ウクライナ政府に批判的な報道をしたいとCBSが望んだが、ウクライナ政府はノーと言った
2022年8月10日
ケイトリン・ジョンストン
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ウクライナ政府が反対した後、CBSニュースは、ウクライナに送られる大量の供給品が前線に届かないという多くの情報源の懸念を報じた短いドキュメンタリーを削除した。
それに反対するウクライナ当局者を指名し、好ましくないCBSニュースの情報源のそれぞれが、なぜ無視すべきか説明し、ウクライナ政府が、政府ウェブサイトで、この報道に対する反対を列挙した。該当報道が削除され、それに関するTwitter投稿が消された後、ウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣は、歓迎される第一歩だが、十分ではないと述べた。
「歓迎される第一歩だが十分ではない」とクレーバがTwitterで書いた。「あなた方は確証がない主張を報じ、侵略と大量虐殺に抵抗している国への重要な軍事援助供給に対する信頼を損ない、膨大な人々を誤導した。一体誰がこれを可能にしたのか、理由は何かの内部調査が行われるべきだ。」
CBS Removes Documentary on Ukraine Military Aid After Pressure from Ukrainian Government#Ukraine's FM called for investigation into the documentary, which found that most military aid wasn't making it to the frontlines
— Antiwar.com (@Antiwarcom) August 8, 2022
by Dave DeCamp@DecampDave #cbsnews https://t.co/SZWXdeNyRf pic.twitter.com/zE3fdNDNLA
ドキュメンタリーに関するCBSニュース記事は「ウクライナへの軍事援助は、なぜ必ずしも前線に到着するわけではないのか:30%が最終目的地に届く」から遙かに穏やかな「ウクライナの軍事支援は、なぜ必ずしも前線に到着しない可能性があるのか」に変更された。記事新版編集者メモは、変更に関し、ウクライナ政府の助言を取り入れたことを明示的に認め、下記のように書いている。
「本記事はCBS報道ドキュメンタリー「ウクライナを武装する」撮影以降の変化を反映するため更新され、ドキュメンタリー自体も更新されている。4月下旬にCBSと映画を撮影して以来、送付は際立って改善したとヨナス・エーマンは言う。アメリカ防衛駐在官陸軍准将ガーリック・M・ハーモンが軍備管理と監視のため2022年8月にキーウに到着した」とウクライナ政府は述べている。
CBSニュースは、なぜこの報告出版にそれほど長くかかったか、なぜ、報告を発表する前に、急速に進展している戦争が、これまでの数カ月で変化したかどうか調べなかったのか、その主張がキーウが反対を表明する後ではなく、前に、なぜ放送されるのふさわしいと感じたかを言っていない。
誰かが、YouTubeの、ここに、旧版ドキュメンタリーをアップロードしたが、もしそれが削除されたら、Bitchuteで見ることができる。それはウクライナに好意的で、非常に反ロシアで、ウクライナに送られる軍事補給の多くが、行くはずの場所に着いていないと信じる理由があると多くの情報提供者が言っているのを取り上げていた。
元記事は次のように上記ヨナス・エーマンの言葉を引用している。
「この全ては国境を越えるが、そこで何かがおこり、30%程度が最終目的地に到達する」と、2014年にロシアが支援する分離主義者との紛争の始めから、ウクライナ前線部隊に軍事援助を供給しているリトアニアに本拠がある組織Blue-Yellow創設者でCEOのヨナス・エーマンが述べた。
今年4月「30-40%が私の推計だ」と彼は言った。
「アメリカは、何万もの対空砲、対機甲兵器、大砲砲弾、何百もの大口径火器、スイッチブレード無人攻撃機や、何千万もの小火器弾薬を送った」とCBSのアダム・山口が、このドキュメンタリーの14分15秒で言う。「しかし前線が、ばらばらで、状態が警告なしで変化する紛争では、そうした全ての供給品が目的地に到達するわけではない。一部の報道では、武器が退蔵されており、更に酷い場合には、ソ連後のウクライナの汚職下で繁栄している産業、闇市場に姿を消しているとを恐れている。」
「これらは前線部隊に届いていないと確信を持って言える」とモーツァルト・グループのアンディー・ミルバーンが17:40に山口に言う。「ドローン、スイッチブレード無人攻撃機、応急処置キット。彼らは、うまくいっていない。防弾チョッキ、ヘルメット、その他もろもろ。」
「これは、ちょっとしたブラックホールと言ってかまいませんか?」おそらく4月のCNN報道、送られる兵器が「巨大なブラックホールに落ちるが、しばらくすると、何がなんだかわからなくなる」に言及して山口は尋ねた。
「こうしたものが、一体どこに行くのかわからず、あなたがそれを質問しているのであれば、それはブラックホールだと思う」とミルバーンが答えた。
18分45秒で、アムネスティー・インターナショナルのドナテラ・ロヴェラは、ウクライナに送られる武器がどこに行くか知っているか尋ねられて「我々は知らない」と山口に言う。
「武器がどこに行くか本当に全く情報がない」とロヴェラが言う。「一層心配なのは、武器を送っている国々の一部が、武器が今日どのように使われているか、武器が明日どのように使われるか必ず知ることができるよう保証する非常に強固な監督メカニズムを適所に配置するのを自分たちの責任と考えているように思われないことだ。」
Don’t worry, @CBSNews, I saved it for you. https://t.co/XIUkXjqMSw pic.twitter.com/wbe0fdngJH
— Viva Frei (@thevivafrei) August 8, 2022
自国政府が気に入らないため、報道を取り下げる報道機関はジャーナリズム倫理の恥ずべき侵害だ。外国政府が気に入らないため、報道を取り下げる報道機関はなおさらだ。
欧米メディアが、文字通りウクライナ政府のあらゆる主張を、ロシアが既に占領している原子力発電所に、ロケットを発射したという最近の報道のような突拍子もない例や、ロシア人が赤ん坊をレイプして殺しているという証拠のないレイプに関する主張を繰り返したため解雇されたウクライナ当局者の主張や、ウクライナ政府によるどんな主張でも無批判に報じるのを我々は既に見ている。今欧米放送局は、無批判にウクライナ政府のあらゆる主張を報じるだけでなく、ウクライナ政府が削除しろと言えば、彼らは自身の主張さえ撤回する。
欧米報道機関をプロパガンダ屋と見なす私のような解説者だけではない。彼ら自身、自身をそう見ている。常に戦争の一方を助ける情報を報じ、それを妨げるかもしれない情報を省くのが自分の仕事だと思っているなら、人は自分をプロパガンダ屋にしているのだ。人は自分のことを、そうは呼ばないかもしれないが、言葉のどんな合理的定義によっても、そうだ。
しかも非常に多くの欧米のゼレンスキー支持者は、真面目に、これをメディアの役割と考えている。ウクライナに関するアメリカ帝国の言説を大半の人々の意識に植え込むことに懐疑を示す人を、彼らは怒って非難するが、それから、ウクライナについて我々は真実を語られていないと言えば、彼らは叫ぶだろう。彼らは、ウソを語られることを要求しており、それは、我々がだまされることを意味すると言えば、その人をウソつきと呼ぶ。
"Russian Propaganda" Just Means Disobedience
— Caitlin Johnstone (@caitoz) August 6, 2022
Empire apologists are raging at @amnesty for pausing its aggressive facilitation of western imperialism to issue one brief criticism of the way Ukrainian forces have been endangering civilian lives.https://t.co/puddbmoiu5
二兎を追う者は一兎をも得ず。マスメディアに戦争プロパガンダ屋を演じるのを望むか、彼らが真実を話すことを望むかの、いずれかだ。人は同時に、その両方の立場につくことはできない。二つは相互排他的だ。そして多くの人々が、実際、前者を望んでいる。
これでは良い結果には至れない。
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The Jimmy Dore Showも、この話題を取り上げている。彼女の記事に出てくる人々の動画もある。
東京新聞朝刊 特報面
スパイ防止法で足並み
旧統一教会系団体「陰に陽に支援」
安倍氏「三代」背後に米国か
秘密保護法 足掛かり?
機関誌 時に促し 時に持ち上げ
「全ては朝鮮半島に通じる」
植草一秀の『知られざる真実』
昨日夜の【IWJ号外】
ウクライナのザポリージャ原発砲撃をめぐり、ゼレンスキー大統領が「原発から攻撃してくるロシア軍人はウクライナ軍の特別な標的」と警告! 原発に向けて攻撃するつもりか!?
ロシアを破壊するため、アメリカはゼレンスキーにあらゆることをさせるはず。原発破壊による大惨事、ウクライナ、ロシアのみならず、ヨーロッパ中に及ぶだろう。それでも、アメリカは無傷。罪は全てゼレンスキーに負わせる。夢のシナリオ。
IWJの神奈川大学教授 羽場久美子氏インタビューを拝聴。こういう方、決して電気洗脳機に呼ばれない。電気洗脳機連中は統一教会や自由統一教会党発展を幇助した犯罪集団。
「萩生田自民党政調会長は統一教会イベントに参加! 本日午後6時半から、岩上安身による元・統一教会信者 榊あまね氏インタビュー第3弾!」
<昨日の岩上安身によるインタビュー報告>「ウクライナ紛争がエスカレーションの背景には、米国によるウクライナへの武器供与があります」「即時停戦を!『ウクライナ問題は少なくとも2004年と2014年の二つの革命から見ていく必要がある』ウクライナ紛争と米国の戦略 岩上安身による 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏インタビュー」をお送りしました!
ウクライナのザポリージャ原発からのロシア軍撤退を求めたG7とEUの声明にロシア外務省が反論声明!「西側諸国は真っ赤な嘘に走っている」!! 原発のバックアップ電力を担う下流の水力発電所も攻撃を受け、副所長が「核の大惨事の発生につながりかねない」と発言!
今日の赤旗も、統一教会関連記事が盛りだくさん。
政治面に
大臣・副大臣・政務官
統一教会との関係判明無責任・支離滅裂 閣僚らの弁解
総合面に
統一教会と自民党の「共闘関係」
ジェンダー平等反対"連携"同性婚否定と異常な教義
政治・総合面に
統一教会と深い関係
沖縄県知事選
自民・佐喜真陣営「知らなかった」では済まない
宜野湾市長・県議時代から関わり
社会・総合面に
徹底追求 統一教会 闇勢力編 中
勝共連合と公安
これからゆっくり拝読する。
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