ペロシ台湾訪問でギンギンの戦争挑発屋共和党
2022年7月26日
ケイトリン・ジョンストン
❖
80代の下院議長ナンシー・ペロシは、第三次世界大戦を始めようとして、ロシアを公式に「テロ支援国」に指名するようバイデン政権を押しやり、ここ数日で、台湾への気まぐれな挑発的訪問を計画して、この世の晩年を過ごすと決めたのだ。
主要アメリカ当局者による数十年で初の台湾訪問は、攻撃的エスカレーションであり、ワシントン公式の「一つの中国政策」の言語道断な違反と見なすと、北京は明らかにした。
「更に重大な影響なしで、台湾に対する中国の感情を目に余るほど無視し続けられるとアメリカが考えるのは間違っている」と8月に計画されたペロシ訪問のニュースに応えて中国当局者がワシントン・ポストに言った。「ナンシー・ペロシのような人物は道徳性を装って中国を不安定にすると決めている」ペロシは「中国の発展を公然と脅かした」と付け加えた。
中国国営メディアは「ペロシの台湾訪問は、未曾有の軍事的圧力を含め、中国の強力な反応を確実に招く露骨な挑発だと、一層素っ気なく述べた。彼女は我々を戦争の瀬戸際に追いやり、危険な瞬間を作り出している。何事もなく済むとは誰も保証できない。」
.@SpeakerPelosi. Nancy, I'll go with you. I'm banned in China, but not freedom-loving Taiwan. See you there!
— Mike Pompeo (@mikepompeo) July 24, 2022
ペロシの常軌を逸したエスカレーションは、世界最悪連中の一部から支持されているが、多くはアメリカの幻影政治分裂の反対側からだ。
「ナンシー、私はあなたと一緒に行く」とトランプ政権の戦争挑発屋国務長官・CIA長官マイク・ポンペオがTwitterで書いた。「私は中国には入国が禁じられているが、自由を愛する台湾では禁じられていない。そこで、あなたと会おう!」
「ペロシに台湾に行かせろ」とトランプの血に飢えた国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトンがTwitterで書いた。「誰が実際アメリカ外交政策を支配しているかについて、それは我々に大いに物語っている。ワシントンか北京か。怒鳴りつける以上に何かするのは、我々より、彼らにとって遙かに危険だ。」
「一つの中国政策は有効期限を過ぎており、戦略的曖昧さから離脱する頃合いだというのが私の個人的見解だ」と台湾の蔡英文大統領との会談中、ペロシ訪問ニュースの後、トランプ政権のマーク・エスパー国防長官が述べた。
「アメリカで[戦略的曖昧さに関して]国民的議論を始めることが重要だと私は思う。もし我々が台北で作られている大胆な決定を示すことができるなら、アメリカ人を教育するのに役立つだろう」とエスパーは補足した、この問題に関する国内プロパガンダの明らかな呼びかけだ。
「アメリカ当局者がどこを訪問するかに関し、中国が発言権を持つべきではないと私は思う。議長が行きたいと望むなら行くべきだ」と私は思うとエスパーがCNNのNew Dayで言った。
「ペロシ下院議長は絶対に超党派下院議員派遣団を台湾に連れて行くべきだ」と共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長がTwitterで書いた。「私は台湾を訪問する最高位のアメリカ当局者だ。ジョン・ディンゲルと他の民主党議員はGOPメンバーに合流した。共産中国は議長訪問を命令できない!」
「トランプが支援するアメリカ・ファースト政策研究所の会議で、ナンシー・ペロシが一斉に沸き上がる拍手喝采を受けたと知って、皆様は驚かれるだろうか?」と月曜に、ジャーナリストのマイケル・トレーシーが会議からTwitterで書いた。「それが、まさに起きたことで、ニュート・ギングリッチは彼女の台湾訪問支持を宣言した。」
月曜に「ペロシ下院議長は台湾に行くべきで、中国共産党がそれに関してできることがないことを、バイデン大統領は、習主席にはっきり言うべきだ」と共和党のベン・ザッセ上院議員が言った。「もはや弱さや自己抑制はなしだ。これは非常に単純だ。台湾は同盟国だ、下院議長は共産中国の脅威を、にらみ倒す台湾人男女と会うべきだ。」
現在のアメリカ政策下、台湾は実際、正式同盟国ではないが、それが、まさに、一つの中国政策と戦略的曖昧さを断念しろというこれら全ての要求が狙っているものだ。
ペロシの台湾瀬戸際外交を阻止するため、バイデン政権が何かすれば、バイデンを習近平の操り人形と攻撃するため、GOPに武器化されると示唆しているので、ザッセ発言には特にゾッとさせられる。これはロシアに対し冷戦エスカレーションを強化するためトランプ政権に政治的圧力をかけるべく、クレムリン忠誠非難を利用して民主党が四年過ごした方法の完璧な反転で、二つの核保有国間の危険な侵略をお膳立てするのに役立つ。
北京への忠誠へのタッカー・カールソンのような共和党スピン・ドクターによる熱狂的非難を我々は既に目にしているが、それは2020年選挙前に、バイデン大統領下で起きると私が警告したものだ。
中国の話になると、いわゆる「ポピュリスト右翼」は、ナンシー・ペロシや、ビル・クリストルや、マックス・ブーツやジョン・ボルトンのような殺人ネオコンと足並みを揃えている。北京政権転覆に対するスティーブ・バノンの支持は、ビル・クリストルの北京政権転覆支持と区別できない。トランプ支持者が、いかなる知的正直さであれ、彼らの派閥と、ネオコンとリベラル・タカ派の、この完全な調和を取り上げるのを皆様は決して目にするまい。
実際には、共和党は、対中国攻勢を支持する傾向があり、民主党は、対ロシア攻勢支持に傾斜する傾向があるが、彼らは、いずれも全世界支配という同じ一極主義の狙いのための同意をでっちあげているに過ぎない。彼らは対立しているふりをしているが、皆様が言説を無視し、行動に注目すれば、見えてくるのは、どんな犠牲を払っても、一極世界覇権を確保するというアメリカ帝国の長く続く狙いを推進するよう意図された着実にエスカレートする「大国の競合」だ。
陣太鼓は、益々大きく鳴っており、それを食って生きる精神病質者は益々興奮している。この奇人が我々全員を殺す前に、この悪の帝国が、できるだけ早く、可能な限り穏やかな方法で終わるよう願おう。
_________________
私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!
----------
インドの放送局 題名が過激。
耕助のブログ
櫻井ジャーナル
西谷文和路上のラジオ
デモクラシータイムス
« 主要競争相手のEUを、アメリカはどのように殺しつつあるのか | トップページ | ペロシ台湾訪問を、中国は、どのように警告しているか »
「アメリカ」カテゴリの記事
- パトリック・ローレンス:予想通りのトゥルシ・ギャバード屈服(2025.01.20)
「中国」カテゴリの記事
- 就任さえしていないのに既に全面戦争を誓うトランプ(2025.01.15)
- マイクロチップ、海、戦争(2025.01.13)
- エリート主義的暴政が暴露され、崩壊しつつある「欧米民主主義」(2024.12.13)
「二大政党という虚構・選挙制度」カテゴリの記事
- 民主党はあなたが彼らに投票するかどうか気にしないし負けるかどうかも気にしない(2024.09.15)
- ハリスとトランプの討論会(2024.09.12)
- 虹色の旗による虐殺 対 MAGA(アメリカを再び偉大な国にする)帽子による虐殺(2024.09.12)
- トランプ党対チェイニー党(2024.09.10)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- 帝国が中東を焼き尽くす一方、アメリカ国内ではホームレスが急増(2025.01.02)
- この大量虐殺は西洋文明全体の責任だ(2025.01.04)
- イスラエルはガザの民間人を故意に殺害しており、それは議論の余地さえない(2024.12.31)
- イスラエルはシリア問題に介入するつもりはないというネタニヤフ首相の滑稽な主張(2024.12.17)
- 「テロ組織」は、アメリカがそう呼びたいもののこと(2024.12.16)
« 主要競争相手のEUを、アメリカはどのように殺しつつあるのか | トップページ | ペロシ台湾訪問を、中国は、どのように警告しているか »
コメント