ヨーロッパ中央銀行のジンバプエ・モデル
デクラン・ヘイズ
2022年9月19日
Strategic Culture Foundation
オランダ農民が示しているように、フォン・デア・ライエンやラガルド、ストルテンベルグやヨーロッパの他の売国奴連中が偉そうに振る舞うのに反対する価値は多少ある。
ヨーロッパやドイツや日本やジンバブエの中央銀行の機能は、彼らの財政面で、信頼性と効率を実現し、各国の広範なマクロ経済目標を達成することなのだが、本記事が明らかにしている理由のため、NATO諸国の中央銀行は明らかに悲惨に、そうした仕事を放棄している。ジンバブエは、かつてのドイツ・ワイマール共和国のように、年間インフレ率が10の36乗x90パーセントに達しているので、ヨーロッパは金融、経済の正常な判断ができないハラレの連中を模倣すべきではない。
ジンバブエがどうあれ、周知の通り、ドイツは以前この道を進んだが、かつての戦後政策を完全に逆転し、再び同じ道を進む決意が強そうに思われる。フランクフルトに本拠を置くヨーロッパ中央銀行は、南部連邦がグレイバックス紙幣を印刷したように、ワイマールが有名な無価値なマルク紙幣を印刷したように、ジンバブエ国立銀行がジンバブエ・ドル紙幣を印刷するのと同じぐらい速くユーロを印刷している。
ワイマールには困難が多かったが、最も重要な二つは、カイザーが勝利すれば負債を返済できるつもりで、軍隊に資金供給するために莫大な借金をしたが、西洋同盟国が勝利してドイツの資源を完全に吸い尽くし、ワイマールが崩壊するや否やヒットラー総統への道を開いたのだ。ヨーロッパの中央銀行は今日まさに、この政策に従っている。連中はエネルギー費用負担を緩和するため、ばらまき政策をし、農民を買収し、最悪なことに、ポンジー・スキーム、つまりゼレンスキー・キーウ政権の不正資金浄化を推進するため金を与えている。15兆ユーロ以上のマネー・サプライは記録的レベル、実際金利はマイナスで、年金受給者を貧乏にしながら、燃料が欠乏している経済は弾みがつき損ねている。ドイツの苦悩の種インフレーションは、余りに多くの金が余りに僅かな薪の袋を求め、再び進行中だ。イギリスのトイレットペーパー価格は、ここ数カ月で50%も上がり、イギリスは本当に耐えがたい困難にある。
ヨーロッパ中央銀行の指導者連中には使える切り札が皆無なので、彼らの紙幣印刷機がウクライナでの勝利と、ヨーロッパ人が食べ、この冬暖房できるようにするのに十分だと考えるしかない。「多文化」パリっ子で、以前IMFを率い、フランス政府で重要な大臣だったECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁の希望的観測は金融政策に対する基本的無知をさらけ出している。
ユーロの主目的はドイツ・マルクとオランダ・ギルダーの安定性を維持し、1945年から4回も切り下げたラガルドのフランス・フランのように不安定にさせないことだ。ラガルドと異なり、ドイツ連邦共和国中央銀行は日本銀行とともに、必要な時に、より多くの燃料を経済エンジンに供給が可能でなければならないが、ジンバブエ・ドルやフランス・フランや南部連邦のグレイバックスやラガルド・ユーロのように、余り多く供給しすぎてあふれさせることがない最良のオートバイのスロットルのように金融政策を理解していたように思われた。
この点を更に説明するため、ドイツ連邦共和国と日本の利率が1945年の降伏以降、何十年も真っ平らだったことを想起頂きたい。この中央銀行政策は、安定した為替レートと共に、日本とドイツの産業を事前に計画を立て、革新し、市場を獲得し、両国の技術力と工業力を基盤にした繁栄を可能にした。
第一次世界大変と第二次世界大戦両方の金融の込み入った事情に関与していたケインズ卿は、全てを理解していた。彼は世界のラガルド連中を見抜いていて、亡くなって久しい経済学者の奴隷だ言ったことで有名だ。ラガルドとECB同僚連中の場合はシカゴ学派だ。CIAのシカゴ学派と彼らにひらめきを与えたオーストリア学派と同様、彼らの分析は、実体経済のみならず、戦後の日本やドイツが、今中国がそうしているのと全く同様、経済的、社会的成功を実現するために必要で大いに持っていた政治指導部や目標を無視している。
もちろん日本やイギリスやドイツが、かつてそうだったのと同様、中国は世界の工場だ。だが彼らの成功の大部分は、最も注目すべきことに、日本が円の価値を安定させ、金利を何十年も人為的に低く維持して、彼らの経済に役だてた金融政策に帰する。
ラガルドのヨーロッパは違うやり方で、ゼレンスキー政権が着服し、自分も生き残るため、石油会社に膨大な現金を贈るより、経済の実際面で動きが必要なヨーロッパの差し迫った崩壊を食い止めるためユーロも10億も印刷している。ヨーロッパの救済は、どこであれ見つけられる最安のエネルギーを使って、高付加価値のドイツやオランダ商品を産み出す仕事に戻ることにある。
アメリカがノルドストリーム2閉鎖を命じる時までは、手頃な価格のエネルギーはロシア産だったが、それは今ゼレンスキー更に何十億も隠して蓄えるユーロ札印刷を優先して放棄された。制裁されたロシア・キャビアは忘れろ。ラガルドのような「国際人」と愚かなフォン・デア・ライエンが、我々はスリランカに習って、ヨーロッパ農業とヨーロッパの都市化両方の核心であるロシア肥料を放棄しなければならないと命じたため我々はもうオランダのトマトやイギリスのブラッドソーセージやドイツのポークソーセージを買う余裕がない。オランダ人が困難な仕事と大規模投資を通して自身のため切り開いた持続可能な生活様式の代わりに、オランダ農民に少数のユーロを与えるのが我々の問題に対する解決だとラガルドとフォン・デア・ライエンは考えている。
だが彼らの貨幣狂気は、もしそれが狂気なら、ヨーロッパ農民を破滅させるより遙かに深刻だ。ヨーロッパの債務率を一べつすれば、公的債務率や投資収益率崩壊の勢いから、前方に迫る深淵が見える。より極端な例を挙げれば、アイルランドはGDP規模の700%の対外債務を持っているが、不可避な崩壊を遅らせるため政府は依然、たっぷり賄賂を配っている。ユーロ立て株のEuroStoxx50株価指数で唯一のトップは、腐敗だらけの建設資材メーカーCRH、倫理的に問題があるブックメーカー運営企業フラッター・エンターテインメントと、納税忌避のためアイルランドに法定住所をおくドイツ多国籍企業リンデ・グループで、アイルランドはこの世界や次の世界で負債を返済する可能性はなく、そのためウクライナを再建するという約束は一文の値打ちもない。
そして、もし我々が自動車や酒や金融、食料品、奢侈品、化学薬品、スポーツウェア、小売りや不動産賃貸企業の寄せ集めを含むEuroStoxx50株式指数のヨーロッパ大陸企業を見れば同じ絶滅の道をたどる企業が見える。それら全ての政府が負債を返済する可能性がないことが我々は分かるので、ラガルドやフォン・デア・ライエンは馬鹿者というよりごろつきなのかと問わなければならない。
フォン・デア・ライエンは確かに叙事詩規模のばか者だが、彼女と共謀している連中も明白なごろつきだ。連中は市場の気まぐれだと説明するが、結果的に、Amazon、ゲイツ、マスク、シュワブや同類の現代偽貴族の壮大な構想のため西欧を犠牲にしたのだ。
ラガルド連中は小規模ドイツ企業や大いに能率的なオランダ農民に欲する全てのパン屑を投げることはできるが、彼らは電灯をつけておくことさえ十分できず、それら事業を実行可能に保つことなど言うまでもない。それは経済の安定や前進することへの確信、今や世界経済フォーラムの民間分野に資金供給し、オランダ農民や小規模小売業や、起業家、ドイツ、スイスとオーストリアの強い中小企業や他の犠牲にしてもよいものが不要な巨大怪物BlackRockやVanguard、AmazonやMicrosfotに取って代わられようとしているドイツ連邦と日本両方の独特な経済構造の特徴だった安定性と自信を教え込むことでしか実現できない。
ケインズが言う亡くなって久しい経済学者連中が金は実体経済を覆い隠すものに過ぎないと言ったのは正しかったが、連中は、BlackRockやVanguardやAmazonやGoogleなどの企業がCIAや同類組織と協力して、ヨーロッパを植民地化し、貧乏にし、それによりヨーロッパ社会の全ての良いものをハラレのような方法で急激に悪化させる手口を覆い隠すためラガルドやフォン・デア・ライエンのようなカモ連中を使うのだ。
だからヨーロッパは岐路に立っており、世界経済フォーラムやNATOやヨーロッパ中央銀行の道は疲弊したアフリカやシリアやイラクやイエメンが体験した、あらゆる恐怖に満ちたハイエクの「隷属への道」で、ECBやECやWEF貴族や淑女から我々が抜け出せれば、ロシアや中国やイランや中南米に根を下ろしている代替の道が我々のものになり得る。一方の道では我々は何も所有せず、飼い慣らされた犬のように、何も持たないことを好きになるよう学ぶだろう。もう一方では、我々がそのために働けば、我々は少なくとも自由な市民として暮らす希望を持てるから、オランダ農民が示しているように、フォン・デア・ライエンやラガルド、ストルテンベルグやヨーロッパの他の売国奴連中が偉そうに振る舞うのに反対する価値は多少あるのだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2022/09/19/european-central-bank-zimbabwean-model/
----------
第二次大戦後、ソ連に対抗すべく、壊滅させたドイツ、日本の復興へと宗主国が方針転換して実現した経済政策だっただろう。現在は、豚は太らせてから食う政策信仰中。
アメリカ・マスコミはイランでの抗議行動を宣伝している。
東京新聞
髪を覆う「ヒジャブ」着用巡りイラン警察に拘束された女性が死亡…国内外に抗議広がる
「ヒジャブ」の着用を巡って警察に拘束されたクルド人女性が死亡し、イラン各地で政府への抗議デモが続いている。亡くなったのはマフサ・アミニさん(22)で、家族とテヘランを訪問中、ヒジャブを「不適切」に着用したとして数人の女性と拘束された。アミニさんは約2時間後に警察署内で意識不明になり、数日後に死亡した。警察当局は「心臓に問題があった」と発表したが、家族は警察から暴力を受けた可能性を指摘している。
イランは、中東諸国中では突出して女性が活躍している国ではないかと想像するが「道徳警察」の跋扈はひどいようだ。映画館内は左右で男性と女性の席が別れていると聞いた。スキー場も男女別だと。テニスも男女別。昔の記憶だが、テヘランのO、ヒジャブの下はおしゃれな髪型だった。しかも毎日変える。
Democracy Now!で群衆の中で、多数の女性が長い髪を切り、ヒジャブを燃やす映像を見た。解説者の説明からも、頑固な宗教指導者連中に女性のみならず男性も、いい加減うんざりしているのだろうと想像する。
Women Burn Hijabs in Iran as Protests Escalate over Killing of Mahsa Amini by “Morality Police”
Democracy Now!で、懐かしいハワード・ジン氏の映像を久しぶりに拝見した。彼は第二次世界大戦では爆撃手だった。フランス・ロワイヤンへのナパーム弾空襲をしたが高空から爆撃していたので、地上の悲惨な現実を全く想像できなかった。原爆投下後の広島の惨状を世界に伝えたジョン・ハーシーのルポ「ヒロシマ」を読んで自分がした罪に気がついた。それで戦後、フランスの現地を訪れ、自分がした爆撃の影響の記録を検証した。戦争は爆弾を落とされる側だけでなく落とす側もダメにする。
“You Can’t Be Neutral on a Moving Train”: Remembering the People’s Historian Howard Zinn at 100
2007年3月31日に彼の講演を翻訳掲載した。「政府は嘘をつくものです。」
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国株式大幅下落。投資心理が急速に冷却化。CNN 株式市場1;勢い(MOMENTUM) (極度の恐怖0-25-恐怖25-45-中立46-55-貪欲55―75―75-100-極度の貪欲) 9 月 26 日指標19
植草一秀の『知られざる真実』
伊東光晴著『アベノミクス批判――四本の矢を折る』
服部茂幸著『アベノミクスの終焉』 (岩波新書)
などを拝読した者として、ゲテモノ・カルトにいい大人が引っかかるのが不思議でならない。大本営広報部はウソと知りつつ宣伝するのがお仕事。無謀な戦争を推進した過去と変わっていない。ゲテモノ・カルトを売り込み、国民から税金を巻き上げ、宗主国の壺ならぬポンコツミサイル爆買いに注ぎ込む政党、統一協会と本質は変わらない。属国と傀儡政党の終焉を告知する国葬儀。
「急速な円安は『アベノミクス』の経済的帰結!? 今こそアベノミクスの『国葬』を! 岩上安身によるエコノミスト田代秀敏氏インタビュー報告」
« 世界政治的権力の方向は断固東方に動いている | トップページ | アフリカにおけるアメリカの本当の狙いは覇権 »
「NATO」カテゴリの記事
- 当面ロシアへの長距離攻撃を行わないと決定したバイデン政権(2024.09.16)
- アメリカ大統領選討論会の妄想:戦争党という一つの党の二人の候補(2024.09.16)
- ウクライナ - 対ロシア新テロ作戦を推進するCIA/MI-6長官(2024.09.14)
- ドイツがアメリカのポチでいることの破滅的代償を示す選挙混乱とフォルクスワーゲンの苦境(2024.09.10)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- 当面ロシアへの長距離攻撃を行わないと決定したバイデン政権(2024.09.16)
- アメリカ大統領選討論会の妄想:戦争党という一つの党の二人の候補(2024.09.16)
- ウクライナ - 対ロシア新テロ作戦を推進するCIA/MI-6長官(2024.09.14)
- ドイツがアメリカのポチでいることの破滅的代償を示す選挙混乱とフォルクスワーゲンの苦境(2024.09.10)
コメント