アメリカ指導部が永久に「ロシアを解体する」計画出現
2022年6月29日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook
ロシア連邦は「アメリカを破壊する:道徳的要請」と題する新たな原則を考え出した。もちろん、本当ではない。だがアメリカは、まさにロシアに「対処する」この戦略を発表したのだ。欧州安全保障協力機構(CSCE)版は「ロシアを非植民地化する」という題だ。どうやら、計画は世界最大の国を完全に破壊はせず、管理しやすい小国に分割する戦略に過ぎない。
いや、これは冗談ではない。1975年に、アメリカ議会によって作られたCSCE(別名アメリカ・ヘルシンキ委員会)が、6月23日、アメリカが率いる原則を論じるために会議を行った。読者は、下記の前置きの言説で、これら戦略会話の調子を把握できる:
「ウクライナに対するロシアの野蛮な戦争、その前の対シリア、リビア、ジョージアやチェチェン共和国戦争はロシア連邦の悪質な帝国という性格を世界全体にさらした。」
野蛮?NATOやアメリカの戦争が、決して野蛮に分類されないのは奇妙はないか?これは忘れて頂きたい。皆様は理由を知っている。私の報告にとって重要なのは我々が、考え方と行動の上で、ロシアと文字通り戦争をしているという事実だ。
そしてCSCEが無力なシンクタンクだと考える方々は、この委員会が、下院議員9人、上院議員9人と、国務省、国防総省と商務省から、それぞれ一人で構成されていることをお考え願いたい。だから、事実上、ロシアを屈服させる上で、アメリカ政府は総員参加を認めているのだ。
私は皆様方、専門アナリストにとってさえ、それが、どれほど正気でないか耐え難いのを知っている。だがこの「計画」は本物で、地政学的心臓発作のなみに本気だ。
私が先日この「非植民地化サミット」をたまたま見つけた際、元ウクライナ議員のアンナ・ゴプコがパネルディスカッションのメンバーなのに興味を持った(笑わせられた)。2月にロシアの野蛮人がウクライナの首都の門を激しく攻めた際、彼女の子供のハムスターと一緒に、キーウの外に隠れたことに関する、この勇敢なユーロマイダン組織者の記事を一体誰が忘れることができるだろう?
まあ、この民主化活動家は、どうやら、プーチンの大群から逃れ、更に多くのミサイルや包帯のためロビー運動すべく、まっすぐワシントンに飛んだのだ。今彼女は、プーチンと彼を支持した連中を殺害した後、ロシアをどうすべきか計画している。申し訳ない。指摘しなければならないことがあった。近頃、活動家は、70代のヒッピーより遙かに本気だ。そして今日の燃えるような髪の慈善家は「道義的」「戦略的」という単語を、奇異なイデオロギー的概念に結合するのに成功したのだ。もし皆様が同意しないなら、皆様は不道徳か、裏切り者か、その両方に違いない。
私はここで、はっきりしておきたい。これらの人々は、単に、ばかもの、あるいは見当違いの熱狂者と分類することはできない。彼らは、皆様が典型的定義とみなすだろうものによる、悪でさえない。もし皆様が、委員会のYoutube経由で、会合をご覧になれば、彼らの物語の現世を超越したような誠実さに、私がそうしたように、皆様も震えあがるだろう。政策相談役と呼ばれる司会者バフティ・ニシャーノフが、かなりの時間、抽出されたことのように「ロシアを非植民地化する」ことを語る。冗談ではない。
イギリスのグレート・ゲームを忘れさることができるかのようだ。だが、リベラルな世界秩序の最終制覇という彼らの構想を探り出しながら、是非とも参加者たちの目をじっと見て頂きたい。この議論のパネリスト連中は、ほんのわずかの権力を与えられたエセ知識人だ。そして、これほど危険なことはない。だが、彼らの役割は、エリートが微調整した腐敗した官僚体制の代理人だ。集まって、登録名簿に彼らの名前を書く政治家連中さえ、ごく少数しか語らない階層体制の駒だ。
そのロシア理解の深みは、ウラジーミル・プーチンと、ロシアのブロガー/犯罪人オレクシイ・ナヴァーリヌイであるように思えるテネシー選出下院議員スティーブ・コーエンの発言は特にぞっとする。そうなのだ。この「重要な」戦略組織の共同議長は、もう一つの世界から、これらロミュラン人が、ロシアと地球の未来を議論するのを聞くため出席していたのだ。これらの語り手連中は、本当にどの問題も理解さえしておらず、彼らはアクチュエーター役割を果たすべく、そこにいるのだ。コーエンと仲間は、世界秩序のより広範な戦略を実行する機関や人々に資金供給しているだけだ。
この委員会におけるコーエンの仕事は、彼を推薦した民主党幹部ナンシー・ペロシがしろと命じることを何であれ実行することだ。そして議会のトップ民主党議員としてのペロシの役割は、何よりも、エリート体制の狙いが実現するのを保証することだ。彼女は自分がする恐ろしい取り引きのいずれも理解するには余りに愚かだが、彼女は効果的な語り手だ。想起願いたい。彼女はわずか数週間前、ウクライナでゼレンスキーと一緒だった。彼女はアメリカのテロ支援国リストにロシアを入れる動きの親玉オウムだ。この最近の書き起こしで、皆様はプーチンの武器としての「残虐行為」や「野蛮な行為」のようなよく知られた教義をご覧になるだろう。
前に言及した議論で苦しむ、いささかでも客観性がある誰であれ、彼らのごまかしや脚色を見破ることができる。彼らの、どれであれ、もう一つ皮をめくれば、ロシア憎悪という根幹が見える。ボタコズ・カシンベコワとオクサス協会は、マイケル・マクフォールにつながっている。国立防衛大学のエリカ・マラトは紹介不要で、直接アメリカ国防省と結び付いている。ファティマ・トリス、あるいはトリソワは、全米民主主義基金の研究員で、ボイス・オブ・アメリカや他のプロパガンダ放送局で美化されている。そして著者ケイシー・ミシェルは、ロシア「非植民地化」という彼の考えの多くをまき散らした、今は亡きロシア嫌いズビグネフ・ブレジンスキーの愛好者だ。
The Atlantic誌での「ロシアを非植民地化する」というミシェルの主張で、エリートのこのチェスこまは、ディック・チェイニーのような戦争屋について、彼らは自身のイメージに恋する権力に飢えたマニアではなく、アメリカン・ドリームの筋金入りの支持者、利他主義者であるかのように語っている。いや、本当だ。皮肉にも、ミシェルは、チェイニーが大失敗だったのを認めてはいるが、彼の支持者たちの考えは、ロシアを永久に破壊するという前副大統領の狂った願望を反映しているように思われる。CSCEは「より良いロシア」が最終目的だと我々に保証してはいるが。
最終的に「非植民地化ロシア」の発表は、会議を「議論」として言及していない。その代わりに、コーエン下院議員がロシアとウクライナに対する最新外交政策戦略について「ブリーフィングされて」いたように思われる。これを目指して、アメリカに雇われた、これら天才理想主義者は、この実行計画に達したのだ。
「ロシアを非植民地化することが、以前それが占めていた領域にとって重要なのと同様、その歴史を再処理することも、現在の国境内で、ロシアの生存のために重要だ。」ボタコズ・カシンベコワとエリカ・マラト
それで、アメリカ政府は非常に寛大で自信に満ちているので、ディック・チェイニーが望んでいたように手足を完全にばらばらにせず、ロシアが存在し続けるのを許す。
そして、ロシアが、どれほど外部の影響力とウクライナでのNATOを恐れるか理解し損ねている人々がいるのだ!
フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者、東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
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