他の主流メデイア全員同様、タッカー・カールソンも宣伝屋
2022年7月2日
ケイトリン・ジョンストン
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フォックスニュースの途方もない人気の右翼評論家タッカー・カールソンは、2018年のロシアゲート・ヒステリー絶頂時、最も狂った主流リベラル評論家の中でさえ居心地がよかったはずのモスクワに対する態度並みの北京に対する精神病質的主張で、ブラジルの右翼ジャイール・ボルソナーロ大統領とのインタビューを見せ、またもや番組の反中国プロパガンダを強化した。
今年10月の大統領選挙で、ボルソナーロが左翼対立候補ルーラ・ダシルバに対するひどく惨めな支持率を逆転するのを助けようと試みる前に、カールソンは「中国は世界を乗っ取る思惑で忙しい」という全く証拠のない主張から始めた。
あらゆる事実は、中国は「世界を支配しよう」としておらず(それはアメリカがしていることだ)、むしろ一つの一極覇権国に支配されない多極世界秩序をもたらすべく動いていることを示している。今まで、中国が、一極覇権者としてアメリカに代わろうとしていると主張するために人々が引き合いに出す全ての事実は、掘り下げて見ると、実際は、多極主義という北京が述べている狙いと完全に一致している。この地球はアメリカ政府の財産だと信じる世界観のプリズムを通して見る時にだけ、世界舞台で、より多くのスペースを取っている中国が言語道断な襲撃に見えるに過ぎない。
アメリカ帝国が、自身の重荷で押しつぶされ、地球を支配する熱狂的な試みで、僅か数十年で自身を焼き尽くすのを北京が見て、「おい、驚嘆に値するように見えるな、あれをしよう。」と思っていると主張するのは途方もないから、中国には「世界を支配する」思惑があるというカールソンの主張は、それだけで、ばかばかしい。
Tucker Carlson’s neocon is showing in this completely hysterical op-edhttps://t.co/NYJbCsV4lE pic.twitter.com/DEzcR3IANx
— Dave DeCamp (@DecampDave) July 1, 2022
カールソンは「中国はアフリカ大陸全体を再植民地化するのに成功した」という更に一層ばかばかしい主張もした。アフリカ大陸がアメリカ・アフリカ司令部(AFRICOM)によって軍事的に、世界銀行、IMFや欧米の富豪や企業に経済的に支配されながら、アフリカが、どうして中国に全部「再植民地化された」のかカールソンはあえて説明しない。
明らかに中国政府はアフリカでの中国インフラ計画から何も得ようとしない献身的殉教者によって運営されていないが、多数の軍事基地と膨大な代理軍や世界銀行とIMFのすさまじい新植民地主義で大陸を支配しているアメリカと同じ水準で扱うのは馬鹿げている。アフリカにおける中国インフラ整備を知的に誠実な調査をした誰でも、それが遙かに互恵的で、何世紀も大陸を搾取してきた欧米圧政体制より、遙かに、より 倫理的だと知っている。
「するとニューヨーク・タイムズはなぜ、こうしたことについて何の記事も書かないのか?」カールソンは彼の頭の中で発明したアフリカの恐怖について問うのだ。「皆様は理由をご存じだ。ニューヨーク・タイムズは中国側だから。」
カールソンはウソをついている。彼のこの主張、ニューヨーク・タイムズが「中国側だ」は、本当にカールソンのポピュリズムお決まり芸の詐欺的本質を明らかにする。このメデイアが、過去数日の少数の例だけでも、これや、これや、これや、これのように、中国に対して非常に批判的としか言えない記事を熱狂的に大量に作り出しているのを示すには、NYTウェブサイトで「中国」というキーワードで短時間検索するだけで十分だ。
Tucker Carlson: "The New York Times is on China's side."
— Caitlin Johnstone ⏳ (@caitoz) July 2, 2022
The New York Times: pic.twitter.com/NDBDf0n2ca
これがどのよう機能しているか、皆様おわかりだろうか? 彼らが決してニューヨーク・タイムズのエリートや、ワシントンの有力者連中からは聞けない知識を視聴者と共有する反体制の英雄としてカールソンは自分を描き、それから完全にそれら支配組織の思惑と完全に一致する内容を話すのだ。皆様はこれが、実際には視聴者を、権力者連中の長期的目標に協調させながら、密かに権力者連中が本当に何をしようとしているかに関する内部スクープを得ていると信じるよう視聴者をだますか、おわかりだろうか?
ウクライナでのアメリカ代理戦争のように彼が批判するのと同じことをいくつか私も批判しているから、私の読者はカールソンの聴衆と多少重なり、彼がCNNやMSNBCの帝国スピン・ドクターと同じぐらいの宣伝屋だと私が言うと、一部の読者は困惑し、動転する。だが、皆様が実際にカールソンが日々していることを見れば、皆様は、アメリカで右翼ポピュリスト党派が反対する帝国行動の一部だけを批判し、牧羊犬のように聴衆を絶えず群れで動かし、中国との冷戦のような支配体制の狙いを支持し、二大政党選挙政治を合法化し、皆を味気ない文化戦争のたわごとに執着させておく。
寡頭政治帝国にとって、中国の勃興を止め、アメリカ覇権を確保する以上重要な狙いはなく、その狙いの同意をでっち上げる上で、タッカー・カールソンより効率的な人物はいない。彼は権力と戦う様子を示して、信頼性を獲得し、それからその盗んだ信頼性を、権力者連中の最も優先度の高い狙いへの支持をでっち上げるのを支援するために使う。
それは、人生が中央情報局との大いにいかがわしい重複に満ち、CIAに応募したと実際に認めている人物に期待できる行動に過ぎない。
[Thread] New from me. Did Tucker Carlson really fight for the Contras in Nicaragua in the 1980s? Newly uncovered recordings suggest that he might have.
— Alan MacLeod (@AlanRMacLeod) February 26, 2022
Read my new @MintPressNews article on Tucker’s background here. https://t.co/rVqmEIaSlP
カールソンは「ブラジルが中国植民地になるのを許す」のに反対する指導者としてボルソナーロを紹介し、彼の真に受けやすい聴衆の心に、これが本当だという考えを植えつけた。中国は世界を乗っ取ろうとしており、強力な政治、メディア支配者は自分たちで世界を支配したいと望んでおり、それらエリートと戦う最も良い方法は、中国に対する戦いを支持することだ。国防総省が中国はアメリカ第一の敵だと公然と言い、全ての政治/メディア支配階級がそれを止める狙いと堅く連携している事実は決して気にかけるな。
全員がロシアとウクライナに注目する中、対中国プロパガンダ攻勢は、その陰で、静かに激化していた。私がソーシャルメディアで中国に言及すると、タッカー・カールソンや彼のお仲間「右翼ポピュリスト」評論家を聞いている人々から受ける反応の愚かさと、白人の熱い情動性に、ひたすらゾッとする。
一部には、これが極めて危険で、経済的に悲惨だという自明な理由から、更には、私の記事に、これら全ての洗脳されただまされやすい人々が群がるのは非常に極めて不快だから、帝国の十字照準線が北京に移動するのを、私は本当に、期待していない。連中は既に狂っているが、このプロパガンダ攻勢が益々勢いを増すにつれ、彼らは一層狂わされようとしている。
皆様が、この策略にだまされているなら、一歩下がって、マードック報道機関で最も著名な評論家から、勇敢な反体制言説を聞いていなかったと悟るのは遅すぎない。事態が台なしにされているというあなたの直感に対する正しい対応は、アメリカ二大政党の一つに投票し、主流メディアを消費し、政府の敵を憎むことだと皆様に言う人は誰であれ、実に明らかに皆様をだまそうとしているのだ。
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大本営広報部は物価選挙と勝手に呼んでいるようだ。浜矩子教授の言われる通りデタラメな経済政策で与党が日本経済を徹底破壊した以上、、まともな野党がどんな正しい政策を推進しても簡単には修復不可能。
物価選挙ではなく「アジアのウクライナになるか否か」という最後の選択のはずだ。
デモクラシータイムス 59分
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