アメリカ帝国下に暮らしながら、ロシアと中国の批判に時間を費やすのは言語道断
2022年8月27日
ケイトリン・ジョンストン
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先日、あるオーストラリア人ジャーナリストが、アメリカ帝国を追求するように、私が、ロシアと中国を批判けず、全ての政府を等しく批判しないことに対し、私は「道徳的に破綻している」と呼んで、私を非難した。彼は倫理上、すべきことは、アメリカを批判するが、バランスを保つため、アメリカが好まない政府も非難することだと言うのだ。
私はこの人の仕事をオンラインで瞥見し、記事で、中国やロシアやスリランカやフィリピンやタリバーンのような、ずっと弱い政府を本当に厳しく批判しているのを見た。
だが彼の十字照準線上で、どの政府を私が見なかったか言い当てられるだろうか?
私にとって、これは最悪の道徳的臆病だ。(事実上アメリカ帝国の一加盟国である)オーストラリアに暮らし、アメリカよりはるかに弱く、遙かに破壊的ではない政府を批判して、全ての時間を過ごすのは、第二次世界大戦中にナチに占領された領土に暮らして、ブラジルに向かって、げんこつを振って時間を過ごすようなものだ。皆様自身、斧で家族全員を殺すのに忙しい中、隣人が子供に声を張り上げるのを聞いて、決めつけたように舌打ちするようなものだ。
グローバルパワーのダイナミックスについて益々多くを私が学び、私が言わざるを得ないことで、世界中の更に多くの人々とやりとりしていると、アメリカ帝国の言いなりに暮らしながら、ロシアや中国のような帝国に吸収されない政府を批判して時間を過ごす人々を一層軽べつしているのに私自身気がつく。それは文字通り、最も痛ましく、すすり泣きながら言う、歴史上、現時点で、誰であれ取り得る、権力に奉仕する立場だ。
今日の世界舞台で、アメリカ帝国は議論の余地なく最も残酷で破壊的な権力機構だ。21世紀、他のどの大国も、侵略戦争で何百万人もの人々を死なせて過ごしてはいない。他のどのような大国も、何百もの軍事基地で地球を包囲し、自分に服従しない政府を破壊するため絶えず働いてはいない。他のどのような大国も、経済制裁や、軍事封鎖や恥知らずな盗みで、全人口を餓死させようとはしていない。他のどの大国も、同じぐらい頻繁に、どこであれ、外国の選挙に干渉していない。他のどの大国も戦争、機密活動、無人飛行機攻撃、代理紛争やクーデターや蜂起で世界中の住民を威嚇していない。他のどの大国も軍事力、経済力、外交力、メディア支配で、自分の権益を維持すべく世界を脅すため使っていない。アメリカは自身の国境(確かに、全てではないが)外で圧制的権力行使を輸出しているわけではないが、それにもかかわらず、明らかに地球上最も専制的暴な体制だ。
それがするべき健全な普通のことなのだから、世界の全員、世界最強力で破壊的な権力機構に、綿密な調査と批判を集中すべきなのだ。アメリカに中央集権化した帝国傘下で暮らしながら、それほど強力ではなく、それほど悪でない政府に焦点を合わせるのは言語道断だから、アメリカや、その帝国加盟国に暮らす人々はそうする特別な義務がある。
アメリカ帝国下に暮らす人々は、その権力機構に批判を集中する特別な義務があるという主張に、たとえ皆様が賛同しないにせよ、皆様は、批判を、少なくとも破壊性に比例させるべきだ。そしてアメリカは地球最大の破壊力なのだから、皆様は他の大国を批判するより遙かに頻繁に、アメリカを非難すべきなのだ。
EXCLUSIVE: Twenty years after 9/11, compelling statistical data suggests that the true death toll of the 'War on Terror' is a staggering *6 million people*: which is likely a conservative estimate. I breakdown the data for @BylineTimes https://t.co/YTV6IoZ3ic
— Dr Nafeez Ahmed FRSA (@NafeezAhmed) September 15, 2021
だが最強力なメディアや政府機関全てが、帝国の罪を無視しながら、常にロシアや中国のような帝国に標的に定められた政府を批判する社会で、なぜ相応な批判をする必要があると感じるかに関して、誠実な自省に多少時間をかける価値がある。帝国批判が全く無視されながら、展開できる限り最大限にやかましく、メッセージが展開される英語圏で、それらプロパガンダ攻勢に、皆様の意見を加える必要性を一体なぜ感じるかは吟味する価値がある。我々は嫌わなければならないと、アメリカ帝国が我々に執拗に言っている政府が嫌いになり始めた後、通常何が起きるだろう?
アメリカが標的に定めた政府に対して金切り声を上げる多数派に皆様が参加する衝動を調べれば、おそらく皆様が(もし皆様が自身に正直に話せば)見いだすのは、皆様がアメリカ擁護プロパガンダに皆様の人生丸ごとドップリ浸かり、それが標準的な批判に対する皆様の期待を歪めたことだ。
アメリカに標的に定められた政府の悪事は途方もなく過度に強調され、誇張されるが、アメリカの悪事は途方もなく過小評価され無視されるのを見慣れているので、普通の批判としてあるべきものへの我々の期待の基準が設定される。このわい曲効果が、適切なレベルのアメリカ帝国に対する攻撃的批判が、不適当で不釣り合いに見えてしまう。アメリカ帝国主義の悪に対する適切あ強調が異常で怪しく見えるよう我々は教え込まれている。
実際、誰かが、世界一強力で、破壊的な政府に批判を集中しても、決して異常だったり怪しかったりはしない。それが、当たり前でないことこそ異常で、怪しい。
我々の周囲全員、終生帝国プロパガンダを見聞きしているので、帝国そのものより、帝国が標的に定めた政府を批判するほうが、ずっと容易で、我々が言うことで、人々が認知的不協和を味わうと、彼らから我々は抵抗を受ける。多くの欧米人が、実際の怪物がいる所に真実の脚光をあてるよりも、抵抗が一番少ない道を選ぶのは、これが主な理由だ。
だがそれは臆病だ。おべんちゃらだ。情けない。それがあなたのエネルギーをそれが属するところに置くより容易だからといって、支配者連中の犯罪を非難し損ねながら、皆様の支配者のプロパガンダ攻勢を促進してはいけない。皆様に対して権力を持たない遙か遠くの政府を批判しても、偉大で勇敢な真実の語り部にはなれない。あなたは臆病者だ。権力に反対するふりをしながら権力に奉仕してはいけない。それは言語道断だ。
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Alexander Mercouris氏のウクライナを巡る状況解説。
Russia Claims Massive Ukraine Losses in Kherson; Europe in Energy Crisis Turns to China for Gas 58:57
デモクラシータイムス
<統一教会関係断てる?>【山田厚史の週ナカ生ニュース】 1:35:30
植草一秀の『知られざる真実』
「9月最初のお願いです! 8月のご寄付・カンパは30日時点で月間目標額の26%にとどまりました! ピンチです! ご支援お願いします!」
本日12時に【IWJ号外】を出します! 米国の著名な調査報道ジャーナリスト、ロバート・パリー氏による旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)追及の報道第2回(その3)! 北朝鮮は文鮮明の生地、朝鮮半島の平安北道・定州の9平方キロメートルの土地を99年間、文に賃貸! この土地には現在、世界平和公園が造成されている! 信者はここを聖地と呼び賃貸期間中は治外法権が認められている! ここが統一教会の唱える「地上天国の地」か!?
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