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2022年7月25日 (月)

「次のウクライナ」としてのポーランドの立場

2022年7月19日
Brian Berletic
New Eastern Outlook

 ウクライナでのキエフ軍の終局的「勝利」の希望に欧米政府と欧米メディアがしがみつき続ける中、「前線」は静かに西ウクライナやポーランド国境にさえ押し戻されている。NATOによる最近の誓約と今年と来年の武器送付は、アメリカ率いるNATOが、ロシアに対して使用する破城槌として、ポーランドを利用する方向に向かっているように思われる。

 最近、ポーランドは、必ずしもロシア軍と直接対決するためではなく、アメリカとNATO-同盟国トルコがシリアでしたのと全く同様、西ウクライナに「緩衝地帯」を設置するため、ウクライナへのNATO侵入の足がかり役を演じることができる。

 継続する軍事力強化

 早くも2022年2月初め以来、ポーランドはアメリカ部隊強化を受け入れた。2022年2月5日の記事「ロシアの軍事力強化の中、NATOを強化するためアメリカ兵ヨーロッパに到着」で、アメリカ国営メディア、ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーが、アメリカ軍のヨーロッパへの動き、特に、ポーランドと、ドイツ駐留アメリカ部隊のウクライナと境界を共有するルーマニアへの移動を指摘した。

 最近、ロイター記事「NATOが東側面を強化する中、ヨーロッパでの軍事的存在を強化するアメリカ」が、こう書いている。

 ロシアのウクライナ侵略に応えて、NATOが冷戦以来最大の抑止力強化に同意する中、水曜日にアメリカのジョー・バイデン大統領は、ヨーロッパのために、より多くのアメリカ兵、軍用飛行機と軍艦を約束した。

 記事は特にポーランドにも言及し、こう述べている。

 アメリカはポーランドに、新しい恒久的軍司令部を作るが、ワルシャワは領土に長年、恒久米軍事基地を求めていたので、すぐさまポーランドのアンドレ・ドゥダ大統領に歓迎された。「我々が今いる困難な状況で、大いに我々の安全を強化する事実だ」とドゥダは言った。

 類似の感情が、2014年以来、ウクライナにおけるアメリカ-NATOの関与を強化するのを助け、いかなる「安全」感覚を強化するのではなく、究極的に現在の危機を引き起こしたことを念頭におくべきだ。

 ポーランドは、この強化の最も論理的な地理的場所というだけでなく、最も論理的な政治的場所でもある。現在のポーランド政府は、ロシアとのワシントン代理戦争で、ウクライナの支持と、継続的な欧米の関与を政治的に正当化するため使われるロシア憎悪言説を大いに同調して、中心的役割を果たす意欲を明らかにしている。

 「ポーランド、アメリカ製M1エイブラムス戦車第一陣納入を受領」という題の最近の記事でトルコ国営メディアは、ポーランド自身の軍事力増強に注目している。益々多くのアメリカ兵を受け入れるのに加え、ポーランドはアメリカと同盟諸国国が持っている最新の最も高度な兵器を購入している。記事は、こう書いている。

 4月5日、32機のF-35ジェットのためのワシントンとの2020年12月の協定に続き、ポーランドはアメリカから250台のMA1 SEP戦車を買う約47.5億ドルの契約書に署名した。

 ポーランドが、更に116台の中古M1エイブラムス戦車購入に関して、アメリカとの契約に合意したことも明らかにした。

 PAPによれば、エイブラムス戦車は「侵略者を阻止する」ため、ポーランド東国境近くで活動するとブラシチャクが強調した。

 記事は、ポーランドの、高機動ロケット砲システム(HIMARS)、トルコのバイラクタルド・ローン韓国からの追加の戦車購入にも触れている。

 東ヨーロッパのNATO張り子のトラ

 サウジアラビアで使われているM1エイブラムスが、イエメンで競り負けて、破壊されるている中、ロシア航空防衛システムが、ウクライナ領空で、トルコ製バイラクタル無人飛行機を排除し、最近では、ロシアの長距離兵器がウクライナの戦場で、アメリカ製HIMARSを発見し、破壊し始めており、アメリカや同盟諸国が生産する、かつては称賛された兵器システムは最近大いに苦境に立っている。

 明らかに、これら兵器システムは前評判ほど手ごわくはない。成功の秘訣は、比較的最近まで、アメリカが醸成しようと試みている軍事的優位性の錯覚を傷つけることが可能な国や組織との戦争を避け、慎重に、敵を選ぶワシントンの能力だった。

 イエメンにおけるサウジアラビアのM1エイブラムスの損失は大いに懸念となり、アメリカ政策当局は代替物を供給する考えを問題にした。2016年「サウジアラビアに戦車を売るのは、それほど良い考えか?」という題の記事でブルッキングス研究所はこう指摘する。

 今週、153台のM1A2エイブラムス主力戦闘戦車と20台の重戦車回収車、プラス様々な弾薬、兵器や他のキットをサウジアラビア軍に近々の販売することに関して国務省が議会に通知した。この通知の中に、エイブラムス戦車20台が戦闘で破壊された戦車に置き換わるよう意図されているという記述が小さな文字で書かれた条件中に埋められている。サウジアラビア戦車が使われている唯一の場所は、王国の南西、サウジアラビア・イエメン国境沿いで、16カ月前の戦争の始めからフーシ派反抗者が驚くほどサウジアラビア内の標的攻撃する効果を上げている。20台以上のサウジアラビア戦車が破損してるのは、多分ほぼ確実だ。王国はエイブラムスの400輌の在庫を持っている。

 一方ウクライナでは、アルジャジーラを含む親欧米派報道機関さえ、彼らの記事「ウクライナのトルコ・バイラクタル・ドローンの使用について我々は何を知っているか?」でトルコ製パイラクタルのような誇大宣伝された兵器の限界を認めた。記事は指摘する。

 ロシア軍の力を考えると、無人飛行機は、ウクライナでどれだけ効果があるのだろう?

 「それは大いにロシアの航空防衛に依存する。TB2のようなドローンは航空防衛システムに対して脆弱だ。効果的であるために、彼らは賢明な方法で、敵レーダーの「目をくらませる」他の電子戦システムと連携し、適切な戦術で使う必要がある」と[スイス連邦工科大学チューリッヒ校の軍事技術・国際防衛首席研究員]マウロ・ジリが言った。

 「だが有能な敵に対し、これら技術と戦術は十分ではないかもしれない。リビアで、ロシア軍がトルコの戦術に対処し、無人飛行機を撃ち落とす効果的な方法を考え出した。同じことがシリアとナゴルノ-カラバフでも見られた」と彼は付け加えた。

 7月初旬、ロイターは、アメリカ製のウクライナHIMARS二基の破壊とされるものを報じ、7月中旬、更なるHIMARSの破壊とされるものをニューズウィークが報じており、欧米政府やメディアが推進した最新「奇跡兵器」は、最近もてはやされた他の高度な欧米兵器と同様、脆弱で、迫力に欠けるように見える。

 ポーランドにおける、これら全ての先進的システム強化は、必要に応じて「侵略」に対しNATO指導部と欧米メディアに推進されているが、国と地域安全保障を本当に保障する絶対的基本の一つの代用品だ。

 本当の安全保障のために、ポーランドが本当に必要なもの

 ロシア連邦は、これらの基本の理解を示しただけでなく、それを実行に移した。欧米解説者たちさえ留意し始めた。

 英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)が発表した2022年6月「産業戦争の復活」という題名の記事が、比較的少量で生産される高精度な軍需品による「効率」への注力より、比較的平凡な弾薬や、大規模に製造される軍装備品の方が、戦場での勝利には遙かに不可欠だと説得力を持って論じている。基本的小火器用弾薬と通常砲弾が、引き合いに出された例にあった。弾薬は、絶対に不可欠で、膨大な量が必要で、戦場では欧米からウクライナに送られたハイテク兵器よりはるかに大きい影響を与えるのだ。

 ウクライナで今展開している出来事の前、ロシア連邦が追求したヨーロッパとの外交と経済協力は、少なくとも一部ヨーロッパ諸国がワシントンについて、危険なエスカレーションに向かう能力、と/あるいは願望を低減したと論じることも可能なはずだ。

 だが何よりも、ポーランドや他のヨーロッパ諸国(国家安全保障が実際の優先事項ならば)は独立した外交政策が必要だ。ヨーロッパだけではなく、大西洋対岸のワシントンやウォール街の、わずかひと握りの大企業・金融業権益に影響される、選挙で選出されない官僚のものではなく、それぞれの国の最大利益を反映する政策が。

 これら選り抜きの、わずかな既得権益集団の中でも、平和と安定(あるいは全員の繁栄)ではなく、紛争が勝る時、特に繁栄するのが兵器製造業者なのは指摘されるべきだ。

 この後者に対する注目は、軍事的要因に焦点を当てる必要性の優先度を下げるかもしれない。

 地域安全保障の鍵は、地域の安定促進だ。欧州連合の国境沿いや、国境を越えて、遙か遠くへのアメリカの政治干渉を支援したり、あるいは無関心でいたりするヨーロッパの役割が、そもそも絶え間ない軍事出費を必要とする不安定を生み出したのだ。NATO侵略の標的にされた中東や北アフリカの破壊された国々から逃れる難民の流れであれ、東ヨーロッパで、アメリカが支援する政権転覆後、悪化する社会経済的の危機であれ、彼らが直面する危機の「原因」に対処する上でのヨーロッパの能力のなさが、それに続く緊急の「影響」を対処するために常に増大する投資という結果になっている。

 現在のポーランド指導部は、上記のいずれにも焦点を当てておらず、最近の政策決定は、ポーランド国民のために安全保障と安全を強化するためだとしながら、実際、ポーランド政府は、その代わりに、ウクライナや他の戦場で全く不適切だと証明された兵器システムや戦略手法に頼りながら、ワシントンのため緊張を更にエスカレートさせている。

 ポーランドや他のヨーロッパ諸国指導部が、ウクライナと一緒に、ワシントンの対ロシア代理戦争を全面負担し、自滅の道を進み続けるのか、本当の安全保障や安定や繁栄を追求すると決めるのかどうかは、時間がたたなければ分かるまい。彼らが後者を選べば、彼らが、それを使うと想像している「敵」は貿易への関心がより高いので、紛争に対処するための軍事手段への大規模投資は必要ないことに気がつく可能性が高い。

 Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/07/19/poland-s-position-as-the-next-ukraine/

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 「次のウクライナ」としての日本の立場 こそ問題なのだが。大本営広報部は触れない。

 寺島メソッド翻訳NEWS

現在ウクライナ政府を実質支配している民族主義ファシスト集団の残忍な手口の伝統は、第二次世界大戦以前に遡る

 アメリカの公共放送NPRがウクライナ批判! つまりアメリカ政府が方針を変えたのだとThe Jimmy Dore Show。

 NPRについてのWikipediaの一部を引用しよう。

NPRの予算は12%が連邦および州政府からの交付金、50%が聴取者とスポンサーからの寄付金、残りは財団や大学などから提供される。

 The Jimmy Dore Show

NPR Turns Against Ukraine! 16:43

 文科相は、統一教会支援が職務。下村の釈明と前川氏の説明、どちらが真実かは明白。

 下村博文氏 旧統一教会の改称に関与を全否定も…関連団体との“親密交流”報道で説明求める声

 日刊ゲンダイDIGITAL

前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【前編】文化庁では教団の解散が議論されていた

 日刊IWJガイド

「末松信介文科相、統一教会へのメッセージ送付、パーティー券を買ってもらったことを認めながら『何らやましいものは一切ない』と開き直り!」

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