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2022年9月11日 (日)

ウクライナ代理戦争は介入主義者にとってのプロパガンダ勝利

2022年9月6日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 ネオコン・ポルノ刊行物 The Atlanticが「リベラル・タカ派の勃興」という題の記事を発表したが、追従的帝国擁護としても、事実が正しいことも実に腹立たしい。

 「進歩派は、戦争を本質的に残虐で、非人間化で、進歩を掘り崩し、表現の自由を減らし、資源を「軍産複合体」に注ぎ込むものとして見ている」と記事の筆者ドミニク・ティアニーが冷笑している。「左翼はベトナム戦争やイラク戦争反対を率い、ソンミ村虐殺からアブグレイブまで、アメリカ戦争犯罪を非難した。歴史的に進歩派の批判者連中は性的少数派兵士への差別や貧しい共同体での採用を含む多数の罪のかど軍を訴えてきた。」

 「そこにロシアによるウクライナ侵略がおきた」とティアニーが書いている。「スペイン内戦以来、外国での紛争が、これほど左翼の想像力をとらえたことはなかった。」

 「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、左翼が支持する全てと正反対だ」とティアニーは補足している。「彼は独立した民主主義国家に、いわれのない攻撃を開始しただけでなく、性的少数派の権利や多文化主義や移民をけなし「リベラル思想」は「目的を越えて生き残った」と主張した。それと対照的に、ゼレンスキーは、グローバル左翼と連帯した。彼は、イギリスのグラストンベリー音楽祭で演説し、飲み騒ぐ連中がザ・ホワイト・ストライプスの「セヴン・ネイション・アーミー」に合わせて、彼の名を唱和した。」ドイツでは緑の党が、外国の戦争への介入について、何十年ものドイツの懸念をひっくり返し、キーウへの兵器供給を推進している。ベルリンの性的少数派抗議行動参加者は、ロシアに占領された都市マリウポリでプライド・パレードが、いつの日か開催できるよう、ドイツがウクライナへの武器出荷を増やすよう要求した。ウクライナのリベラル派-芸術家、翻訳者、教師、映画製作者がこの戦いに参加している。ある筆者が言う通り「ウクライナの流行に敏感な人全員が戦っている。」」

 

 ティアニーは「アメリカには、依然アメリカを世界の悪の帝国と見なし、その軍事力と深く対立したままの左翼過激派がいる」と認めているが「ウクライナの大義に左翼の大半は注目に値する団結を示している。」と言う。

 「かつてイラク戦争に反対したリベラル派が、今やロシア帝国主義を挫くべく更に多くのロケット発射筒を急送するようワシントンを促している」とティアニーは言う。「ニューヨークの革新議員団メンバー、ジャマール・ボウマン下院議員がTwitterで書いた。「プーチンによる攻撃後、我々は、はっきりグローバル・ウクライナ共同体と共に立っている。」」

 再び、ティアニーの勝ち誇った軍国主義ポルノが、それほどいらだちの種になるのは、彼が間違っているからではなく、彼が正しいためだ。 帝国が、もう少し恥ずかしくないよう、学生ローンを免除するよう望んで資本主義と帝国を支持するリベラル派を表現する「左翼」という単語の使用には反論可能だが、ティアニーではなく、左翼を損ないその記憶の破壊を始めた心理作戦世代のせいだ。民主党のバーニー・サンダース/AOC「進歩」派全体を含め、かつてイラク侵略に抗議したリベラル派が、今やウクライナでのアメリカ代理戦争を支援していることに関し彼が言っているのは全般的に本当だ。

 2022年、リベラル派がアメリカ介入主義に夢中なのは事実に過ぎない。この戦争が(偽って)徳が高い善人であるアメリカ/NATO/ウクライナ連合と戦う邪悪な悪人による「いわれのない」侵略としてマーケティング可能で、戦争の中に投げ込まれるのが我々の息子や娘ではないので、通常は軍国主義や介入主義に、より懐疑的なはずの人々が、実際、代理戦争という列車に飛び乗ったのだ。

 

 その意味で、この戦争は2020年代の湾岸戦争になった。戦争に疲れた大衆にとって、アメリカ介入政策のイメージを修復する「良い戦争」なのだ。ベトナム戦争の恐ろしい大惨事後、戦争屋が「ベトナム症候群」と呼んだ介入主義に対する健全な嫌悪を、アメリカ人に克服させるため1990年の湾岸戦争が利用されのと全く同様、ウクライナでの戦争は2003年のイラク侵略後強化された介入主義に対する大衆の共同免疫反応を弱めるために利用されている。

「アメリカにとって誇り高い日だ、我々は神に懸けてベトナム症候群をきっぱり解消した」と中東での戦争/プロパガンダ作戦で勝利した後、父ブッシュ大統領が述べた

 もちろん我々全員その後何が起きたか覚えている、そうだろう? 10年後、9月11日が起きた。有益な軍事介入主義という考えに再度共感した国民は、兵隊が解放者として歓迎される迅速な勝利を当てにして、二つの国に対する二つの全面地上侵攻に圧倒多数が同意した。起きたのは約600万人の死だった。9月11日に亡くなった人数の約2000倍。未曾有の軍拡張主義新時代に、アメリカ大衆から何兆ドルもが軍需産業に吸い上げられた。

 アメリカが直接参加した様々な戦争さえ霞ませるほどのウクライナ戦争報道という未曾有の言論支配によって、国民は再び軍事介入主義の考えに連れ戻されてしまった。連中が常にそうするように、連中は異なる戦術と異なる説明を使っているが、2020年代の最終結果は、1990年代にそうだったものと同じだ。

 そして今、大衆は、またもや外国介入に熱狂的で、帝国設計者が次の9/11事件を与えた後に何が起きるか、我々はじっと待って見るしかない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/09/06/the-ukraine-proxy-war-has-been-a-propaganda-win-for-interventionists/

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 劇団青年劇場『豚と真珠 幻の八重山共和国』を見た。戦争末期と戦後の八重山が舞台。台湾を行き来する林、ハワイ移民した人の二世アメリカ軍兵士ダン、元気の良い密輸船女性船長など、興味深い人々がくりひろげるものがたり。

 ロビーで販売されていた斉藤燐の脚本『豚と真珠湾 幻の八重山共和国』を購入。

 パンフレットには台湾有事の際、配備される自衛隊施設は当然攻撃対象になるとある。大本営広報部が決して報じようとしない真実。 
 宗主国が傀儡政権と鋭意準備中の台湾を舞台とするウクライナの次の戦場。統一協会カルトは暴露されたが、宗主国カルトは無傷。

 備える米軍 戦略見直しは沖縄・南西諸島も舞台に (朝日 有料記事)

 今日は沖縄知事選挙。統一教会ずぶずぶ自民候補と玉城知事との決戦。

 八重山日報

【視点】知事選、しぼむ離島振興の議論

 植草一秀の『知られざる真実』

岸田内閣評定する沖縄県知事選

 長周新聞

「沖縄を再び戦場にさせぬ」 終盤戦を迎えた沖縄県知事選 県民はどう捉えているか

 デモクラシータイムス

岸田首相、閉会中審査で馬脚 自民党、統一教会「点検」で47%関連 WeN20220910 1:31:25

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