ニュー・メディアは、オールド・メディア同様、帝国権力と結びついている
2022年8月5日
ケイトリン・ジョンストン
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ウクライナでの戦争に関し、プラットホーム上で人々が読める情報を規制するため、フェースブックが提携している独立が建前の「ファクト・チェック」組織の大部分が、実際には、いかに、アメリカ政府に資金供給されているか示す新記事をアラン・マクロードがミントプレス・ニュースに掲載した。
「ウクライナに関する情報を監視し、規制するためにFacebookが提携しているファクト・チェック組織の大半が、アメリカ大使館経由や、悪名高い全米民主主義基金(NED)から、直接アメリカ政府から資金供給されている」とマクロードは書いている。
マクロードが説明する通り、帝国が標的に定めた国でのプロパガンダ流布や、外国での反乱への資金供給や、最終的に、今年二月、ウクライナへのロシア侵略を引き起こした出来事を始動させた、ウクライナでの2014年クーデター推進など、かつてCIAが密かに行なっていた工作の多くを、公然と行うため設立されたがゆえに、NEDは実際悪名が高いのだ。
NEDや他のチャンネルを通して、アメリカ政府資金がFacebookの「ファクト・チェック組織」につぎ込まれ、その結果が、約30億人の活動的ユーザーがいるソーシャル・メディアプラットホームにおけるアメリカ政府が資金供給する言説支配事業だということをマクロードは示している。
[Thread]
— Alan MacLeod (@AlanRMacLeod) August 3, 2022
Most of fact-checking organisations Facebook uses to police content on Ukraine are directly funded by the US government— either by the US embassy or through notorious CIA front group, the NED.
My new investigation exclusively at @MintPressNews:https://t.co/FH4R0HKs1s
この記事は、年々益々明白に増えている主要シリコンバレー・プラットホームとアメリカに集中した帝国との間に見られる多くのつながりを文書化すべく、マクロードが過去数カ月間にわたりミントプレスで発表している連続記事の最新記事に過ぎない。
先月、ソーシャルメディア・プラットホームが、どのような情報が、良く読まれるようにするかを決定するのを支援するために、CIAや他のアメリカ諜報機関の退職者が、Facebook親会社メタで幹部として雇用されていることに関する報告をマクロードは発表した。親会社メタの「プロダクト政策誤報上級マネージャー」は、2019年に直接中央情報局CIAから雇用され、今やFacebookや、InstagramやWhatsappが、誤報から情報を選別するのを支援している。
YouTubeのようなGoogleが所有するプラットホーム上での検索で、どのような情報を見ることができるかGoogleが決めるのを支援するため雇われた多くのCIA退職者に関する記事を先月マクロードが発表した。大衆の情報アクセスという点で、Googleが、世界唯一、最も影響力がある企業なのは確実だ。
6月、マクロードは「連邦Tweet局:twitterは脅威的な人数のFBI職員を雇っている」という題の記事を書き「巨大ソーシャル・メディアは、近年、安全保障や信頼、安全やコンテンツ分野の仕事のため、国の治安分野から多数の要員を採用している」と報じている。
ロシアからのコンテンツに対する批判的政策で、他のシリコンバレー・プラットホームと協調し始めた時、コンテンツを取り締まるため、TikTokさえ、驚くほどの人数の元NATO従業員を雇い始めたと、マクロードは書いている。
https://twitter.com/AlanRMacLeod/status/1551905373799563266?s=20&t=AWkW-r_IWnIMMKXUA1qgZg
マクロードの重要な仕事は、情報への人類による未曾有のアクセスが、そもそも発端以来、アメリカ帝国権力といかに密接に関連し合っているかを説明するSurveillance Valley: The Secret Military History of the Internet(監視バレー:インターネットの隠された軍事的歴史)という本を書いたヤシャ・レヴァインのような記者の仕事への追加だ。
シリコンバレーは、少なくとも伝統的メディアやハリウッドと同じぐらいアメリカ帝国言説支配の基本的要素で、更に益々そうなっている。彼ら一体となって、帝国の言説支配機構を構成しており、軍事力や経済力と同じぐらい帝国が機能するために不可欠だ。
政治的、社会的公正の問題に関する人間意識の拡大が、専制や圧政に対して増大する大衆の不寛容をもたらし、現在の世界帝国が、我々に自由の錯覚を与えて、我々を支配するよう強いたのだ。人々が自身の運命を支配する民主主義国家に住んでいると我々は聞かされるが、実際は我々が生まれた瞬間から、我々が考え、行動し、投票する方法を心理的に操るよう意図されたプロパガンダであふれている。ノーム・チョムスキーは「民主主義国家にとってのプロパガンダは全体主義国家にとってのこん棒と同じものだ」と言った。
主流ニュース・メディアが全てのアメリカ戦争を支援し、社会の異常な不正行為を絶えず、あたりまえのことにするのと同じ理由で、シリコンバレーはスパイとウソつきで満ちている。言説を支配する人は誰であれ世界を支配する。認識が現実なので、人々が現実をどう認知するか支配できれば、人々の行動に関する限り、現実そのものを支配する。
我々がこの事実に目覚めるまで、現状の圧迫機構の乱用に閉じ込められたままだろう。
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昨日、下記記事のリンクをご紹介するのを忘れてい。
東京新聞朝刊 特報面を読んで、日の丸掲揚強要の背景に納得。
旧統一教会系団体
日の丸掲揚推進の歴史石原慎太郎都政下の2003年、都教委が起立斉唱を義務づけ、従わないと処分する「10・23通達」を出した。
「都教委は通達前に人事考課制度を導入し、現場が言いなりにりるよう手を打った。都立高のリベラルな風潮は変わった。」日の丸の掲揚を推進したのはどんな勢力だったのか。
ジャーナリストの青木理氏は「宗教勢力を中心とした『宗教右派連合体』だ」と解き明かす。
耕助のブログ 小生が翻訳したものと同じMoon of Alabama記事
植草一秀の『知られざる真実』
クリス・ヘッジズと元CIAテロ対策担当官ジョン・キリアコウがCIAを廃絶すべき理由を語る
今朝の孫崎享氏メルマガ
醜い動き。F.B.I. トランプ氏のフロリダ州マーアラーゴ邸を捜索(NYT)。前大統領捜査は前代未聞。容疑は秘密文書の処理。だが大統領は秘密文書を解除する権限を有する。トランプ優位の中、彼の大統領選出馬を阻止せんとする動き
「『日本の植民地支配の償いを、あなたたち(日本人女性)が我が教団(統一教会)にしなさい』と主張する統一教会と癒着する自民党の異常!」
<インタビュー報告>「日本の植民地支配の償いを、あなたたち(日本人女性)が我が教団(統一教会)にしなさい」と主張する統一教会と癒着する自民党の異常!「統一教会との出会い、合同結婚式、23年間の信徒生活から『脱会』まで 『なぜ人々が統一教会に騙されるか』その理由を考える 岩上安身による元・統一教会信者、『となりのカルト』著者 榊あまね氏インタビュー 第2弾」をお送りしました。
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