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2022年8月 7日 (日)

ついに目を覚まし、どのみち破滅の運命と悟ったEU

2022年8月4日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook

 ようやく欧州連合が最終的に正気に戻るかもしれないように思われる。それに必要だったのは、何十億も失い、大変動のリスクがあることをドイツ・エリートが理解することだった。ドイツへのガス供給停止は、2022年、ヨーロッパ最大の経済に、GDPの1.5パーセントもの負担になるというIMFのニュースは、共産主義の賢い女性ザーラ・ヴァーゲンクネヒトより、オーラフ・ショルツ操り人形を酷く怖がらせる。結局のところ、共産主義は、それほど酷かったのだろうかと私は疑う。

 もしドイツが事情を理解し、ワシントンに率いられる対ロシア戦争の全くの愚かさを嘆き悲しんだら? まあ、皆様がそれについてお考えになれば多少は予想可能だ。代替案の、最初にロンドン、パリとベルリンを打ちのめす世界的熱核戦争も可能性は低く思える。それは何世代もの生来凡庸な連中を絶滅させるだろう。だが次に何を期待するべきか?

 ロシア人がどれほど良い冗談が好きか知っている人がいるとすれば、それは確実に伝統的なルター派の親の社会主義の息子だ。ショルツはルクセンブルグ・エリートとアメリカのためにわざとらしい振る舞いをするのがうまいが、ノルド・ストリームパイプライン装置のロシア・メンテナンスが、間もなくモスクワ・メールを模倣するのを嫌というほど知っている。-40Cの朝を笑う人々は、ドイツやヨーロッパ指導者連中がガスを嘆願し世界中を走り回るのをクスクス笑っているのは確実。問題はこれ以上得られるガスがない。

 ヴァーゲンクネヒトは、ドイツはロシア・エネルギーなしではおしまいになる現実に、ショルツではなく、ザクセン州のクレッチュマー首相(CDU)さえ支持した。特に、東ドイツは、機械故障というロシアの常とう句が現実になれば大きな問題をかかえる。大きいレンチを持ったロシア人だけが、ルスキー・システム故障を直せるのを全員が知っている。だがドイツの現在の指導者はどうだろう? ショルツは、同僚のEUパートナーを裏切ることで、プーチンを失敗させようと計画しているのだろうか?

 西欧の戦略欠如が本当に愚かになるのは、ここでだ。結局、ドイツは、フォルクスワーゲン製造に電力供給するため、より小さいEU諸国からガスを吸い上げるのを実際計画していた。いや冗談ではない。ギリシャは植民地で、ヨーロッパのフロリダだと言った国は自国産業を運営するため、より小さいEU諸国からのエネルギー流用を計画したのだ。

 ドイツ・エネルギー規制当局は、この冬、厳しいガス不足があった場合、電力の優先利用ができる「重点分野」を設定し、他方ブリュッセルはヨーロッパ中でのガス配給制を含む、いわゆる「連帯協定」を作った。前ドイツ国防相で、現欧州委員会委員長ウルスラフォン・デア・ライエンは、先日、あり得るロシアのエネルギー恫喝でパニックになった対応で、EU各国がガスを15パーセント配給制にする計画を発令した。

 つい最近、EU委員長はガスを嘆願してアゼルバイジャンにいた。ほぼ同じ時期に、アメリカ大統領のジョー・バイデンがサウジアラビア皇太子に跪くのが見られた。だが、ウクライナ非武装化プロセスに関し、「世界」がロシアに反対していると欧米エリートは主張するが、本当はプーチン氏の国に対する反対ではないように思われる。これに加えて、ロシア、イランとベネズエラ以外に、これ以上の供給がない事実は、欧米指導者連中が、どれほど正気でないか分かる。決して代替案はなかった。サウジアラビア、トルコとエジプトが、間もなく公式加盟の件でBRICSへの接触を計画していることも考慮願いたい。

 今皆様は何をお求めだろう? まあドイツは、だましすかしや、すすり泣きやら、他の努力で、石炭を使ってBMW生産するのを予想できる。だが隣接するポーランドのような国は石炭不足だ。摩擦が見える。EU実験は確実に絶体絶命だ。今回はアメリカでさえ、ジョー・バイデン・ハンドラーの愚行から逃れられない。ロシアは世界のエネルギーの14から20パーセントを供給している。言い直させていただこう。ロシアは世界総エネルギーのほぼ5分の1を占め、世界のエネルギー生産諸国は既に最大能力だ。これをご理解願いたい。

 ロシア・ガスなしで、ルクセンブルグの銀行や東ドイツのハイテク産業工場の明かりをつけておくためには何か劇的なことが起きなければならない。ドイツは当然できる限り多くのエネルギーを西部の重工業に転用し、ドイツ東部全体、一種鉄のカーテン時代の状況に落ち込むだろう。

 ドイツは、ルーマニアやソフィアのEU国民の家庭からエネルギーを吸い取るか、ロシア憎悪を放棄しなければなるまい。アメリカにとって唯一本当の解決は、ベネズエラを侵略するか、水圧破砕産業の大幅拡張だ。核戦争であれ何であれ起きようとも、グリーン・イニシアティブなどなかったので地球は融けてゆく。計画など決してなかったので、我々はだまされた。欧米オリガルヒが巧妙なトリックを演じた結果、我々全員(おそらくドイツ人以外)夏は焼き殺され、冬は身動きできなくなるだろう。

 いいニュースは、始まる前に、プーチンとロシア人がこれに勝利したことだ。悪いニュースは、EU実験と地球を救う我々のあらゆる民主的構想は茶番だ。それは決して世界共同体を目指していなかった。我々は欺かれ、不運なピエロに率いられる羽目になった。

 フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者で東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/08/04/at-last-the-eu-wakes-up-and-finds-out-it-s-doomed-anyhow/

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