モスクワの和平交渉提案をアメリカが拒否したのは全く許しがたい
2022年10月12日
ケイトリン・ジョンストン
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火曜日、モスクワは、ウクライナでの戦争を終わらせるためのアメリカやトルコとの会談に前向きだとロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が火曜日に述べ、ロシアが和平交渉を拒否していると言うのは、アメリカ当局者がウソをついていると主張した。
ロイター通信はこう報じている。
ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障担当報道官を含む当局者がアメリカは交渉する用意があるがロシアが拒否したと言ったとラブロフ外務大臣が述べた。
「これはウソだ」とラブロフは言った。「接触する本気の申し出は何も受けていない。」
キエフに対する最近のロシア・ミサイル攻撃に言及しアメリカ国務省のネッド・プライス報道官が申し出直後に和平交渉提案をはねつけたのだからラブロフの主張のほうが説得力があった。
火曜の記者会見で「この姿勢はウクライナ国民や国や政府に対するこの残虐な侵略戦争を終わらせるため絶対に必要な対話と外交の建設的で正当な申し出だと我々は思わない。」とプライスは述べた。
Lavrov Says Russia Open to Talks With the West, US Dismisses His Comments
— Antiwar.com (@Antiwarcom) October 11, 2022
Putin may discuss talks with the West in a meeting with Erdogan this week
by Dave DeCamp@DecampDave #Russia #Lavrov #Ukraine #diplomacy #G20 https://t.co/bRbdPj7muH pic.twitter.com/PESo4C2ioN
これは許しがたい。多くの専門家やアメリカ大統領によればキューバ・ミサイル危機以来、世界が最も危険な瞬間にある時に、ロシア当局者と話し合い段階的緩和や和平にむけた作業をしなと決定する権利などアメリカ政府にはない。これら核の瀬戸際外交ゲームで人々の命が危うくなっているのに地球上のあらゆる生物を代表してそういう主張をする権利など連中にない。この戦争がウクライナ首都へのミサイル攻撃にエスカレートした事実が、不要ではなく和平交渉を益々必要にしているのだ。
この戦争でウクライナが勝てるとアメリカ政府は思っていないのにモスクワとの交渉を奨励するのを拒否しているというワシントン・ポスト新情報からも益々言語道断だ。
「非公式にはアメリカ当局者はロシアもウクライナもこの戦争で完全勝利出来ないと言いながら、ウクライナを交渉の席に出したり押しやったりする考えを彼らは排除している」とワシントン・ポストは報じている。「連中は戦争の終わりがどうなるのか、あるいはどのように、いつ終わるか分からない。それはキーウ次第だ言い張っている。」
さの二点をまとめると、この戦争のそもそもの始めから私がしている主張の信憑性が更に増す。アメリカはウクライナでの平和を望んでおらず、アメリカ当局者がアフガニスタンやシリアで試みたと告白しているようなモスクワにとって費用がかかる軍事的泥沼を作り出そうとしているのだ。これがロイド・オースティン国防長官ウクラがイナでのアメリカの狙いは実際はロシアを“弱体化させる”ことだと言った理由で、紛争初期に帝国がウクライナとロシア間の和平合意を積極的に妨害したように見える理由の説明だ。
この代理戦争には出口戦略がない。しかも、それは意図的なものだ。
和平交渉を避けながら、この戦争を積極的に維持するという政策を放棄するよう多くの人々がアメリカに要求している。
この紛争は「ハルマゲドン」につながる可能性があるという大統領の最近の発言について「バイデン大統領の言葉遣いは、言うなれば、我々の言語表現の頂点だ」とマイク・マレン元統合参謀本部議長は今週日曜日ABCで述べた。
「我々は少し譲歩し、この問題を解決すべくテーブルに着くためできる限りのことをする必要があると思う」とマレンは言い「どんな戦争でも必ず終わらなければならず、通常それに関連する交渉がある。早ければ早いほど良いと私は思う。」
「アメリカ合州国にできることは、ロシアをひどく弱体化させるため戦争を続けなければならず交渉はしないという立場を、公式立場を捨てることだ」と最近デモクラシー・ナウに出演してノーム・チョムスキーが主張した。「それが交渉、外交への道を開くだろうか? 確信は持てない。それを知る方法は一つしかない。それは試してみることだ。やらなければ、もちろんそれは起きない。」
月曜日のキエフへのミサイル攻撃後「アメリカ合州国はウクライナに対する軍事支援を、事態が制御不能に陥る前に、この危機を管理するための外交的道筋で補完する時が来た」とクインシー研究所のジョージ・ビーブは言い、これは必ずや「世界をロシアとアメリカ合州国間の直接軍事衝突に近づける」「戦争の大規模エスカレーションだ」と呼んだ。
「アメリカはロシアと合意に達しなければならない。それで戦争は終わるだろう」とハンガリーのヴィクトル・オルバーン首相は火曜日の催しで述べ「この戦争はロシア・ウクライナ交渉で終結すると考えている人は、この世界に住んでいない」と付け加えた。
US & allies "should be finding ways to open up communications with Russian President Vladimir Putin to try to end the fighting." @RStatecraft seems the only place it's now uncontroversial to make this basic commonsense point.https://t.co/QrGNoIx5Qg
— Branko Marcetic (@BMarchetich) October 3, 2022
世界の二つの核超大国が直接軍事衝突に向けて加速し対話さえしていないのは全く狂気の沙汰で、そうすべきだと言う人々がクレムリン工作員やらチェンバレンのような宥和主義者と呼ばれるのは益々狂気の沙汰だ。Responsible Statecraftのハリー・カジアニスは「対話は宥和ではなく、核ハルマゲドンの回避だ」と題する最近記事で、この奇妙な動力学について論じている。
私は過去数ヶ月、民間防衛関連企業のため私の個人的指示で、ロシア・ウクライナ戦争の様々な側面を見て、戦争ゲームで30以上の戦闘シミュレーションをしたが、一つはっきりしているのは核戦争の可能性が日に日に大幅に増加していることだ。
私が試したあらゆるシナリオで、バイデン政権は、直接の軍事的脅威をもたらすとロシアが一貫して警告してきたATACMSやF-16や他の兵器など、かつてないほど高度な兵器を徐々にウクライナに与えている。それぞれのシナリオは、モスクワが容易に打ち負かすことができない従来兵器に対抗するため戦術核兵器を使用すると決定する異なる時点を仮定しているが、西側から戦場により新しく、より強力な兵器が導入されるにつれロシアが核兵器を使用する可能性は増大する。
実際、戦争が始まって以来、私が行なった30のシナリオのうち28のシナリオで、何らかの核攻撃の応酬が起きている。
良いニュースは、この危機から抜け出す方法があることだ。それが不完全であるにせよ。核戦争が回避された二つのシナリオでは、直接交渉が停戦につながった。
繰り返すが、こうした直接交渉が現在進行中でないのは絶対ズボンを脱いで頭に被るたぐいの狂気だ。信じられるあらゆる権力者にこれをすぐ変えるよう請願しょう。我々は、世界中の個々の国々の指導者に、こうした交渉を開始するようワシントンに何であれ圧力をかけるよう請願しよう。この瀬戸際政策は我々全員を脅かしており、アメリカ帝国支配者連中には我々の命をかけて、こんなゲームをする権利などないのだ。
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植草一秀の『知られざる真実』
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【横田一の現場直撃 No.185】◆ 細田 井上語らず 県民葬 ◆下関 謎のアベ友市立大 ◆河野会見、排除の瀬戸際 221017 59:55
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ロシアは、10 月 17 日早朝にイラン製の Shahed-136 ドローンを使用して、ウクライナの首都への史上初の攻撃を開始。これまでロシアの国産ドローンは、主に監視目的で使用、比較的効果の弱いものとみられている
日刊IWJガイド・非会員版「10月も2分の1が経過しました。IWJへ緊急のご支援をよろしくお願いします! 切実なお願いです!」
イランがロシアに短距離弾道ミサイルを提供!? イランは「ロシアへいかなる武器も提供していない」と表明しているが『ワシントン・ポスト』は「米国の同盟国の情報当局者」のリークとして報道! イスラエルの閣僚がこの記事に「イスラエルもウクライナに軍事援助を」とツイート! 米国のロシアに対する「代理戦争」であるウクライナ紛争が、イラン・イスラエルの「代理戦争」に重なる!?
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