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2022年9月10日 (土)

ウクライナは兵士を、ヨーロッパは経済を失う。百害あって一利無し

2022年9月7日
Moon of Alabama

 ウクライナが8月29日にヘルソン「反攻」を開始したとき、私はかなり驚き、失敗する定めだと判断した。

 今補強されたロシア前線を破るには利用可能より多くの軍隊が必要なはずだ。

 ウクライナ軍は、この攻撃が失敗すると知っていたと私は確信している。

 政治的理由で、ゼレンスキーは彼らにとにかくそれを始動するよう命じた。驚くような見出しや政治的印象のためだけに、更に1,000人以上のウクライナ人、ロシア人の命が失われた。

 ヘルソン攻撃で、今までに3,000人以上のウクライナ人が著しい進展も実現せずに亡くなった。何百輌もの戦車や装甲車両が失われた。かなり多くのウクライナ飛行機とヘリコプターが撃墜された。全ての軍事装備は、もはやソ連兵器の在庫を空にした「欧米」から来た。近いうちには、それ以上来るまい。

 それによってウクライナは、ロシア側からのどんな本格的な新しい動きにも戦線を維持する可能性を吹き飛ばした。そうした動きは起きるだろう。

 だが本当に私が気になるのは、この攻撃の死傷者だ。

 私は一度も戦争に行ったことはない。だが私は数年にわたり、かなりの時間、正規の士官としての訓練に加えて、現役大隊での数カ月にわたる予備役任務経験がある。私は多くの本を読み、第一次世界大戦や第二次世界大戦、韓国、ベトナム、アフガニスタンで戦う前線に関する多数の映画も見た。それら描写で記述された事象や細部を熟考すれば、このような紛争に対する「感触」が得られる。更に一平方キロメートル毎に発射された砲弾数や、部隊密度や、このような砲撃が必然的にもたらす犠牲などの作戦上の数学がある。

 ウクライナ兵がロシアの軍事力に耐える可能性は決してなかった。皆無だ。それはまさしく戦争の開始から認識可能だった。ウクライナ政府と支援国が猛攻撃に耐えようとしたのは非論理的だった。

 「西洋人」は諦め、ロシアが要求している譲歩をすべきなのだ。とにかく連中は、そうせざるを得まい。

 ウクライナ政府は前線からのメディアや、いかなる報告も厳しく抑制している。我々にはウクライナ犠牲者の大きな数に関するロシア報告しかない。ロシアが報じる数を疑う人々もいる。私はそうではない。それらは主に私が学んだことや計算と合致する。

 「反攻」に参加して負傷したウクライナ兵士が治療を受けている病院をワシントン・ポスト記者が訪問できた。ジョン・ハドソンの報告は前線からではなく、最も痛ましい場面は控えているが、厳しいものだ。

 負傷したウクライナ兵士たちはヘルソン攻撃の法外な犠牲者を暴露している。

 この記事はお金を払わないと読めないので、私は広範に引用したい。

 南ウクライナの薄暗い照明の病室で、切断された手足、弾丸の破片傷、ずたずたになった手や関節が砕かれた兵士たちが、戦略上重要なヘルソン市からロシア勢力を追い出すため彼らの部隊が新たな攻撃初期に直面した一方的な不利について語った。

 兵士たちは強固なロシア軍を排除するのに必要な大砲が無かったと言い、良く装備された敵との大きく開いた技術ギャップを説明した。このインタビューは、ウクライナ軍司令官が記者が前線を訪れるのを禁じたほど機微な占領された領域を奪還する攻勢最初の直接の説明だ。
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 「彼らが攻撃するたびに、我々は5人失った」と乗っていた戦車が溝に落ちた際、背中を負傷した30歳の小隊指揮官イホールが言った。
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 ロシアのオルラン無人機は、頭上1キロ以上の高さからウクライナ陣地を見ていたと彼らは言い、この高度では、決して彼らの動きを追跡する航空機のブンブンいう音を聞かなかったことを意味した。

 新たに構築されたセメント要塞からロシア戦車が出現し、大口径砲で歩兵隊を砲撃した、と負傷したウクライナ兵士たちは言った。戦車はそれから、迫撃砲やロケット砲火から守られたコンクリート避難所に戻る。

 対砲兵レーダー・システムが自動的に、砲弾でロシア人に狙いを定めているウクライナ人を認識し、位置を判断し、砲撃の連射で反撃する。

 ロシアのハッキング・ツールがウクライナ側が操縦する無人飛行機をハイジャックし、彼らの航空機が敵前線の背後に無力に漂い流れて行くのを見た。
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 ロシア砲撃は容赦なかったとオレクサンドルは言った。「彼らは常時我々を砲撃していただけだ」と彼は言った。「我々が迫撃砲を三発発射すると、連中はお返しに20発たたき出す。」

 ウクライナ兵たちは慎重に砲弾の使用量を制限しなければならなかったと言ったが、彼らが砲撃した時でさえ、彼らは標的に命中させるのにてこずった。「座標を指定すれば、正確なはずだが、そうではない」と彼は、装置が1989年に遡ると指摘して言った。
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 ロシアの電子戦も絶え間ない脅威となった。兵士が交代勤務時間が終わり、家族と電話か文章で連絡しようとすると、この決定は、即座にロシア砲撃を招いた。

 「我々が携帯電話や無線をつけると、彼らは即座に我々の位置を認識できる」とドゥニスが言った。「それから砲撃が始まる。」
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 インタビューされた兵士たちが、いくつかの以前ロシアが支配していた村の中に進めたと言ったが、ヴィソコピーリャのような村を奪還したというウクライナの主張は確認できなかった。兵士たちは上役の指示だと言って、村の名を言うの拒否した。

 月曜日、北ヘルソンで、ヴィソコピーリャの3マイル内に旅したワシントン・ポストのジャーナリスト集団は、ウクライナ部隊に村に入るのを阻止され、現状を確認できなかった。現地職員がウクライナとロシア軍がまだ支配のために戦っていると言った。

 ウクライナの損失の明確な写真は、個別には評価できない。
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 デニスは、病院ベッドの上に背筋を伸ばして座って、殺されたのは二人だけだが、彼の120人の部隊ほぼ全てのメンバーが負傷したと言った。

 弾丸破片傷で治療を受けている25歳の軍人が、兵士100人の彼の部隊で、7人が死亡し、20人が負傷したと言った。小隊指揮官のイホールは指揮下32人のうち16人負傷し、一人死亡したと言った。

 ウクライナ負傷兵たちは入ってくる患者のためにヘルソン地域近くの主な医療施設を解放するため様々な病院に送られて、南ウクライナ中に広がっている。

 ハルキウ南東の第二次「反攻」の試みの兵士たちも似たような運命だろう。

 私の最も妥当な推測は、ウクライナの損失は、ロシアに対し5倍ではなく10倍だということだ。技術的に優位な武装をした軍に対する開いた大草原を通る攻撃は自爆作戦だ。

 ロシア兵は携帯電話の携行を許されない。なぜウクライナ兵士がそうするのを許され、それらを使う理由は私には分からない。彼らは自殺を望んでいるのだろうか?

 ヨーロッパ政治家が自分たちの経済と社会を自殺に陥れたのだ。鋼鉄や、アルミニウムやガラスを溶かすには可能な限り安いエネルギーが必要なのを誰が知っていたか?


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SGM世界ニュース @SGMWorldnews - 10:13 UTC - 2022年9月7日

 速報:40人のヨーロッパの金属生産企業CEOが、ウルスラフォン・デア・ライエンと欧州委員会に、電力価格が急上昇するにつれ、産業にとっての「実存的脅迫」を警告する公開書簡を書いた。

 鋼鉄精錬業者なし、鋼鉄精錬業者と、それらの労働者からの税金なし。鋼鉄精錬業者はなし、それに与えられた融資の元金回収なし。今起きている大きな銀行損失は、もう一つのひどい金融危機を起こすだろう。国にとって、より少ない金は、より少ない年金と医療を意味する。

 これはヨーロッパ国家と彼らの国民にとって破壊的だ。一方アメリカ政治家、ネオコン・イデオローグや計画全体の背後にいる投資家連中は、ロシアに対してウクライナを利用して、大笑いしている。

 Tuomas Malinen @ mtmalinen - 8:53 UTC - 2022年9月7日

 私は皆様に多くが理解しているより#ヨーロッパの状況は遙かに悪いと言いたい。
 我々は本質的にもう一つの金融危機、我々の産業基盤と家庭の倒壊の瀬戸際、つまり経済崩壊の瀬戸際にいる。

 我々は同じく全く当局のなすがままで、我々は連中が何を計画しているかについて極めて僅かしか知らない。

 彼らは、もう一度、金融危機の開始を止めることが可能だろうか? 私には分からないが、私は疑わしいと思っている。🤷‍♂️🤔

 ドイツはおそらく最悪状況にある。オーラフ・ショルツ首相は、ロシア軍事行動に、あらゆる理性を越えたヒステリックな説教で反応した。彼の政権は閣僚がグリーン政治家に依存している。彼らは強情なイデオロギー変人だ。ドイツは、停電の厳しい脅威の下、三つの全く素晴らしい原子力発電所を廃棄し、解体されるはずだった汚い古い石炭火力発電所を再開させる。それはどれだけグリーンだろう?

 これに対するロシア大統領の見方はこうだ

 ヨーロッパは、製造能力の構築、人々の生活の質と社会経済の安定性を増強した実績を、制裁という炉に投げ込み、悪名高いユーロ大西洋統一のため、ワシントンに指揮されるままに、その可能性を使い果たそうとしている。実際、これは世界問題で、アメリカ支配を維持する名目での犠牲なのだ。
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 EU幹部は本質的に貿易市場同様、入手可能な商品やエネルギーから自身を遮断しているから、ヨーロッパ企業の競合能力は下り坂だ。最終的に現在ヨーロッパ企業が大陸上でも、国際市場でも占めてい場所が、自分たちの権益を追求し、彼らの目標を実現する話になると境界も、ためらいも知らないアメリカの支援者に引き継がれても驚きに値しない。

 ドイツでは次の連邦議会選挙は3年先だ。人々は本当に何らかのクーデターを望んでいるが、私はまだ、そのような方向の動きをほとんど見ない。

 引き継げる理性的な政治家は一体どこにいるのだろう?

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2022/09/ukraine-loses-soldiers-europe-its-economies-all-for-no-gain.html#more

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

岸田政権は安倍元首相の国葬につき、弔問外交を強調。こうした中、エリザベス女王が死去。米国からバイデン大統領が出席の意向。安倍元首相の国葬につきハリス副大統領が出席。読売は「日米関係の重要性を改めて示す狙いがある」と強調したが、差歴然。

 西谷文和 路上のラジオ 2022/09/09

Vol.101 佐藤章さん「アベ政治とは何だったのか?統一教会、国葬、五輪疑惑総まくり」

 デモクラシータイムス

ウソとごまかしの「安倍国葬」~世論調査 全社で「反対」多数に~【The Burning Issues Vol.25】 1:29:55

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コメント

 私は、テレビを持っていません。
 ところが、実家に帰った際に、偶然に見てしまいました。
 ノルドストリーム2を制裁の目的で止めたのは、誰がどう考えても米英やドイツの方なのに、まるで、ガスプロムが意図的に流さないかのような、インチキ報道がなされていました。
 日本のマスコミ報道の、嘘とデタラメは、全くひどいものです。
 そして、それ以上に、そんなインチキ報道に簡単にだまされる、俗衆の愚かさは、空恐ろしいものだと思いました。

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