。「光は闇に勝つ。私はこれを信じている。国民はこれを信じている。ウクライナが我々の防衛者を支援するためドローン軍のための資金集めを支援する最初の大使という困難な使命を引き受けてくれてありがとう。それは本当に重要だ!

 ハミル(71歳)は、ゼレンスキーが5月に立ち上げたユナイテッド24を支援する拡大しつつある有名人リストの一人だ。このウェブサイトはウクライナの医療ニーズを支援するためのファイザー財団からの最近500万ドル寄付を含む約1億8,800万ドルの寄付を集めたと報じられている。

 先週バーブラ・ストライサンドも大使を務めると発表し、ウクライナ国民の「能力と勇気」は「民主主義を推進し権威主義と戦う世界中の全ての人々に刺激を与える」と称賛した。

 はっきり言って、この代理戦争はこれ以上ディズニー化する可能性がないと思っておられるなら、あなたは間違っている

 ハミルは新たな任務をウクライナ国旗模様のスター・ウォーズ宇宙船が描かれた画でツイートしたが、ハリウッドは頭がいかれているためこの俳優のキャプションはポーランド語だ。

 この代理戦争のもう一つの最近のTwitter PR詐欺に、ウクライナ政府アカウントが想像できる限り人気ツイートのドン引きするような模倣で“クリミア”アカウントに話しかけるものがある。

 “おい@Crimea何か変わったことはあるか?”とウクライナ・アカウントが気の利いた子供がそうするよう小文字でツイートする。

 “@Ukraineは自由になりつつある。家に帰る途中さ”とウクライナ政府の“クリミア”アカウントが答える。

 これらアカウントは両方とももちろん、ソーシャル・メディアやインターネット・ミームやマーケティングの知識を買われて雇われた同じ人物が書いているはずだ。この戦争は最もいんちきな空前のPR集約的代理戦争なのだから。

 結局この戦争の顔は有名なウクライナ俳優ヴォロディミール・ゼレンスキーで、彼はヴォーグのモデルになりグラミー賞カンヌ映画祭ヴェネツィア映画祭ニューヨーク証券取引所世界経済フォーラムや、おそらくビルダーバーグ・グループにもビデオ出演し、この戦争に対する欧米西の支持を獲得してきた。ベン・スティラーショーン・ペンBono and the Edge from U2などの有名人とも会談している。

 この戦争が始まって以来、欧米マスコミは我々が今まで見たこともないよう驚くほど偏向した報道電波を覆い尽くしているロシア・マスコミ電波から粛清され、この戦争に関する反体制派意見に対するオンライン検閲劇的にエスカレートしている。ソーシャルメディアのアルゴリズムは帝国主義路線を積極的に推進する腐敗したプロパガンダ・メディアを人為的に推進している。アメリカとイギリス軍がオンラインで秘密裏にトローリング作戦を使っているのを我々全員知っているにもかかわらず、反ロシア・トローリング作戦は、欧米政府や軍需産業が資金提供する戦争挑発シンクタンクやサイバー空間作戦に専念するアメリカ各軍によって大々的に称賛され増幅されている

 これは代理戦争で、地球上最強力な政府に支援されなければ決して起き得なかった。そして誰もが反対する前に、これは間違いなく代理戦争だ。アメリカ軍諜報機関や現地のアメリカ特殊部隊やCIA工作員に支援されCIAが訓練した戦士が使うため何十億ドルも兵器を送っているのに、これが代理戦争でなければ代理戦争などなくなる。だからこそアメリカ政府高官マスコミは公然と、それを代理戦争と呼んでいるのだ。

 もしこの代理戦争が支持者がそういうふりをしているほど公正で義にかなったものなら、このどれも起こらなかったはずなのだ。もしこの代理戦争が、それに対する大衆の同意をでっちあげるため、最大限の攻撃性で休みなしの認知支配が必要なら、その代理戦争はおそらく不道徳で悪だ。代理戦争に対する国民の支持を維持するのに、絶え間ないPRスピン、主流ニュースメディアによる攻撃的プロパガンダ、ロシア・メディア禁止、シンクタンクや政府機関に増幅される巨大なトロール情報操作が必要なのであれば、おそらく国民の支持など得られていないはずだ。

 自分の思惑を支持させるため、国民の言論を検閲し、偽草の根トロール作戦で人々のオンライン言説を混乱させ、国民を積極的に心理操作する必要があるなら、それは自分たちの思惑が国民が自分で支持すると選択したものでないことを知っているからだ。人々を操って何かを支持させる必要があるとすれば、それは人々の支持に値しないからで、連中はそれを知っているからだ。

 この代理戦争をエスカレートさせるのに、どれほどのものが危険にさらされているか、どれほど途方もない代償を払い、一般市民に何の利益ももたらさないことを人々が本当に理解すれば、ワシントンは今頃今焼けた瓦礫の山になっているはずだ。人々の銀行口座が略奪され、少数の腐敗した帝国主義者の地政学的狙いを推進するためだけに自分たちの命が危険にさらされているのを人々が本当に理解すれば、何も我々の支配者を市民の怒りから守ることはできない。

 連中は我々が自分の意志ではそうしないことを知っているので、我々の同意をでっち上げようと工作するのだ。それは人が思いつける限り最も卑劣な民主主義の転覆だ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/10/10/a-good-and-righteous-proxy-war-wouldnt-need-such-cartoonish-pr/

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 植草一秀の『知られざる真実』

国葬を容認しVR開示を却下

 耕助のブログ ジェフリー・サックス記事の翻訳

No. 1587 ウクライナでのグレート・ゲームは制御不能に陥っている

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

プーチンの核兵器使用の可能性示唆発言に対する西側反応。EUのボレル外交安全保障上級代表(外相)はロシアがウクライナに核兵器を使用した場合、米欧による核を使わない軍事的対応で「ロシア軍は壊滅するだろう」と述べ核使用に言及せず。仏も核使用否定

 鈴木エイト氏の著書『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』を拝読した上で下記インタビューを拝聴。予習をしてから授業を受けているような気分。総務省を支配した大物政治家連中まんまと追求の手を逃れていることがわかる。

 日刊IWJガイド

はじめに~<インタビュー報告>あからさまに日本征服・世界征服を掲げ、次々と政治家を取り込む統一教会と、ズブズブの自民党は日本の国教は統一教会と言われて反論できるのか? 岩上安身によるジャーナリスト・鈴木エイト氏インタビュー第2弾をお送りしました!

ウクライナ紛争は少なくとも10年は続く!? 対テロ戦争の長期化とまったく同じ構図! NATOは現在、ウクライナの防衛産業を再建するための10年計画を策定中!「我々はできる限りのことを、できる限り長期にわたって行う」(マーク・ミリー統合参謀本部議長)!「米国の戦争狂は勝手にやっている! 日本はもうつきあわない!」と、突き放すべきではないのか!?

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コメント

 この記事に、全く、同意します。
 現地の、極右ネオナチを利用して、欧米が始めた戦争です。
 落ちぶれていく米英資本主義帝国は、どうしても、世界をブロック化して、自国に有利な状況を作りたかったのだと言えます。
 しかし、戦争なんかでは、産業の空洞化は、止まらないと思います。
 一方では、膨大な予算を維持したい軍産複合体がいて、また一方では、安い労働力を求めるグローバル化が進行する。
 まさに、資本主義の、末期症状です。

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