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2022年8月14日 (日)

外国指導者たちは一体何時になったら本当のアメリカ政府と話したいと言い始めるのか?

2022年8月8日
ケイトリン・ジョンストン

この記事を英語音声で聞く。

 先週のナンシー・ペロシの扇動的な台湾訪問騒動の間、Antiwarのデイブ・デキャンプが、Risingという番組に出演し、アメリカ当局者の台北訪問は、実際はトランプ政権で既に起きていた傾向の延長だという、余り語られない話題を持ち出すのを見ていた。

 ペロシ同様、トランプ政権高官訪問後、台湾の防空識別圏内に中国が頻繁に飛行機を飛ばし始めたとデキャンプが指摘した。

 「2020年8月に、トランプ大統領がアレックス・アザーを台湾に派遣した後、頻繁に起き始めた」とデキャンプは言った。「彼は保健省長官保健福祉長官だった。彼は1979年以来、台湾訪問者として最高レベルの閣僚だった。翌月2020年9月、彼らはキース・クラックを派遣した。彼は(経済・実業・農業担当)国務次官で、1979年以来、台湾訪問する最高レベルの国務省当局者だった。だから、これらは未曾有の措置で、その時以来、我々はこの地域で、より多くの中国の軍事活動を目にしている。」

 インタビュー後半、Risingのブリアナ・ジョイ・グレイは、トランプ政権とバイデン政権の、こうした対中国エスカレーションは「党派的でない外国政策決定」かとデキャンプに尋ねた。2018年、中国を究極の標的にして、中東での「対テロ」作戦強調から、中国とロシアとの「大国間競合」へと米軍は公式に移行し始めたとデキャンプは説明した。

 「軍需産業に資金供給されているワシントンの全てのタカ派シンクタンクを見れば、狙いは全て、このいわゆる大国間競争だ」とデキャンプは言った。「ロシアは当面の差し迫った問題だと私は推測するが、長期的には中国だと思える。ほぼ全ての行政機関、国防総省、FBI、国務省、CIAが、中国が、いわゆる長期的脅威だと言うのを我々は目にしている。我々はバイデンがこれを言うのを目にし、今やワシントンでは、これが最重要点に思われる。」

 ペロシ訪問に先立ち、政党や選挙結果にかかわらず、アメリカ外交政策が同じ軌道に沿って動く、この奇妙な現象に、この主題を提起する一連の記事で、Moon of Alabamaが脚光を当てているNaked Capitalismのこの記事は今最も際立っている。


 国家指導者たちには決して完全な行動の自由はない。独裁者にさえ、なだめなければならない有権者や権力集団がいる。アメリカでは、外交政策問題に対し、大統領には限定された自由しかないことが明確になった。軍/諜報機関の権益集団が采配を振るうのだ。派閥のおかげで、大統領は、ある程度は意思を通せる。それが、例えば、オバマが、シリアで戦争を拡大するクリントン計画を阻止できた理由だ。だが、その反面、お気に入りの敵との関係改善を望む大統領は成功しない。オリバー・ストーン・インタビューで、プーチンは、ブッシュと生産的な議論をし、具体的段階的縮小措置に合意したのを詳しく語った。継続作業は、うやむやにされた。プーチンは最終的に回りくどい撤回文書を受け取った。あれこれの例から、アメリカ大統領は官僚や商業権益の人質だとプーチンは結論するようになった。

 バイデンは明らかに非常に弱い大統領だ。外交政策に関して、彼はネオコンに、これまで以上に大きな発言権を持たせているように思われる。習主席は、それを理解しているはずと思いたい。だが中国の公式声明は、アメリカと中国は、主要世界大国として、平和や世界発展や繁栄を奨励する義務を持っていると強く主張する習主席の気高い第一原理から始まる。そして、習は中国を戦略的ライバルと見るのは、アメリカ-中国関係の「誤解」で、世界共同体を誤り導くと主張する。

 習がそのように話し続ける時、一体誰に話をしているのだろう? 確実にバイデンに対してではない。

 大統領の発言は重要ではない。重要なのは、政策の実行だ。

 「あなたは四人の大統領とつきあいました。クリントン、ブッシュ、オバマと今トランプ。何が変わったでしょう?」とオリバー・ストーンが
尋ねた時のプーチン発言が好例だ。

 「ほとんど何も。お国の官僚は非常に強く、官僚が世界を支配しているのです」とプーチンは答えた。

 アメリカに中央集権化した帝国が、政党や選挙結果にかかわらず、同じ路線に沿って動き続けている事実の原因は「官僚」だ。

 誰も官僚を選んでいない。政府や企業で秘密のベールの陰にある大部分を、人々は見ることができない。人は一生を掛けて、それを研究できるが、せいぜい、わかることと言えば、世界中の様々な国々や政府とつながる不透明な行政機関や、古手の軍事工作員や諜報職員、富豪、企業、銀行や金融機関、戦争の不当利益者、シンクタンク、ロビー活動企業やNGOのリストだが、帝国の特定の動きの背後にいる特定な決定の責任者が誰なのかは秘密で覆い隠されたままだ。用途皆無の名前と言葉の寄せ集めに過ぎない。

 我々全員憎むよう訓練されている外国政権の指導部を、その国の人が批判すれば拘置所に投げこまれるが、自分たちの大統領や首相を好きなように批判できる自由について欧米人は得意げに言いたがる。

 それは国によって本当かも知れないが、ただの傀儡以上の何ものでもない選挙で選ばれた連中を批判できるのが、本当に「自由」なのだろうか? もちろん皆様は好きなだけ大統領を批判できる。動く目玉を靴下に貼り付け、何であれ好きなものを批判できる。たしかに差はある。少なくとも、より露骨な独裁政権で暮らす人々は、誰が彼らを支配しているか、誰が采配を振るうか知っている。その意味で彼らは我々より多くの自由がある。

 カンガルーがいるアメリカ軍事基地に過ぎない、アメリカを中心とする帝国の加盟国に暮らしていることを私はオーストラリア人として知っているが、帝国がどのように行動するか、資本主義がどのように動くのか、台湾やソロモン諸島を巡る挑発で、中国と、ばかばかしい戦争をするため私の子供が召集されるのかどうかについて誰が実際の決定をしているのか私は分からない。私が中国人だったら、誰が究極的に自国の経済と外交政策に関する重要決定の責任者なのか正確に分かるが、オーストラリア人の私は、それを知ることが出来ない。

 その活動に対し、文字通り影響力皆無で、一体誰が操っているかを知ることもできず、その仕組みが完全に隠蔽されているアメリカを巡り緩やかに中央集権化された巨大帝国に欧米人が暮らしているというのが真実だ。皆様が、それを自由と呼ぶなら、私は皆様を、ばか者と呼ぼう。

 我々が誰を選ぼうと、帝国は年々、重要な事について同じように行動するのが、普通に見ているだけで分かる。我々は、地球上最も強力な政府の公職にある指導者が何らかの認知症なのは明白で、明らかに采配を振るっていない事実で、それが分かる。

 この全てから、私は不思議に思う。外国指導者連中は一体何時になったら、采配を振るっている連中と話したいと要求し始めるのだろう? ウラジーミル・プーチンと習近平は一体何時になったら、こう言い始めるのだろう。「いや、我々はアメリカのエセ政府と、エセ電話をするつもりはない。私が懸念している問題の本当の責任者と連絡させろ。一体誰がこれら特定問題を実際に決定しているんだ? 私に彼らと話をさせろ。私はあなた方の本当の政府と話すことを要求する。」

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 画像出典はWikimedia Commons (CC BY-SA 4.0), 大きさを調整。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/08/08/when-will-foreign-leaders-start-asking-to-speak-to-americas-real-government/

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 国葬をすれば、恥の上塗り。日本まるごと統一教会カルト信者であることがばれてしまう。だが、良いことかも知れない。

 韓国での旧統一教会関連イベントで安倍元首相の献花式…《日本の国葬はもう不要だよね》の声

 昨日の東京新聞朝刊二面にも記事がある。

 安倍元首相を追悼 旧統一教会の友好団体

 国際会議 トランプ氏がビデオメッセージ

 こういう人物を国葬にするなど愚の骨頂。これを推進する与党、マスコミ、評論家、学者、庶民、統一教会支持者。

 デモクラシータイムス

大コケ岸田改造内閣 つきまとう統一教会 コロナのお盆 WeN20220813 1:46:05

 日刊IWJガイド

日曜版「第2次岸田改造内閣の大臣7人、副大臣・政務官20人が旧統一教会との関係を表明!」

はじめに~旧統一教会関連団体UPFが12日、ソウルでの大規模国際会議で、安倍元総理の追悼イベント!! 第2次岸田改造内閣は大臣7人、副大臣9人、政務官11人が旧統一教会との関係を表明! 共産党・小池晃書記局長は「もはや自民党は、統一協会と関係を持たない議員では、組閣ができないところまでズブズブ」と指摘!!

岩上安身は15日(月)、16日(火)と2日連続インタビュー! 15日は統一教会問題について全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士にインタビューします! 16日はウクライナ紛争と米国の戦略について、国際政治学者の羽場久美子・神奈川大学教授/世界国際関係学会アジア太平洋会長にインタビューします! ぜひご視聴ください!!

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