ウクライナに関してロシアが公表したと同じ「越えてはならない一線」警告を台湾に関して中国が公表
2022年7月28日
ケイトリン・ジョンストン
❖
今や他の議員連中まで賛同したと報じられる来月の台湾訪問計画で、ナンシー・ペロシ下院議長は、外国政策ごみ箱の火事にガソリンを注ぎ続けている。
「カリフォルニア州選出民主党のナンシー・ペロシ下院議長は下院外交委員会の民主党と共和党幹部を含む議員集団を彼女の公式台湾訪問に招いた」とNBCニュースが報じた。
長く続くワシントンの「一つの中国政策」の言語道断な違反と北京が見なしているこの訪問は余りに挑発的なので、中国軍による攻撃に備え、今国防総省は、ペロシの飛行機を守るため戦闘機と他の戦闘装置の配備を計画している。
While already waging a war on Russia, the US empire is also really trying to start a war with China:
— Benjamin Norton (@BenjaminNorton) July 27, 2022
The US military is considering sending *fighter jets* to accompany a top US official as she meets with secessionists in China's province of Taiwan, who are armed with US weapons. https://t.co/WV1azGMEdR
APが、こう報じている。
北京がアメリカ下院議長の飛行機を攻撃する不安はほとんどないと、アメリカ当局者は言うが、災難、失策や誤解が、彼女の安全を危険にさらしかねないのを知っている。国防総省は、不測の事態に対する計画を練っている。
当局者は、まだ不確実だが、ペロシが台湾に行くなら、軍はインド・太平洋地域での軍や資源の動きを強化するとAP通信に述べた。彼らは詳細説明を拒否したが、重複する防衛の輪を実現するため、戦闘機、艦船、監視システムや他の軍事システムが、台湾行きの彼女の飛行機と、現地滞在中に、終始使われると述べた。
このリスクだけでも訪問をキャンセルするのに十分な理由だが、懸念を増すのは、ロシアがウクライナ侵略に至るまでの間に使っていたのと同じ「越えてはならない一線」という言葉を使って中国政府が警告し始めた事実だ。
「我々はペロシ下院議長の台湾訪問の可能性に対する我々の強固な反対繰り返し明らにしている。アメリカが訪問すると強く主張し、中国の越えてはならない一線に挑戦するなら断固とした対抗手段をとる」と中国外務省報道官の趙立堅(チャオ・リーチエン)が水曜に述べた。「アメリカはこれから生じるあらゆる重大な結果に対する責任を負わなければならない。」
“We have repeatedly made clear our firm opposition to speaker Pelosi’s…visit to Taiwan. If the US insists on…challenging china’s red line, it will be met with resolute countermeasures. The US must ensure full responsibility for any serious consequence arising thereof.” pic.twitter.com/1gV59GwRtF
— Fiorella Isabel (@FiorellaIsabelM) July 27, 2022
ペロシの訪問計画が最初に突如知れわたった時以来、中国は同じ言葉を使っており、中国国営メディア環球時報がニュースで「台湾訪問は、確実に、ペロシが決して越えてはならない一線だ」と先週報じた。
ウクライナ侵略に至るまでの間に、ロシアは同じ言葉を使って似たような警告をしていた。ウクライナの中立に対するモスクワの「越えてはならない一線」を欧米が余りにも軽く見過ごし、ワシントンが、ウクライナの将来のNATO加盟可能性を持ち出し続けながら、恥知らずに、それら警告を切って捨てたことをプーチンは繰り返し何度も警告した。
去年12月、警告について質問されて、バイデン大統領は「誰の越えてはならない一線も私は受け入れない」と記者団に言った。
数週間後、プーチンは、わずかな低コストの譲歩で容易に妨げたはずの何千人もが亡くなる恐ろしい戦争を開始して威嚇を実行した。
「これは私が何度も話した越えてはならない一線だ」とプーチンは言った。「彼らはそれを越えた。」
それは、そうする価値があったのだろうか?
もちろん、そうではない。
Joe Biden Tells Vladimir Putin Where to Shove His ‘Red Lines’ https://t.co/upLip4Sz9r
— Hal Sparks (@HalSparks) December 8, 2021
歴史から学び損ねることと、これまでの五カ月からさえ学び損ねるのは全く別のことだ。ここでもてあそばれている脅威は、今まで演じられた「チキンゲーム」の最も愚かなもので、中国は自分をよけさせなかったと言える事実上の勝利の価値がないのだから、ペロシや、誰であれ彼女の訪問を計画している連中は即座に計画を中止すべきだ。
そしてそれが、まさに起きていることだ。中国の「越えてはならない一線」警告は、ペロシの台湾到着は、せいぜい二国間の瀬戸際外交を、もう一段引き上げるだけなのに、訪問が行われなければ「共産中国の勝利」を意味するという言説を共和党が積極的に推進している。進歩的民主党議員さえペロシの動きを支持し、段階的縮小と緊張緩和への要求は益々脇に追いやられ、政治圧力はエスカレーションに向けられている。
我々はこれに対処しなければならない必要などないはずだ。80代の議員は彼女の飛行機が撃墜されるかどうか心配するには余りに高齢だからといって、核アルマゲドンの潜在的発火点に、全く新しい国が追加されるのを我々は見過ごすべきではない。相手を恫喝する為のささいな利己的胸叩き以上何ものでもなく、普通の人に役立たない、もう一つの致命的対立の危険を、我々は冒すべきではない。
If Pelosi does not go to Taiwan, Communist China is winning.
— Sen. Marsha Blackburn (@MarshaBlackburn) July 26, 2022
我々全員を傷つけることが可能で、我々全員殺されかねない、ばかばかしいリスクを、世界で最も強力な人々が理由もなしに、おかさないよう我々は願わずとも良いはずなのだ。我々を支配する専制君主が、いつの日か最も賢明な決断をしなければ、考えられる最悪のことが起きるのを可能な体制を我々は持つべきではない。
我々の未来は最悪の怪物の最良の天使に頼るべきではない。権力を持っている連中は余りに権力を持ち過ぎており、世界の普通の人々は、ほとんど十分持っていない。
___________________
私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!
----------
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ペロシ下院議長のアジア歴訪で台湾訪問が依然不透明。NYT紙は、党大会を控える微妙な時期に習近平は座視できず、軍事行動の可能性を米側に警告しており、火花ひとつで、この可燃性のある状況が危機に発展する可能性があり、危険避けるべし論記載
文春オンライン
東京新聞
植草一秀の『知られざる真実』
「第12期は暫定で323万円マイナス! 本日からIWJは第13期をスタート! ご支援を!!/6時半から岩上安身による上昌広医師インタビュー」
<インタビュー告知>本日午後6時半から「新型コロナ新規感染者数で日本は世界ダントツ1位! サル痘も迫る! 岩上安身による医療ガバナンス研究所理事長・上昌広医師インタビュー」を冒頭のみオープン、その後は会員限定で生配信します!
« ペロシ台湾訪問を、中国は、どのように警告しているか | トップページ | 今ウクライナを武装させろ:カリフォルニア、イギリス、テキサス、イタリアと日本には、あなたが必要だ »
「アメリカ」カテゴリの記事
- ウクライナ - (依然遠い)終わりの始まり(2025.02.14)
- アメリカ援助に依存する「独立系」メディアを主流メディアが後押し(2025.02.12)
「中国」カテゴリの記事
- いかにして中国はトランプとOpenAIに勝ったのか(2025.01.30)
- 「アメリカを再び拡大する」トランプ大統領の計画(2025.02.04)
- ルビオと中国と長期戦(2025.01.26)
- 続くマイクロチップ戦争(2025.01.24)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- イスラエルのために欧米諸国全体で公民権が破壊されている(2025.02.11)
- ガザで依然民間人が虐殺されている(2025.02.07)
- ガザの民族浄化計画を明かすトランプ(2025.02.08)
« ペロシ台湾訪問を、中国は、どのように警告しているか | トップページ | 今ウクライナを武装させろ:カリフォルニア、イギリス、テキサス、イタリアと日本には、あなたが必要だ »
コメント