二つの人生:ビクトリアとヴィクトリーヌ
2022年8月20日
BatiushkaによるSakerブログ寄稿
ビクトリア
ビクトリア・ジェーン・ヌーランドは、1961年、ウクライナ・ユダヤ人移民の息子シャーウィン・ヌーデルマンと、イギリス生まれの母親ローナ・ゴーステンの子として生まれた。既に十代の頃、世に出るべく、ヌーデルマンは名前をヌーランドに変えていた。英国風の名前であるビクトリアと共に、英米シオニストも、明らかに発展過程にあった。
実際、彼女は、しかるべく、卒業生の多くがアメリカ政治家になっているコネチカットのエリート私立寄宿学校で学んだ。それから彼女はブラウン大学に進学し、そこでロシア文学、政治学と歴史を学んだ。彼女は未来の主導的ユダヤ人ネオコン、ロバート・ケイガンと結婚した。
彼女の世界観は、まさに新帝国主義ネオコンと、ブレア-クリントン風「リベラル介入主義」の影響を受けた1990年以来のアメリカの愚行を反映している。これは、アメリカ国内の大量貧困や、9/11や、アメリカ国外のイスラム世界や、イランやロシア、中国や、アメリカ帝国主義に抵抗する誰であれ、戦争や紛争で何百万人もの死をもたらした。
2003年から2005年まで無防備なイラクに対するアメリカによる強姦や石油・ガス窃盗の間、ケイガン夫人は悪名高いチェイニーの外交政策顧問だった。彼女は、あのひどい混乱における多くの死者に良心がとがめているに違いない。イラク大惨事は、リビアやシリアでも、テロや対テロや悲惨な新たな戦争をもたらした。一方、一極独裁を不可能にする近付きつつある多極世界に対するアメリカの不安を背景に、夫は一層好戦的な外交政策を主張している。
永続的なNATO拡大と、ロシア包囲を切望するケイガン夫人は、アメリカによる「政権転覆」つまり、2014年に、民主的に選出されたウクライナ政権を暴力で打倒する策謀に深く関与していた。2022年2月24日以前でさえ、女性や子供を含め少なくとも14,000人を殺害して、ウクライナをヨーロッパ最貧国にした、クーデター後の内戦に、アメリカは責任がある。
2014年、ロシア国境のNATOの戦略候補、不幸なウクライナにおける彼女の50億ドル・クーデターは、オレフ・チャフ二ボクのネオ・ナチ、スボボダ党と、新しい右派セクター民兵が実行した。第二次世界大戦中、ユダヤ人や「他の人間の屑」と戦ったかどでウクライナ人を称賛する演説をしていたチャフ二ボクを我々は忘れない。2014年2月、キーウのマイダン広場における連中の抗議行動は、アメリカが資金供給し、調整したネオ・ナチと最右翼が率いる長期戦へと変わった。右派セクター民兵が率いる暴徒が議会に行進し、大統領や他の人々は命からがら逃亡した。
クリミア半島セバストポリの海軍基地を失う可能性に直面して、ロシアはクリミア半島がウクライナを去り、ロシアに再加入すると票決した国際監視された国民投票の圧倒的結果(97%という大多数)を受け入れたが、そこは、そもそも1783年から1954年まで、ロシアの一部だった。1922年に、テロリスト共産主義者がウクライナに譲るまで、ロシアの州だった東ウクライナのドネツクとルガンスクルも同様に新ナチ・キーウからの独立を宣言した。アメリカが支援するキーウの分離派と、東部ウクライナ現地の人々の間で、血まみれの戦争を引き起こした。
一層危険なロシアと中国との戦争で、彼女の軍国主義外交政策と国防総省予算を正当化したいとケイガン夫人は望んでいる。ロシア侵略とアメリカの「民主的な」意図という彼女版神話に依拠している。彼女は、アメリカ予算の10分の1でしかないロシア軍事予算が「ロシアの紛争と軍国化」の証拠だと主張している。彼女は「NATOの東部境界に沿った永久基地」を望んでおり、実に多くの連続的な(失敗した)欧米侵略の後、自身を守りたいというロシアの願望を、NATO拡張主義に対する障害と見なしている。要するに、勘違いしたケイガン夫人は、他の連中と一緒に、手に負えない暴力や混乱や核戦争の危険を解き放ったのだ。彼女は一体どうして夜眠れるのだろう?
ヴィクトリーヌ
先日私は、パリから遠いブルターニュの小さな無名の町ルデアック付近にある丘の墓に花を捧げた。秋の初日で、木は既に色づき始めており、早朝や夕方、空気には、わずかに冷気があった。北フランスでは、天気は常に8月15日以降変わるのだ。
ヴィクトリーヌ叔母は、1300年後も、ブルターニュ創始者の名を依然受け継ぐ、家6軒のブレハン村、牛小屋土間のわらの上で生まれた。文字通り。小さい平屋の家には、片側に食堂/台所/寝室があり、雌牛は反対側で暮らし、日中畑に出された。1981年に私が初めて彼女に会った時、それは変わっていたが、それもわずかだった。オート=ブルターニュに暮らす彼女は、ブルターニュ語ではなく、フランス語現地方言「ギャロ」を話した。あるいは地元の人が言うように、フランス語は、ギャロの(パリっ子)現地方言なのだ。
ヴィクトリーヌは1918年11月22日に生まれ、必然的に、1918年11月11日の休戦後、ヴィクトリーヌと命名された。実に多くの頑健なブルターニュ小作農が、汚い「ボッシ(ドイツ兵)」と戦うために出征し、戻って来なかった。ボッシは、平和時には「田舎者」(「プルーク」)と呼んでブルターニュ人を軽蔑し、彼らの言語を禁止したドイツ人で、パリ・エリートの敵だった。それにちなんでヴィクトリーヌが名づけられた「勝利」は、フランスの勝利ではなく、第一次世界大戦という不毛な泥沼、命取りの塹壕で、バイエルン人とサクソン人小作農の最良の息子の多くと戦い、最良の息子の多くを失った小作農の平和の勝利だった。
それが同世代の非常に多くの女性同様、ヴィクトリーヌが結婚しなかった理由だ。結婚すべき相手がいなかったのだ。実際、1941年に彼女の姉は、ドイツ軍に入隊を強いられ、ブルターニュの荒野をパトロールするよう派兵された気の進まないドイツ兵士のため身ごもった。それは村の大きなタブーだったが、非難は渋いhttps://thesaker.is/two-lives-victoria-and-victorine/ 顔をした村の偽善者連中に任せよう。彼女の姉の息子、非嫡出子ジャン・ピエールは私の友人だった。
ヴィクトリーヌは余りまめに教会に行かなかった。彼女は、人生を愛する人間を非難する堅い石の建物と同じというわけではなかった。彼女は、その人生を過ごした神の大聖堂の丘や小川、森や畑が好きで、春には、畑で野菜を栽培し、夏と秋には、小さな果樹園の果物を摘み、食事に料理し、ビンに詰め、冬には、暖房用に薪を切り、牛乳と、これまで味わった中で最高のバターのための雌牛と、毎年12月、村の屠殺屋ミシェルが屠殺し、村の肉屋に豚肉として売った豚を、庭の一番下で世話していた。
ヴィクトリーヌは、そうやって暮らしをやりくりした。彼女も夫や子供を望んだろうが、それは実現しない運命だった。1989年11月、71歳で、神と出会うべく、微笑を浮かべ、安らかにこの世を去った。彼女の小さい家と一画の土地で過ごし、初期キリスト教徒隠修士のように魂を清めた苦難に満ちた生活だった。彼女は、少なくとも表面上、1914年に、ベルリンとウィーンとパリとロンドンの戦争を愛するエリートによって、彼女が生まれさえする前に破壊された生活を精一杯生きた。だが似たような名前のビクトリアとヴィクトリーヌの人生、どちらかを選択しなければならないなら、ヴィクトリーヌ叔母の人生と潔白な心の方が一万倍以上好きだ。彼女に神のお恵みあれ。
2022年8月20日
記事原文のurl:https://thesaker.is/two-lives-victoria-and-victorine/
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The Jimmy Dore Show
ピンクフロイドのロジャー・ウォーターズが悪名高いウクライナ暗殺標的サイトMyrotvoretsに載ったという。理由は単純。バイデンを戦犯と呼び、ウクライナを軍事支援し火に油を注いでいると、当然の事実を言ったことが理由。このサイトには、ウクライナ内務省が関与しているという。
ウクライナを支援し、ロシア大使館前で、反戦デモをする人々がいる。
反戦デモは、ウクライナ大使館とアメリカ大使館に行ってからロシア大使館というのが順序だろう。
ウクライナに募金する方々、間接的テロ支援者と言えまいか。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
沖縄知事選、9月11日投開票。最大焦点は辺野古移転の容認問題。最近次第に容認派が勢力拡大。参議院選反対派274,235票。容認派271,347票。僅差。ただし今回容認派では 下地氏と佐喜真氏が立候補し票が割れる。現職玉城知事が優位に立つとみられる。
「8月も残り6日ですが、ご寄付・カンパは目標額の19%! あと314万円足りません! ご支援をお願いいたします!」
中村格(いたる)警察庁長官が辞意を表明! この辞職をもろ手をあげて歓迎する! むしろ遅過ぎたくらいではないか!? なぜ伊藤詩織氏のレイプ事件を揉み消したのか? 警察は、安倍元総理も中村氏もいなくなり、今度こそ、伊藤氏の事件の再捜査、そして統一教会の本格的な刑事事件捜査に着手すべき!「安倍一強時代に、警察OBの官邸官僚を通じて、警察がコントロールされるという仕組みが作り上げられた!!」と前川氏は断言! 岩上安身は、前日24日、前川喜平氏へのインタビューで、中村長官の辞任についてお話をうかがっていました!
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