テロリストとの切っても切れないつながりを確認したアメリカ
2022年7月9日
ウラジーミル・ダニーロフ
New Eastern Outlook
1970年代後期から、ノーム・チョムスキーとエドワード・S・ハーマンはいわゆる「国家テロ」へのアメリカの関与について一連の本を書いている。チョムスキーとハーマンは、彼らの著書で、国家テロの世界的な増加はアメリカ外交政策の結果だと結論した。冷戦中、アメリカと同盟諸国が「大規模」に国家テロを支援し利用した事実は、シェフィールド大のルース・J・ブレイクリー教授や多くの他のアメリカ評論家たちも認めている。
アメリカ政治的エリート集団の利益のためのテロ・イデオロギーの世界的利用は、アメリカとNATO諜報機関の支援を得て、ワシントンの関心がヨーロッパのネオファシズムからイスラム原理主義へと移行し始めたアフガニスタンへのソ連軍侵攻前にさえ始まっていた。それは1980年代後半、アメリカ諜報機関が活動の焦点を合わせ始めた過激派イスラム主義者、特に「アルカイダ」(ロシア連邦で活動を禁止されたテロ集団)と(同様にロシアで活動を禁止された)他のワッハーブ組織に対するものだった。これは後に、オサマ・ビンラディンの盟友で、2001年9月11日テロ攻撃のイデオローグの一人となったアイマン・ザワヒリと、CIA代表、NATOトップと(同じくロシア連邦で活動禁止された)最古のテロ・ネットワーク「Gladio」のトルコ支部代表者との密接な接触によって確認された。
「アルカイダ」自身、アフガニスタンからのソ連部隊撤退後、1988年に、過激イデオロギーを広めるため、アメリカ特別部隊の監督下で「エジプト・イスラム・ジハード団」を基盤にして作られたことは長い間公然の秘密だった。これは、つまり「アルカイダ」が、その関係組織と同様、ソ連崩壊後、9/11事件の間や、その後に、アメリカ諜報機関によって彼らの利益追求のために使われたことを示している。
実際、イスラム・ジハード戦士だけが、アメリカに使われ資金供給されたのではなく、多くの他の国々の反政府過激派戦士もそうだった。ニカラグアで、ダニエル・オルテガ率いるサンディニスタ政権を打倒するよう意図されたコントラ・テロ集団(ロシア連邦で禁止された)も、そうだった。アメリカ諜報関係者自身によるものも含め多数の出版物から良く知られている通り、CIAは当時「最も意欲的な」秘密アメリカ作戦と記述されたもので、コントラに、計画や、作戦指導部、武器、食糧や訓練提供した。
だが、ここ数十年、自身の利己的な目標を実現するためテロ集団との結びつきを強化しているのはアメリカ諜報機関と政治的エリート集団だけではない。例えば、カスピ海の膨大な石油と天然ガス埋蔵を確保するため、ビル・クリントン大統領の任期中に、アメリカとイギリス石油企業コンソーシアムが、チェチェン国際テロ支持を組織した(1995-2009)。ロシア経由のカスピ海エネルギー輸送を排除するため、1991年、元国防次官補代理リチャード・セコード大将がアゼルバイジャンでMEGA石油を設立し、最終的に、それをコーカサス全体のムジャーヒド・テロリスト作戦基地に変えた。CIAは熱心にこの「活動」に関与し、アフガニスタンからアゼルバイジャンへ、オサマ・ビンラディンの「アルカイダ」ムジャーヒドを何百人も秘密裏に送るための陸路を開いた。1993年までに、MEGA石油は、2,000人のよく武装し訓練された過激派戦士を持っており、CIAは彼らの飛行機で、アフガン人や他のムジャーヒドをコーカサスに送り、そこから彼らは違法にジョージア国境を越えてチェチェンに送られた。
だから、ワシントンが最近の冒険で、ウクライナで、キエフ政権側で戦争に参戦する傭兵として積極的に(ロシアで活動を禁止された)テロ組織「イスラム国」過激派戦士を誘致する同じ枠組みを使い始めたのは驚くべきことではない。今年の4月、20歳から25歳の約60人の(ロシア連邦で活動禁止されたテロ集団)ISIS過激派戦士が、アメリカの諜報機関の関与で、シリア・クルド人に支配される刑務所から釈放されたことが知られるようになった。その後、彼らは後にウクライナ領に移されることを視野に入れて、戦闘訓練を経験するため、ヨルダンとイラク国境近くのシリア「アル・タンフ」米軍基地に移された。この米軍基地は、長い間アメリカにより「テロリスト・ハブ」に変えられ、そこでワシントンに支配される最高500人のイスラム・ジハード戦士が同時に教育され、訓練される。彼らは対戦車用ミサイル・システム、MQ-1C偵察・攻撃無人機の使用法や、高度な通信と破壊工作を教えられる。これら過激派闘士の中でも、アメリカは、ウクライナや旧ソ連社会主義共和国連邦の他の国々での彼らを使用する明確な目的で、最近コーカサスと中央アジアの国からの移民を好んでいる。ウクライナに加え、これら過激派闘士がアメリカにより、ここ数ヶ月中央アジア諸国で状況不安定化のため使われた可能性がある。
2月末、ウクライナに送るべく、シリアのイスラム主義集団傭兵をNATOが採用しているとシリア諜報機関が警告していた。軍事行動、テロ攻撃と破壊工作の経験を持った過激派戦士、それぞれ100人の、いくつかの集団の訓練が報告された。ポーランド経由で、このような過激派戦士をウクライナに送るアメリカとイギリスの諜報機関の行動計画も明らかにされた。アメリカ率いる欧米が、国際テロ組織ISIS(ロシアで禁止されている)からウクライナに過激派闘士を輸送している事実を、最近タス通信のインタビューで、駐ロシア・シリア大使リヤド・ハッダードが述べた。
ワシントンにとって好都合な地域(主に、軍事基地で)で、シリアのテロ集団ISIS、それ以前はアフガニスタンの主要人物を、アメリカが数年間かくまっていることが、このような過激派闘士がホワイトハウスに大いに必要なことを示唆している。彼らの血まみれの負担で、世界中にアメリカ覇権を広めるために。
ロシアと戦う計画で、アメリカを明らかに失望させ、現在のアメリカ軍・政治エリート集団に割り当てられた仕事に堪えないウクライナ・ナチを考慮して、今ワシントンの「いざという時の代替案」になっているのはISISなどのテロ集団過激派戦士だ。最初ホワイトハウスは中東で彼らを使ったが、今類似シナリオをウクライナで繰り返すことが可能で、彼らの手助けでキエフ・ファシスト政権の敗北を補償することを望んでいる。
しだが、ロシア軍の熟練した専門的行動は、世界で最も効果的な最先端兵器を効率的に使って、完全に、このようなアメリカの復讐計画を阻止し、日々、キエフのファシスト傀儡政権の叙事詩敗北を早めながら、同時に、テロリストを使って現在の政策を推進しているアメリカの本当の顔を世界に見せている。
ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/07/09/the-us-has-confirmed-its-inextricable-link-to-terrorists/
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そのまま日本での事件の説明のような記事題名。
最近良く聞いている唄に『鶴』がある。実に国際的な背景の歌。
ダゲスタン共和国のラスール・ガムザートフが、1965年に広島原水爆禁止世界大会に出席し、佐々木禎子の千羽鶴の話に感銘を受け、故国に帰ってから戦争で亡くなった人々、特に兵士を悼んで、彼らが鶴となって飛んでいて、自分もいつかそれに加わるだろうという内容の詩をアヴァル語で作った。この詩は1968年にナウム・グレーブニェフ(Наум Гребнев)によりロシア語に翻訳され、ウクライナ(キエフ出身)の音楽家 ヤン・フレンケリ(Ян Френкель)(1920-1989) が作曲した。
ダークダックス、ロイヤルナイツ、ボニージャックス、鮫島有美子も歌っている。
ウクライナ人歌手スビトラナ・ロボダ(SvitlanaSerhiivna Loboda)歌詞はロシア語。今は禁じられているのだろう。
ロシア人歌手ドミトリー・フヴァラストフスキーによる『鶴』
耕助のブログ 記事翻訳。属国の悲しい事実、大本営広報部大政翼賛会は決して報じない。
植草一秀の『知られざる真実』Thorsten J Pattberg氏
カルト教団会見については、デモクラシータイムス下記動画の5分あたりから、このインチキ速記者会見について横田氏が語っている。このカルト組織の速記者会見を認められた組織、呆導機関だという証明。記者会見と表記せず、速記者会見と表記するものしかない以上、パンドラの箱は閉じられたまま続くことを意味する。Thorsten J Pattberg氏がおっしゃる通り日本の主権が回復しない限り。1000年後か。
【横田一の現場直撃 No.171】◆これが最後のアベ直撃!◆教団大熱狂!アベ秘書候補集会 ◆どうする?立民 案の定、敗北 20220711
日刊IWJガイド
「衝撃! 統一教会と安倍晋三氏はCIAの日本工作の手段!?/IWJの財政は大ピンチ! 月末までに878万が不足!! ぜひ、ご支援を!」
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いつもありがとうございます。今日は「鶴」の歌を思い出させてくださいました。
投稿: Ken-ichi Tozaki | 2022年7月14日 (木) 18時51分